近年、健康や美容に関心の高い人々から注目を集めている「ポリフェノール」。赤ワインやチョコレート、緑茶などに含まれるこの成分は、私たちの体をサビつきから守る抗酸化作用をはじめ、様々な健康効果が期待されています。この記事では、ポリフェノールの種類や効果、効率的な摂取方法などを詳しく解説。日々の食生活に取り入れて、内側から輝く健康的な美しさを手に入れましょう。
ポリフェノールとは
植物界に広く分布するポリフェノールは、その種類が5,000以上とも言われる、苦味や色素の元となる成分です。 特筆すべきは、その強力な抗酸化力。体内の有害物質を無害化する働きにより、動脈硬化をはじめとする生活習慣病の予防に貢献します。ポリフェノールは、ビタミンCやビタミンEといった抗酸化ビタミンと同様に、優れた抗酸化作用を発揮します。さらに、種類ごとに特有の機能を持つ点も魅力です。水溶性であるため、効果が現れるのは比較的早いものの、持続性には限りがあります。そのため、日々の食生活の中でこまめな摂取を心がけることが大切です。
ポリフェノールの効果
目に良いとされるアントシアニンは、網膜のロドプシン再合成を助け、視機能の改善に寄与すると考えられています。カカオポリフェノールは、血管拡張作用により血圧低下を促します。血管の炎症を抑え血流を改善、動脈硬化の予防にも効果が期待できます。LDLコレステロールの酸化を抑制し、血管をしなやかに保ち、HDLコレステロールを増やす働きも報告されています。さらに、抗酸化作用により紫外線による肌ダメージを軽減し、美肌効果も期待できます。アレルギーに関しては、抗体生成の抑制、ヒスタミン放出の抑制、好酸球の働きを抑えるなど、多方面からアレルギー症状の緩和に寄与するとされています。ルチンは、毛細血管を強化し血流を促進、脳卒中予防に役立つ可能性があります。クルクミンについては、抗酸化作用、肝機能への効果、発がん抑制効果などが一般的に言われていますが、現時点では十分な科学的根拠がないため、今後の研究成果が期待されます。イソフラボンは、女性ホルモンに似た働きで更年期症状の緩和に役立つとされています。フェルラ酸は、メラニン生成を抑制する可能性があり、シミやシワの予防、美白効果が期待されています。コーヒーポリフェノール(クロロゲン酸)は、脂肪消費量を増加させ、内臓脂肪の低減に繋がると言われています。
ポリフェノールを豊富に含む食品
ポリフェノールを豊富に含む食品には、様々な種類があります。例えば、アントシアニンは赤ワイン、ブルーベリー、なす、カシス、ブドウなどに、カテキンは緑茶や紅茶に多く含まれています。また、ココアやチョコレートにはカカオポリフェノールが、そば、かんきつ類、玉ねぎにはルチンが含まれています。さらに、玄米にはフェルラ酸、豆類にはイソフラボン、ターメリックにはクルクミン、生姜にはショウガオール、そしてコーヒーにはコーヒーポリフェノールが豊富です。食品100gあたりのポリフェノール含有量(mg)を見ると、赤ワインが230mg、コーヒーが200mg、緑茶が115mg、紅茶が96mgとなっています。その他、トマト・野菜ジュースは69mg、ココアは62mg、ごぼうは49mg、ほうれん草は42mg、ウーロン茶は39mg、豆乳は36mg、ブロッコリーは35mg、フルーツジュースは34mg、大豆は15mg、ブドウは12mg、麦茶は9mgです。
ポリフェノールの摂取方法
ポリフェノールは多くの研究対象となっていますが、その効果や安全性に関して確固たる情報はまだ不足しているのが現状です。 日本人の食事摂取基準(2020年版)においても、ポリフェノールの摂取目安量は設定されておらず、今後の研究成果が期待されています。健康を意識してポリフェノールを摂取する場合は、過剰摂取を避け、適量を心がけることが重要です。 バランスの良い食事を基本とし、様々な食品からポリフェノールを摂取することが望ましいでしょう。ポリフェノールは水溶性であるため、比較的速やかに作用する一方で、効果の持続性は短いとされています。 したがって、毎日こまめに摂取することが推奨されます。