「千雪りんご」:雪解けのように甘く、美しい青森の贈り物
青森県が誇る新品種「千雪りんご」。その名の通り、雪解けのように透き通る甘さと、果皮に現れる白い斑点がまるで雪景色のような美しさを表現しています。このりんごは、青森県産業技術センターりんご研究所で生まれた「あおり27」という品種で、「金星」と「マヘ7」を掛け合わせた特別なもの。見た目の美しさだけでなく、口にした時の上品な甘さと香りが、格別な体験をお約束します。今回は、雪国の恵みが詰まった「千雪りんご」の魅力に迫ります。

千雪(ちゆき)とは:雪景色を思わせるりんご

千雪(ちゆき)は、青森県産業技術センターりんご研究所で生まれた品種で、「金星」と「マヘ7」を掛け合わせて育成されました。正式名称は「あおり27」と言います。その特徴は、果皮に見られる白い点々模様。まるで雪がちらちらと降っているかのように見えることから、「千雪」と名付けられました。この名前は青森県によって商標登録されています。

千雪の豆知識:その名の由来

千雪という名前の由来は、特定の品種のりんごに見られる特徴的な白い斑点模様にあります。この斑点は、りんごの表面に粉を吹いたように現れ、まるで雪が降り積もったかのような景色を連想させることから、「千雪」という名前が付けられました。つまり、りんごそのものの見た目が雪景色に似ていることが、名前の直接的な由来となっているのです。

千雪(あおり27)の品種登録をめぐる動き

千雪(あおり27)は、「春明(あおり21)」と共に2008年に品種登録されましたが、登録料が未払いだったため、残念ながら同じ年に登録が取り消されました。その後、青森県は県外への流出を防ぐための対策を講じています。しかし、2019年には中国への苗木流出の可能性が指摘され、さらなる対策強化が進められています。

千雪の特徴:見た目、味わい、食感

千雪は、やや平たい丸い形をしており、重さは300~350g程度です。熟すと、果皮は濃い紫がかった赤色になり、白い果点がより一層際立ちます。果肉は黄白色で、硬めの食感が特徴です。蜜は入りにくい傾向がありますが、糖度が高く、酸味が少ないため、強い甘さを堪能できます。さらに、芳醇な香りとたっぷりの果汁も魅力です。

褐変しにくい特性:調理にもおすすめの千雪

千雪の大きな魅力は、切ったりすりおろしたりしても変色しにくい点です。これは、変色の原因となるポリフェノールが少ないことと、酸化酵素PPOの働きが弱いことが理由として挙げられます。そのため、カットフルーツやスイーツなど、加工して利用するのに適したりんごと言えるでしょう。

千雪の選び方:色つや、ハリ、重量を確かめる

美味しい千雪を見分けるには、まず皮の色を確認しましょう。全体的に濃い赤紫色になっているものがおすすめです。さらに、皮にピンとハリがあり、軸がしっかりとした太さのものを選びましょう。同じくらいの大きさであれば、手に取った時に重みを感じる方が、果汁が多く美味しい可能性が高いです。

千雪の保存方法:冷蔵庫で鮮度をキープ

すぐに食べる場合は冷暗所でも保存できますが、数日保存するなら冷蔵庫の野菜室に入れるのが良いでしょう。乾燥を防ぐために、新聞紙などで包んでからビニール袋に入れて保存しましょう。千雪は比較的保存がきく品種ですが、家庭で保存する場合は10日を目安に、できるだけ早く食べきるようにしましょう。

千雪の食べ方:生のままはもちろん、様々な調理に

千雪は、くし形に切ってそのまま食べるのが一番おすすめです。ジューシーな甘さと香りを堪能できます。また、変色しにくい特徴を活かして、サラダやパフェの彩りとしても活用できます。ジャムやスムージー、ジュースなど、色々な加工品にも向いています。ジャムにする際は、酸味が少ないのでレモン汁などを加えると、より風味豊かに仕上がります。また千雪は、レッドゴールドの血を引いているため、まれに果肉が赤いものがあります。スターカットで切ると、その赤い模様が現れ、見た目も楽しめます。

千雪の旬:出回り始めるのは10月中旬頃

千雪りんごは、おおよそ10月中旬から収穫が始まり、貯蔵技術により年明けまで市場に出回ります。ただし、生産量が限られているため、他のりんごに比べると店頭で見かける機会は少ないかもしれません。

千雪の美味しさ:熟成でさらに深まる風味

十分に熟した千雪は、一段と芳醇な風味を堪能できます。果肉がわずかに柔らかくなることもありますが、その変化を好む方もいるでしょう。シャキシャキとした食感を残しつつも食べやすいのが特徴です。

切っても変色しにくい秘密:ポリフェノールと酵素の働き

千雪りんごを切っても変色しにくいのは、果肉に含まれるポリフェノールの含有量が少ないことと、ポリフェノールオキシダーゼ(PPO)という酵素の活動が穏やかなためです。

まとめ

青森県産のりんご「千雪」は、その秀麗な外観、切り口が変色しにくい特性、そして甘さと水分をたっぷり含んだ食感で、多くの人々を虜にしています。選び方、保存方法、味わい方を参考に、ぜひ千雪の格別な美味しさをご堪能ください。

質問:千雪はどこで購入できますか?

回答:千雪は、主に青森県内のスーパーマーケットや農産物直売所、インターネット通販などで手に入れることができます。ただし、生産量が限られているため、入手が難しい場合もあります。

質問:千雪の旬はいつですか?

回答:千雪が最も美味しい時期は、10月中旬から12月中旬にかけてです。この時期に収穫されたものが、最高の風味を楽しめます。

質問:千雪はなぜ変色しにくいのですか?

回答:千雪が変色しにくい理由は、果肉に含まれるポリフェノールが少なく、酸化酵素PPOの働きも弱いためです。
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