チョコレート ブルーム現象

美味しいチョコレートを食べているとき、表面がうっすらと白く艶が無くなっていることに気づいたことはありませんか? この現象を「ブルーム現象」と呼び、チョコレートの品質を損なう大きな原因となります。本記事では、ブルーム現象の正体と対策方法について詳しく解説します。

チョコレートが白くなる?ブルーム現象とは

チョコレートの表面に白い粉状や斑点状のものが現れるブルーム現象は、実は風味そのものを損なうものではありません。しかし、外観を損ね美味しそうに見えなくなることから、温度や湿度の管理が重要なのです。 ブルーム現象には2つの種類があります。 適切な保存環境を守れば、ブルーム現象の発生は防げます。美味しさを損なわずに素晴らしい風味を楽しむためにも、チョコレートへの細やかな配慮が欠かせません。

チョコレートが白くなるブルーム現象の種類

チョコレートが白くなる現象「ブルーム現象」には、2種類の原因があります。ひとつは「糖ブルーム」で、チョコレートに含まれる多量の砂糖が温度や湿度の変化により結晶化し、表面に白い粉状となって現れるものです。見た目は悪くなりますが、食味への影響は小さいです。もうひとつは「脂肪ブルーム」と呼ばれ、カカオ脂の結晶化が原因で白く濁ります。脂肪ブルームが進行すると風味や食感が損なわれ、商品価値を失う恐れがあります。 チョコレートが白くなる理由は、ブルーム現象によるものです。ブルーム現象には、製品の油分であるココアバターが結晶化する「ファットブルーム」と、砂糖が結晶化する「シュガーブルーム」の2種類があります。 ファットブルームは、チョコレートが一度溶けた後に冷やされる際に、ココアバターの結晶が粗大化することで起こります。25℃程度でチョコレートが溶け始め、再び冷やされると表面が白くなる現象です。適切な温度管理やテンパリングが不十分な場合に発生しがちです。 一方のシュガーブルームは、温度差による結露が原因です。冷蔵庫から取り出したチョコレートを暖かい場所に移すと、表面に結露が発生します。その水分にチョコレートの砂糖がとけ出し、次に水分が蒸発すると砂糖が結晶化して白くなるのです。 このように、チョコレートが白くなるブルーム現象には、原因や影響が異なる2種類があり、製造および保存時の適切な温度管理が重要となります。

チョコレートが白くなるブルーム現象の対処法

チョコレートに起こる現象「ブルーム現象」について、表面が白く曇った状態になったチョコレートの対処法を解説します。ブルームが発生した場合でも、そのままで食べることは可能ですが、風味が損なわれ口当たりが悪くなる可能性があります。より美味しく食べるには、以下の方法が有効です。

1. テンパリングを行う
板チョコレートの場合、温度調整作業(テンパリング)により、チョコレート中のカカオバターを再び安定した結晶状態に戻すことができます。適切なテンパリングで、チョコレートの艶を取り戻すことが可能です。

2. チョコレートドリンクにする
ブルーム発生のチョコレートを細かく刻み、温めた牛乳やココア、コーヒーなどに加えてドリンクとして活用できます。電子レンジで溶かしてフルーツにディップするのも一案です。

3. そのまま食べる
ブルーム現象は健康上の問題はなく、チョコレートをそのまま食べても構いません。ただし、風味や口当たりが損なわれる可能性があることを承知の上で食べる必要があります。 作り立ての状態が最も美味しいチョコレートを味わえますが、ブルーム発生時にも上記の対処法で、おいしく活用することができます。

チョコレートが白くなるブルーム現象を防ぐ方法

チョコレートをおいしい状態で長く楽しむには、適切な保存が不可欠です。温度や湿度の管理を怠ると、風味が損なわれたり、見た目が悪くなるブルーム現象が起こる可能性があります。 ブルーム現象を防ぐ秘訣は、直射日光を避け、15度から20度の涼しい場所に保管することです。高温になると油脂分が溶け出し、低温になると結晶化が進み、どちらの場合も白くザラついた状態に。温度変化にも弱いので、極端な環境変化は控えましょう。 また、チョコレートは吸湿性があり、湿度の高い場所では水分を吸収してブルームが発生しがちです。乾燥した環境に保つよう心がけましょう。 ブルームが起きてしまった場合、表面を拭くなどの手立ては避けた方が賢明です。風味や食感を損ねるリスクがあるからです。見た目が悪ければ加工して活用するか、やむを得ず廃棄するしかありません。 チョコレートは環境に敏感なデリケートな食材です。温度と湿度のコントロールが何より重要なのです。適切に保存することで、いつまでもおいしさを堪能できるはずです。

まとめ

ブルーム現象は、チョコレートの温度変化や水分吸収により、チョコレートの成分が分離し、表面に白い粉が浮き出る現象です。この現象は品質を損ねますが、適切な保存方法を守れば防ぐことができます。チョコレートは低温で保存し、急激な温度変化を避け、湿度の高い場所を避けることが重要です。また、チョコレートを長期間保存する際は、密封容器に入れて冷蔵庫に保管することをおすすめします。

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