甘くて手軽なバナナは、朝食やおやつに人気のフルーツ。しかし、健康に良いイメージのバナナも、食べ過ぎると体に悪影響を及ぼす可能性があることをご存知でしょうか?カリウムの過剰摂取による高カリウム血症や、糖分の摂りすぎによる体重増加など、注意すべき点があります。この記事では、バナナを食べ過ぎることで起こりうる健康リスクと、適切な摂取量について詳しく解説します。バナナをより健康的に楽しむために、ぜひ最後までお読みください。
抵抗力アップやアンチエイジングに!バナナを食べるメリット
日常的に食されるバナナは、東南アジアの熱帯地方をルーツとするバショウ科の果物です。手軽に皮をむいて味わえるのが魅力で、甘みと豊富なでんぷん質が特徴です。世界には300以上の多様な品種が存在し、主にそのまま食べるのに適した種類と、加熱調理に向いている種類に分けられます(※)。バナナには、特に以下の栄養素が豊富に含まれています。・ビタミンB6・ビタミンC・カリウム・銅・マグネシウムこれらの栄養素は、健康的な肌の維持、老化や紫外線からの保護、ストレスや風邪への抵抗力向上、血圧の調整、活性酸素の除去、酵素の働きをサポートするなど、様々な役割を果たします。また、まだ青みが残るバナナには、食物繊維に似た働きをする「レジスタントスターチ(難消化性でんぷん)」が多く含まれています。通常のでんぷんは消化酵素で分解されエネルギーとして利用されますが、レジスタントスターチは腸内の善玉菌の栄養源となり、腸内環境を整えます。さらに、腸内の不要物を便として排出する働きも。不足しがちな2種類の食物繊維の役割を果たすレジスタントスターチは、「スーパー食物繊維」とも呼ばれています。このように、バナナを賢く取り入れることは、健康の促進だけでなく、美容面でも良い影響をもたらすことが期待できます。※……日本国内で流通しているのは生食用がほとんどのため、ここでは生食用のバナナについて解説しています。
バナナの過剰摂取は結石や肥満のリスクを高める? 知っておきたい「デメリット」
バナナは健康に良いとされる一方で、摂りすぎには注意が必要です。過剰摂取は、予期せぬ不調につながる可能性があります。
・体が冷えやすくなる
バナナは、主に熱帯地域で栽培されていますが、カリウムを豊富に含むため、過剰摂取は体を冷やす原因となることがあります。一般的に、暑い地域で採れる食材は体を冷やす性質を持ち、バナナに含まれるカリウムの利尿作用によって体内の熱が放出されやすくなるためです。特に、気温の低い場所や季節に多く摂取したり、冷たい食品と一緒に食べたりする場合は、その影響を受けやすいため注意が必要です。体の冷えが強まると、自律神経のバランスが崩れ、内臓の機能低下や睡眠の質の悪化を招くこともあります。冷房による体調不良や、手足やお腹の冷えを感じやすい方は、バナナの食べ過ぎに注意しましょう。
・結石の原因となる
バナナにはシュウ酸という物質が含まれています。これは腎臓結石の原因となる可能性があります。特に未熟なバナナに多く含まれ、生のほうれん草と同程度の量が含まれると言われています。熟すにつれて減少すると考えられますが、完熟バナナでも過剰摂取は避けるべきです。尿管などが結石で詰まると、激痛や排尿困難を引き起こすことがあります。特に、過去に結石ができた経験がある方、肥満気味の方、食生活が偏っている方は、バナナの食べ過ぎに注意が必要です。
・脂質異常症や肥満の原因となる可能性があります。
バナナは手軽に食べられる果物ですが、糖質とカロリーには注意が必要です。可食部100gあたり、およそ21gの糖質を含み、これはご飯60g分に匹敵します。また、カロリーも100gあたり93kcalと、同様にご飯60g分に相当します。糖質の過剰摂取は中性脂肪の上昇や肥満につながる可能性があるため、食べる量には気をつけましょう。
バナナを最も楽しむ量とタイミングは?
バナナは優れた栄養源である一方、摂取量やタイミングによっては注意が必要です。ここでは、バナナをより有効に活用するための、適切な摂取量とタイミングについてご説明します。シュウ酸は過剰摂取によるリスクが懸念されますが、熟したバナナに含まれる量に関する明確なデータは確認できませんでした。専門家の見解では、一般的にバナナ2本程度であれば問題ないと考えられています。摂取量の目安としては、厚生労働省と農林水産省が推奨する食事バランスガイドが参考になります。このガイドでは、1日の果物摂取量を200gとしており、これは中サイズのバナナ約2本分に相当します。ただし、これは健康な成人の場合であり、糖尿病の方は注意が必要です。また、バナナの過剰摂取は、エネルギーや糖質の摂りすぎによる肥満につながる可能性もあります。バナナ100gあたり93kcalのエネルギーと21.4gの糖質が含まれていることを考慮し、他の食事内容や間食とのバランスを考え、摂取量を調整することが大切です。糖尿病の方は、日本糖尿病学会が推奨する果物の摂取量(80kcal)を目安にし、小さめのバナナ1本程度に留めるようにしましょう。バナナはその自然な甘さから、デザートやおやつとして親しまれていますが、より効果的に摂取するなら朝食に取り入れるのがおすすめです。バナナに含まれるアミノ酸の一種、トリプトファンは、ビタミンB6の助けを借りてセロトニンという精神安定物質を脳内で生成します。このセロトニンは、夜には睡眠の質を向上させるメラトニンへと変化します。トリプトファンがセロトニンに変わるには時間がかかるため、質の高い睡眠を得るためには、朝食にバナナを食べるのが効果的でしょう。一方、夕食や夜食にバナナを食べることは、あまり推奨されません。夜間は体が脂肪を蓄えやすくなるため、日中に食べるよりも太りやすい可能性があるからです。適切な量を守れば、バナナは多くの利点をもたらしてくれる食品です。メリットとデメリットを理解し、賢くバナナを食生活に取り入れましょう。