「紅芋」「さつまいも」「紫芋」は、見た目が似ているため混同しがちですが、それぞれ異なる植物で、色や味に特徴があります。実際には、これらの違いを理解することで、それぞれの用途や特徴を最大限に活かすことができます。ここでは、これらの違いを見分ける方法と、各芋の特徴について詳しく解説します。
「紅芋・さつまいも・紫芋」って、どんなおイモ？
紅芋と紫芋は、さつまいもとは異なる品種のイモ科植物です。紅芋は"ダイジョ"という品種で、中身が鮮やかな赤紫色をしています。一方の紫芋は、さつまいもの一種で肉質が淡い紫色となっています。 さつまいもは外見は一般的なイモですが、紅芋や紫芋には強力な抗酸化作用のあるアントシアニンが豊富に含まれています。また、食物繊維、ビタミンC、カリウムなども豊富で、健康面での注目が高まっています。 鮮やかな紫色が彩りを添える紅芋や紫芋は、焼き芋やスイートポテト、パン、お菓子作りなどに幅広く利用されています。生で食べても美味しく、加熱すると一層甘みが際立ちます。品種によって甘み加減は異なりますが、3種ともカロリーはあまり変わりません。
「紅芋」「さつまいも」「紫芋」はここで見分ける？
「紅芋」「さつまいも」「紫芋」の違いを見分けるのは、見た目だけではなかなか難しいです。これらの芋は外側の皮が似たような色合いをしており、区別がつきにくいことが多いです。
「さつまいも」の皮は赤紫色ですが、実は「紅芋」も同様の赤紫色をしています。一方、「紫芋」はその色が少し濃い紫となっており、色の違いに気づくにはじっくりと比較する必要があります。
ただし、断面を見れば違いがはっきりします。さつまいもは中身が白っぽい黄色、「紅芋」は赤紫色、「紫芋」は鮮やかな紫色、または赤みを帯びた紫色です。中身の色がそれぞれ異なりますが、見た目だけで判断するのは難しいかもしれません。
それでは、これらの芋の本質的な違いについて詳しく見ていきましょう。特に「紅芋」と「紫芋」の違いは、単なる色の違いにとどまらず、植物の種類にも関連しています。次に、それぞれの特徴を「さつまいも」と比較しながら解説します。
「紅芋」と「さつまいも」の違いはココ！
「紅芋」と「さつまいも」は、見た目が似ているため混同されがちですが、実際には大きな違いがあります。最も注目すべき点は、「紅芋」が「さつまいも」の一種ではないということです。驚くべきことに、「紅芋」は「ヤムイモ」の一種であり、沖縄などの熱帯地方で古くから栽培されてきた「ダイジョ」に属します。
沖縄では「紅芋」と呼ばれるこの品種は、実際には「ヤムイモ」にあたります。外見や調理方法は「さつまいも」と似ていますが、甘味が強く、お菓子作りや蒸し焼きに使われることが多いです。しかし、見た目だけでは「さつまいも」と見分けるのが難しいのが現実です。
「紅芋」とは、特に「ダイジョ」の中で中身が赤紫色のものを指しており、「ダイジョ」自体は沖縄では「ウベ」や「こうしゃまん」と呼ばれることもあります。つまり、「紅芋」という呼称は沖縄特有で、他の地域では「紫芋」として知られていることもあります。
このため、「紅芋」と「紫芋」は実際には異なるものですが、地域や呼称によって混同されることが多いのです。次に「紫芋」の特徴を「さつまいも」と比較しながら見ていきましょう。
「紫芋」とは？「さつまいも」とはココが違う！
「紫芋」と一口に言っても、実は二つの異なる種類が存在します。それぞれの特徴を理解することで、見分けることができるでしょう。
まず一つ目の「紫芋」は、実際には「紅芋」とも呼ばれる「ダイジョ」の一種です。ヤムイモ科に属し、中身が赤紫色のものを指します。沖縄などでよく見られ、この地域では「紅芋」として知られています。他の地域では、その色合いから「紫芋」と呼ばれることもありますが、実際にはヤムイモの一種です。
もう一つの「紫芋」は、サツマイモ科に属する「さつまいも」の一種で、皮も中身も紫色のものを指します。こちらは「紅芋」とは異なり、ヤムイモではなく、サツマイモに分類されます。この「紫芋」は、甘味が比較的少なく、焼き芋や蒸し芋としてはあまり使用されません。そのため、多くは加工用として利用されることが多いです。例えば、食品の色付けやパウダー状でケーキやタルトに使われることが一般的です。
「紫芋」は生の状態での流通が少なく、主に加工品として市場に出回っています。これは、持ち込み時に害虫の防疫処理が必要であり、そのため加工品として扱われることが多いからです。逆に「紅芋」はそのままの状態でも甘味が強く、さつまいもに似た感覚で食べることができます。
要するに、「紫芋」は「さつまいも」の一種で、紫色の皮と中身を持つのに対し、「紅芋」は「ヤムイモ」の一種で、赤紫色の中身を持つ品種です。それぞれの特徴を把握することで、見分ける際に役立つでしょう。
まとめ
「紅芋」と「紫芋」の違いは、見た目の色合いだけでなく、植物の種類や特性にもあります。「紅芋」はヤムイモの一種で、沖縄では「ダイジョ」の中でも赤紫色の品種を指し、甘味が強くお菓子作りに向いています。一方、「紫芋」はサツマイモの一種で、中身が紫色で、甘味はやや控えめです。見た目が似ているため混同しがちですが、それぞれの特徴を理解することで、より適切な料理や用途に活用できます。