エキゾチックな香りと甘酸っぱい味わいが魅力のフェイジョア。庭木としても人気が高く、初心者でも育てやすいのが特徴です。この記事では、フェイジョアの基本的な育て方を徹底解説。苗の選び方から植え付け、剪定、施肥、そして収穫まで、一年を通して必要な管理のポイントを分かりやすくご紹介します。丈夫で育てやすいフェイジョアを庭で育てて、自家製の美味しい果実を味わってみませんか?
フェイジョアとは?その魅力と基本情報
フェイジョア(学術名: Acca sellowiana)は、芳醇な香りを放つ果実と育てやすさで、多くの園芸愛好家から支持を集めるフトモモ科の常緑低木です。原産地は南米のウルグアイ、パラグアイ、ブラジル南部で、鮮やかな緑色の葉が一年を通して庭を彩ります。特徴的なのは、卵形の葉の表面が濃緑色、裏面が銀白色または白色を呈し、そのコントラストが美しい点です。5~6月には、白と赤の美しい花を咲かせ、庭の景観を格上げし、観賞価値を高めます。フェイジョアの最大の魅力はその果実にあります。熟した果実は、パイナップル、バナナ、リンゴをミックスしたような、さわやかで甘酸っぱい香りと味が特徴で、ビタミンCも豊富です。そのまま食べるのはもちろん、ジャム、スムージー、ジュース、果実酒など、さまざまな加工方法で楽しむことができます。庭木としての美しさに加え、収穫できる果実の魅力が、近年、注目を集めている理由です。フェイジョアは、ウルグアイやパラグアイ・ブラジル南部などを原産とするフトモモ科の果樹です。熱帯地方を原産とする植物にしてはめずらしく寒さに強く、マイナス10度前後まで耐えることができます。また、病害虫にも強いため、樹木を育てるのが初めてという方にもおすすめできる品種です。...耐寒性が高いといっても、あまりに強い寒さや冬の寒風に当たると葉が落ちやすくなります。寒冷地では冬場は寒さをしのげる軒下に移したり、寒冷紗や不織布を立てたりして防寒対策をしてください。(出典: ハイポネックスジャパン株式会社『フェイジョアの育て方・果実を上手につけるポイントは?』, URL: https://www.hyponex.co.jp/plantia/plantia-15279/, 2023-10-01)

病害虫や乾燥、高温にも比較的強く、栽培しやすいことから、基本的に無農薬での育成が可能です。樹高は、原種では7メートルに達することもありますが、改良品種の多くは約3メートル程度に収まり、樹形も整えやすいですが、成長はやや遅めです。この記事では、フェイジョアを元気に育て、美しい花と美味しい果実を最大限に楽しむために、初心者でも取り組みやすい栽培のコツや管理の注意点について詳しく解説します。
フェイジョアの栽培環境と日常の管理
フェイジョアを丈夫に育て、毎年安定して収穫するには、適切な栽培環境を選び、日々の手入れを丁寧に行うことが大切です。特に、日当たりと水はけの良い場所を好みます。日照不足は開花や結実に影響するため、一日を通して十分に日光が当たる場所を選びましょう。土壌に関しては、多湿を嫌うため、水はけの悪い場所では土壌改良や盛り土などの対策が必要です。粘土質の土壌であれば、腐葉土、堆肥、パーライトなどを混ぜて排水性を改善すると良いでしょう。水やりは、春から秋の生育期には、土の表面が乾いたらたっぷりと与え、乾燥させすぎないように注意します。特に夏場や乾燥が続く時期は、水切れを起こさないように、こまめに土の状態を確認し、朝夕の涼しい時間帯に水を与えるのがポイントです。一方、冬は成長が緩やかになるため、水やりは控えめに、土がやや乾燥気味になるように管理します。この時期の水の与えすぎは、根腐れの原因となることがあります。肥料は、生育サイクルに合わせて年2回、2月と8月~9月頃に与えるのが理想的です。2月には寒肥として有機肥料を、8月~9月には収穫後の回復と翌年の花芽形成を促すために化成肥料を与えましょう。肥料の成分で特に注意すべき点は、窒素分の過多を避けることです。窒素分が多すぎると、葉ばかり茂り、花や実がつきにくくなることがあります。リン酸やカリウムを多く含む、バランスの取れた肥料を選ぶことが、健康な実のつき方や病害虫への抵抗力を高める上で重要です。フェイジョアは、庭植えだけでなく鉢植えでも育てることができ、庭のスペースが限られている場合や、特定の環境下で育てたい場合に便利です。適切な管理を続けることで、家庭でも美しい花と香り高い果実を楽しむことができます。
フェイジョアの剪定方法と育成のポイント
フェイジョアの健全な生育を促し、安定した収穫を得るためには、適切な時期に適切な方法で剪定を行うことが不可欠です。剪定に最適な時期は、新芽が伸び始める前の2月~3月です。この時期に剪定を行うことで、樹木の内部の風通しを良くし、日光を十分に当てることができます。これにより、病害虫の発生リスクを減らし、植物全体の健康を保つだけでなく、果実の品質向上にもつながります。フェイジョアの花芽は、枝の先端にできる混合花芽であるため、他の果樹に比べて見分けにくいことがあります。そのため、剪定の際は強く切り詰めすぎないように注意が必要です。強い剪定は、翌年の開花や結実量を減少させる原因となるため避け、樹形を軽く整える程度に留めるのが良いでしょう。特に、前年に実をつけた枝や、長く伸びすぎた徒長枝には実がつきにくい傾向があるため、これらの枝を適切に剪定することが、翌年の収穫量を増やすための重要なポイントとなります。具体的には、混み合った枝、枯れた枝、病害虫に侵された枝、内側に向かって伸びる枝などを優先的に剪定し、樹全体に光と風が均等に行き渡るように調整します。剪定によって樹の形を整えることで、日当たりが均一になり、果実の色づきや糖度にも良い影響を与えます。特に鉢植えで育てる場合は、剪定によって樹高や枝の広がりを調整し、限られたスペースでも管理しやすくすることが大切です。フェイジョアの剪定は、単に枝を切るだけでなく、植物の特性を理解し、より良い果実生産につなげるための重要な作業と言えるでしょう。
フェイジョアの主な品種と特徴
フェイジョアには数多くの品種が存在し、極早生種から晩生種まで、また鶏卵ほどの小さな果実をつけるものから、300gを超える大きな果実をつけるものまで、多様なバリエーションがあります。それぞれの品種は、果実の大きさ、成熟時期、風味、そして自家結実性(一本の木で実をつけることができる性質)に特徴があります。品種を選ぶ際には、栽培の目的(庭木として楽しむか、鉢植えで育てるか、生食するか加工用にするか)、栽培スペースの広さ、そして収穫量などを考慮し、自分の環境や好みに合ったものを選ぶことが大切です。
庭木に最適な品種:マンモスとトライアンフ
庭木としてフェイジョアを選ぶなら、生育旺盛で実が大きい「マンモス」と「トライアンフ」がおすすめです。「マンモス」は、その名の通り、非常に大きな実をつけるのが特徴で、早生品種なので比較的早い時期に収穫できます。具体的には10月下旬頃から実が熟し始めるため、いち早くフェイジョアを味わいたい方にぴったりです。「トライアンフ」もまた、大きくて卵型の実が魅力的な品種で、風味の良さと優れた食味が人気の理由です。収穫時期は11月上旬から12月上旬とやや遅めですが、その分、じっくりと熟成された濃厚な味わいを楽しめます。これらの品種は、庭のシンボルツリーとして見栄えが良く、豊かな緑の葉、美しい花、そしてたわわに実る大きな果実が庭を彩ります。
鉢植えや狭い場所に合う品種:クーリッジとマリアン
スペースが限られている場所での栽培や、鉢植えでフェイジョアを育てたい場合は、「クーリッジ」と「マリアン」が適しています。「クーリッジ」は他の品種に比べて実が小ぶりですが、味が凝縮されていて風味が豊かなのが特徴です。収穫時期は11月上旬頃で、自家結実しやすい性質を持っているため、1本だけでも実がなりやすいというメリットがあります。受粉作業の手間が省けるので、手軽にフェイジョア栽培を始めたい方におすすめです。「マリアン」も中型の実をつける品種で、果皮が薄く、繊細な風味が楽しめます。「マリアン」は自家結実性が弱いため、他の品種と一緒に植えることで結実が安定します。(出典: 暮らしニスタ『フェイジョアの育て方と魅力』, URL: https://kurashinista.jp/articles/detail/108564, 2023-06-04)
これらの品種は、コンパクトな樹形に仕立てやすいので、ベランダや狭い庭でも気軽にフェイジョア栽培を楽しむことができます。
自家結実性と収穫量を増やす品種選び
フェイジョアの品種には、一本の木で実をつける「自家結実性」を持つものと、異なる品種の花粉を受粉しないと実を結ばない「自家不和合性」を持つものがあります。多くのフェイジョア品種は自家不和合性が強いため、複数の品種を一緒に植えることで、お互いの花粉が受粉を促し、より多くの実を収穫することができます。自家結実性を持つ品種も存在しますが、これらの品種でも別の品種と交配させることで、実の数やサイズが向上する傾向があります。例えば、「クーリッジ」のように自家結実性のある品種でも、他の品種と混植することで収穫量をさらに増やすことができるでしょう。人工授粉も効果的な方法で、特に開花直後の若い花に受粉させることが重要です。品種を選ぶ際には、自家結実性の有無を考慮し、可能であれば複数の品種を組み合わせることで、受粉率を高め、より豊かな収穫を目指しましょう。世界には数多くの改良品種があり、ニュージーランド、オーストラリア、アメリカなど、生産地の名前が付けられた品種が多く存在しますが、日本に導入されているのはごく一部です。また、国外への持ち出しが禁止されている品種もあります。
フェイジョアの病害虫対策と予防
フェイジョアは比較的病害虫に強く、他の果樹に比べて手間がかからないと言われていますが、全く油断できないわけではありません。乾燥や高温に対する耐性は高いものの、生育環境が悪いと実がつきにくくなるなど、樹勢が弱まると問題が発生しやすくなります。特に注意すべき害虫は、アブラムシ、カイガラムシ、そしてテッポウムシ(カミキリムシの幼虫)です。アブラムシは新芽や若葉に群がって汁を吸い、植物の成長を妨げ、排泄物が原因で「すす病」を誘発することがあります。カイガラムシは枝や幹に付着して樹液を吸い、こちらもすす病の原因になったり、樹勢を弱めたりします。テッポウムシは幹の中に侵入して内部を食い荒らすため、最悪の場合、木全体を枯らしてしまうこともあります。これらの害虫の発生を早期に発見し、適切な対策を施すことが、フェイジョアを健康に保つ上で非常に大切です。
予防策としては、適切な剪定を行い、樹木の内部まで風通しを良くすることが重要です。風通しが悪いと湿気がこもりやすく、病気の発生や害虫の繁殖を助長してしまうため、剪定によって風の通り道を確保しましょう。また、水の与えすぎにも注意が必要です。土の表面が乾いてから水を与えるようにし、過湿にならないように管理しましょう。し害虫が発生してしまった場合は、初期段階であれば手で取り除くか、市販の有機系または低毒性の薬剤を適切に使用して駆除します。農薬を使用する際は、必ず製品ラベルをよく読み、対象作物(フェイジョア)と対象害虫に登録があることを確認してから、記載された使用方法、時期、回数を厳守してください。テッポウムシのように幹の中に侵入する害虫には、専用の殺虫剤を注入するなどの特別な対応が必要になることもあります。日頃からフェイジョアの状態をよく観察し、異変に気づいたら迅速に対処することが、被害を最小限に抑えるための鍵となります。フェイジョアの優美な花々と実りのプロセス
フェイジョアの魅力は、その異国情緒あふれる美しい花にもあります。観賞価値が高く、お庭を鮮やかに彩るアクセントとしても楽しめます。
開花時期と花の特徴
フェイジョアの花は、通常5月から6月にかけて咲き、夏を感じさせる風景を作り出します。この時期になると、色鮮やかな花が枝の先に次々と咲き、お庭全体を明るく彩ります。花の大きさは約4センチメートルで、独特の形状をしています。外側は純白、内側は紫がかった赤色で、その色のコントラストが目を引きます。花びらは肉厚で、甘みを含んでいます。特に目を引くのは、深く赤い色の多数の雄しべで、南国の花を連想させる華やかさがあります。密集して咲く雄しべは、見る人の心を捉え、お庭に独特の雰囲気を添えます。花自体に強い香りはありません。花びらの甘さから、小鳥が花びらを食べ、花粉を運ぶこともありますが、日本ではヒヨドリなどが花びらを食べるものの、受粉は主に昆虫によって行われます。
開花から結実、そして収穫と利用
フェイジョアの美しい花が終わると、いよいよ果実が実り始めます。秋には果実が熟し、日本では10月下旬から12月中旬にかけて収穫期を迎えます。フェイジョアの果実は、パイナップル、バナナ、リンゴを合わせたような、爽やかで独特な香りと甘酸っぱい味わいが特徴で、ビタミンCも豊富です。一般的には、自然に落ちた果実を追熟させてから食べます。室温で1週間ほど置くと、香りが増し、甘みも増して食べ頃になります。果皮は硬いものの、果肉は柔らかく、石細胞という硬い部分とゼリー状の柔らかい部分が混ざっています。断面を見ると、ゼリー状の部分が花のような形をしており、品種や生育状況によって硬い部分と柔らかい部分の割合が異なります。生で食べるのはもちろん、様々な料理や加工品にも利用できます。例えば、採れたての果実をスライスしてヨーグルトやサラダに加えると、新鮮な風味を楽しめます。また、果肉が柔らかく加工しやすいので、自家製ジャムやゼリーを作るのもおすすめです。スムージーの材料としても最適で、他の果物との相性も良く、栄養満点な一杯を手軽に作れます。さらに、ジュース、果実酒、タルトやパイのフィリング、肉料理のソースなど、アイデア次第で様々な使い方ができます。ただし、品種によっては、実の大きさを追求した結果、風味が大味になる傾向があると言われることもあります。収穫した果実をどう楽しむか、その選択肢の多さもフェイジョア栽培の醍醐味と言えるでしょう。
日本におけるフェイジョアの普及と現状
フェイジョアは、花も果実も楽しめる丈夫な常緑低木で、家庭菜園や景観植物、生垣、防風林として人気があります。しかし、日本での普及には独自の歴史と課題があります。明治時代にはリンゴに続く「新果樹」として期待されましたが、リンゴほど普及しているとは言えません。その理由としては、多くの品種が自家不和合性であり、異なる個体との交配が必要であること、果実が市場にあまり出回らず、消費者に馴染みがないこと、そして生食時の味が好みが分かれることなどが挙げられます。また、初期に販売された苗の中には、成長が遅かったり、実がつきにくいものも多く、普及を妨げる原因となりました。しかし、最近では自家結実性があり、味も改良された優良品種が登場し、家庭果樹として再び注目を集めています。ブルーベリーのように、小規模ながら人気が高まっています。しかし、現時点では日本国内にまとまった産地はなく、少数の農家が栽培している程度です。耐寒性が高く、北関東付近まで露地栽培が可能なため、果樹としてだけでなく、庭木や生垣など、様々な用途での利用が期待されています。世界的には、ニュージーランドが最大の生産国であり、一般家庭でも広く食べられています。ジュースや菓子などの加工品の他、乾燥させた果肉を使ったフェイジョアティーも人気です。一方、原産地の南米では、あまり一般的な果物とは認識されておらず、一部で生食される程度に留まっています。
フェイジョアの象徴:花言葉
フェイジョアが持つ花言葉は、「実りある人生」、「情熱的な心」、「満足」といったものです。これらの言葉は、たくさんの果実を実らせるフェイジョアの特徴と、その華やかで美しい花姿からイメージされたと考えられます。庭での栽培を通して、充実した人生を願ったり、情熱を持って何かに取り組む気持ちを表すのに、ふさわしい花言葉と言えるでしょう。
まとめ
フェイジョア(学名:Acca sellowiana)は、パイナップル、バナナ、リンゴをミックスしたような芳醇な香りを放つ果実、比較的容易な栽培管理、そして観賞価値の高い美しい花が魅力のフトモモ科の常緑低木です。原産地は南米ですが、-10℃程度の寒さにも耐え、病害虫にも強いため、園芸初心者でも比較的育てやすいのが特徴です。日当たりが良く、水はけの良い場所を選び、適切な水やり、バランスの取れた肥料、そして花芽を傷つけない程度の軽い剪定を行うことが、生育を良くし、たくさんの収穫を得るための秘訣です。枝の先端に花をつける性質上、強い剪定は避けるようにしましょう。庭植えに適したマンモスやトライアンフといった品種から、鉢植えや狭いスペースでも育てやすいクーリッジやマリアンなどの品種まで、さまざまな種類が存在します。多くの品種は、一本の木では実がなりにくい性質(自家不和合性)を持つため、異なる品種を一緒に植えることで受粉を促進し、収穫量を増やすことができます。自家結実性のある品種も、他の品種と交配させることで実の数やサイズが向上することがあります。人工授粉も有効な手段です。アブラムシ、カイガラムシ、テッポウムシなどの害虫には注意が必要ですが、早期発見と適切な対処で被害を最小限に抑えられます。5月から6月にかけて開花する直径4cmほどの個性的な花は、観賞用としても楽しまれ、花びらにはほんのりとした甘みがあります。秋(10月下旬から12月中旬)に収穫できる甘酸っぱい果実は、特有の食感を持つ石細胞を含む部分と、ゼリー状の柔らかい部分があり、ビタミンCを豊富に含んでいます。生食はもちろん、ジャム、スムージー、ジュース、果実酒など、さまざまな用途で楽しむことができます。収穫は、自然に落下した果実を追熟させて食べるのが一般的です。かつて日本では新しい果樹として注目されましたが、普及は限定的でした。しかし近年、品種改良が進み、家庭で育てやすい品種が登場したことで、再び注目を集め、ちょっとしたブームとなっています。フェイジョアの花言葉である「実り多き人生」「情熱に燃える心」「満ち足りた」は、まさにその魅力を表しています。この記事でご紹介した育て方を参考に、フェイジョアの美しい花と美味しい果実を味わい、豊かなガーデニングライフを楽しんでください。
フェイジョアの収穫時期はいつですか?
フェイジョアの果実は秋に熟し、収穫時期は品種によって多少異なりますが、日本では一般的に10月下旬から12月上旬頃が目安となります。果実が自然に落下する頃が収穫のベストタイミングですが、落下直前の果実を軽くひねって簡単に取れるようであれば、収穫のサインと言えます。
フェイジョアの果実の保存方法について
フェイジョアの果実は、収穫してすぐに食べるよりも、室温で1週間程度追熟させることで、香りがより豊かになり、甘みが増して美味しくなります。十分に熟した果実は、冷蔵庫で保存することで鮮度を保ち、数日から1週間程度楽しむことができます。長期保存したい場合は、冷凍保存したり、ジャムやジュース、果実酒などに加工するのがおすすめです。
フェイジョアの増やし方は?
フェイジョアの増やし方としては、挿し木と種まきが一般的です。挿し木は、春から夏にかけて、その年に伸びた元気な枝を10~15cmほどに切り取り、数枚の葉を残して土に挿します。発根促進剤を使用することで、成功率を高めることができます。種からも育てられますが、発芽するまでに時間がかかり、親株と同じ特徴を受け継がない可能性があるため、特定の品種を確実に増やしたい場合は挿し木がおすすめです。ただし、種から育てた実生の方が、小ぶりながらも美味しい実がなりやすいという意見もあります。
フェイジョアの木の大きさはどのくらいになりますか?
フェイジョアは、通常2~4mほどの高さになる常緑の低木です。ただし、生育環境が非常に良い場合は、原種では7m程度、改良品種でも3mを超える大型の木に育つこともあります。庭に植える際は、ある程度の広さを確保しておくと良いでしょう。鉢植えで育てる場合は、定期的に剪定を行うことで、高さを調整し、コンパクトな樹形を保つことが可能です。
フェイジョアの受粉について教えてください。
多くのフェイジョアの品種は、自家不和合性という性質を持っており、自分の花粉だけでは実がつきにくい場合があります。そのため、異なる品種を一緒に植えることで、それぞれの花粉が受粉を助け、実がなりやすくなります。自家結実性のある品種でも、他の品種と交配させることで、実の数や大きさが向上することが期待できます。受粉は、主に風や昆虫(特にミツバチなど)によって行われます。
フェイジョアの人工授粉の方法は?
人工授粉を行うには、まず異なる品種の花が同時に咲いている必要があります。受粉作業には、清潔な筆や綿棒、または指先を使用します。別の品種の花の雄しべから花粉を採取します。花の下に紙などを敷き、花を軽く揺らすと、花粉を集めやすくなります。採取した花粉を、受粉させたい品種の花の雌しべに、軽くこすりつけるように丁寧に塗布します。この作業をできるだけ多くの花に行うことで、結実の可能性を高めることができます。
受粉に最適な時期とは?
フェイジョアの受粉作業は、開花期間中に行うことが大切です。中でも、開花が始まったばかりの頃が最も適しています。なぜなら、開花初期の花は花粉も雌しべも新鮮で、受粉が成功する確率が高いからです。もし人工授粉を試みるなら、開花直後の若い花を選び、乾燥した晴れた日の午前中に実施すると、より効果が期待できます。













