いつものお茶に、もう一工夫加えてみませんか?「食べるお茶」は、茶葉をまるごといただく新しい習慣です。急須で淹れるお茶では抽出できない、茶葉に残った栄養を無駄なく摂取できるのが魅力。食物繊維やビタミンEなど、健康や美容に嬉しい成分がたっぷり含まれています。抹茶のように粉末状にして楽しむのはもちろん、料理やお菓子作りに活用するなど、その可能性は無限大。さあ、「食べるお茶」で、より豊かなお茶体験を始めましょう。
食べるお茶とは?
「食べるお茶」とは、お茶の葉を丸ごと、または粉末状にして体内に取り入れる方法です。普段私たちが飲んでいるお茶は、茶葉に含まれる成分のうち水に溶け出すものだけを摂取していますが、実際には茶葉には水に溶けない栄養も豊富に存在します。茶葉を直接食べることで、これらの栄養成分を無駄なく摂取できる点が、「食べるお茶」の最大の魅力と言えるでしょう。抹茶は、粉末状にしてお茶として楽しむことで、茶葉の持つすべての成分を摂取できる代表的な例です。
食べるお茶で摂取できる栄養とその効果
お茶の葉には、カテキン、カフェイン、テアニン、GABA(γ-アミノ酪酸)といった水溶性の成分に加え、β-カロテン、ビタミンE、食物繊維などの不溶性成分も豊富に含まれています。カテキンには、抗酸化作用や抗菌作用、さらにコレステロール値を下げる効果が期待されています。GABAは血圧の上昇を抑制する効果、テアニンはリラックス効果、カフェインは眠気を覚ます効果があることが知られています。β-カロテンとビタミンEは、抗酸化作用によって、がん予防や老化の抑制に役立つと考えられています。また、食物繊維は便秘の解消や大腸がんの予防に効果が期待できます。あるデータによれば、上質な煎茶の粉末茶を1日に6g摂取することで、日本人が1日に必要とするビタミンAの約半分、ビタミンEの約半分を摂取できるとされています。
食べるお茶の多様な活用方法
食べるお茶は、様々な形で私たちの食生活に取り入れることができます。古くから抹茶の産地の一部地域では、「てん茶飯」や「茶粥」といった形で食されてきました。その他にも、寿司飯に混ぜて「茶いなり」として楽しむ、お菓子作りの材料として使用する、料理に風味を加えるために使用するなど、工夫次第で様々なアレンジが可能です。さらに、食品加工の分野では、消臭効果や抗酸化作用を活用し、家畜の飼料に添加することで、食肉や鶏卵の品質向上を目指す試みも行われています。近年では、お茶を食材として積極的に活用する研究会も各地で設立され、食べるお茶の普及を後押ししています。
自宅で簡単!食べるお茶レシピ
ここでは、ご自宅で手軽に作れる、食べるお茶のレシピを3つご紹介いたします。これらのレシピを通じて、お茶の豊かな風味を楽しみながら、豊富な栄養を摂取してみてはいかがでしょうか。
てん茶飯
愛知県豊田市の一部地域で、古くから作られている特別な「てん茶」を使った、風味豊かなご飯のレシピをご紹介します。
<材料>
てん茶:13g
白米:5合
塩:18g
お好みで砂糖や日本酒を加えても美味しくいただけます。
<作り方>
- 炊飯器に白米と塩を入れ、通常の炊飯と同じように炊き上げます。
- 炊き上がったら、ご飯を別の容器に移して少し冷ましてください。
- ご飯が少し冷めたら、てん茶を全体にふりかけ、均一になるように混ぜ合わせれば完成です。
茶粥
お茶の優しい香りと味わいが楽しめる、心温まる茶粥のレシピです。
<材料>
てん茶:小さじ1
おかゆ:適量
塩:適量
<作り方>
- 炊飯器または鍋でおかゆを作ります。
- おかゆが炊き上がったら、塩を加えて味を調えます。
- 器におかゆを盛り付け、仕上げに、てん茶を少量ずつふりかければ出来上がりです。
茶いなり
お茶の香りが食欲をそそる、風味豊かな茶いなりのレシピです。
<材料>
てん茶:適量
煎茶(粉末):適量
寿司飯:適量
油揚げ:適量
<作り方>
- 寿司飯に、細かくすりつぶしたてん茶と粉末状の煎茶を混ぜ込みます。
- 通常のいなり寿司と同様に、油揚げに寿司飯を詰めて完成です。
まとめ
食べるお茶は、お茶に含まれる栄養を無駄なく摂取できるだけでなく、様々な料理に応用できる素晴らしい食文化です。今回ご紹介したレシピを参考に、ぜひ毎日の食卓に「食べるお茶」を取り入れてみてください。お茶の新たな魅力を発見し、より健康的な食生活を送りましょう。
よくある質問
「食べるお茶」には、どのような種類があるのでしょうか?
一般的に「食べるお茶」として知られているのは、抹茶、碾茶(てんちゃ)、煎茶のパウダー状にしたものです。これらは、ダイレクトに料理に混ぜ込んだり、ご飯にかけるなどして楽しむことができます。
注意すべき点はありますか?
「食べるお茶」を摂取する上で、注意すべき点はありますか?
お茶にはカフェインが含まれているため、摂取量には気を配る必要があります。特に、カフェインに対して敏感な体質の方や、妊娠されている方は、摂取量を調整することが大切です。
どこで手に入れることができますか?
「食べるお茶」は、どこで購入することができるのでしょうか?
抹茶や粉末状の煎茶は、一般的なスーパーマーケットやオンラインストアで簡単に入手できます。一方、碾茶(てんちゃ)は、専門的なお茶屋さんや、お茶を栽培している農家から直接購入できる場合があります。