ナッツの効果

カリッとした食感と豊かな風味が魅力のナッツ。おやつやおつまみとして親しまれていますが、実は私たちの健康を力強くサポートしてくれるスーパーフードでもあるのです。豊富な栄養素が詰まったナッツを毎日食べることで、生活習慣病の予防や美容効果、さらには認知機能の維持まで、様々な健康増進効果が期待できます。しかし、一方で過剰摂取には注意も必要です。この記事では、ナッツを毎日食べることで得られる健康効果と、知っておくべきリスクについて詳しく解説します。賢くナッツを食生活に取り入れて、より健康的な毎日を送りましょう。

メタボリックシンドロームや高血圧などを予防

近年、美容と健康を意識する人々から注目を集めている食品の一つがナッツです。デパートの食品フロアには専門店が見られるようになり、コンビニエンスストアでも多種多様なナッツが手軽に購入できるようになりました。その背景には、「ナッツには現代人に不足しがちな栄養素が豊富に含まれており、生活習慣病や健康を阻害する要因を予防する効果が期待できる」という研究結果が数多く報告されていることがあります。確かにナッツは脂質が多く、高カロリーな食品ではありますが、良質な不飽和脂肪酸、カルシウム、カリウム、マグネシウム、食物繊維といった栄養素がバランス良く含まれており、過去の研究からも、生活習慣病の予防に役立つ可能性が示唆されています。

善玉と悪玉のコレステロールバランスを整える

ナッツは、抗酸化物質や植物由来の成分を豊富に含み、コレステロール値の改善に役立つと考えられています。これらの成分は、血管や細胞を保護し、動脈硬化の原因となる活性酸素の働きを抑制します。アメリカ食品医薬品局(FDA)は、1日に約42gのナッツ摂取が心血管疾患のリスク低減に寄与する可能性があると発表しています。また、高血圧予防に効果的なDASHダイエットにおいても、ナッツは推奨食品の一つとして挙げられています。専門家は、毎日約28gのナッツを摂取することを推奨しています。

体重増加と心血管疾患リスク抑制

様々な種類のナッツ、例えばアーモンドやクルミなどを摂取することで、体重管理を助け、メタボリックシンドロームや心臓病のリスクを軽減できる可能性があるという研究が、アメリカのルイジアナ州立大学の研究グループによって報告されました。この研究によると、ナッツの摂取はBMI(体格指数)と収縮期血圧の低下、インスリン抵抗性の改善、そしてHDLコレステロール(善玉コレステロール)の上昇と関連があることが示唆されています。研究チームは、米国の国民健康栄養調査(NHANES)の2005年から2010年までのデータを用いて、19歳以上の男女1万4,386人のデータを分析しました。調査の結果、ナッツを習慣的に摂取している人は、1日に平均して約44.3gのナッツを食べていることがわかりました。これは、FDA(アメリカ食品医薬品局)が健康強調表示で推奨する量とほぼ同じです。研究結果から、日常的にナッツを摂取している人は、そうでない人に比べて肥満の割合が25%低く、腹囲が大きい人の割合も21%少ないことが示されました。さらに、ナッツを摂取しているグループは、摂取していないグループに比べて、BMIが0.8kg/m²、腹囲が2.3cm、収縮期血圧が2.6mmHg、インスリン抵抗性の指標であるHOMA-IRの値が0.3、それぞれ低いことが明らかになりました。また、HDLコレステロールは1.5mg/dL上昇していました。

ナッツ類のがん予防効果

3万人以上の患者を対象とした36件の研究を分析した結果、ナッツ類の摂取は、特に直腸がん、子宮がん、すい臓がんの発症リスク低下と関連していることが判明しました。最も顕著なリスク低下は、直腸がんで24%、子宮がんで42%、すい臓がんで32%でした。ナッツ類が心血管疾患のリスクを低下させることは周知の事実ですが、今回の研究は、ナッツ類ががん予防にも貢献する可能性を示唆しています。日々の食生活にナッツ類を取り入れることが、がん予防の一助となるかもしれません。

ナッツ類は、ヘルシーな間食にうってつけ

良質な不飽和脂肪酸を豊富に含むナッツは、オレイン酸を多く含む種類もあります。オレイン酸は、悪玉コレステロールとして知られるLDLコレステロールを下げる効果が期待できます。さらに、ナッツを摂取することで肥満のリスクを抑えられる可能性があります。これは、ナッツに含まれる食物繊維による満腹感の持続や、咀嚼回数の増加が食後の食事量を減らすことに繋がるためと考えられています。栄養価の高いナッツは、間食に最適な食品です。夏のアウトドアレジャーのお供にも、手軽に持ち運べるナッツはおすすめです。市販のナッツには塩分が添加されているものも多いため、高血圧予防の観点からは、無塩タイプのナッツを選ぶことをおすすめします。

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