イチジク剪定:初心者でも失敗しない剪定方法と年間管理の完全ガイド
甘くて美味しいイチジクを自宅で育ててみませんか?剪定は難しそう…というイメージがあるかもしれませんが、基本を押さえれば初心者でも大丈夫!この記事では、イチジク栽培に欠かせない剪定のコツを分かりやすく解説します。夏果、秋果、夏秋兼用種といった品種ごとの剪定方法はもちろん、年間を通しての管理方法まで、イチジク栽培に必要な情報をぎゅっと凝縮。この記事を読めば、あなたもきっと美味しいイチジクをたくさん収穫できるはずです!

知っておきたいイチジクの基礎知識

イチジクはクワ科イチジク属に分類される果樹で、その起源は南アラビアに遡り、聖書にも記述があるほど古い歴史を持っています。漢字では「無花果」と表記されますが、これは果実の中に小さな花を咲かせ、外からはその開花が見えないことに由来します。通常、イチジクの旬は8月から10月にかけてですが、果実が熟す時期によって「夏果」と「秋果」の2種類が存在します。具体的には、前年の枝に形成された花芽が翌年の7月頃に成熟するものが「夏果」と呼ばれ、その年に伸びた新しい枝にできた花芽が9月頃に成熟するものが「秋果」と呼ばれます。イチジク栽培において、剪定は安定した収穫を得るために毎年不可欠な作業です。

イチジク剪定の最適な時期と若木の仕立て(整枝)

イチジクの剪定に最適な時期は、木の成長が穏やかになる休眠期、具体的には12月から2月末までの冬季です。この時期はイチジクが休眠状態にあるため、剪定による負担を最小限に抑えることができます。また、落葉によって樹全体の形が見えやすくなるため、剪定する枝を選びやすいという利点もあります。イチジクは秋に実が成熟する果樹であり、春に新しい枝を伸ばして成長し、夏に実をつけ、秋に収穫を迎えます。成長期である春から夏にかけて強引に枝を切ると、イチジクに大きなストレスを与え、切り口から大量の樹液が流れ出たり、成長を著しく阻害したりする可能性があります。したがって、収穫が終わり、木が休眠に入る冬こそが、イチジクにとって最も負担が少なく、理想的な剪定時期と言えます。ただし、植え付けから3年以内の若い木の場合、本格的な剪定は避けるべきです。実をつけ始める2〜3年目以降に、本格的な剪定が必要となります。植え付けから2〜3年の若木には、剪定ではなく「仕立て(整枝)」という作業を行います。仕立ては、将来の樹形や収穫量を左右する重要なプロセスであり、適切な時期と方法で実施することで、健全な成長と豊かな実りを促進します。

イチジク剪定に必要な道具

イチジクの剪定作業を行うにあたっては、適切な道具を準備することが不可欠です。まず、鋭利な剪定専用のハサミは必須アイテムです。太い枝も容易に切断できるラチェット式剪定バサミなどが推奨されます。次に、剪定中に切断した枝や樹液、棘などから手を保護するために、丈夫な作業用手袋を用意しましょう。滑り止め加工が施された「軍手 滑り止め 作業用 黄ボツ 12双 1ダース」のようなタイプは、作業の安全性と効率性を高めます。これらの基本的な道具を揃えることで、安全かつ円滑に剪定作業を進めることが可能になります。

イチジクの「仕立て(整枝)」で樹形をコントロール

イチジクを植えてから約3年間は、毎年新しい枝(新梢)に花芽が形成されるため、良好な結果枝を持続的に確保することが、将来的な収穫量に大きく影響します。この時期には、枝の先端にある頂芽に栄養が集中しがちですが、これをそのままにせず、伸びた枝を半分程度の長さに切り戻すことが重要です。これにより、枝の分岐が促進され、より多くの結果枝を確保できます。十分に成長した株であれば毎年冬に剪定を行う必要がありますが、植え付け後3年以内の幼木の場合は、樹の形を決めるための「仕立て(整枝)」や誘引が重要になります。イチジクの樹形には、「杯状仕立て(盃状形整枝)」と「一文字仕立て(一文字整枝)」の2つの主要なパターンがあり、それぞれ利点と欠点が存在するため、栽培環境や植栽場所に合わせて最適なものを選択することが重要です。

杯状仕立て

「杯状仕立て」は、樹の中心を空けて、ワイングラスのように外側に枝を広げる、自然な樹形を目指す方法です。蓬莱柿などの秋果品種に推奨され、樹勢が旺盛で収穫量が多いのが特徴です。樹の中心に光と風が通りやすくなるため、果実が均一に熟しやすくなり、病害虫のリスクを軽減できるという利点があります。また、枝が全体的に広がるので、風や寒さによる被害を受けにくいというメリットもあります。しかし、主枝や結果枝の方向がばらばらになりやすく、病害虫の管理や収穫作業が煩雑になるというデメリットもあります。さらに、枝を広げすぎると、外側の枝が重みで垂れ下がり、支柱が必要になる場合もあります。具体的な手順としては、植え付け初年度の冬に、苗木を地上50~60cmの高さで切り詰めます(市販の苗木は既に剪定されていることが多いです)。2年目の冬には、そこから伸びた主枝を3本選び、それぞれ30~50cmの位置で切り戻します。3年目の冬には、1本の主枝からさらに2本の枝を出し、それぞれ下から2芽を残して切り戻します。最終的には、全体で15~20本の結果枝を配置し、樹形が逆さにしたワイングラスのような形になるように整えていきます。

一文字仕立て

「一文字仕立て」は、樹の幹を一定の高さで切り、その後、T字型になるように左右に枝を伸ばしていく、文字通り「一」の字のように水平に枝を誘引する方法です。ドーフィンなどの成長が緩やかな品種に推奨されます。この方法のメリットは、樹高を低く抑えられ、収穫作業が効率的に行えること、横方向に広いスペースを有効活用できるため、壁際などの限られた場所にも適していること、そして風による被害を受けにくいことです。しかし、デメリットとしては、木の生育が遅くなる傾向があり、特に寒冷地では凍害を受けやすい点が挙げられます。また、枝が左右に広がるため、樹全体のバランスを保つために定期的な剪定が必要となり、手間がかかることがあります。手順としては、まず苗木を地上50~60cmの高さで切り、そこから左右に2本の主枝を伸ばします。これらの主枝を水平に誘引し、最終的に3~4mの「一」の字になるように仕立てます。この左右の主枝から、毎年15本前後の新しい枝(新梢)を伸ばし、これらに実をつけさせて収穫します。

【品種別】イチジクの剪定方法をマスターする

イチジクの剪定方法は、品種によって大きく異なります。植え付けから3年が経過し、樹形が安定した4年目以降は、豊富な収穫を目指して毎年冬に剪定を行いましょう。主な品種は、夏にのみ実をつける「夏果専用種」、秋にのみ実をつける「秋果専用種」、そして夏と秋の両方に実をつける「夏秋兼用種」の3つに分類されます。夏果専用種は夏に収穫でき、一般的に実が大きいのが特徴です。一方、秋果専用種は秋に収穫期を迎え、夏果専用種に比べて実が小さい傾向があります。夏秋兼用種は、その名の通り夏果と秋果の両方の特徴を兼ね備えており、夏と秋の2回収穫が可能です。これらの品種によって、枝を切る場所が異なるため、栽培を始める前に、どの品種を育てるか、そしてその品種に適した剪定方法をあらかじめ確認しておくことが、豊かな収穫につながります。

夏果イチジクの剪定方法と注意点

夏果専用種のイチジクは、前年に伸びた2年目の枝(2年枝)の先端部分に、翌年の夏に実となる小さな花芽をつけます。この花芽から翌年に果実が成熟します。夏果の剪定方法は、この花芽を適切に残すことが大切です。具体的には、枝1本につき5個から8個の花芽を残すようにして、それよりも先の枝を剪定し、切り落とします。この切り口から翌年に新しい枝(新梢)が伸び、その新梢に翌々年の花芽が形成されることで、継続的な収穫が期待できます。夏果の剪定で最も重要な注意点は、花芽を切りすぎないことです。誤って残すべき花芽まで切ってしまうと、その枝からは実がならなくなってしまいます。そのため、夏果の剪定は、樹形を整えるために邪魔になる枝や過剰に伸びすぎた枝の先端を軽く切り詰める程度にとどめるのが適切です。大規模な剪定は避け、必要な部分だけを丁寧に行いましょう。さらに、樹の内側で交差するように混み合って伸びる枝や、地面に向かって下向きに伸びるような不要な枝は、分岐の根元から剪定して間引いておくことも効果的です。

秋果イチジクの剪定:時期と枝の見分け方

秋果専用のイチジクは、当年伸びた新しい枝、つまり1年枝に形成された花芽が、その年の秋に実を結びます。秋果の剪定は、翌年の収穫を見据え、古い枝を整理し、新たな結果枝の発生を促進することを目的とします。具体的には、茶色みを帯びた2年目の枝、2年枝にある芽を2~3個残し、その先の枝は切り落とします。春になると、この切り戻した箇所から新梢が力強く伸び、そこに緑色の花芽がつき、夏から秋にかけて果実が熟していきます。2年枝と1年枝の識別は、枝の色で行います。当年伸びたばかりの1年枝は緑色をしていますが、2年枝は茶色がかっているのが特徴です。剪定の際は、この色の違いを目印に2年枝を見つけて切り戻しましょう。また、秋果の剪定では、樹冠内部で密集した枝や、樹勢が旺盛すぎて上へ伸びる徒長枝、内向きに伸びる枝、弱々しい枝、病気の兆候が見られる枝など、樹形を乱したり、日当たりを悪くする枝を根元から切り取る間引きも効果的です。これにより、残された枝に日光が十分に当たり、養分が行き渡り、果実の品質向上が期待できます。

夏秋兼用果イチジクの剪定

夏秋兼用品種のイチジクは、夏果と秋果の両方の性質を併せ持つため、剪定方法もそれぞれの特徴を考慮する必要があります。夏果は前年に伸びた茶色い2年枝の先端付近に翌年の花芽をつけ、秋果は当年伸びた緑色の1年枝に花芽をつけます。そのため、夏秋兼用果の剪定は、夏果と秋果の剪定方法を組み合わせることになりますが、夏と秋の両方の収穫を欲張ると品質が低下する可能性があるため、一般的には秋果をメインとして剪定のバランスを取るのがおすすめです。夏果を確実に収穫するには、緑色の1年枝の半分程度は剪定せずに残すことが重要です。残りの半分の枝については、枝の長さに応じて剪定位置を変えます。60cm以上に伸びている枝は、将来の実りに備えて2~3個の花芽を残して切り戻します。また、30cm~50cm程度の枝は、長さを半分程度に切り詰めます。30cm以下の枝は、無理に切り戻す必要はありません。このように、枝の生育状況と夏果・秋果それぞれの着果特性を理解した上で、適切な剪定を行うことが、夏秋兼用果の安定した収穫につながります。

イチジクのリフレッシュ剪定:若返りと品質向上

近年、イチジク栽培では、従来の剪定方法に加え「リフレッシュ剪定」と呼ばれる新しい技術が注目されています。これは、2010年に大阪府立環境農林水産総合研究所によって開発・特許出願(特願2010-281204)された方法で、樹の骨格となる主枝を毎年新しいものに入れ替える剪定法です。この技術により、イチジクの樹を常に3年以内の若い状態に保つことができ、生育促進や果実品質の向上、病害や生理障害の回避といった多くのメリットが得られます。特に、新しい主枝は樹勢が強く、収穫時期の前倒しや果実の品質向上にもつながるとされています。リフレッシュ剪定は、高品質なイチジクを安定的に生産したい生産者にとって、有力な選択肢のひとつです。
(出典:イチジクの樹が毎年甦る 新剪定法(リフレッシュ剪定)開発/大阪府立環境農林水産総合研究所 食の安全研究部園芸グループ, URL: https://www.knsk-osaka.jp/_files/00017183/h24-31ichijiku.pdf, 2012-03)

一文字仕立てにおけるリフレッシュ剪定

リフレッシュ剪定は、特に一文字仕立てのイチジクに有効な剪定方法です。この方法を毎年繰り返すことで、常に3年以内の若い枝のみが維持されるため、果実が大きくなる傾向があるほか、樹の生育が促進されるといったメリットがあります。従来の一文字仕立てでは、最初に仕立てた2本の主枝から伸びる結果枝を長年利用し、主枝を切ることはありませんでした。しかし、リフレッシュ剪定ではその常識を覆します。具体的には、主幹に近い両サイドの結果枝2本と、中心から数えて4本目の結果枝を両サイドに残し、それ以外の結果枝と、その先にある古い主枝を剪定します。これは、レーキのような形状だった樹形を、4本刃のフォークのような形状にするイメージで捉えると分かりやすいでしょう。残した結果枝は、春に水平に曲げて誘引し、新しい主枝とし、その年の初夏には新たな結果枝が伸びてくるため、夏秋に安定した収穫が見込めるようになります。

イチジク剪定で失敗を避けるためのポイント


イチジクは比較的育てやすい果樹として知られていますが、剪定は成功の鍵を握る重要な作業です。剪定方法や時期を誤ると、実がならなくなるだけでなく、最悪の場合は木を枯らしてしまうこともあります。特に注意が必要なのは、成長が活発になる春から夏にかけての剪定です。この時期に大胆な剪定を行うと、切り口から大量の樹液が流れ出し、木が大きく弱ってしまいます。また、梅雨の時期や気温の高い夏場は、切り口から細菌が侵入しやすく、病気のリスクが高まります。したがって、イチジクの剪定は、木の負担が少ない12月から2月末頃の休眠期間に行うのが基本です。さらに、イチジクは品種によって実がなる枝の種類(1年枝か2年枝か)が異なるため、剪定前に自分が育てている品種の特性をよく理解しておくことが大切です。実をつける花芽を誤って切り落としてしまうと、その年の収穫は期待できません。剪定後のケアも非常に重要です。切り口をそのままにしておくと、病害虫が侵入する原因となり、木全体が枯れてしまうこともあります。剪定後は、市販の癒合剤を塗布して、切り口を保護し、雑菌や害虫の侵入を防ぎましょう。※農薬を使用する際は、必ず製品ラベルの記載内容をよく読み、対象作物や使用時期、使用方法を守って正しく使用してください。

イチジクの増やし方:挿し木のコツ

イチジクを増やしたい場合、挿し木は簡単で成功しやすい方法です。挿し木とは、親木の枝の一部を切り取り、土に挿すことで根を生やし、新しい苗として育てる方法です。イチジクの挿し木に最適な時期は、剪定時期と同じく2月から3月の休眠期です。具体的な手順は以下の通りです。まず、剪定で切り落とした枝の中から、太くて健康な枝を選び、15cmから20cm程度の長さに切り揃えます。次に、切った枝の先端、特に土に埋める部分を、清潔なカッターなどで斜めにカットし、水分を吸収しやすくします。これらの枝を清潔な水に2時間ほど浸し、十分に水を吸わせます。準備ができたら、大きめの鉢に、水はけと通気性の良い挿し木専用の土を入れます。水揚げした枝を、切り口が土に約3分の2埋まるように挿し込みます。挿し木後は、土全体が湿るようにたっぷりと水を与えます。その後、乾燥を防ぎ、発根を促すために、鉢全体を透明なビニール袋で覆い、湿度を保ちます。この間、直射日光を避け、日陰で管理します。土の乾燥具合を定期的に確認し、必要に応じて水を与えてください。数週間から数ヶ月で発根し、新しい芽が出てきたら、庭の日当たりの良い場所や、大きな鉢に植え替えることができます。

イチジク栽培の基本:育て方と環境

イチジクを元気に育てるには、水やり、肥料、そして栽培場所の選定など、いくつかの重要なポイントがあります。まず、栽培場所ですが、イチジクは日当たりの良い場所を好みます。庭に直接植える場合は、日照時間が長く、南向きの場所が最適です。また、強風が直接当たらない場所を選ぶことで、枝折れや乾燥を防ぐことができます。イチジクの木は成長が早いですが、定期的に剪定を行うことで樹形をコントロールし、鉢植えとしてベランダなどでも育てることが可能です。

イチジクの冬越し対策

イチジクは亜熱帯地域が原産のため、寒さに弱い性質があります。そのため、日本の寒冷地で栽培する場合は、冬の寒さ対策が欠かせません。ただし、品種によっては-9℃程度の低温にも耐えられるものもあります。寒冷地では、冬に鉢植えのイチジクを室内の日当たりの良い場所に移して管理するのが一般的です。その際、暖房の効きすぎた部屋に入れると、休眠期間中に芽が出てしまうことがあるため、暖房のない、比較的涼しい部屋で管理するのが理想的です。

水やり

イチジクは多湿を嫌うため、水やりには注意が必要です。鉢植えの場合、土の表面が乾燥しているのを確認してから、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与えてください。庭植えの場合は、降雨に任せるのが基本で、頻繁な水やりは避けてください。ただし、夏の高温が続く時期には、土の状態を見て、乾燥しているようであれば適宜水を与えましょう。

肥料

イチジクは生育が旺盛なため、適切な肥料が必要です。施肥のタイミングは、休眠期の12~1月、新梢の成長期である6月頃、そして果実の肥大期にあたる8~9月の年3回が目安です。油かすなどの有機肥料を与えるのがおすすめです。また、家庭菜園の場合は、生ゴミを堆肥として利用するのも良いでしょう。イチジクは弱アルカリ性~中性の土壌を好むため、年に1回程度、石灰をまいてpH調整を行うと効果的です。「サンアンドホープ ぼかし完熟有機100%肥料」などはイチジクに適しています。庭植えのイチジクには、株元ではなく、枝が広がる範囲の下あたりに肥料を施すと、根に栄養が行き渡りやすくなります。

イチジクを病害虫から守る対策

イチジク栽培で注意すべきは病害虫です。特にカミキリムシとアブラムシは大きな被害をもたらす可能性があります。カミキリムシの幼虫は、幹や枝の内部を食害するため、発見が遅れることがあります。木の根元に木くずが落ちていたり、枝に小さな穴が開いている場合は、カミキリムシの幼虫が潜んでいるサインです。被害が拡大すると木が枯れてしまうこともあるため、早期発見と殺虫剤による駆除が重要です。アブラムシは新芽や葉の裏に群生し、植物の養分を吸い取ります。放置すると生育が悪くなり、最悪の場合、枯れてしまうこともあります。
病気としては、葉に発生する「さび病」や、実や茎に発生する「疫病」がよく見られます。さび病は、葉に白い斑点が現れ、それが次第に褐色の斑点に変化します。進行すると斑点の表面が破れ、赤褐色の胞子が飛び散り、光合成を阻害します。重症化すると葉が枯れ落ち、木全体の生育に影響が出ます。疫病は、実や茎に病斑ができる病気で、湿度が高い環境では白いカビが生えることがあります。乾燥した状態では病斑が枯れたように見えます。
これらの病害虫対策には、専用の殺虫剤や殺菌剤を使用するのが効果的です。ホームセンターなどで様々な薬剤が販売されています。「住友化学園芸 殺虫殺菌剤 ベニカXファインスプレー」のように、殺虫と殺菌の両方の効果があるものを使うと便利です。日頃からよく観察し、早期に薬剤を散布することが、イチジクを健康に育てるために大切です。

イチジクの剪定に自信がないならプロに頼もう

「自分でイチジクの剪定をするのは難しい」「時間がない」という場合は、プロの庭木剪定サービスを利用することを検討してみましょう。プロに依頼するメリットはたくさんあります。まず、専門家からアドバイスをもらえることです。「どこまで切ればいいのかわからない」「実がならない原因を知りたい」といった悩みを相談すれば、剪定方法だけでなく、日々の手入れや病害虫対策、管理方法など、プロならではの視点からアドバイスがもらえます。これにより、今後の栽培が楽になり、より健康な木を育てることが可能です。次に、安全面でのメリットがあります。剪定作業、特に高い場所の作業は、転落や怪我のリスクがあります。また、フェンスの奥など、手が届きにくい場所の剪定は、作業が難しいだけでなく、建物への配慮も必要になります。プロは安全対策を徹底し、周囲への配慮も忘れずに行ってくれるため、安心して任せられます。さらに、道具を揃える必要がないのも魅力です。大きく育ったイチジクを剪定するには、高枝切りバサミや脚立などが必要になる場合があります。これらの道具は高価な上に、収納場所も必要です。プロに依頼すれば、必要な道具はすべて業者が用意してくれるので、道具の保管場所に困ることもありません。

まとめ

イチジク栽培では、剪定のタイミングと方法が収穫量や果実の質に大きく影響します。休眠期(12月〜2月末)の剪定や、仕立ての工夫、品種ごとの対応、そして最新の「リフレッシュ剪定」など、基本から応用まで適切に行うことが成功の鍵です。病害虫対策や日頃の管理も含め、この記事の内容を参考に、無理なく楽しくイチジク栽培を続けていきましょう。「正しく剪定できるか不安…」「一度プロに頼みたい」という方は、専門の剪定サービスを活用するのも一つの方法です。 あなたのイチジク栽培がより豊かになる一歩を、今日から始めてみてください。

イチジクの剪定に一番良い時期は?

イチジクの剪定に最適な時期は、生育が鈍くなる休眠期、具体的には12月から2月末頃の冬です。この時期は樹木への負担が少なく、剪定によるダメージを最小限に抑えることができます。また、落葉しているため樹全体の形を確認しやすく、剪定作業が容易になります。成長期である春から夏にかけての強い剪定は、樹液の過剰な流出や病気のリスクを高めるため避けるべきです。

イチジクは植えてすぐに剪定するべき?

いいえ、イチジクは植え付け直後に剪定する必要はありません。実をつけ始めるのは通常2〜3年後であり、本格的な剪定はそれ以降に行います。植え付け後2〜3年の若い木に対しては、剪定ではなく「仕立て(整枝)」と呼ばれる作業を行い、将来の樹形や収穫量を決定づける重要な過程となります。

夏果と秋果で剪定の仕方は違うのですか?

はい、イチジクの剪定は、夏果専用種と秋果専用種で方法が異なります。夏果は、昨年伸びた枝(2年枝)に実をつけるため、剪定は軽く、枝の先端を少し切る程度にとどめます。目的は、翌年のために花芽を傷つけないようにすることです。理想としては、各枝に5個から8個程度の花芽を残すようにします。一方、秋果は、今年伸びた枝(1年枝)に実をつけるため、冬に強く剪定を行い、2年枝を2~3芽残して切り戻します。この剪定によって、新しい枝の成長を促し、秋に実をつける準備をします。もし、夏秋兼用品種を育てている場合は、それぞれの特性を考慮した剪定が求められます。

剪定後の手当てが大切なのはなぜ?

イチジクを剪定した後、切り口をそのままにしておくと、病気の原因となる菌や害虫が侵入するリスクが高まります。最悪の場合、木全体が弱って枯れてしまうこともあります。そのため、剪定後の切り口には、癒合剤と呼ばれる保護剤を塗ることが重要です。癒合剤は、切り口を保護し、病原菌や害虫の侵入を防ぐ役割を果たします。

どんな病害虫に注意すべきですか?

イチジク栽培で注意が必要な害虫として、「カミキリムシ」と「アブラムシ」が挙げられます。カミキリムシは、幹や枝の中を食い荒らして木を弱らせます。アブラムシは、新芽や葉から汁を吸い取り、植物の成長を妨げます。病気では、「さび病」と「疫病」に注意が必要です。さび病は、葉にサビのような斑点を発生させ、疫病は、実や茎に病斑を作ります。これらの害虫や病気への対策としては、早期発見と適切な殺虫剤や殺菌剤の使用が有効です。

イチジクは寒さに弱い?冬の管理のポイントは?

イチジクは暖かい地域が原産のため、寒さにはあまり強くありません。特に寒い地域で栽培する場合は、冬の寒さ対策が欠かせません。鉢植えで育てている場合は、冬の間は室内の日当たりの良い場所に移して管理するのが一般的です。ただし、暖房の効きすぎた部屋に置くと、イチジクが休眠から早く目覚めてしまい、春になる前に芽が出てしまうことがあります。そのため、暖房を使用していない、比較的涼しい部屋で管理するのが理想的です。

剪定業者に依頼する前に準備しておくことは?

作業当日、スムーズに剪定を進めてもらうために、作業スペースとなる庭や庭木の周囲に置いてある物を移動しておくと、業者の方に喜ばれます。事前に移動のお願いがある場合もあります。

剪定後の枝葉ゴミは、業者に回収してもらえますか?

剪定作業で出た枝や葉などのゴミの回収は、追加料金が発生するオプションサービスとなっていることが多いです。料金は業者によって異なりますので、回収を希望する場合は、予約をする前に費用の確認をしておきましょう。

剪定サービスは、どのように予約すれば良いですか?

オンラインで手軽に予約できるサービスがあります。利用したい業者の詳細ページから「予約日時を入力する」に進み、必要事項を入力して予約リクエストを送信します。予約には会員登録が必要な場合があります。業者が作業日時を確定すると、予約が完了します。


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