とうもろこしの特徴と栄養・効能:甘くて美味しいだけじゃない、知られざる健康効果
夏祭りの屋台や食卓でおなじみのとうもろこし。甘くて美味しいだけでなく、実は栄養満点な食材であることをご存知でしょうか?食物繊維やビタミン、ミネラルなど、私たちの健康をサポートする様々な栄養素が豊富に含まれています。この記事では、とうもろこしの知られざる健康効果を徹底解説。美容やダイエットに役立つ情報も満載です。この夏は、とうもろこしを賢く食べて、美味しく健康になりましょう!

トウモロコシの概要と歴史:コロンブスが伝えた、甘味の宝石

夏を彩る味覚、トウモロコシ。その甘さとみずみずしさは、多くの人々を魅了するだけでなく、健康維持に不可欠な栄養素を豊富に含んでいます。特に、現代人に不足しがちな食物繊維の供給源として知られ、腸内環境を改善する効果が期待されるセルロースを多く含むため、「腸活」食材としても注目を集めています。トウモロコシは炭水化物、タンパク質、脂質をバランス良く含み、他の野菜と比較してエネルギー密度が高いことから、一部の地域では主食として利用されています。この魅力的な作物の歴史は古く、15世紀末に探検家クリストファー・コロンブスが新大陸からヨーロッパへ持ち帰ったことが、世界的な普及のきっかけとなりました。その後、トウモロコシは各地の気候に適応し栽培が拡大、多様な品種が生まれました。日本へは、明治時代の北海道開拓を機に本格的な栽培が始まり、重要な農産物として定着しました。私たちが「野菜」として普段食べているトウモロコシは、数ある品種の中でも特に甘味が強い「スイートコーン」という種類です。近年、品種改良が著しく進み、まるでフルーツのような驚くほどの甘さを持つ品種が続々と登場し、その美味しさは進化を続けています。このような背景から、トウモロコシは単なる野菜としてだけでなく、デザート感覚で楽しめる食材としても評価を高めています。ただし、本記事で述べるトウモロコシの健康に関する情報は、あくまで野菜としての栄養成分に基づくものであり、特定の病気の治癒や治療効果を保証するものではありませんので、ご了承ください。

高エネルギー源としての特徴と胚芽に秘められた栄養価

トウモロコシは、その甘さから想像できるように、糖質やデンプンといった炭水化物を豊富に含んでおり、日々の活動に必要なエネルギーを効率的に供給してくれる高エネルギー食材です。日本では、茹でてそのまま食べたり、缶詰のコーンを利用することが一般的ですが、生、茹で、缶詰の状態によって栄養価に若干の違いが見られます。一般的に、生の状態と茹でたものでは栄養価に大きな差は見られません。一方、缶詰のトウモロコシは、炭水化物や食物繊維の量に大きな変化はないものの、製造過程での加熱処理により、タンパク質、脂質、カリウム、リン、ビタミンB群などが減少する傾向があります。ただし、缶詰の汁にはこれらの栄養素が溶け出しているため、汁ごと料理に使用することで、栄養を無駄なく摂取できます。特に注目すべきは、粒の根元にある白っぽい部分「胚芽」に、様々な重要な栄養素が凝縮されている点です。この胚芽には、強力な抗酸化作用を持ち、体の細胞を酸化から守るビタミンE、糖質の代謝を助けエネルギー生成に不可欠なビタミンB1、そして皮膚や粘膜の健康をサポートするビタミンB2が含まれています。
さらに、トウモロコシは体内の水分バランスを調整し、余分なナトリウムの排出を促して血圧を安定させたり、むくみを予防したりするカリウムを豊富に含んでいます。カリウムは心臓の機能や筋肉の収縮にも関与しており、不足すると足がつるなどの症状が現れることがあります。酵素の働きを助け、免疫機能の維持にも関わる亜鉛、そして貧血予防に重要な鉄といったミネラル類も豊富です。また、コラーゲンの生成を助け、鉄の吸収を促進し、メラニン色素の生成を抑えてシミやシワを予防するなど、美肌作りに欠かせないビタミンCも含まれています。ただし、ビタミンCは水溶性で熱に弱く、比較的短時間で体外へ排出されるため、調理法を工夫し、こまめに摂取することが大切です。トウモロコシには、血液中のコレステロール値を下げる効果があると言われる必須脂肪酸の一種、リノール酸も豊富に含まれています。そして、何よりも見逃せないのが、腸の健康に大きく貢献する食物繊維です。特にセルロースという不溶性食物繊維を豊富に含んでいることが、「食物繊維の宝庫」と呼ばれる理由です。不溶性食物繊維は胃や腸で水分を吸収して膨張するため満腹感が得やすく、腸の蠕動運動を活発にして排便を促し、便秘解消に効果があります。また、コレステロール値を下げる働きや、糖質の吸収を穏やかにして血糖値の急上昇を抑える効果も期待できます。これらの栄養素が複合的に作用することで、トウモロコシは私たちの健康的な食生活を力強くサポートする、優れた食材と言えるでしょう。

トウモロコシの効能とダイエットへの応用

トウモロコシは、その豊富な栄養素から美容やダイエットにも効果が期待できる食材ですが、その特性を理解し、摂取量には注意が必要です。多くの人が甘いトウモロコシのカロリーを気にしますが、実際にはご飯1杯(約150g)と比較して、トウモロコシ1本(可食部約175g)の方がカロリーも糖質も低いことがわかっています。しかし、一般的な野菜の中ではタンパク質、脂質、糖質が比較的高い部類に入るため、過剰に摂取すると体重増加の原因となる可能性があります。ダイエット中にトウモロコシを取り入れる際は、ご飯の代わりに主食として食べる、トウモロコシご飯にしてご飯の量を減らす、あるいは高カロリーのお菓子の代わりにトウモロコシを食べるなど、置き換えて摂取することがおすすめです。以下に、トウモロコシがもたらす様々な健康効果について詳しく解説します。

トウモロコシがもたらす様々な健康効果

トウモロコシの粒の皮に多く含まれる不溶性食物繊維は、胃や腸で水分を吸収して大きく膨らむことで満腹感を持続させ、腸の蠕動運動を活発にすることで排便を促進し、便秘の改善に効果を発揮します。ダイエット中は食生活の変化から便秘になりやすく、それによって代謝の低下や肌トラブルが起こる可能性もありますが、トウモロコシを積極的に取り入れることで、これらのトラブルを予防する効果が期待できます。また、トウモロコシに豊富なビタミンB1は、食品から摂取した糖質をエネルギーに変換する酵素の働きをサポートする重要な栄養素です。脳の主要なエネルギー源であるブドウ糖の代謝も促進するため、不足すると集中力の低下やイライラ、疲労感の原因となることがあります。糖質を多く含むトウモロコシを食べる際にビタミンB1が不足すると、糖がエネルギーとして利用されずに体内に蓄積され、体脂肪となるリスクがあるため、ダイエット中は1日1本程度を目安にするなど、摂取量に注意が必要です。
さらに、トウモロコシに含まれるリノール酸は、n-6系(オメガ6系)に分類される不飽和脂肪酸の一種で、中性脂肪値を下げたり、動脈硬化の原因となる悪玉コレステロールを減らすなど、健康に良い影響をもたらします。しかし、n-6系の脂質は様々な食品に含まれているため、過剰に摂取すると善玉コレステロールまで減少させてしまう可能性があるため、バランスの取れた摂取を心がけることが重要です。美肌作りにおいても、トウモロコシは効果を発揮します。コラーゲンの合成に必要なアミノ酸やビタミンC、そして肌を保湿し柔らかくする効果を持つリノール酸など、肌の健康を保つための栄養素が豊富に含まれています。また、エネルギー代謝に関わるアミノ酸の一種であるアスパラギン酸は、うま味成分としても知られ、栄養ドリンクにも配合されるほど疲労回復やスタミナ向上に効果が期待できます。目の健康にも良い影響があり、トウモロコシの色素成分であるカロテノイドの一種、ゼアキサンチンは、強力な抗酸化作用により、加齢による視力低下の改善や白内障の予防に効果があると言われています。これらの多岐にわたる効能により、トウモロコシは美味しく健康をサポートする優れた食材と言えるでしょう。

実の詰まりとヒゲの色で決める!おいしいトウモロコシの選び方

トウモロコシを選ぶ際には、いくつかのポイントに注意することで、より美味しいものを見分けることができます。まず、実が根元から先端までしっかりと詰まっているかを確認しましょう。手に取った時にずっしりと重く、ふっくらとした形状のものは、実がしっかりと詰まっている証拠です。また、粒の表面にツヤがあることも重要なポイントです。これは、トウモロコシが新鮮で水分を豊富に含んでいることを示しています。皮付きのトウモロコシを選ぶ場合は、外皮の色をチェックしましょう。鮮やかな緑色のものは、収穫からの時間が短く、新鮮である可能性が高いです。さらに、トウモロコシ上部から出ているヒゲの色にも注目しましょう。ヒゲが茶褐色になっているものは、十分に熟しているサインです。逆に、ヒゲが緑色や黄色っぽい場合は、まだ十分に熟していない可能性があるため、避けた方が良いでしょう。これらのポイントを踏まえることで、甘くてジューシーな、最高品質のトウモロコシを選ぶことができるはずです。購入時にはこれらの特徴をよく確認し、最高のトウモロコシを食卓に迎えましょう。

鮮度と栄養をキープ!トウモロコシの保存方法と冷凍テクニック

トウモロコシは、収穫後に時間経過とともに鮮度と甘みが失われやすい野菜です。特に、栄養価は収穫後24時間以内に大きく低下すると言われているため、購入後はできるだけ早く調理して食べることが大切です。それが、トウモロコシの風味と栄養を最大限に味わうための秘訣です。生のまま保存するのは避け、購入した日に茹でたり蒸したりするのが理想的です。近年では、生で食べられるほど甘い品種も登場しており、これらの品種は特に新鮮なうちに生食することで、栄養を逃さず、その美味しさを堪能できます。すぐに食べきれない場合は、適切な保存方法を選択することで、美味しさと栄養をある程度維持できます。短期間保存する場合は、皮付きのまま冷蔵庫の野菜室に入れるのがおすすめです。ただし、数日以内には食べきるようにしましょう。長期保存を希望する場合は、冷凍保存が有効です。冷凍する前に、トウモロコシを固めに茹でるか蒸すなどして加熱処理を行いましょう。加熱することで酵素の働きを抑え、品質劣化を防ぐことができます。加熱後、粗熱を取ってから、用途に合わせてカットし、冷凍保存に適した袋や容器に入れて冷凍庫で保存します。例えば、輪切りにしたり、実を芯から外して冷凍しておくと、必要な時に必要な量だけ取り出して、炒め物、スープ、サラダなど、さまざまな料理に手軽に活用できます。冷凍保存によって、いつでもトウモロコシの甘みと風味を楽しむことが可能になります。

トウモロコシのおいしい茹で方:甘さを引き出す3つのコツと栄養保持の秘訣

トウモロコシ本来の甘さと風味を最大限に引き出し、美味しくいただくには、適切な調理方法を選ぶことが不可欠です。中でも最もポピュラーな調理方法である「茹でる」際には、いくつかのポイントがあります。トウモロコシを茹でる際は、薄皮を数枚残したまま茹でるのがおすすめです。薄皮が水分と旨味を閉じ込め、茹で上がりがジューシーで風味豊かになります。茹で方には、主に以下の3つの方法があります。
  • 水から茹でる: 鍋にたっぷりの水とトウモロコシを入れ、じっくりと水から茹で始めます。こうすることで、トウモロコシの甘みがゆっくりと引き出されます。沸騰後、3分程度茹でるのが目安です。茹ですぎると食感が損なわれ、栄養素が流出しやすくなるため、茹で時間には注意が必要です。沸騰後3分経過したら火を止め、ザルにあげて余熱で仕上げることで、プリプリとした食感を保てます。
  • お湯から茹でる: 沸騰したお湯にトウモロコシを入れ、約3分間茹でます。この方法は短時間で調理でき、シャキシャキとした食感を残したい場合に適しています。ただし、水溶性の栄養素が流れ出しやすい点に注意が必要です。
  • 電子レンジで加熱する: ビタミンB群やビタミンCなどの水溶性ビタミンは、水に溶けやすい性質を持っています。これらの栄養素を効率的に摂取したい場合は、電子レンジでの加熱がおすすめです。皮付きのまま電子レンジで加熱することで、水分が逃げにくく、栄養素の損失を最小限に抑えながら、手軽に美味しく調理できます。
上記以外にも、蒸したり、焼いたりするなど、さまざまな調理方法を試して、自分好みのトウモロコシの美味しさを見つけてみましょう。

トウモロコシをまるごと食べる!栄養を最大限に活かす方法

トウモロコシは、粒だけでなく、普段は捨ててしまいがちな部分にも、栄養や旨味が豊富に含まれています。トウモロコシのすべての部分を余すことなく活用することで、その魅力を最大限に引き出し、無駄なく楽しむことができます。

胚芽を意識して食べる:栄養豊富な粒の根本

トウモロコシの栄養価は、粒の根元にあるわずかに見える白い部分、「胚芽」に特に集中しています。しかし、丸かじりしたり、包丁で芯から粒を削ぎ落としたりすると、この大切な胚芽が芯に残ってしまうことがあります。これは非常にもったいない食べ方と言えるでしょう。胚芽までしっかりと食べるには、まず縦方向に1~2列、手で粒をはずすと、残りの粒も根本から簡単に外すことができます。こうすることで、ビタミンEやビタミンB群、各種ミネラルなど、胚芽に豊富に含まれる栄養素を無駄なく摂取できます。

芯とひげを賢く利用:旨味と健康効果を享受する

食べ終えた後のトウモロコシの「芯」にも、実は隠れた旨味と栄養が詰まっています。この芯を水から煮出すことで、風味豊かなスープの出汁として活用できます。また、はずした粒と一緒にご飯と炊き込めば、トウモロコシの自然な甘みがご飯全体に広がり、一層美味しくなります。さらに、トウモロコシの「ひげ」も、ぜひ有効活用してください。ひげには利尿作用や血圧を下げる効果があると言われており、乾燥させてお茶として飲むことで、むくみの解消や高血圧の予防に役立つとされています。このように、トウモロコシは粒だけでなく、芯やひげに至るまで、余すことなく活用することで、その栄養価と美味しさを最大限に引き出すことができる、環境にも優しい賢い食材と言えるでしょう。

粒とひげの知られざる関係:受粉から実りまで

トウモロコシには、一見しただけでは想像できない、驚くべき秘密が隠されています。それは、一本のトウモロコシに実る「粒の数」と、そこから生えている「ひげの数」が、実は完全に一致するということです。トウモロコシのひげは、単なる飾りではなく、植物学的には「雌しべ」としての役割を担う、非常に重要な器官です。一本一本のひげは、トウモロコシの芯に整然と並んだそれぞれの粒、つまり胚珠へと直接繋がっています。風に乗って運ばれてきた花粉が、このひげの先端に付着すると、花粉はひげの中を通り、胚珠へと到達して受精が行われます。この受精が成功することで、それぞれの胚珠は成長し、私たちが普段口にしている甘い粒へと姿を変えるのです。つまり、ひげの数だけ粒が実る可能性を秘めており、もし一本でも受精しないひげがあると、そのひげに繋がる粒は成熟することなく、未熟なまま残ってしまいます。この独特な受精のメカニズムこそが、トウモロコシの粒が見事に整列して実る理由であり、また、品種によって粒の数が異なるのは、ひげの数が品種ごとに異なるためなのです。次にトウモロコシを召し上がる際には、この粒とひげの奥深い関係に想いを馳せながら、その数を数えてみるのも面白いかもしれません。

甘さの新境地!食卓を豊かにする多彩なトウモロコシの品種

トウモロコシは、長い年月をかけて様々な品種が開発されてきましたが、私たちが一般的に「野菜」として楽しんでいるのは、主に「スイートコーン」と呼ばれる甘味種です。スイートコーンは、その名前が示すように、際立った甘さが特徴で、食用として広く栽培されています。近年、品種改良は目覚ましい進歩を遂げており、まるでフルーツのような、驚くほど高い糖度と芳醇な風味を兼ね備えた品種が次々と生まれています。これらの新しい品種は、従来のトウモロコシのイメージを覆し、生でそのまま食べても十分に美味しいほどの高品質なものも増えてきました。例えば、特定の地域の気候や土壌に合わせて改良されたブランド品種や、黄色と白色の粒が混ざり合った美しいバイカラー種など、その種類は非常に豊富です。収穫時期や粒の柔らかさ、甘さ、香りなど、品種によって異なる個性があるため、様々な品種を試してみることで、トウモロコシの奥深い魅力を堪能できるでしょう。各地の農産物直売所やオンラインショップでは、その土地ならではの希少な品種や、最新の改良品種が販売されていることも多く、それぞれの品種が持つ独自の風味や食感を比較してみるのもおすすめです。

日本各地の旬を巡る:収穫時期の目安と注意点

トウモロコシといえば夏の味覚として親しまれていますが、日本は南北に長く、気候や風土が地域によって大きく異なるため、野菜や果物の旬もまた多様です。温暖な沖縄や九州では比較的早い時期から、冷涼な北海道などでは遅い時期まで収穫が行われ、全国的に見ると比較的長い期間トウモロコシを楽しむことができます。ここでは、一年を通してトウモロコシがどれくらいの量、いつ頃市場に出回るかの目安となる「旬カレンダー」をご活用いただけます。このカレンダーによって、トウモロコシの出荷量がピークを迎える時期、すなわち「最盛期」を知り、最も美味しく新鮮なトウモロコシを選ぶ際の参考にすることができます。ただし、この旬カレンダーは主に東京都中央卸売市場のデータに基づいて作成されている点にご留意ください。そのため、東京市場への出荷量が少ない地域特産のトウモロコシや、小規模農家が直売しているようなトウモロコシの情報は、必ずしも反映されていない場合があります。あくまで全国的な傾向を示すものとして捉え、お住まいの地域や購入先の情報(地元の農産物直売所など)と合わせて参照することで、より正確な旬の情報を得ることが可能です。各地で育まれた様々な品種のトウモロコシを、旬の時期に味わい尽くすためのヒントとしてお役立てください。

栄養満点!トウモロコシを使ったおすすめレシピ

夏の食卓を彩るトウモロコシは、その甘みと独特の食感で、様々な料理に活用できる食材です。ここでは、トウモロコシの美味しさを最大限に引き出し、栄養価もアップさせるおすすめのレシピをご紹介します。

アミノ酸バランスを向上させるコーンスープ

トウモロコシは良質なタンパク質を含んでいますが、その構成要素である必須アミノ酸のリジンが比較的少ない点が特徴です。必須アミノ酸は9種類存在し、そのうち一つでも不足すると、他のアミノ酸もその量に合わせてしか吸収されません。そこで、アミノ酸バランスを効率的に整えるには、リジンを豊富に含む牛乳とトウモロコシを組み合わせて摂取するのが効果的です。例えば、コーンスープに牛乳を加えることでリジンを補給し、トウモロコシ全体のタンパク質利用効率を高めることができます。クリーミーで栄養価の高いコーンスープは、幅広い年齢層に喜ばれるでしょう。

ビタミンB1の働きを持続させるドライカレー

トウモロコシに含まれる糖質を効率良くエネルギーに変えるには、ビタミンB1が不可欠です。玉ねぎやニンニクに含まれるアリシンという成分は、このビタミンB1の作用を高め、体内で長く維持するのに役立ちます。アリシンとビタミンB1が結合すると、血液中に長くとどまる性質を持つため、ビタミンB1をより長く効果的に利用できます。トウモロコシを使ったドライカレーは、玉ねぎやニンニクを使用するため、栄養面で相乗効果が期待できる理想的なメニューです。さらに、植物油で炒めることでビタミンB1の消費を抑える効果も期待できます。スパイシーなドライカレーにトウモロコシの甘みが加わり、絶妙な味わいを楽しめます。

夏を彩る!トウモロコシの定番&アレンジレシピ

食欲が減退しがちな夏にぴったりの「ピリ辛炒飯」。トウモロコシの甘みがピリ辛さの中に広がり、一口ごとに豊かな風味が感じられます。隠し味にポン酢を加えることで味が引き締まり、奥深い味わいになります。また、旬のトウモロコシを大きめにカットして加えた「甘酸っぱい寿司酢和え」もおすすめです。トウモロコシの甘さと寿司酢の酸味が調和し、食欲をそそる一品です。サラダや炒め物も人気があります。旬の甘いトウモロコシを、もやしやパプリカなどの彩り豊かな野菜と一緒に摂取することで、栄養バランスが向上します。トウモロコシの甘みが野菜全体の味を引き立て、子供から大人まで楽しめるヘルシーな料理を簡単に作れます。これらのレシピを参考に、ご家庭でトウモロコシの新しい魅力を発見してみてください。

まとめ

トウモロコシは、その甘さと豊富な栄養価で、夏の食卓に欠かせない旬の野菜です。コロンブスによって新大陸から世界へ広まり、日本では明治時代に栽培が本格化したこの穀物は、特に甘味種である「スイートコーン」として親しまれています。エネルギー源として優れているだけでなく、胚芽にはビタミンE、B1、B2、カリウム、亜鉛、鉄、そしてビタミンCが豊富に含まれています。さらに、コレステロール値を下げるリノール酸や、腸内環境を整え便秘を改善する食物繊維セルロースも豊富です。トウモロコシは白米に比べてカロリーや糖質が低い傾向にあり、ダイエット中の置き換え食品としても適していますが、野菜の中では糖質が高めなので、食べ過ぎには注意が必要です。美肌効果、疲労回復効果、目の健康を保つ効果など、さまざまな健康効果が期待できます。新鮮なトウモロコシを選ぶ際は、実の詰まり具合、ツヤ、皮の色、ひげの状態を確認しましょう。収穫後24時間以内に調理し、加熱後に冷凍保存することで、美味しさと栄養を保つことができます。茹でる、電子レンジで加熱するなど、様々な調理法で手軽に美味しく味わえます。胚芽や芯、ひげまで活用することで、栄養を余すことなく摂取できます。粒とひげの数が同じという豆知識も、トウモロコシの魅力を引き立てます。全国のJAファーマーズマーケットでは、生産者の顔が見える安心・安全な採れたてトウモロコシが手に入り、JAタウンでは産地直送の新鮮なトウモロコシを自宅で手軽に購入できます。アミノ酸バランスを考慮したコーンスープ、ビタミンB1の働きを持続させるドライカレー、ピリ辛炒飯や寿司酢で和えた料理など、トウモロコシを使った様々なレシピで、旬の味覚を存分にお楽しみください。

とうもろこしが最も美味しい時期は?

とうもろこしの旬といえば夏ですが、日本列島は南北に長いため、地域によって旬の時期は異なります。一般的に旬カレンダーで示される時期は、東京都中央卸売市場のデータに基づいた出荷のピーク時期です。お住まいの地域や購入されるお店の情報も参考にしながら、一番美味しい旬のとうもろこしを見つけてください。

とうもろこしに含まれる栄養成分は?

とうもろこしは、糖質やでんぷんといった炭水化物を豊富に含み、エネルギー源として優れています。特に胚芽には、ビタミンE、ビタミンB群(B1、B2)、カリウム、亜鉛、鉄分、そしてビタミンCといった様々な栄養素が詰まっています。加えて、コレステロールを下げる効果が期待できるリノール酸や、腸内環境を改善する食物繊維(セルロース)も豊富です。

美味しいとうもろこしを見分けるコツは?

新鮮なとうもろこしを選ぶポイントは、粒が先端までぎっしりと詰まっていて、ふっくらとハリとツヤがあることです。皮付きの場合は、皮の色が鮮やかな緑色であることが望ましいでしょう。また、ひげが茶褐色になっているものは、十分に熟しているサインです。

とうもろこしを美味しく保存するには?

とうもろこしは収穫後から鮮度が落ちやすく、栄養価も時間とともに低下します。収穫から24時間以内に栄養価が半分になるとも言われていますので、購入したらなるべく早く調理して食べるのがおすすめです。すぐに食べきれない場合は、少し固めに茹でるか蒸した後、3~4cm幅の輪切りにするか、粒をバラバラにして、密閉できる容器に入れて冷凍保存することで、美味しさを長持ちさせることができます。

トウモロコシの粒の数と、あのフサフサしたヒゲの数って、何か関係があるの?

実はおもしろいことに、トウモロコシの粒の数とヒゲの数は、ちゃんと対応しているんです。あのヒゲは、トウモロコシの雌しべの一部。花粉がヒゲの先に付いて受粉すると、そのヒゲとつながっている粒が実を結ぶ、という仕組みなんです。つまり、ヒゲの本数が、そのまま実る粒の数を決めていると言えるんですね。

トウモロコシの芯やヒゲって、もしかして捨てるのはもったいない?

その通り!トウモロコシの芯には、まだ旨味がたっぷり残っているんです。水からじっくり煮出せば、美味しいスープの出汁になりますし、ご飯と一緒に炊き込めば、風味豊かなご飯が楽しめます。また、ヒゲには利尿作用や血圧を下げる効果があると言われています。乾燥させてヒゲ茶にすれば、むくみ解消など、嬉しい健康効果も期待できるんですよ。

ダイエット中でも、トウモロコシって食べても大丈夫?

ご安心ください。食べ方に気をつければ、ダイエット中でもトウモロコシは強い味方になります。トウモロコシ1本のカロリーや糖質は、ご飯1杯(150g)と比べて、実は低いことが多いんです。ただし、野菜の中では糖質がやや高めなので、食べ過ぎには注意が必要。ご飯の代わりにトウモロコシを主食にする、トウモロコシご飯にする、お菓子の代わりに食べるなど、工夫次第で賢く取り入れられますよ。
とうもろこし