すだち名産地紀行:徳島が誇る柑橘の魅力に迫る
本記事では、すだちが育つ豊かな自然環境や生産者のこだわりに加え、すだちを活用した多彩な料理などを通して、その奥深い魅力に迫ります。

すだちとは?

すだちは、その爽快な酸味と芳醇な香りで知られる柑橘系の果物です。様々な料理や飲み物に利用され、特に徳島県を代表する特産品として有名です。果肉にはビタミンCが豊富に含まれており、果皮もまた、香辛料として様々な用途で用いられます。

すだちの栄養と利用法

すだちは、レモン以上のビタミンCを含有しており、健康維持や美容に貢献する果実として注目されています。その果汁は、料理の味を格段に向上させるだけでなく、焼酎、日本酒、紅茶など、様々な飲み物との相性も抜群です。また、果皮をすりおろして薬味として使用したり、料理に添えてその香りを堪能することも可能です。特に、徳島名物のたらいうどんや半田そうめんの薬味として、あるいは焼き魚や刺身に振りかけることで、その風味を最大限に楽しむことができます。

すだちの等級とサイズ

すだちには、多種多様な等級とサイズが存在し、使用目的や個人の好みに応じて選択することができます。一般的に、露地栽培されたすだちは、ハウス栽培のものと比較して果皮が厚く硬い傾向にありますが、その分、香りや風味はより一層強く感じられます。

露地スダチとハウススダチの違い

すだちの栽培方法には、大きく分けて露地栽培とハウス栽培の二種類があります。露地スダチは、自然の太陽光をたっぷりと浴びて育つため、香りと風味が豊かで、強い酸味が特徴です。対照的に、ハウススダチは、温度管理が行き届いた環境下で栽培されるため、比較的果皮が薄く、品質が安定しているという利点があります。露地スダチは、8月下旬から9月上旬にかけて収穫される初期のものが特に酸味が強く、熟成が進むと酸味が和らぎ、まろやかな風味へと変化します。早摘みのものは長期保存にも向いています。

スダチの年間収穫・出荷と価格の動き

スダチは栽培方法によって収穫時期が異なり、露地栽培では8月上旬から9月中旬にかけてが最盛期となります。一方、ハウス栽培のスダチは比較的安定した時期に出荷されます。価格はその年の収穫量や市場の需要によって変動しますが、一般的に旬の時期には安定した価格で取引される傾向があります。用途や時期を考慮して、スダチを賢く活用しましょう。

スダチの上手な保存方法

スダチをより長く楽しむためには、適切な保存方法を実践することが大切です。冷蔵保存する際は、乾燥を防ぐためにビニール袋に入れるか、ラップで丁寧に包んでください。冷凍保存も有効で、果汁を絞って製氷皿で凍らせたり、丸ごと冷凍することも可能です。冷凍したスダチは、必要な分だけを取り出し、料理やドリンクに手軽に利用できます。

スダチの産地ランキング:徳島県が圧倒的なシェアを誇る

スダチの生産量において、徳島県は日本一を誇り、2022年のスダチの生産量は全国で2,417トンと前年の4,100トンから40%以上の減産となりました。その内98%に相当する2,400トンが徳島県で生産されています。徳島県は栽培面積も日本最大であり、県全体の約0.093%がスダチ畑となっています。主な産地としては、神山町、佐那河内村、徳島市などが挙げられます。徳島県民一人当たりのスダチ生産量は約5.49kgと、他県を大きく引き離し全国トップです。

スダチ生産量ランキング:2位佐賀県、3位高知県が続く

スダチの生産量で2位に位置するのは佐賀県で、全国シェアの1.0%(2018年時点)を占めています。佐賀県民一人当たりのスダチ生産量は約0.05kgで、全国で2番目に多いです。県内の主要産地は唐津市などです。3位は高知県で、全国シェアは0.6%となっています。高知県民一人当たりのスダチ生産量は約0.03kgで、全国3位です。四万十町や土佐市などが主な産地です。上位3県で国内生産量のほぼ全てを網羅しています。

日本のスダチ生産の現状

国内におけるスダチの生産量は、全体として安定していましたが、近年わずかに減少傾向が見られます。その背景には、気候変動の影響や、スダチ農家の高齢化といった要因が考えられます。しかしながら、スダチへのニーズは依然として高く、今後も安定的な供給が求められています。

スダチが最も美味しい時期

スダチの旬は、自然栽培の場合、8月上旬から9月中旬にかけてです。この時期のスダチは、特に香りが際立ち、風味も豊かで、爽やかな酸味を堪能できます。一年を通してハウス栽培のスダチも流通していますが、旬の時期には、ぜひ採れたてのスダチを味わってみてください。

まとめ

スダチは、その清々しい風味と、たっぷりの栄養成分で、私たちの食卓を彩ってくれる素晴らしい柑橘類です。主要産地である徳島県の生産者の方々の尽力により、上質なスダチが安定的に届けられています。いろいろなスダチを使った料理や飲み物を試して、その魅力を存分にお楽しみください。

スダチとレモンの違いについて

スダチはレモンに比べて小さく、上品な香りが特徴で、酸味も穏やかです。また、スダチは緑色の状態で収穫されることが一般的ですが、レモンは黄色く熟した状態で収穫されます。

すだちを長持ちさせる保存方法

すだちを冷蔵保存する際は、乾燥が大敵です。鮮度を保つために、ビニール袋に入れるか、丁寧にラップで包んでから冷蔵庫に入れましょう。長期保存したい場合は冷凍も可能です。丸ごと冷凍する他、果汁を絞って製氷皿などで小分けにして凍らせると便利です。

すだちの美味しい時期

露地栽培のすだちは、8月上旬から9月中旬にかけてが旬を迎えます。この時期のすだちは、特に香りが高く、風味も豊かで、爽やかな酸味を存分に楽しむことができます。

すだち