枝豆の品種選びから栽培成功の秘訣!家庭菜園で楽しむ絶品枝豆
夏の食卓に欠かせない枝豆。その種類は実に豊富で、400を超える品種が存在します。しかし、家庭菜園で枝豆を育てようとすると、「どの品種が育てやすいのか」「なかなか発芽しない」といった問題に直面しがちです。この記事では、枝豆の代表的な種類から、特に味や風味に定評のあるおすすめ品種、さらに家庭菜園での栽培に適した品種まで詳しく解説します。また、多くの人が苦労する「発芽」をテーマに、発芽が難しいとされる茶豆系品種でも高い発芽率を維持するための秘訣を、土作りから水やりのコツ、環境管理まで具体的にご紹介します。この記事を読めば、初心者でも美味しい枝豆を確実に収穫し、家庭菜園での枝豆栽培を存分に楽しめるようになるでしょう。

奥深い枝豆の世界:種類と特徴を徹底解説

枝豆は、その鮮やかな緑色と独特の香りで、日本の夏を象徴する味覚の一つです。一口に枝豆と言っても、品種は400種類以上存在し、それぞれに異なる個性があります。品種によって味や食感はもちろん、収穫時期や栽培方法によっても収穫量や風味が変化するため、枝豆栽培や品種選びを始めるにあたっては、まず主要な種類とその特性を理解することが大切です。

枝豆の主要な3つのタイプ

枝豆は主に、「白毛豆」「茶豆」「黒豆」の3つのタイプに分類できます。これらのタイプは、見た目、風味、食感、そして栽培される地域において、それぞれ特徴的な性質を持っています。

白毛豆:ポピュラーで親しみやすい枝豆

白毛豆は、枝豆の中でも最も一般的で、スーパーなどでよく見かける代表的な種類です。名前の通り、サヤが白い産毛で覆われているのが特徴で、一つのサヤに3粒の豆が入っていることが多いです。全国各地で広く栽培されており、比較的育てやすいことから、家庭菜園初心者にもおすすめです。味にクセがなく、様々な料理に使いやすいのも魅力です。

茶豆:芳醇な香りと奥深い甘みが魅力

茶豆は、薄皮が茶色がかった色をしている枝豆で、一つの莢に二粒の実が入っていることが多いのが特徴です。茹でると、芳醇で独特な香りが立ち上り、口に含むと濃厚な甘みとコクが広がります。この特徴的な風味は、豆に含まれる豊富な遊離糖や遊離アミノ酸によるものと考えられています。全国的に広く栽培されている白毛豆とは異なり、主に東北地方で昔から栽培されてきた歴史を持ち、地域ならではのブランド品種も数多く存在します。濃厚な味わいを堪能するには、塩茹でが最適です。ただし、この甘さが種子の段階から備わっているため、発芽時の水分管理には細心の注意が必要となります。

黒豆:大粒で豊かなもっちり食感

黒豆は、その名の通り、漆黒の色合いが印象的な枝豆です。一般的な枝豆に比べて実が大ぶりで、手に取るとずっしりとした重みを感じられます。食感はもっちりとしていて、しっかりとした歯ごたえがあり、食べ応えも十分です。おせち料理の定番というイメージが強いかもしれませんが、枝豆として塩茹でにして味わったり、独特の甘みと食感を活かしてスイーツ作りに利用されることもあります。その美しい見た目と上品なツヤも高く評価され、高級食材としても扱われています。

目的別!枝豆の選び方ガイド

枝豆は非常に多くの品種が存在するため、どれを選べば良いのか迷ってしまう方もいるかもしれません。品種を選ぶ際には、「味の好み」「食感の好み」「調理方法」、そして「栽培の容易さ」など、ご自身の目的に合わせて選ぶのが賢明です。ここでは、特に食味に優れた品種と、家庭菜園でも育てやすい品種を中心に、具体的な品種名とそれぞれの特徴をご紹介します。

美味しい品種選びのヒント

枝豆の品種を選ぶにあたっては、どのような味わいや食感を求めているのか、どのように調理して食べたいのかを具体的にイメージすることが重要です。例えば、しっかりとした食感と大粒の枝豆がお好みであれば、シンプルに塩茹でにしてそのまま味わうのがおすすめです。甘みやコクが際立つ品種であれば、料理に取り入れることでその風味が一層引き立ちます。

味で選ぶ!おすすめ枝豆品種

枝豆の醍醐味といえば、あの独特の風味、甘み、そして食感。ここでは、特に味の評価が高い品種を厳選してご紹介します。

弥彦むすめ:幻の超早出し枝豆

新潟県弥彦村生まれの特別な枝豆。驚くことに、毎年5月初旬には収穫が始まる、全国でも極めて早い時期に出回る希少な品種です。凝縮された旨味とすっきりとした甘さ、そして何よりもその香りの高さが特徴。一度味わうと、その美味しさの虜になるでしょう。JA新潟かがやきからは、鮮度を最大限に保つため、枝付きの状態で出荷。新鮮な枝豆ならではの爽やかな香りと、噛むごとに広がる深い旨味はまさに絶品です。

湯あがり娘:茶豆のような風味で大人気

湯あがり娘は、濃厚でしっかりとした枝豆の味を満喫できる品種です。見た目は一般的な白毛豆ですが、まるで茶豆のような甘い香りと味わいが楽しめるため、非常に高い人気を誇ります。シンプルに塩茹でにするだけでも美味しく、様々な料理に活用すれば、その風味がさらに引き立ちます。比較的栽培期間が短いのも魅力で、家庭菜園にもおすすめです。ただし、茶豆風味を持つがゆえに、発芽時の水分管理には特に注意が必要です。

だだちゃ豆:山形が誇る茶豆の逸品

山形県鶴岡市で昔から栽培されている伝統的な品種で、「茶豆の王様」とも呼ばれています。表面を覆う茶色の産毛と薄皮が特徴で、口に運ぶと、他では味わえない独特の甘みと深いコクが広がります。その芳醇な香りは、だだちゃ豆ならではの特別な魅力です。収穫時期は夏の終わりから秋にかけてと少し遅めですが(最高の味を楽しむなら、旬の時期を狙うのがおすすめです)、その時期にしか味わえない格別な美味しさがあります。

丹波黒大豆:おせちだけでは勿体ない!

黒豆として名高い丹波黒大豆は、枝豆としてもその優れた特性を発揮します。特筆すべきは、その圧倒的な大きさと重量感です。他の品種と比較しても際立つ存在感を放ちます。外観の美しさもさることながら、口に含むとホクホクとした食感が広がり、満足感を得られます。お正月のおせち料理でお馴染みですが、シンプルに塩茹でにするだけでも極上の味わいを楽しめます。その豊かな風味と独特の食感は、まさに格別です。

小糸在来:千葉県産の甘味が際立つ大粒枝豆

千葉県で大切に栽培されている小糸在来は、在来品種ならではの魅力を持っています。大粒で、際立った甘味が特徴です。枝豆特有の青臭さが少ないため、非常に食べやすいのも人気の理由の一つです。収穫時期は10月頃とやや遅めですが、その分、風味と甘みが凝縮され、より濃厚な味わいとなります。

育てやすさで選ぶ!家庭菜園に最適な品種

枝豆は比較的容易に栽培できるため、家庭菜園初心者にもおすすめです。特に育てやすい品種を選べば、より手軽に栽培を楽しめます。庭や畑がなくても、プランターで手軽に栽培できるのが魅力です。苗から育てた場合、およそ3ヶ月程度で収穫できるため、手軽に始められます。4~5月頃に種をまき、順調に育てば、夏には美味しい枝豆を味わうことができるでしょう。
家庭菜園での栽培におすすめの品種は以下の通りです。
  • **初だるま**:栽培が容易で、収穫量が多いのが特徴です。初心者でも確実に収穫を目指せるでしょう。
  • **おつな姫**:強い甘みと食味が魅力の品種です。茶豆のような風味を持ちながらも、比較的育てやすいとされています。
  • **湯あがり娘**:美味しさはもちろんのこと、栽培期間が短い点も魅力で、初心者にもおすすめです。
  • **味風香**:安定した収穫量が見込める品種です。たくさん収穫したい方におすすめです。
  • **緑碧**:生育が旺盛で、丈夫な品種です。多少の環境変化にも強く、安心して育てられます。

時期に合わせた品種選び

時期ごとに異なる品種を栽培するのも、枝豆栽培の楽しみ方の一つです。

サッポロミドリ:夏の食卓を彩る、大粒の白毛枝豆

サッポロミドリは、豊かな実りが期待できる白毛豆の一種です。特徴は、一つのサヤに3粒も豆が詰まっていること、そしてその一粒一粒が大きいことです。しっかりとした食べ応えがあり、噛むほどに豆本来の旨味が広がります。シンプルに塩茹でにして味わうのが一番のおすすめ。旬は7月頃で、夏の訪れを告げる代表的な枝豆と言えるでしょう。

枝豆栽培の成否を分ける:発芽のコツと育苗の重要性

枝豆栽培で最も重要なのは、種から芽を出す「発芽」です。畑に直接種をまく方法(直播き)は、天候の影響を受けやすく、発芽率が不安定になりがちです。そこで、家庭菜園愛好家からプロの農家まで、多くの人がセルトレイを使った育苗を選択しています。セルトレイ育苗なら、種を無駄にすることなく、発芽不良による欠株も減らせます。播種後の天候に左右されにくいのも大きなメリットです。

セルトレイ育苗がもたらす確実な成功

枝豆栽培におけるセルトレイ育苗は、通常128穴のトレイを使用し、苗を育ててから畑に植え替える方法です。この方法には、数々の利点があります。まず、種の利用効率が格段に向上します。直播きの場合、鳥に食べられたり、土中の病害虫に侵されたり、急な気候変動に見舞われたりして、種が失われるリスクがあります。しかし、セルトレイ育苗では、これらのリスクを最小限に抑えることができます。次に、欠株を大幅に減らすことができます。発芽しない株があると、その後の管理や収穫作業に支障をきたしますが、育苗によって事前に発芽を確認した健全な苗だけを選んで植えることができるため、畑に均一な株間を確保できます。さらに、播種後の天候に影響されにくい点も大きなメリットです。育苗期間中は、温度や湿度などを管理しやすい環境下で育てることができるため、雨や乾燥などの外的要因から種子や幼苗を守り、安定した発芽と成長を促すことが可能となります。

繊細な茶豆系品種:発芽の難しさと対策

一般的な枝豆品種(大豊緑や里のほほえみなど)は、播種直後にたっぷりと水を与え、その後は発芽するまで水やりを控える方法でも、比較的容易に発芽します。しかし、越後ハニーをはじめとする茶豆や、おつな姫、湯あがり娘、げんき娘といった茶豆風味の品種は、その風味の良さゆえに、発芽管理が非常にシビアです。特に「げんき娘」は「湯あがり娘」の系統を受け継ぐ品種で、気温、セルトレイへの土の詰め方、水やりの量など、わずかな環境変化にも敏感に反応し、管理が不十分だと発芽率が著しく低下します。筆者の経験では、128穴セルトレイで11枚分の苗を育てた際、6枚目を大雨にさらしてしまった結果、発芽率が30%程度にまで落ち込みました。発芽した芽も生育不良だったため、全て処分せざるを得ませんでした。これは、その品種のロットが特別に発芽率が悪かったのではなく、茶豆風味品種特有の「発芽力の弱さ」を示しています。一方で、他のセルトレイは全て、少なくとも85%以上、平均で90%を超える発芽率を達成しており、適切な管理がいかに重要であるかを明確に示しています。

茶豆系枝豆が腐りやすい理由:科学的視点

茶豆系の枝豆が持つ独特の「甘み」は、豆に含まれる豊富な遊離糖や遊離アミノ酸に由来します。この特徴は種子の段階から決定されており、発芽時の腐敗リスクを高める主要な要因となります。一般的な大豆やあっさりとした風味の枝豆は、代謝速度と、デンプンから糖、タンパク質からアミノ酸への変換バランスが適切に保たれているため、発芽時に腐敗の問題は起こりにくいものです。しかし、茶豆系は風味を重視するあまり、水分が多い環境下では非常に腐敗しやすくなります。考えられる原因として、水分過多により種子の呼吸が阻害され、同時に土壌中の微生物が活動しやすい環境が生まれることが挙げられます。結果として、種子の正常な代謝よりも早く、微生物が種子の豊富な糖やアミノ酸を栄養源として繁殖し、腐敗を引き起こしてしまうのです。甘みの強いスイートコーンなども同様の傾向があり、飼料用のフリントコーンと比較すると発芽力が低いことから、近年、食味を追求した品種改良が、発芽力を低下させている可能性も考えられます。

90%以上の発芽率を実現するための4つの秘訣

発芽力の弱いとされる茶豆風味の品種でも、高い発芽率を安定して実現するためには、以下の4つの具体的な秘訣が非常に効果的です。これらの秘訣を実践することで、筆者は実際に90%を超える発芽率を安定的に達成しています。

秘訣1:セルトレイの土は「ふんわり」と詰める

セルトレイに土を詰める際には、その詰め方が発芽率に大きく影響します。土の種類よりも、むしろ詰め方そのものが重要と言えるでしょう。
最適な土の種類と湿り具合
土は市販の培養土を使用しても構いませんし、手に入らない場合は畑の土をふるいにかけて使用しても良いでしょう。筆者はコスト削減のため、畑の土をふるいにかけて使用しています。土の種類よりも重要なのは、土を詰める前の湿り具合です。後述する水やりのタイミングにも関連しますが、水はけの良い畑の場合、雨上がりの翌日に土をふるいにかけると、ちょうど良い水分量になっていることが多いです。
ふんわりと土を詰める方法
土を強く押し込むのは避けましょう。トレーの縁まで土を入れ、軽く持ち上げて平らな場所に2、3回軽く落とすのが理想的です。これは、土を少しだけ落ち着かせるための工夫です。指で強く押さえるのは絶対にやめてください。土が固くなると、根が伸びにくくなり、水分が過剰になる可能性があります。ふんわりとした状態を保つことが重要です。

コツ2:種は「おへそを下」にして植える

枝豆の種を植える際には、種の向きに注意することで、発芽率を高めることができます。これは非常に大切なポイントです。
おへその向きが発芽にどう影響するか
豆の「おへそ」(黒い部分)は、根が出る場所です。枝豆はここから根を出し、その根が子葉を持ち上げて発芽します。そのため、種を植える時から「根が下、子葉が上」という自然な状態にしてあげることで、スムーズな発芽を促せます。もし、おへそを上にして植えてしまうと、根が出てから姿勢を直すのに時間がかかり、無駄なエネルギーを消費して、腐る可能性が高まります。理想としては、おへそから出る根の向きを考慮して、少し斜めに植えるのが最も効果的です。しかし、種子に消毒の色がついていると根が見えにくいため、神経質になる必要はありません。
正しい植え方と深さ
種をおへそを下にして植えるのは細かい作業なので、ピンセットを使うと便利です。深さは1~1.5cmが適切です。深すぎるよりも、浅い方が良い結果になることが多いです。土が深すぎると、芽が地上に出るまでに体力を使い果たし、発芽不良の原因になることがあります。

コツ3:発芽成功の鍵!水やりは「半日後」に「控えめに」

枝豆の発芽において、水やりは非常に重要なポイントです。他の多くの種子とは異なり、特に繊細な品種、例えば茶豆などを育てる場合、種まき直後の水やりは避けるべきです。
播種直後の水やりを避ける理由:「湿潤ベール」の重要性
種を播いた後、種が隠れるように優しく土をかぶせます。この時、強く押し付けないように注意しましょう。通常の種まきでは、この後すぐに水を与えますが、枝豆の場合は違います。播種後、半日ほど待ちます。例えば、朝に種を播いたらその日の夕方まで、夕方に種を播いたら翌朝まで待ちましょう。この時間を置くことで、種を「湿潤ベール」で包み込むような状態を作り出します。(「水」のベールではなく、「湿潤」であることが重要です。)コツ1で説明した「種まき前の土の湿り気」が重要である理由は、この「湿潤ベール」を作り出すためなのです。
最適な吸水タイミング:種皮の保護
研究によると、枝豆の種は播種直後から水を吸収し、子葉が膨らみ始めます。しかし、この時、周囲の水分が多すぎると、子葉の膨張に種皮の柔軟性が追いつかず、種皮が破裂してしまうことがあります。種皮が破れると、そこから雑菌が侵入しやすくなり、腐敗の原因となります。枝豆にとって理想的な水分環境は、まず種皮が水分を吸収して柔軟性を持ち、その後、徐々に子葉が膨らんでいくという順番で、水が緩やかに供給される状態です。これは、雨上がりの翌日や曇りの日に畑に直接種を播くのが理想的であることを示唆しています。
半日後の「湿潤ベール+α」の水やり
しかし、天候はコントロールできません。そこで、セルトレイ育苗を利用し、土の湿潤ベールで半日包むことで、雨上がりの翌日のような理想的な水分環境を再現します。理想を言えば、そのまま湿潤ベールで包み続けるのがベストですが、容積の小さい128穴のセルトレイでは、発芽までに土が乾燥してしまうため、最初の湿り気だけでは水分が不足します。そこで、最初の湿り気に加えて、少量の水分を補給する必要があります。種を播いてから半日後に水やりを行うのはそのためです。半日、湿潤ベールに包まれた種は、種皮が柔らかくなり、子葉もゆっくりと膨らみ始めているため、このタイミングであれば、急激な吸水による種皮破裂のリスクを大幅に減らすことができます。ただし、必要なのはあくまで少量の水分です。セルトレイの底から水が流れ出るほど、たっぷりと水を与える必要はありません。土の表面から半分程度が湿るように、ジョウロで軽く水をかける程度で十分です。その後は基本的に、発芽するまで追加の水やりはせず、そのまま様子を見ましょう。

コツ4:発芽を確認したら「しっかり」水やり

枝豆は、最初にしっかりと水分を吸収し、ふっくらと膨らんでいれば、基本的に水不足で簡単に枯れることはありません。そのため、発芽するまでは、育苗箱の底が完全に乾燥してしまうような場合を除いて、追加で水を与える必要はありません。
発芽後の水やり方法の変更
写真のように双葉が開いて、発芽を確認できたら、水やりの方法を変えましょう。この状態、またはこれよりも少し早い段階で、育苗箱の底から水が流れ出るくらいたっぷりと毎日水を与えても、水の与えすぎが原因で発芽に問題が起こることはほとんどありません。
多めの水やりの利点と育苗箱の乾燥対策
むしろ、少し湿っているくらいの状態の方が、種の殻が自然に取れやすくなり、その後の芽の成長がスムーズに進むことが多いです。また、128穴の育苗箱は土の量が少ないため、乾燥しやすいという特徴があります。そのため、発芽後は毎日たっぷりと水を与えるくらいの気持ちで管理するのがおすすめです。特に、晴れの日が続く場合は、乾燥を防ぐために十分な水やりが大切です。私の経験では、種まきから1週間後の育苗箱の発芽率は97%で、生育不良の芽を除いても90%程度は苗として使える状態になります。気温が高い時期だったため、この結果は多少有利に働いたかもしれませんが、4月の初めから同じ品種を栽培してきた経験から、気温よりも水管理の方が発芽に大きく影響すると感じています。気温が低い春先は発芽に時間がかかりますが、適切な水分管理をしていれば、多少時間がかかっても問題なく発芽します。

枝豆の栽培環境と管理のポイント

枝豆は比較的育てやすい作物ですが、発芽後の成長を良くするためには、適切な栽培環境と日々の管理がとても大切です。特に家庭菜園では、限られたスペースの中で良い条件を整えることが、美味しい枝豆を収穫するための重要なポイントになります。

発芽に適した温度と苗の移動

枝豆の種子が発芽するのに最適な温度は、一般的に25~30℃と言われています。この温度帯を維持することが、発芽成功の鍵となります。育苗に使っているセルトレイは、その時の気温や天候に合わせて、置き場所を柔軟に変えることが大切です。例えば、ジメジメとした梅雨の時期には、直射日光や雨を避けられる軒下などに移動させ、温度が上がりすぎるのを防ぎます。逆に、春先の肌寒い時期には、日当たりの良い場所に置いて、土の温度を上げることが重要です。もし霜が降りるような時期であれば、暖房の効いた室内の棚などに置くなどして、温度管理を徹底すると良いでしょう。

家庭菜園における栽培の注意点

枝豆は比較的育てやすい野菜として知られており、肥料をたくさん与える必要はありません。しかし、美味しい枝豆を収穫するためには、いくつかの点に注意して管理することが大切です。

日当たりと水やりのコツ

枝豆は日光を好む植物です。できるだけ日当たりの良い場所を選んで栽培しましょう。水やりは、発芽までは特に注意が必要ですが、発芽後も油断は禁物です。土が乾かないように注意して水を与えましょう。特にプランターで栽培する場合は、土が乾燥しやすいので、晴れた日が続く場合は毎日確認し、必要であればたっぷりと水を与えてください。ただし、水の与えすぎは根腐れの原因となるため、土の状態をよく観察し、適度な水やりを心がけましょう。

害虫から守るために

枝豆は、カメムシやアブラムシといった害虫の被害を受けやすい野菜です。これらの害虫は、葉や茎、若い莢に寄生し、植物の栄養を吸い取って成長を阻害したり、病気を媒介したりします。家庭菜園では、害虫の発生を早期に見つけ、適切な対策を講じることが重要です。
  • 物理的な防御:もし防虫ネットをお持ちでしたら、苗が小さいうちからネットを被せて、物理的に害虫の侵入を防ぐのが効果的です。ただし、ネットと地面の間に隙間があると、そこから侵入される可能性があるため、しっかりと隙間を塞ぐように設置しましょう。
  • 薬剤の利用:害虫が大量に発生してしまった場合や、物理的な防御が難しい場合は、薬剤の使用も検討しましょう。家庭菜園で使用できる、安全性の高い自然由来の薬剤や、収穫までの期間に注意が必要な農薬など、状況に合わせて選びましょう。
  • 早期発見と駆除:日々の観察を欠かさず、害虫を早期に発見することが大切です。初期段階であれば、手で取り除いたり、粘着テープを使って捕獲するなどの方法も有効です。
これらの対策を組み合わせることで、枝豆を健康に育て、美味しい実を収穫することができるでしょう。

まとめ

この記事では、枝豆の豊富な品種群から、初心者にとって鬼門となる発芽の壁、そして家庭菜園での栽培を成功に導くための実践的なアドバイスまで、余すところなく解説しました。枝豆は世界中で400を超える品種が存在し、「白毛豆」「茶豆」「黒豆」という3つの主要なグループに分類できます。それぞれの品種が持つ独自の風味、食感、収穫時期を把握し、あなたの目的や好みに合わせて「弥彦むすめ」や「だだちゃ豆」、「湯あがり娘」といった美味な品種、または「初だるま」や「おつな姫」のような家庭菜園で育てやすい品種を選ぶことが、実り豊かな収穫への第一歩です。
特に繊細な茶豆系の品種を栽培する際には、「土はふんわりと」、「種はへそを下にして植える」、「播種後、半日経ってから控えめに水やり」、「発芽後はたっぷりと水を与える」という4つの発芽テクニックが非常に重要になります。これらの細やかな水分管理と適切な環境調整を行うことで、発芽が難しいとされる品種であっても、90%を超える高い発芽率を安定して実現できます。発芽適温である25~30℃を目安にセルトレイの設置場所を調整し、発芽後は日当たりの良い場所で土の乾燥具合に注意しながら水やりを行い、カメムシやアブラムシなどの害虫対策を徹底することが、健康な枝豆を育てる上で不可欠です。この記事でご紹介した知識と実践的なノウハウを参考に、ぜひご自宅で美味しい枝豆を育て、夏の食卓を豊かに彩る喜びを体験してください。

枝豆の品種はどのくらいありますか?

枝豆の品種は、世界中で400種類以上存在すると言われています。日本国内でも多様な品種が栽培されており、それぞれが異なる味、食感、収穫時期といった特徴を持っています。

枝豆の「白毛豆」「茶豆」「黒豆」の違いは何ですか?

これらは枝豆を代表する3つの種類です。白毛豆は最も一般的で、白い毛で覆われており、一つの莢に3粒入っていることが多いです。茶豆は薄皮が茶色く、芳醇な香りと深いコクが特徴で、一つの莢に2粒入っていることが多いです。黒豆は豆そのものが黒色で、大粒でもっちりとした食感が特徴であり、おせち料理にも用いられます。

家庭菜園で枝豆を育てる際、発芽率を上げるにはどうしたら良いですか?

発芽率を高めるためには、特に「土をふんわりと詰める」、「種のへそを下に向けて播く」、「播種後、半日ほど経過してから少量の水を与え、土の湿り気を保つ」、「発芽に適した温度(25~30℃)を維持する」という4つのポイントが重要です。特にデリケートな茶豆系の品種では、過剰な水分による腐敗を防ぐために、丁寧な水分管理が求められます。

枝豆