特別な日には、いつものお酒に少し工夫を凝らして、特別な時間を演出してみませんか? ソムリエの資格を持ち、サービス業での経験を経て独立、現在はドリンクスタイリストとして飲料メーカーの商品開発や飲食店のメニュー開発など、多方面でお酒の魅力を発信している齋藤さんに、チョコレートとお酒の新しい楽しみ方について伺いました。この記事では、齋藤さんが厳選した、自信を持っておすすめする8つのペアリングをご紹介します。バラエティ豊かなお酒とチョコレートの組み合わせの中から、あなただけのお気に入りを見つけて、奥深い味わいを体験してください。
1. 日本の趣が香るクラフトジン ✕ まろやかなホワイトチョコレートで、豊かな風味と甘みが際立つ
日本で人気のクラフトジン。ドリンクスタイリストの齋藤さんが特におすすめするのは、国内クラフトジンの先駆けである京都蒸溜所の「季の美」シリーズから「季のTEA 京都ドライジン」です。明治12年創業の京都府宇治市の老舗茶舗「堀井七茗園」とのコラボレーションにより誕生したこのプレミアムジンは、玉露や碾茶といった上質な日本茶を使用し、旨味と甘みが際立つ優しい味わいが特徴。その繊細な香りとホワイトチョコレートのクリーミーな甘さが響き合い、豊かな風味と甘みを高め合う、新しい味覚体験へと誘います。
2. 芳醇な熟成テキーラ ✕ ほろ苦いダークチョコレートで、奥深い味覚のハーモニーを堪能
テキーラのお供といえば、塩とライムが定番ですが、齋藤さんはダークチョコレートとの意外な、しかし贅沢な組み合わせを提案します。特におすすめは、近年注目を集めているブルーアガベ100%のプレミアムテキーラを牽引するブランド「ドン・フリオ」の熟成タイプ「ドン・フリオ アネホ」。このテキーラが持つ、ウッディでバニラのような甘い香りが、ダークチョコレートのほろ苦さと見事に調和します。カカオの苦味がテキーラの複雑な樽香を際立たせ、濃厚で奥深い味わいのハーモニーが生まれます。テキーラの新たな魅力を発見できる、まさに大人のためのペアリングです。
3. 祝祭感を高めるホットワイン ✕ しっとり濃厚なガトーショコラの温かペアリング
赤ワインにシナモンやクローブ、オレンジピールなどのスパイスやフルーツを加えて温めたホットワインは、寒い日にぴったりの飲み物。ホリデーシーズンには欠かせない存在です。ドイツでは「グリューワイン」と呼ばれ、その豊かな香りと温かさで心も体も温まります。渋みが穏やかな赤ワインをベースにすることで、スパイスやフルーツの香りを邪魔せず、まろやかな味わいに仕上がります。温かく心地よいホットワインと、濃厚なガトーショコラの組み合わせは、ホリデーシーズンにぴったりの、心温まるペアリング。両者の温かさが口の中で溶け合い、安らぎのひとときをもたらします。
4. ロゼスパークリングワインとルビーチョコレート:五感で味わう至福
ワインとチョコレートの組み合わせはよく知られていますが、具体的にどのワインとチョコレートが最適なのかを知っている人は少ないかもしれません。ドリンクスタイリストの齋藤さんは、ホテル時代にワインの魅力に惹かれ、ソムリエ資格取得後も探求を続けてきました。齋藤さんが特におすすめするのはロゼスパークリングワインです。特に、イタリアのスプマンテ「フランチャコルタ ロゼ」は、美しい色合いとベリー系の豊かな香りが特徴で、近年人気のルビーチョコレートとの相性が抜群です。視覚と味覚の両方で楽しむことができ、特別なひとときを演出します。
5. 日本酒とチョコレート:意外な組み合わせが生む奥深さ

チョコレートは、ウイスキーやシャンパンなど洋酒との相性が良いとされますが、実は日本酒とも素晴らしい組み合わせが可能です。近年では、日本酒入りのボンボンショコラや、長期熟成酒を使ったチョコレートリキュールなど、その親和性が注目されています。ブラウニーやフォンダンショコラと日本酒を合わせる楽しみ方も広がっています。一般的に辛口の日本酒はチョコレートと合わせにくいですが、甘口の日本酒には最高のペアリングがあります。齋藤さんも甘口日本酒とチョコレートの組み合わせを推奨しており、新しい味覚体験を提案しています。一見意外な組み合わせですが、互いの風味を引き立て合い、贅沢な時間を提供してくれます。
6. スタウトビールとカカオ80%ダークチョコレート:漆黒のハーモニー
チョコレートに合うビールは他にもありますが、今回は「黒×黒」をテーマに、力強いペアリングを選びました。スタウトビールは黒い色合いが特徴で、香ばしさやコーヒー、ロースト麦芽のような香りがあります。齋藤さんがおすすめするのは、軽井沢ビールのスタウトです。濃すぎず、フルーティで飲みやすいので、スタウト初心者にもおすすめです。スタウトのロースト感と、ダークチョコレートのカカオの苦味が調和し、豊かな時間を与えてくれます。
7. 柑橘香るウィスキーとオランジェット:洗練された大人の味わい
ウィスキーとチョコレートは定番の組み合わせとして知られ、多くの愛好家に支持されています。齋藤さんもこの組み合わせの魅力を認めつつ、「ピートの強いウィスキーでなければ、比較的どの銘柄でも合う」と言います。今回齋藤さんが選んだのは、サントリーウイスキー「知多」です。知多の持つ柑橘系の軽やかな香りと、定番のチョコレート菓子オランジェットの組み合わせは、洗練された大人の味わいを生み出し、ウィスキーとチョコレートの新たな魅力を発見させてくれます。
8. 意外な組み合わせ!フルーティな芋焼酎とチョコレートボンボンの出会い
焼酎は好みが分かれるお酒ですが、その豊かな風味はウィスキーやブランデーのように、チョコレートボンボンに使われることもあります。今回、ドリンクスタイリストの齋藤さんが提案する濵田酒造の「DAIYAME(だいやめ) 40°」は、過去にメゾン・デュ・ショコラとのコラボレーション実績があり、チョコレートとの相性の良さは証明済みです。ワインのようなフルーティさが特徴のこの芋焼酎と、ブランデーやリキュールを使ったチョコレートボンボンとの組み合わせは、芋焼酎の新たな魅力を引き出し、今までになかった味覚体験をもたらしてくれるでしょう。
まとめ
この記事では、ドリンクスタイリスト齋藤さん厳選の、お酒とチョコレートの極上ペアリング8選をご紹介しました。和の趣を感じるクラフトジンとホワイトチョコレートの絶妙なバランス、熟成テキーラとダークチョコレートの贅沢なハーモニー、温まるホットワインと濃厚ガトーショコラの心安らぐ組み合わせなど、様々な提案がありました。また、見た目も美しいロゼスパークリングワインとフルーティなルビーチョコレートの華やかなマリアージュ、甘美な日本酒ととろける生チョコレートが作り出す深い味わい、そして、スタウトビールとカカオ80%のダークチョコレートの力強い組み合わせもご紹介しました。さらに、柑橘の香りが爽やかなウィスキーと定番のオランジェットの洗練されたペアリング、そしてフルーティな芋焼酎とチョコレートボンボンの意外な組み合わせまで、それぞれのペアリングには、お酒とチョコレートの個性を最大限に活かすための銘柄、飲み方、食べ方のポイントが詰まっていました。特に日本酒とチョコレートについては、相性の良さの理由から、タイプ別のペアリング、温度やグラスの選び方、人気のコラボ商品まで詳しく解説しました。これらのプロの知識を参考に、いつものお酒とチョコレートを特別な体験に変えてみてください。きっと新しい味覚の発見が、あなたの日常を豊かに彩ってくれるでしょう。
お酒とチョコレートのペアリングで、失敗しないための選び方のコツはありますか?
お酒とチョコレートのペアリングで失敗しないためには、「甘さ」と「風味の強さ」のバランスを考えることが重要です。甘いお酒には甘いチョコレート、苦味のあるお酒にはカカオ分の高いダークチョコレートを選ぶのがおすすめです。また、柑橘系やベリー系など、共通の香りを持つ組み合わせも相性が良いです。例えば、ウィスキーと柑橘の香りがするオランジェットのように、お酒とチョコレートの風味を組み合わせることで、それぞれの良さが引き立ちます。口に入れた時の質感や、温度帯を合わせることも、より深いマリアージュに繋がります。
日本酒とチョコレートのペアリングは難しいと聞きますが、甘口の日本酒が合うのはなぜですか?
辛口の日本酒は、そのすっきりとした味わいがチョコレートの濃厚さや甘さに負けてしまい、それぞれの風味が打ち消し合ってしまうことがあります。一方、貴醸酒や古酒のような甘口の日本酒は、その濃密な甘さとコク、とろりとした舌触りがチョコレートの甘みや油脂分と調和しやすいため、相性が良いとされています。特に、貴腐ワインのような甘さと酸味を持つ日本酒は、生チョコレートやショコラテリーヌといった濃厚なチョコレートと相性が良く、とろけるようなハーモニーを生み出します。日本酒とチョコレートは、どちらも「発酵」という工程を経て作られるため、その点も相性の良さに繋がっていると考えられます。
ホットワインとガトーショコラを合わせる際に、ガトーショコラを温める利点は何でしょうか?
ホットワインとガトーショコラを一緒に楽しむ際、ガトーショコラを軽く温めることで、両者の温度が近づき、口当たりがより滑らかになるというメリットがあります。温められたガトーショコラは、チョコレートの香りがより豊かになり、ホットワインの温かさやスパイスの香りと調和します。その結果、口の中でとろけるような感覚が増し、風味の相乗効果を最大限に堪能できます。温かいデザートと温かい飲み物が奏でるハーモニーは、特に寒い時期に身体を温め、深い満足感をもたらしてくれるでしょう。













