コーヒー豆と水の黄金比:プロの味が自宅で

自宅でコーヒーを淹れる際、「水の量ってどのくらいがベストなのだろう?」と疑問に思ったことはありませんか? コーヒーは豆と水の量の比率で味が全く変わってきます。この記事では、コーヒー1杯に使用する豆の量、コーヒー豆の量で味が変わる理由、そしてコーヒー豆に対する適切な水の量について詳しく解説し、自宅で淹れるコーヒーの味がプロの味に一歩近づけるための情報を提供します。

コーヒー1杯に必要な豆の量:基本とバリエーション

一般的に、コーヒー1杯(約150ml)を淹れる際には、10gのコーヒー豆を使用するのが良いとされています。アイスコーヒーの場合は、1杯あたり20gを目安にすると、味が薄まるのを防ぐことができます。以下に、杯数に応じたコーヒー豆の量の目安をまとめました。

豆の量で味が変わる理由:抽出のしくみ

コーヒーの風味は、使用する豆の量によって大きく左右されます。例えば、同じ300mlのコーヒーを淹れる場合でも、コーヒー豆の量が10gと30gでは、全く違う味わいになります。10gの場合、風味が弱く、雑味が出やすくなります。一方、30gの場合は、コーヒーの成分がしっかりと抽出され、より豊かな味わいのコーヒーに仕上がります。

コーヒー豆に対する適切なお湯の量:理想的なバランスとは

コーヒー豆の分量がわかったら、次に重要なのが「水の量」です。コーヒー豆の量で味が変わるように、抽出する水の量でも大きく味が変わります。ドリップコーヒーで使われる国際的な抽出比率は「1:16」です。つまり、コーヒー豆10gの場合に必要な水の量は160gとなります。この比率を「ブリューレシオ(brew ratio)」と呼び、コーヒーのプロ達はこの比率を基準に調整していることがほとんどです。しかし、自分の好みのコーヒーが、この比率かどうかはわかりません。「1:14」が好きな人もいれば「1:17」が好きな人もいるでしょう。そのため、まずは「1:16」を基準にコーヒーを淹れ、その後好みに合わせて比率を調整するのがおすすめです。

比率だけじゃない!美味しいコーヒーを淹れるための3つのポイント

美味しいコーヒーを淹れるには、豆と水の比率以外にも注意しなければいけないポイントがいくつかあります。コーヒー豆の鮮度、中細挽き~中挽きにすること、そしてコーヒー粉を蒸らすことです。これらの要素を総合的に考慮することで、より一層美味しいコーヒーを淹れることができます。

1. コーヒー豆の鮮度:風味を最大限に引き出す

コーヒー豆は鮮度が命といっても過言ではありません。鮮度が落ちると、コーヒー本来の風味や苦みが落ち、味が損なわれてしまいます。そのため、なるべく鮮度を落とさないように保存することが重要です。コーヒー豆は焙煎から2週間程度で鮮度が落ちるので、それまでに使い切らない場合は冷凍庫などに入れて酸素に触れないようにしましょう。また、コーヒー豆は挽いて粉にした瞬間から酸化が始まります。挽いて保管するのではなく、コーヒーを淹れる直前に挽くことおすすめします。

2. 挽き方:中細挽き~中挽きが基本

コーヒー豆を挽くとき、淹れ方に合わせた粒度(粗さ)にすることがポイントです。コーヒー豆の粒度は、大きく分けて極細挽き、細挽き、中細挽き、中挽き、粗挽きの5段階があります。それぞれの挽き方によっておすすめの淹れ方が異なり、ドリップコーヒーの場合は「中細挽き」~「中挽き」が適しています。コーヒーミルで挽く場合は、事前にダイヤルを調節しておきましょう。

3. 蒸らし:コーヒーの風味を引き出す重要なステップ

ハンドドリップでコーヒーを淹れるとき、一気にお湯を注ぐのではなく、少し蒸らしてからお湯を注ぐことがポイントです。この「蒸らす」という作業は、コーヒー豆に含まれる炭酸ガスを放出する役割があります。コーヒー豆は、炭酸ガスを抜くことで表面積が大きくなり、成分が抽出されやすくなります。そのため、この「蒸らし」をするかしないかでコーヒーの味は大きく変わります。蒸らし方は、30g程度のお湯をゆっくり粉全体に注ぎ、20秒~30秒程度待つだけです。このとき、新鮮な豆を使用している場合はポコポコとガスが抜ける様子が見られるはずです。反対に、鮮度の落ちた豆を使っている場合は、ガスが抜けず何も起こりません。蒸らし作業は「コーヒー豆の鮮度」を確かめる機会にもなるので、ぜひ実践してみてください。

再現性を高めるアプローチ

美味しいコーヒーを淹れるには、計画、実行、振り返りと、質の高いPDCAを回すのが何より近道です。でも、感覚で淹れていると、振り返りようがないですよね。数字をもとに考えれば、自分はもう少し濃い味が好きだから、豆の量を「2g」増やそうなどと微調整ができます。よくわからないまま感覚で始めるより、プロが使用する美味しさの黄金比を守って始める方が、間違いなく美味しいコーヒーが淹れられるはずです。

ペーパードリップ式コーヒーの淹れ方

ペーパードリップ式でコーヒーを淹れるには、まず必要な器具を揃えましょう。ドリッパー(杯数に合ったサイズ)、メジャースプーン(またははかり)、サーバー(杯数に合ったサイズ)、コーヒー粉(中挽き)、コーヒーケトル、ペーパーフィルター(ドリッパーに合ったサイズ、形状)が必要です。

手順①:フィルターのセットと湯通し
まず、ドリッパーにペーパーフィルターをセットし、お湯を注いでフィルターを湿らせます。これにより紙の臭いを取り除き、ドリッパーやサーバーを温めることができます。お湯を注いだら、湯を捨ててからコーヒー粉を入れましょう。

手順②:コーヒー粉の計量とセット
一般的なコーヒーカップ1杯(150cc)に対して、約10gのコーヒー粉を使用します。お好みに応じて微調整してください。粉をフィルターに入れたら、軽くゆすって表面を平らにすると、お湯を均等に注ぎやすくなります。

手順③:蒸らし
コーヒーの粉全体にお湯をなじませるため、まず少量のお湯を注ぎ、約30秒ほど蒸らします。お湯の量は、コーヒー粉の量の約2倍程度が目安です。この工程により、コーヒー粉が膨らみ、成分が抽出しやすくなります。

手順④:お湯を注ぐ
蒸らしが終わったら、残りのお湯を数回に分けて注ぎます。お湯は「の」の字を描くように、ゆっくりと中心から外側へ向かって注ぐのがポイントです。一度にたくさん注ぐのではなく、数回に分けて注ぐことで、雑味の少ないすっきりとしたコーヒーを抽出できます。

手順⑤:抽出が終わったら完成
サーバーに落ちきる前にドリッパーを外し、出来上がったコーヒーを軽く混ぜてからカップに注ぎます。こうすることで、味が均一になり、より美味しく仕上がります。

ペーパードリップ式は、手軽でありながら風味をしっかりと引き出せる方法です。豆の量やお湯の注ぎ方を調整しながら、自分好みの味を探してみてください。

まとめ

コーヒーは、豆に対して適切な水の量にすることで、格段に美味しくなります。国際的に使用されているドリップコーヒーを美味しく淹れるための比率を参考に、まずは基本をマスターしましょう。そして、好みに合わせて水の量を調整し、あなたにとって最高の1杯を見つけてください。鮮度、挽き方、蒸らしといった要素にも気を配ることで、さらに奥深いコーヒーの世界を楽しむことができるでしょう。

質問1:コーヒー豆を一番美味しく保つには?

回答:コーヒー豆は焙煎後2週間程度で風味が落ち始めるため、密閉容器に入れ、冷暗所で保存するのが理想的です。長期間保存する場合は、冷凍庫に入れることもできますが、解凍時に結露しないように注意が必要です。また、挽いた豆は酸化が進みやすいので、できるだけ豆のまま保存し、淹れる直前に挽くのがおすすめです。

質問2:コーヒーの苦さを和らげるにはどうしたらいい?

回答:苦味を抑えるためには、まず豆の鮮度を確認しましょう。古い豆は苦味が出やすいです。また、抽出時間を短くしたり、お湯の温度を少し下げたりするのも効果的です。深煎りの豆よりも浅煎りの豆を選ぶのも一つの方法です。

質問3:ドリップ以外に、おすすめのコーヒーの淹れ方はありますか?

回答:ドリップ以外にも、フレンチプレス、エアロプレス、エスプレッソマシンなど、様々な抽出方法があります。フレンチプレスは、コーヒー豆の油分も抽出されるので、より豊かなコクを楽しめます。エアロプレスは短時間で抽出できるため、手軽に本格的なコーヒーを味わいたい方におすすめです。エスプレッソマシンは、濃厚なエスプレッソを抽出できるので、カフェラテやカプチーノなど、アレンジコーヒーをよく飲む方にぴったりです。

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