愛犬の健康を気にかけているペット親御さんは多いでしょう。しかし、おやつを与えすぎてしまうと、愛犬が太りすぎてしまう可能性があります。そこで、ダイエット中の愛犬にも安心して与えられる、健康的なおやつの選び方や作り方をご紹介します。愛犬の体型を維持しながら、少しの贅沢を楽しませてあげましょう。
犬にダイエットが必要な理由
ペットの肥満は深刻な健康問題につながる可能性が高く、犬が適正体重を超えていると糖尿病や心臓病、関節炎などのリスクが高まります。呼吸困難や過剰な体温上昇、皮膚トラブルといった症状も現れる場合があり、さらに活動性が低下し全身への負担が大きくなります。そのため、獣医師の助言に従い、適切な食事管理とエクササイズを行うことで、様々な病気のリスクを下げ、活発で質の高い生活を送ってもらうことが重要です。 現代の飼い犬において、肥満は大きな問題となっています。ペットフード会社日本ヒルズ・コルゲートの調査では、動物病院に来院する犬の50%以上が肥満であると報告されています。犬の肥満は、麻酔時のリスク増加やQOL(生活の質)の低下も問題視されています。愛犬に長生きしてもらうためにも、ダイエットは必須と言えるでしょう。
犬の肥満の基準を知る
愛する家族のように、愛犬の健康管理にも気を配る必要があります。犬種によって理想の体型は異なりますが、一般的に1歳頃の体重が適正体重と言われています。1歳を過ぎてから急激な体重増加がみられる場合は、肥満の可能性が高くなります。 肥満かどうかを確認する手段として、環境省が推奨している「ボディコンディションスコア(BCS)」があります。BCSは1から9の数値で体型を評価する指標で、3が平均的な体格、4以上で過剰な脂肪がつき始めると判断されます。 理想的なBCSは4または5とされ、この範囲では肋骨や腰椎が手で触れられ、腹部にくびれがあります。一方で、BCSが6以上になると過体重、7以上で肥満と診断されます。肥満犬は背中に脂肪がたまり、腰骨の位置が確認しづらくなるのが特徴です。 適切な食事管理と運動により、肥満は改善可能です。獣医師に相談し、愛犬の理想的なBCSを確認しながら、無理のない範囲で計画的なダイエットを実施しましょう。健やかな寿命を全うするために、肥満対策は欠かせません。
犬のダイエット方法
そもそも犬が肥満になる理由は、過剰な食事と運動不足のいずれか、もしくはその両方にあります。食事量が適切でない場合が多く、飼い主の愛情からつい与えすぎてしまうことが大きな要因となります。ダイエットには適切な食事管理が不可欠です。 まずは1日の食事量の適正値を把握することが重要です。フードの袋に記載された目安量は、犬の理想的な体重を基準に算出されています。肥満気味の愛犬には現在の過剰体重ではなく、適正体重に合わせた量を与える必要があります。急激な減量は避け、徐々に量を減らしていきましょう。 次に、満足感を高める与え方の工夫が効果的です。お皿に一度に出すのではなく、フードを隠し探させるなど、遊び心を取り入れると良いでしょう。本来の探索本能を刺激し、実際の摂取量以上の満足度が得られます。 さらに、1日の食事回数を増やすことで、小分けにすることができます。総カロリー量は変えずに回数を3~4回に分けると、食事への期待感が高まり、満腹感の向上が期待できます。 このように、適正量と与え方を工夫することで、愛犬の健康的なダイエットをサポートできます。粘り強く取り組めば、活力と幸せな表情を取り戻すことができるはずです。
ダイエットに効果的なおやつの選び方
愛犬の健康を守るためには、おやつの与え方にも気を配る必要があります。カロリーコントロールは肥満予防の鍵となり、適切なおやつの選択が欠かせません。 カロリーゼロ・カロリーオフのおやつが安心かと思われがちですが、実際はそうとは限りません。100グラム当たり5キロカロリー未満がカロリーゼロ、40キロカロリー未満がカロリーオフと定義されているため、与えすぎは肥満リスクにつながります。 脂肪の摂りすぎも要注意です。フードに必要量が含まれているため、おやつは低脂肪のものを選びましょう。高脂血症の犬種もいるので、より気を付ける必要があります。 一方で、良質なタンパク質は積極的に与えましょう。ささみやヨーグルト、犬用チーズなどがおすすめです。人間用のチーズやジャーキーは塩分が高いので避け、手作りジャーキーも検討するのがよいでしょう。 おやつの量は1日の総カロリーの10%以下が目安です。歯磨きガムなども、カロリーを確認する習慣をつけましょう。 このように適切なおやつの選び方と与え方に気をつければ、愛犬の健康的なダイエットを実現できます。おいしさと健康のバランスを大切にしましょう。
犬のダイエット まとめ
愛犬の肥満は飼い主の責任であり、気付かぬうちに過剰な餌やおやつを与えてしまうことが原因になります。人間が感じる「ぽっちゃり」は多くの場合すでに肥満の域に達しており、野生動物が肥満にならないのと同様、適切な食事管理が重要です。 家族全員で与える量を総合すると、カロリーオーバーになっていることも少なくありません。適切な目標体重を獣医師に相談し、計画的にカロリー制限を行うことが肝心です。低カロリー食やダイエット食の利用も一案ですが、栄養のバランスには気をつける必要があります。 運動も肥満予防に効果的です。犬種や年齢に合わせて適度な散歩や遊びを日課に取り入れ、ストレスのない範囲でエネルギー消費を促進しましょう。体重チェックを行い、過度の痩せすぎには注意を払います。 愛犬が肥満になってしまった場合、無理なダイエットは避け、動物病院で適切な方法を相談するのがベストです。飼い主は愛犬の健康と長寿を守るため、食事内容や運動量を工夫する責任があります。
まとめ
ダイエット中の愛犬におすすめなのは、低カロリーで高タンパク質の食材を使ったおやつです。具体的には、ボイルした鶏むね肉、牛レバー、野菜のおやつが良いでしょう。自作する際は、オーブンで低温でゆっくり焼き上げることが重要です。適度な運動と健康的なおやつで、愛犬の理想的な体型を維持しましょう。ペット親御さんの愛情と気遣いが、愛犬の健康に繋がります。