もちもち食感と、甘じょっぱいタレがたまらない団子。日本全国には、数えきれないほどの団子屋さんが存在します。定番のみたらし団子から、あんこ、ずんだ、変わり種まで、その種類も豊富!今回は、本当に美味しい団子屋をご紹介します。ぜひ、お気に入りの団子を見つけて、至福のひとときを味わってください。
団子とは?知っておきたい基本
日本の伝統的な甘味である団子は、主に上新粉を水で練り上げて作られます。上新粉は、私たちが普段食べているうるち米を粉末にしたもので、その特徴は、もち米の粉とは異なり、粘り気が少ないことです。この上新粉を使うことで、団子独特の歯ごたえが生まれます。シンプルな見た目ながら、その製法や味は多岐にわたり、奥深さを感じさせます。
団子の歴史:遥かなる縄文時代から現代まで
団子のルーツは非常に古く、縄文時代にまで遡ると言われています。当時、人々は穀物を粉にし、水で練って食べるという食文化を持っていました。現在の「団子」という名前で親しまれるようになったのは江戸時代のことです。串に刺して気軽に食べられる菓子として、お茶屋さんや露店で広く愛されました。江戸時代には砂糖が貴重品であったため、醤油味が主流でしたが、明治時代以降、砂糖の生産量が増えたことで、甘い団子が一般的になりました。
東京三大団子を味わう旅
東京には、特にその名を知られる団子屋がいくつか存在します。ここでは、特に有名な「羽二重団子」をはじめとする、歴史と伝統を受け継ぐ老舗の団子屋を巡る旅をご提案します。各店舗が大切にしている伝統、こだわり、そして何よりもその素晴らしい味わいを心ゆくまでお楽しみください。
追分だんご本舗:新宿で受け継がれる伝統の味
新宿三丁目に店を構える『追分だんご本舗』は、明治22年に高井戸からこの地に移転してきた歴史あるお店です。その店名は、甲州街道と青梅街道の分岐点であった新宿の「追分」という地名に由来しています。創業以来、伝統的な製法を守りながらも、現代人の味覚に合うように甘さを調整するなど、常に美味しさを追求しています。新宿という場所の歴史を感じながら、こだわりの団子を堪能してみてはいかがでしょうか。
宿場町の歴史を今に伝える、団子の魅力
新宿は、江戸時代に甲州街道沿いに誕生した新しい宿場町、「内藤新宿」として繁栄を極めました。その名は、内藤家の領地の一部が活用されたことに由来し、甲州街道と青梅街道が交わる交通の要衝として発展しました。現在の新宿御苑は、当時から人々の心を癒す憩いの場でした。山手線の高架下にある「角筈トンネル」には、青梅街道を行き交った旅人たちの様子を描いた壁画が残り、往時の面影を伝えています。鉄道のない時代、街道の旅は徒歩や馬車が中心で、決して楽なものではありませんでした。追分だんごは、そうした旅人たちの飢えを満たす、貴重な存在だったのかもしれません。
追分だんごの多彩な味わいと甘味処
店頭には、色とりどりのお団子が可愛らしいパッケージで並び、甘味処では、お好みのお団子を2本選べるお得なセットが楽しめます。新宿散策の合間のひと休みに最適です。
羽二重団子:文人墨客も愛した、日暮里の老舗の味
東京三大団子の一つに数えられる「羽二重団子」は、日暮里の芋坂の麓に店を構え、江戸時代から多くの文化人に愛されてきた名店です。夏目漱石の小説「吾輩は猫である」にも登場するほどで、その洗練された味わいは、時を超えて人々を魅了し続けています。
谷中散歩と羽二重団子を味わう
羽二重団子へ足を運ぶなら、日暮里駅から谷中霊園や谷中銀座商店街をのんびりと散策するのがおすすめです。谷中霊園には、徳川慶喜や渋沢栄一といった著名人の墓所があり、桜の名所としても知られています。谷中銀座商店街は、美しい夕焼けが見られる「夕やけだんだん」や、下町情緒あふれる街並みが魅力です。霊園を抜けて線路沿いの坂を下ると、羽二重団子が佇んでいます。
洗練された空間で堪能する羽二重団子
2019年に新築された羽二重団子本店の店内は、洗練された雰囲気が漂い、歴史を感じさせる展示品が目を引きます。特に戊辰戦争で敗れた兵士が店に置いていったとされる刀剣は、往時の面影を伝えます。おすすめの羽二重団子セットは、日本酒との相性も考慮されており、冷酒とのセットも楽しめます。
亀屋大和:東神田で育まれた焼団子の味
東神田に店を構える『亀屋大和』は、江戸時代から続く老舗。現在は9代目がその味を守り続けています。長きにわたり受け継がれてきたその味は、地元の人々から深く愛されています。団子はもちろん、大福やどら焼きも人気ですが、中でも焼団子(みたらし団子)は格別です。
問屋街に佇む亀屋大和
亀屋大和へのアクセスは、JR総武本線 馬喰町駅が便利です。周辺は衣料品の卸問屋が多く、問屋街として知られています。店に着くと、落ち着いた街並みとは異なり、店の前には行列ができていました。品切れの商品もありましたが、事前に電話で予約していたため、念願の焼団子を手に入れることができました。
まとめ
東京には、古くからの製法を守りつつ、革新的な味を追求する団子屋が数多く存在します。今回ご紹介した店舗の他にも、地元住民に親しまれている団子店や、他にはないユニークな団子を味わえるお店がたくさんあります。あなたにとって最高の団子を見つけ、東京の奥深い和菓子文化を心ゆくまでお楽しみください。
質問1:団子のバリエーションはどれほどありますか?
回答:団子の種類は多岐にわたり、地域性やお店ごとの特色が色濃く反映されています。広く知られているものとしては、甘辛いタレが特徴のみたらし団子、上品な甘さのあんこ団子、香ばしいきな粉団子、枝豆の風味が豊かなずんだ団子などが挙げられます。さらに、団子の生地に使う粉の種類や製造方法によっても、その食感や味わいは大きく異なり、バラエティ豊かな団子体験が可能です。
質問2:団子の風味を最大限に引き出す食べ方はありますか?
回答:団子本来の美味しさを味わうには、作りたて、できたてを食するのが何よりです。時間が経過すると硬くなる場合があるため、購入後はできるだけ早く口に運ぶことを推奨します。温かいお茶と共にいただけば、団子の甘味が際立ち、より一層美味しく感じられるでしょう。特に、みたらし団子のようにタレがかかっているものは、タレが垂れないように注意しながら味わうのがポイントです。
質問3:団子はどのような場所で購入できますか?
回答:団子は、昔ながらの和菓子店をはじめ、身近なスーパーマーケットやコンビニエンスストアなど、様々な場所で手に入れることができます。近年では、インターネット通販サイトでも多彩な団子が販売されており、自宅にいながらにして全国各地の味を楽しむことが可能です。お土産や贈答品として購入する際は、歴史のある老舗和菓子店や、その土地ならではの特産品を扱うお店を選ぶのがおすすめです。