糖尿病と診断されても、甘い誘惑を断ち切るのは難しいもの。特に、暑い季節には冷たいアイスクリームが恋しくなりますよね。でも、血糖値のコントロールが気になるからと我慢していませんか? 実は、選び方や食べ方を工夫すれば、糖尿病の方でも罪悪感少なめにアイスクリームを楽しむことができるんです。この記事では、そんな嬉しい情報をお届け!血糖値への影響を考慮しながら、美味しいアイスクリームを楽しむためのヒントをたっぷりご紹介します。ぜひ、最後までお付き合いください。
糖尿病とは
糖尿病は、血液中のブドウ糖濃度が異常に高くなる疾患です。高血糖状態が継続すると、全身の血管が損傷し、視覚障害、腎機能障害、神経障害などの合併症を引き起こすリスクが高まります。また、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞などの深刻な疾患の発症にもつながる可能性があります。「糖尿病」という名称から「糖尿病=尿に糖が出る病気」と誤解されがちですが、必ずしもそうではありません。実際には、糖尿病であっても尿に糖が検出されないケースは多く存在します。特に、食前の空腹時に検査を受けた場合、尿糖が出ないことは珍しくありません。反対に、尿糖が検出された場合は、糖尿病の可能性が高いと考えられます。速やかに医療機関を受診し、血糖値、HbA1c、ブドウ糖負荷試験といった詳細な検査を受けることをお勧めします。
糖尿病とは、高血糖状態が慢性的に続く疾患です。
糖尿病は、尿に糖が検出される病気と誤解されがちですが、正しくは、血糖値が慢性的に高い状態を指します。そのため、糖尿病の有無を判断するには、血糖値の測定が不可欠です。健康な人の血糖値は、空腹時で110mg/dl未満、食後でも140mg/dlを超えることは稀です。血糖値がこの範囲を超え、空腹時血糖値が126mg/dl以上、または食後血糖値が200mg/dl以上の場合、糖尿病と診断される可能性があります。糖尿病の診断基準の詳細については、専門医にご相談ください。
血糖値と「尿糖」の関係
尿中に糖が検出される状態を尿糖と呼びます。一般的に、血糖値が160~180mg/dlを超えると尿糖が認められます。糖尿病患者さんの場合、血糖値が上昇している際に尿糖が検出されます。ただし、糖尿病であっても、血糖値がそれほど高くない場合は尿糖は出ません。例えば、空腹時血糖値が130mg/dlで持続している場合、糖尿病と診断されますが、血糖値が160~180mg/dlを超えていないため、尿糖は検出されません。したがって、尿糖がないからといって糖尿病ではないとは断定できません。尿糖が検出されるということは、尿が溜まっている時間帯に血糖値が160~180mg/dlを超えていたことを意味します。たとえ尿糖が検出されなくても、血糖値が高い状態が続けば、糖尿病による合併症のリスクは高まります。そもそも、血糖値とは一体何なのでしょうか?
アイスクリームの種類
アイスクリームと一口に言っても、その種類は多岐にわたります。濃厚なミルク風味のものから、さっぱりとしたフルーツ系まで、味わいも食感も実に様々です。実はアイスには、乳成分の含有量(乳固形分と乳脂肪分)によって、いくつかの規格が存在します。※乳固形分とは、乳製品から水分を除いた成分、乳脂肪分とは、乳固形分に含まれる脂肪分を指します。その分類は、主に以下の4つに分けることができます。
アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス、氷菓
乳固形分 15.0%以上 10.0%以上 3.0%以上 規定なし
乳脂肪分 8.0%以上 3.0%以上 規定なし 規定なし
この中で、最も乳脂肪分を多く含むのがアイスクリームです。そのため、比較的エネルギー量も高くなる傾向があります。一方で、アイスミルクやラクトアイスは、アイスクリームに比べて乳脂肪分が少ないものの、植物性油脂が添加されているものもあり、必ずしも低エネルギーとは限りません。そのため、アイスを選ぶ際には、パッケージの原材料表示や栄養成分表示をしっかり確認することが重要です。
アイスのエネルギー量や糖質量はどのくらい?
普段、何気なく口にしているアイスクリーム。その中に、どれほどのエネルギーと糖質が含まれているか、考えたことはありますか?今回は、日頃スーパーやコンビニで見かけるアイスをいくつか選び、エネルギー量と炭水化物の量を比較してみました。よりイメージしやすいように、炭水化物の量を角砂糖に換算して、その量も示してみました。※角砂糖1個を3.7gとして計算しています。
・あずきバー 1本あたり110kcal、炭水化物24.8g(角砂糖約7個分)
・ガリガリ君(ソーダ味) 1本あたり64kcal、炭水化物16.9g(角砂糖約5個分)
・スーパーカップ(バニラ) 1個あたり374kcal、炭水化物35.3g(角砂糖約10個分)
・ジャイアントコーン(チョコナッツ) 1本あたり280kcal、炭水化物27.1g(角砂糖約7個分)
・ピノ(6個入) 1箱あたり186kcal、炭水化物17.4g(角砂糖約5個分)
・チョコモナカジャンボ 1個あたり303kcal、炭水化物34.1g(角砂糖約9個分)
・パルム 1本あたり237kcal、炭水化物21.4g(角砂糖約6個分)
・雪見だいふく(2個入) 1パックあたり164kcal、炭水化物26.4g(角砂糖約7個分)
いかがでしたでしょうか?お気に入りのアイスはありましたか?低カロリーなイメージのアイスでも、角砂糖約5個分の糖質を含んでいるものもありました。氷菓だからと油断して毎日食べていると、血糖値の上昇につながる可能性があるので注意が必要です。
選び方・食べ方のコツは?
週に1、2回程度アイスを召し上がる程度であれば、エネルギーや糖分の過剰摂取を気にする必要はあまりありません。しかし、頻繁にアイスを食べる方や、その他のお菓子からも糖分を多く摂取している方は注意が必要です。アイスが大好きで、どうしてもやめられないという方は、以下の点を意識することで、摂取するエネルギーや糖分を減らせる可能性があります。
1. 低エネルギーのものを選ぶ 商品のパッケージに記載されている栄養成分表示を確認し、200kcal以下のものを選ぶようにしましょう。高エネルギーのものは、誰かと分け合って食べるのも良いでしょう。ミルク系のアイスが食べたいけれどエネルギーが気になるという方には、グリコさんのSUNAOという糖質を調整したアイスがおすすめです。ソフトクリームは120kcal、バニラやストロベリーなどのカップアイスは80kcalで、糖質もどちらも10g以下と、一般的なアイスの約半分程度です。
2.小さめのサイズのものや個包装になっているものを選ぶ。食べ過ぎを防ぐためには、同商品でも小さめのサイズのものや個包装になっているものを選ぶのが効果的です。コンビニなどで販売されている冷凍フルーツもおすすめです。1袋100kcal以下と低エネルギーでありながら、ビタミンも補給できる優れた食品です。パイナップル、マンゴー、いちご、ぶどうなど種類も豊富なので、気分に合わせて選ぶのも楽しいでしょう。お子さんやお孫さんと一緒に食べるおやつにもおすすめです。
まとめ
アイスを食べると血糖値が上がるから、ダイエット中だからと我慢しすぎるのは、ストレスを溜めてしまい、かえって暴飲暴食につながる可能性があります。食べる頻度や1回の量、内容を調整して、摂取するエネルギーや糖分を上手にコントロールすることで、アイスも楽しむことができます。