健康的な朝食から一日がスタートできるかどうかは、食卓に並ぶ食材次第だと言えます。近年、食物繊維の重要性が見直されており、豊富な食物繊維を含むシリアルが注目を集めています。適量の食物繊維の摂取は、便秘の予防や整腸作用に加え、肥満や生活習慣病のリスクを軽減するなど、様々な健康メリットがあるためです。本記事では、食物繊維の働きと豊富に含まれるシリアルの種類や選び方、上手な食べ方についてご紹介します。
19世紀末シリアルは栄養食として生まれました
19世紀の終わり頃、一般市民の食生活は質素で栄養価が低く、貧困層では十分な栄養摂取ができない状況にありました。そのような中、シリアルが栄養強化された新しい食品として登場しました。 シリアルの起源は1863年のアメリカに遡ります。セブンスデー・アドヴェンチスト教会の創設者であるジョン・ハーベイ・ケロッグ牧師が、健康的な食事を説いたことが発端となりました。ケロッグ牧師は、精製された小麦粉や砂糖の摂りすぎが健康に悪影響を及ぼすと考え、シリアルの製造を始めました。 初期のシリアルは、全粒穀物と乾燥技術によって作られました。主な原料は小麦やトウモロコシで、ナッツやドライフルーツなども加えられていました。製法は手作業だったため一つひとつが固く素朴な形状でしたが、ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富に含まれていました。シリアルは「レディ・トゥ・イート」と呼ばれ、液体を注ぐだけで手軽に栄養を摂取できる食品として人気を博しました。 一方、19世紀末のミシガン州バトルクリークでは、J.H.ケロッグ博士と弟のW.K.ケロッグが療養所の入所者に向けて、栄養価の高い穀物を使った食品の研究・開発に力を入れていました。失敗を重ねた末、偶然水分を含んだ小麦をローラーにかけたところ、フレーク状になり、焼くと香ばしくパリッとした食感の食品ができあがりました。
シリアルの原料は自然の穀類
シリアルは、自然の恵みである穀物を主原料として作られた食品です。小麦、米、コーン、オーツ麦、ライ麦など、地球が人間に与えてくれた作物が土台となっています。これらの穀物は太陽の光と大地の養分を受けて育ち、私たちに豊富な栄養を提供してくれます。さらに、ナッツ類やドライフルーツ、はちみつなどの自然由来の食材が加えられることで、シリアルに風味と栄養価がプラスされます。 現代では朝食を欠かす人が増えていますが、シリアルは穀物由来のビタミン、ミネラル、食物繊維を手軽に摂取できる優れた食品です。毎朝の朝食を、自然の恩恵に感謝しながら頂くことで、健康的な食生活の改善につながるでしょう。
子どもから高齢者まで幅広い世代の食事に
栄養バランスに優れた食事は、幼児から高齢者に至るまでのすべての世代にとって重要な役割を果たします。成長期の子どもには適切な栄養摂取が健全な体づくりと知能の発達を促します。活発な青年期のライフスタイルを支えるには十分な栄養補給が欠かせません。中年期に入ると生活習慣病のリスクを抑えるための食生活の見直しが求められます。高齢期においても筋力低下の防止にビタミン、ミネラル、たんぱく質の適量摂取が不可欠です。世代に応じた栄養ニーズに対応するには、献立のバランスと調理方法の工夫が必要不可欠です。家族一人ひとりの健康を意識しながら、おいしくて栄養価の高い食卓を用意することが理想的です。食への配慮は人生を豊かにする大切な習慣です。
小麦ブラン由来アラビノキシランとして、日本初の「機能性表示食品」届出
小麦ブラン由来のアラビノキシランが善玉菌を増やし、腸内環境を整えることが科学的に裏付けられました。この働きを活かした食品が「機能性表示食品」として消費者庁に届出されたのは、日本で初めてのことです。機能性表示食品には、特定の保健の目的が期待できる旨を表示できるため、消費者は分かりやすい情報を得られます。食品メーカーにとっても新たな付加価値商品を提供できるメリットがあり、今後この分野の製品開発が進展することが見込まれています。
まとめ
食物繊維は不溶性と水溶性の2種類があり、それぞれ異なる働きをします。不溶性食物繊維は便秘の予防に役立ち、水溶性食物繊維は血糖値の上昇を抑え、コレステロール値を下げる効果があります。食物繊維が豊富に含まれるシリアルを上手に取り入れることで、健康的な朝食から一日を有意義にスタートできるでしょう。