冬の訪れを感じさせる柚子の香り。お風呂に入れたり、料理に使ったりと、私たちの生活に彩りを与えてくれます。実は柚子には様々な種類があり、中でも「花柚子」と「本柚子」はよく知られています。どちらも魅力的な柑橘ですが、見た目や香り、育てやすさには違いがあるのをご存知でしょうか?この記事では、花柚子と本柚子の特徴、利用法を比較し、どちらの柚子がご自身のライフスタイルに合うかを紹介します。どちらの柚子があなたのライフスタイルに合うのか、ぜひ見つけてみてください。
花柚子とは?
花柚子は、「一才ユズ」とも呼ばれる小ぶりな柚子の一種です。果実は直径5cm程度、重さも50g前後と、本柚子と比べて小さめ。見た目は本柚子のミニサイズのようで、黄色くて丸く、可愛らしい印象を与えます。
香りは本柚子に比べるとやや控えめですが、しっかりと柚子らしさを感じられる爽やかさがあります。実がたくさんなることも特徴のひとつで、家庭で使うには十分な収穫量が見込めます。
本柚子とは?
一方の本柚子は、私たちが「柚子」と聞いてまず思い浮かべる品種です。直径は約8cm、重さも110g〜130gと、花柚子よりひと回り以上大きく、存在感があります。香りが非常に強く、皮や果汁にしっかりとした酸味と風味が詰まっています。
本柚子は平安時代に中国から伝わったとされ、現在では日本各地で栽培されており、その用途も幅広く、調味料や加工品などに重宝されています。
大きさと香りの違い
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大きさ:本柚子の方が明らかに大きく、丸みを帯びた形が特徴です。花柚子はその半分ほどの大きさ。
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香り:本柚子は香りが非常に強く、皮を少し削るだけで豊かな香りが広がります。花柚子も爽やかな香りがありますが、比較するとやや控えめです。

それぞれの使い方の違い
花柚子の使い方
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小さくて実がたくさん取れるため、お風呂に浮かべる「柚子湯」にぴったり。洗濯ネットに入れて浮かべると後片付けも簡単です。
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無農薬で育てられたものなら、皮を刻んでお吸い物や煮物の風味付けに。小さい分、皮が使いやすいのもポイント。
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果汁は少なめですが、丸ごと冷凍保存して、必要な時に皮をすりおろして使うこともできます。
本柚子の使い方
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香りが強いため、皮は香辛料として料理全般に使えます。特に焼き魚や鍋料理におすすめ。
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果汁も風味豊かで、ポン酢やドレッシング、ジャム、マーマレードにも活躍します。
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菓子作りにもよく使われ、柚子ケーキやゼリーなどに使えば、香りのアクセントになります。
見た目や使い方で選ぼう
「お風呂用や気軽な香りづけがしたい」「見た目が可愛い方が好き」という方には、花柚子の爽やかで穏やかな香りがぴったりです。
一方、「料理にしっかり使いたい」「香りの強さを活かしたい」という方には、本柚子の深みのある香りと果汁の豊かさが向いているでしょう。

花柚子と本柚子、それぞれのおいしさを引き出すレシピ
香り豊かな柚子は、ちょっとしたひと手間で日々の食卓を華やかに彩ってくれます。 同じ「柚子」でも、花柚子と本柚子では、香りや果汁の量、皮の使い道などに違いがあるため、それぞれに合った使い方を知っておくと便利です。
ここでは、花柚子と本柚子それぞれの特徴を活かしたレシピをいくつかご紹介します。 身近な材料で手軽に作れるものばかりですので、ぜひ気軽にお試しください。
花柚子を使ったレシピ
1. 花柚子のはちみつ漬け
材料(作りやすい分量)
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花柚子:4〜5個
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はちみつ:200ml(花柚子が浸る程度)
作り方
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花柚子は皮をよく洗い、横半分にカットして種を取り除く。
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果肉と皮をスライスし、清潔な保存瓶に入れる。
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上からはちみつを注ぎ、空気が入らないようにしっかりと閉める。
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冷蔵庫で一晩寝かせれば完成。2〜3日経つと味がなじんでより美味しくなります。
使い方のヒント:お湯や炭酸水で割って柚子ドリンクに。ヨーグルトやパンに添えても◎。
2. 花柚子の香り塩(柚子塩)
材料
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花柚子の皮(1〜2個分)
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粗塩:大さじ3
作り方
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花柚子の皮を薄くむき、天日でカラカラになるまで干す(または電子レンジで乾燥させてもOK)。
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乾燥した皮を細かく刻むかすりおろす。
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粗塩と混ぜて、密閉容器に入れて保存。
使い方のヒント:天ぷらのつけ塩、焼き魚や冷奴にふりかけると、香り豊かに。
本柚子を使ったレシピ
1. 柚子のぽん酢しょうゆ
材料
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柚子果汁:100ml(3〜4個分)
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醤油:100ml
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みりん:50ml
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だし(昆布 or 鰹):10cm角の昆布1枚(またはかつお節10g)
作り方
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柚子を絞って果汁を用意。種は取り除いておく。
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鍋にみりんを入れて煮切り(アルコール分を飛ばす)、火を止める。
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粗熱が取れたら醤油と柚子果汁を加え、昆布を入れる。
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清潔な容器に移し、冷蔵庫で1晩寝かせて完成。
使い方のヒント:鍋料理、冷しゃぶ、サラダのドレッシングなどに。
2. 柚子の皮入りパウンドケーキ
材料(18cmパウンド型1本分)
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無塩バター:100g
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砂糖:80g
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卵:2個
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小麦粉:100g
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ベーキングパウダー:小さじ1
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柚子の皮(すりおろし):1個分
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柚子果汁:大さじ1〜2
作り方
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室温に戻したバターをボウルに入れてクリーム状に練り、砂糖を加えてよく混ぜる。
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溶き卵を少しずつ加えながら、分離しないように混ぜる。
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柚子の皮と果汁を加える。
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粉類(小麦粉・ベーキングパウダー)をふるいながら加え、さっくり混ぜる。
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型に入れて、170℃のオーブンで35〜40分焼く。
使い方のヒント:朝食やティータイムに。爽やかな風味で季節感を楽しめます。
まとめ
花柚子と本柚子は、見た目がよく似ているものの、香りの強さや果汁の量、用途においては大きな違いがあります。花柚子は小ぶりで可愛らしく、香りづけや観賞用にぴったり。一方、本柚子は果汁や果皮をしっかり活かせるため、料理や加工にも適しています。それぞれの特性を知ることで、日々の暮らしにより豊かな香りや彩りを取り入れることができます。もし季節の果実を選ぶ際に迷ったら、使い道や目的を基準にしてみてください。自分に合った一品を選ぶことが、季節を楽しむ第一歩になるはずです。今だけの香りや味わいを、ぜひ日常に取り入れてみませんか。
花柚子と本柚子の違いとは?
花柚子と本柚子の主な違いは、収穫までの期間、トゲの有無、実の大きさ、そして香りの強さです。本柚子は種から育てると実がなるまで長い年月がかかりますが、花柚子(別名:一才ユズ)は、植え付けた最初の年から収穫できることがあります。本柚子には鋭いトゲがありますが、花柚子はほとんどトゲがありません。実の大きさは、本柚子が大きいのに対し、花柚子は小ぶりです。香りは本柚子の方が強いと言われますが、花柚子も十分に良い香りがあり、たくさん実がなるので、家庭で楽しむのに適しています。
収穫した花柚子のおすすめの使い方は?
収穫した花柚子は様々な用途で楽しめます。手軽な方法としては、お風呂に入れて香りを満喫する「柚子湯」があります。料理では、皮を細かく刻んでお吸い物や焼き魚、味噌汁などに添えたり、冷凍保存して必要な時に削って使うのも便利です。さらに、自家製柚子ジャムや柚子茶を作るのもおすすめです。柚子の種にはペクチンという天然の凝固成分が豊富に含まれているため、種と一緒に煮詰めれば簡単にジャムを作ることができます。パンに塗ったり、パウンドケーキに混ぜたり、ソースとして使用することも可能です。
柚子の種でジャムにとろみが出るのはなぜですか?
柚子の種には、水に溶ける食物繊維の一種である「ペクチン」が豊富に含まれています。このペクチンは、砂糖と柚子果汁に含まれる酸と一緒に加熱されると、ゼリーのように固まる性質を発揮し、ジャムならではのとろりとした質感を生み出します。そのため、柚子ジャムを作る際には、種をティーバッグのようなものに入れて一緒に煮込むことで、人工的な添加物を使わずに、自然なとろみを効果的に得ることができるのです。