かちわり氷
酷暑を吹き飛ばす、キンと冷たい夏の風物詩といえば「かち割り氷」。ゴツゴツとした氷の塊がグラスの中で涼しげな音を立て、シュワっと弾ける炭酸や、清涼感あふれるジュースを冷たく保ちます。近年、その無骨な見た目とダイレクトな冷たさが再評価され、かき氷とは違った魅力で人気を集めています。今回は、そんなかち割り氷の魅力に迫り、その歴史や楽しみ方、さらに美味しいアレンジレシピまでご紹介します。
かち割り氷について
かち割り氷とは、大きな氷を砕いて、飲み物などに入れやすいように小さくしたものです。「かち割り」と略されることもあります。主に、飲み物を冷やしたり、暑さをしのいだりする目的で、ビニール袋に入れてストローを差込み、口を輪ゴムで留めて売られているのが一般的です。
かち割り氷の呼称について
最も一般的に普及している呼び名である「かき氷」は、東京方言の「ぶっかきごおり」に由来します。他の呼称として夏氷、氷水など。近畿では「かちわり(ごおり)」などとも呼ばれます。
かち割り氷:甲子園球場での販売
阪神甲子園球場で販売されている「かち割り氷」は、球場内の売店などで購入できます。ただし、販売期間は高校野球の開催中に限られており、プロ野球の試合開催日には通常販売されていません。甲子園のかち割り氷は、地下水を使い、時間をかけて丁寧に製氷することで、透明度が高く溶けにくい氷に仕上げられています。溶けた氷水も美味しく飲むことができ、暑いときには額に当てて涼むこともできます。
甲子園球場におけるかち割り氷の誕生秘話
甲子園で「かち割り氷」が誕生したのは1956年、地元の飲食店である梶本商店が販売を開始しました。当初は、たこ焼き用の容器にかき氷を入れて販売していましたが、氷が溶けてシロップが服についてしまうという問題がありました。そこで、創業者がお祭りの屋台で金魚を持ち帰る光景から発想を得て、ビニール袋に砕いた氷を入れ、ストローを付けて販売したところ、「飲み物としてだけでなく、氷嚢としても使える」と評判になり、大人気となりました。
甲子園球場におけるかち割り氷の現状
販売が始まった当初は、1袋わずか5円で手に入りました。昔は、巾着型のビニール袋に甲子園球場内で氷を詰めて販売していましたが、現在は衛生基準の向上により、大阪市内の専門工場で密封された状態で製造・販売されています。夏の甲子園名物「かちわり氷」も味わうことができなくなった。密閉式の袋に約400グラムの氷が入ったもので、税込み200円。阪神甲子園球場によると、夏の阪神戦でも売店で買うことはできるが、スタンドの売り子による販売は全国高校野球選手権だけ。大会期間中は一日平均5000~6000袋が売れるという。しかし、夏の甲子園の風物詩である「かち割り氷」の売上を再び盛り上げようとする動きも存在します。
「純氷」とは何か
純氷とは、不純物を可能な限り取り除き、時間をかけてゆっくりと凍らせることで作られる、透明度の高い氷のことです。「かち割り氷」には、この純氷が使用されることがあります。純氷は一般的に硬く、溶けにくい性質を持つため、飲み物を長時間冷たく保つことができます。お酒やソフトドリンク本来の風味を損なうことなく、透明で美しい氷を楽しむことが可能です。特に、ウィスキーのロックなどとの相性は抜群です。
「かち割り氷」の様々な用途
「かち割り氷」は、飲み物を冷やすだけでなく、保冷材としても活用できます。特に、スポーツ観戦やアウトドアレジャーなどで、手軽に体を冷やしたり、食品を低温に保つ際に重宝します。また、縁日や屋台などでは、かち割り氷にシロップをかけたものが販売されていることもあります。
自宅で「かち割り氷」を作る方法
「かち割り氷」は、ご家庭でも比較的簡単に作ることができます。大きめの氷を用意し、アイスピックなどを使い、好みの大きさに砕くだけです。ただし、家庭用冷蔵庫で作った氷は、不純物が比較的多く含まれているため、純氷に比べると溶けやすい傾向があります。
かち割り氷の相場について
かち割り氷の値段は、購入場所や容量によって変動します。一例として、ある店舗では店頭販売価格が330円(税込)から、配達サービスを利用する場合は430円(税込)からとなっています。一般的に、購入する量が増えるほど、価格も上がります。
まとめ
かち割り氷は、甲子園の夏の象徴として愛されるだけでなく、様々な場面で重宝される万能な氷です。その歴史や背景を知ることで、かち割り氷の魅力をより深く感じられるはずです。純氷を使うことで、さらに美味しく、安心して楽しむことができます。ぜひ、かち割り氷を一度お試しください。
よくある質問
質問1:かち割り氷の入手先
かち割り氷は、一般的なスーパーやコンビニエンスストア、または氷を専門に扱うお店などで手に入れることができます。また、甲子園球場をはじめとするイベント会場でも販売されていることがあります。
質問2:かち割り氷を長持ちさせるには?
かち割り氷は溶けやすいのが難点です。そのため、手に入れたらなるべく早く使うのがおすすめです。保存が必要な場合は、冷凍庫で保管し、密閉容器やジッパー付きの袋などに入れることで、溶けるスピードを遅らせることができます。
質問3:かち割り氷とかき氷の違いは何ですか?
かち割り氷とかき氷は、どちらも暑い季節に使われる氷ですが、形状や用途が異なります。かち割り氷は、大きな氷を粗く砕いた塊状の氷で、主に飲み物を冷やしたり、保冷材として使用されます。一方、かき氷は専用の機械で氷を細かく削ったもので、シロップなどをかけてデザートとして楽しむのが一般的です。かち割り氷は「冷たさを楽しむ」ことに重点があり、かき氷は「味わいを楽しむ」ための氷といえます。