ヘビークリームは、濃厚でリッチな味わいが特徴の乳製品です。その名の通り、他のクリーム類よりも乳脂肪分が高く、ずっしりとした重みが特徴。料理やお菓子作りにおいて、コクや風味を格段に向上させる効果があります。この記事では、生クリームとヘビークリームの違い、定義、使い方から、海外での選び方、英語表現までを徹底的に解説します。
生クリームの基礎知識:その定義とは?
生クリームは、牛乳から乳脂肪分を分離し、その濃度を高めたものです。乳及び乳製品の成分規格等に関する命令(乳等命令)において「クリーム」とは、『生乳、牛乳又は特別牛乳から乳脂肪分以外の成分を除去したもの』と定義されており、成分規格として乳脂肪分は18%以上と規定されています。つまり、乳以外の原材料が含まれることはありません。植物性油脂や添加物が含まれるものを「生クリーム」等と表示することはできません。
生クリームに関する英語表現集
生クリームは英語で「fresh cream」や「heavy cream」と表現されます。「fresh cream」は一般的な生クリームを指すことが多いのに対し、「heavy cream」は乳脂肪分が高く、より濃厚なクリームを意味します。他にも、「dairy cream」や「whipping cream」が生クリームの英語表現として用いられます。ちなみに、泡立てた生クリームは「whipped cream」と呼ばれます。dairy(乳製品)
ホイップクリームと生クリームは何が違う?
生クリームとホイップクリームの違いは、その原料と製造方法にあります。生クリームは上記のように、乳脂肪分を濃縮したものを指しますが、ホイップクリームは生クリームに植物性脂肪(主にヤシ油、パーム油、パーム核油、大豆油、なたね油など)分を加えたり、植物性脂肪分のみを原料として作られたりします。そのため、ホイップクリームは「生クリーム」とは表記されず、「ホイップ」や「フレッシュ」といった名称で販売されるのが一般的です。
アメリカのスーパーで生クリームを探す:種類と特徴を知ろう
アメリカのスーパーマーケットでは、様々な種類の生クリームが販売されています。代表的なものとしては、「Heavy Cream」や「Heavy Whipping Cream」(乳脂肪分約36%〜38%)があり、これらはホイップクリームを作るのに最適です。ただし、日本のケーキ用クリーム(乳脂肪分42〜45%程度)と比較すると、乳脂肪分が若干低い場合があります。さらに乳脂肪分が高い「Double cream」(約48%)は、より濃厚で泡立てやすいですが、分離しやすいという点に注意が必要です。
アメリカにおける生クリームの種類と乳脂肪分
アメリカで一般的に手に入る生クリームの分類と、おおよその乳脂肪含有量をご紹介します。
- Half-and-Half: 乳脂肪分 約10.5%~18% (泡立てには不向き)
- Light Cream: 乳脂肪分 約20%
- Medium Cream: 乳脂肪分 約18%~30%
- Whipping Cream: 乳脂肪分 約30%
- Heavy Whipping Cream: 乳脂肪分 約36%〜38%
- Double Cream: 乳脂肪分 約48%
- Clotted Cream: 乳脂肪分 約55%~60% (※Clottedとは、「凝固させた」という意味です)
乳脂肪分が少ない生クリームを、より安定させるコツ
乳脂肪分が低い生クリームは、泡立てても形が崩れやすいという欠点があります。特に、ケーキの飾り付けなどにはあまり適していません。しかし、あるテクニックを使うことで、乳脂肪分が低い生クリームでも、しっかりとしたホイップクリームを作ることが可能です。例えば、heavy cream 1カップに対して、マシュマロフラッフを大さじ2杯混ぜて泡立てるか、溶かしたマシュマロ1個を、ホイップの仕上げ段階で加えると、型崩れしにくい生クリームを作れます。このマシュマロフラッフは、パンなどに塗って食べるマシュマロとして知られています。
「生クリームたっぷりのケーキが食べたい」を英語で言うと
「生クリームたっぷりのケーキが食べたい」という気持ちを英語で表現したい場合は、「I want to eat a cake with lots of whipped cream.」または「I want to eat a cake with plenty of whipped cream.」といった言い方ができます。
「a lot of」「lots of」「plenty of」の使い分けについて
「a lot of」と「lots of」はほぼ同じ意味で使用できますが、「lots of」の方がよりくだけた印象を与えます。一方、「plenty of」は「たくさん」という意味に加えて、「充分な」という意味合いが含まれています。「a lot of(lots of)」が単に量が多いことを示すのに対して、「plenty of」は話し手が充分だと感じている量を表す際に適しています。
「生クリームを泡立てる」の英語での言い方と関連語
生クリームを泡立てる動作は、英語で主に「whip cream」と言います。他にも、「beat cream」や「whisk cream」といった表現も可能です。「whip」は「鞭打つ」という意味の他に、「泡立てる」という意味も持ちます。泡立て器のことは「whisk」または「beater」と呼びます。
海外の食料品店で生クリームを買う時のポイント
海外のスーパーマーケットで生クリームを選ぶ際には、以下の点に気を付けてみましょう。
- 乳脂肪の割合を確認する: ホイップクリームを作るのか、料理に使うのかなど、用途に合わせて適した乳脂肪分のものを選びましょう。
- ラベルをよく見る: 保存料や添加物の有無、種類をチェックして、自分に合った商品を選びましょう。
- 消費期限をチェックする: 特に長期滞在する際は、消費期限をしっかり確認することが大切です。
- 冷蔵保存を徹底する: 購入後はすぐに冷蔵庫に入れ、開封後はなるべく早く使い切るようにしましょう。
まとめ
この記事では、生クリームに関する英語での表現から、海外のお店での選び方、分離を防ぐちょっとしたコツまで、幅広くご紹介しました。これらの情報を活用して、海外でも美味しい生クリームを味わい、英語でのコミュニケーションもスムーズに進めてください。生クリームを使ったスイーツ作りや料理を通して、より豊かな食生活を楽しみましょう。それでは、また!
質問1: 「Raw cream」は生クリームのことですか?
回答1: いいえ、「raw cream」は一般的に生クリームという意味では使いません。「raw」は「生の」「未処理の」という意味ですが、乳製品においては「生乳」を指すことが多いです。生クリームは、牛乳から乳脂肪分を取り出して濃縮したもので、英語では「fresh cream」または「heavy cream」と表現されます。
質問2: アメリカで日本のケーキのような生クリームは手に入りますか?
回答2: アメリカの一般的なスーパーでは、「Heavy Cream」または「Heavy Whipping Cream」として販売されているものが、日本のケーキに使用する生クリームに近いものとして手に入ります。ただし、日本のものと比較すると、乳脂肪分が若干少ないケースがあります。より濃厚な仕上がりを求めるのであれば、「Double cream」を探してみるのがおすすめです。もし乳脂肪分が少ないクリームを使用する場合は、マシュマロクリームなどを少量加えることで、泡立てた後のクリームがダレにくくなる工夫もできます。
質問3: 「生クリームを泡立てる」の別の言い方はありますか?
回答3: ええ、あります。「生クリームを泡立てる」は、英語で「whip up cream」と表現することも可能です。「whip up」には、「素早く作る」「さっと泡立てる」といったニュアンスがあり、よりくだけた言い方として用いられます。例えば、「I'm going to whip up some cream for the cake.(ケーキ用に、ちょっと生クリームを泡立ててくるね)」のように使うことができます。