愛媛の果物:太陽の恵みを受けた多彩な味覚を堪能

太陽の恵みをたっぷり浴びた、みずみずしい果実の数々。愛媛県は、柑橘のイメージが強いかもしれませんが、実は一年を通して様々な果物が実る「果物王国」です。温暖な気候と豊かな自然が育む、甘くてジューシーな味わいは格別。みかんはもちろん、キウイフルーツやイチゴなど、愛媛ならではの多彩な味覚を、ぜひご堪能ください。

愛媛県:温暖な気候が育むフルーツの楽園

愛媛県と聞くと、多くの方が「みかん」を思い浮かべるかもしれません。しかし、実際には非常に多くの種類の果物が栽培されている、まさに「フルーツの楽園」なのです。恵まれた温暖な気候と豊かな自然の中で、みかんを筆頭とする柑橘類はもちろんのこと、キウイフルーツやびわなど、多種多様な果物が実を結びます。一年を通して色々なフルーツを堪能できるのが、愛媛県の大きな魅力です。

愛媛みかん:太陽の恵みをたっぷり受けた美味しさの秘密

愛媛県といえば、やはりみかん。そう感じる方も少なくないでしょう。一般的に「みかん」として親しまれているのは「温州みかん」であり、愛媛みかんや有田みかんも、すべてこの温州みかんを指します。日本原産とされる温州みかんですが、実は400年も前の戦国時代から栽培されているという、長い歴史を持つ果物なのです。愛媛県は温州みかんの出荷量で全国トップクラスを誇り、その美味しさは、太陽、海、そして石垣という3つの要素によって育まれます。海岸線に沿って広がる傾斜地の段々畑は、熱を蓄えやすい石垣で覆われており、太陽の光、海からの反射光、そして石垣からの照り返しがみかんに降り注ぎ、甘くて美味しいみかんを育て上げます。農林水産省の統計(2014年)によると、愛媛県の温州みかんの出荷量は和歌山県に次いで全国第2位。年間およそ11万7300トンものみかんが出荷されており、全国シェアの約15パーセントを占めています。

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柑橘王国:愛媛県が誇るバラエティ豊かな柑橘類

愛媛県は、伊予柑、ポンカン、清見、河内晩柑、せとか、はるみなど、全国で最も多い収穫量を誇る柑橘類を数多く有しています。2003年まではみかんの出荷量で日本一でしたが、2000年代に入って新しい柑橘類への植え替えが進んだ結果、残念ながら和歌山県にその座を譲ることになりました。しかし、そのおかげで、愛媛県は今や「柑橘王国」と称されるほどの生産量を誇るようになったのです。特に有名な伊予柑は、全国シェアの9割以上(91.1パーセント)を占めています。これらの柑橘類は、温暖な気候と柑橘栽培に最適な地形によって育まれ、それぞれが独自の風味と食感を持っています。さらに、甘平(かんぺい)、まりひめ、天香(あまか)、ひめあかりなど、愛媛県でのみ栽培されている珍しい柑橘類も存在します。不知火(デコポン)、甘夏(あまなつ)、はっさく、日向夏(ひゅうがなつ)、文旦(ぶんたん)なども、軒並み全国上位3位以内に入るほどの生産量を誇っています。

愛媛県オリジナル柑橘:甘平、紅まどんな、愛媛Queenスプラッシュ

愛媛県は、独自の品種開発にも力を注いでおり、甘平(かんぺい)、紅まどんな、愛媛Queenスプラッシュなど、ここでしか味わえない特別な柑橘類を次々と生み出しています。甘平は、「西之香」と「ポンカン」を掛け合わせて生まれた品種で、薄い皮で簡単に剥くことができ、シャキシャキとした食感が特徴です。愛媛Queenスプラッシュは、甘平の中でも特に高品質なものに与えられるブランド名です。糖度13度以上、色や形が優れている、2L~4Lサイズといった厳しい条件をクリアした、まさに最高級ランクの逸品です。愛媛果試第28号(紅まどんな)は、「南香」と「天草」というみかんを掛け合わせて生まれた品種で、ゼリーのようなとろける食感が魅力です。愛媛果試第28号の中でも、JA全農えひめが定める厳しい品質基準(糖度・酸度など)を満たし、県内のJAを通じて出荷されたものだけが「紅まどんな」として販売されます。

温州みかんの種類:サンエース、道後温泉、味ピカ、美柑王、真穴みかん貴賓

愛媛県は、多種多様な温州みかんが栽培されていることで知られています。例えば、温暖な気候のしまなみ海道で育ち、糖度12度以上の基準を満たす「サンエース」や、愛媛県を代表するブランドとして名高い「道後温泉」も糖度12度以上を誇ります。さらに、とろけるような食感が魅力の「味ピカ」(糖度12.5度以上)、長期間にわたって出荷される「美柑王」(糖度12.5度以上)、そして、厳しい品質基準をクリアした最高級品の「真穴みかん貴賓」など、個性豊かな温州みかんが豊富です。

その他の柑橘類:伊予柑、せとか、ポンカン、河内晩柑

愛媛県では、温州みかん以外にも、伊予柑、せとか、ポンカン、河内晩柑といった様々な柑橘類が栽培されています。「伊予柑」は、見た目、味、香りの三拍子が揃った柑橘として親しまれており、その爽やかな香りと甘酸っぱさが特徴です。また、「せとか」は「柑橘の大トロ」とも称され、濃厚な甘味ととろけるような食感が堪能できます。「ポンカン」は、手で皮が剥きやすく、気軽に味わえるのが人気の理由です。そして、「河内晩柑」は、和製グレープフルーツとも呼ばれ、そのさっぱりとした風味が魅力です。加えて、1月に樹上で完熟させた「弥生紅」は、専用の貯蔵施設で3月まで熟成させ、糖度11.5度以上のものだけが厳選され、特別なブランドとして出荷されます。

香酸柑橘:ライム、カボス、ユズ、じゃばら

愛媛県は、酸味が強く、主に果汁を利用する香酸柑橘の栽培も盛んです。国産ライムの約7割は愛媛県産であり、カボス、ユズもそれぞれ全国上位の生産量を誇ります。近年注目を集めている「じゃばら」は、花粉症への効果が期待されており、愛媛県はその生産地として知られています。

キウイフルーツ:愛媛県が誇る隠れた名産品

キウイフルーツといえばニュージーランドのイメージが強いかもしれませんが、実は愛媛県もキウイフルーツの生産量が非常に多く、日本有数の産地です。かつて米の減反政策が行われた際、その代替作物としてキウイフルーツ栽培が奨励され、愛媛県は全国で最もキウイフルーツ栽培が盛んな県となりました。1970年代には、温州みかんからの品種転換作物としてキウイフルーツの栽培が始まりました。

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瀬戸内の恵み、岩城島の青いレモン

愛媛県はレモンの生産量で全国第2位を誇ります。市場に出回るレモンの多くは輸入品ですが、瀬戸内海に浮かぶ岩城島産のレモンは、緑色の「青いレモン」として知られています。レモンの皮は本来緑色で、熟すと黄色に変わります。輸入品は輸送の関係で青いうちに収穫されることが多いのですが、愛媛の青いレモンは新鮮さの証なのです。また、防腐剤やワックスを使用していない、安心安全な国産レモンとして人気を集めています。

柑橘だけじゃない!愛媛の豊かな果実:ビワ、柿

愛媛県では、ビワや柿など、様々な果物が栽培されています。特にビワは全国で6位の生産量を誇ります。また、日本一大きいとされる「富士柿」や、ユニークな釣り鐘型で渋抜きをして食される「愛宕柿」の産地としても有名です。

愛媛生まれの赤い宝石:紅い雫(伊予美人)

「紅い雫」は、愛媛県が開発したオリジナルのイチゴ品種で、「あまおとめ」と「紅ほっぺ」を掛け合わせて生まれました。雫のような可愛らしい形と、果実全体が赤く色づいているのが特徴です。糖度が高く、程よい酸味とのバランスが絶妙です。「紅い雫」の中でも、さらに手間暇かけて栽培された数量限定の「至高の紅い雫」は、シャキシャキとした食感と芳醇な香りが特徴で、まるで牛乳シェイクのような風味を楽しめます。また、ジャガイモにも愛媛県オリジナル品種があり、それが愛媛農試V2号です。この愛媛農試V2号の中でも、県内のJAを通して出荷されたものだけが「伊予美人」という名前で販売されます。滑らかな舌触りと、強い粘り気、そして濃厚な甘みが魅力です。

結び

愛媛県といえば、みかんのイメージが強いですが、それ以外にもバラエティ豊かな柑橘類や、ジューシーなキウイフルーツなど、自然の恵みをたっぷり受けた絶品フルーツが目白押しです。温暖な気候と栄養豊富な土壌が、これらの果物の格別な美味しさを実現しています。愛媛県にお越しの際は、ぜひこれらの果物を心ゆくまでお楽しみください。その味にきっと感動するはずです。愛媛の自慢の果物は、オンラインショップから手軽にお取り寄せもできますので、ぜひ一度お試しください。

愛媛県を代表する果物といえば何ですか?

愛媛県で最も名が知られている果物といえば、やはり温州みかんでしょう。愛媛みかんとして全国にその名を知られ、その収穫量は全国でもトップクラスです。

愛媛県以外では栽培されていない柑橘類はありますか?

はい、愛媛県には、甘平(かんぺい)や紅まどんなといった、県内だけで栽培されているオリジナルの柑橘類が存在します。これらの柑橘類は、ここでしか味わえない特別な美味しさが魅力です。

愛媛県産の果物はどこで手に入れることができますか?

愛媛県産の果物は、地元のスーパーマーケットや道の駅、フルーツショップなどで購入できます。さらに、便利なインターネット通販でも手に入れることが可能です。

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