キャッサバ 原産地

キャッサバは、アフリカや南米、東南アジアなどで重要な食料作物として知られていますが、その歴史と原産地についてはあまり知られていません。私たちが日常的に口にするキャッサバのルーツをたどる旅に出発し、古代から現在に至るまでのキャッサバの変遷を探ります。地球の異なる地域にまたがるその歴史を紐解くことで、キャッサバがどのようにして世界中の食文化に影響を与えてきたのかを理解することができます。

キャッサバについて:世界三大芋類の一つ

芋類とは、料理に使われる根や球根を持つ野菜の一部を指します。ジャガイモ、サツマイモ、ヤマイモ、ナガイモ、サトイモ、コンニャクイモなどは日本で一般的に見かける種類です。キャッサバは、キャッサバ芋としても知られ、ジャガイモやサツマイモと共に世界三大芋類の一つとして数えられます。そのため、キャッサバは世界的に知名度が高く、多く流通している芋類だと認識されています。特に注目すべきは、ジャガイモやサツマイモが多年生植物であるのに対し、キャッサバは低木であるという点です。同じ芋類に分類されていても、見た目や生育の雰囲気は異なるものです。

原産地はどこ?

キャッサバは中南米のブラジル北西部とメキシコ西部を原産地とし、アジアやアフリカなどの熱帯地域で広く生産されています。この作物は、世界中で多くの人々の主食となっています。特にアフリカでは、日常生活に欠かせない重要な主食として広く栽培されています。

キャッサバの多様な品種

キャッサバは、主に甘味種と苦味種の2種類に分類されます。甘味種は根菜として利用され、茹でたり蒸したり、また揚げるといった調理法が一般的です。キャッサバを粉にしてパンを作ることも可能です。料理する際には、そのままの形や、潰して粉状にするなど、多彩な方法があります。甘味種と苦味種の両方が毒性を持っていますが、特に苦味種は青酸の含有量が高く、アルコールやでんぷんの製造に利用されます。しかし、苦味種も食べられないわけではありません。食用にするためには、天日干しや加熱乾燥、発酵、すりおろし、脱水などの方法で毒素を除去することが必要です。

キャッサバの栄養成分とは?

キャッサバには、炭水化物、ビタミンC、ビタミンB6、葉酸、カルシウム、マグネシウム、カリウムなどが豊富に含まれています。炭水化物が多く含まれているため、エネルギー供給源として非常に役立ちます。他の多くの芋類と同様に、キャッサバは大量の食物繊維を持つことでも知られています。さらに、キャッサバに含まれるビタミンCは熱に強く、調理しても失われにくいため、ビタミンの補給にも効果的です。

キャッサバとタピオカのつながりとは?

弾力のある食感が人気を集め、日常に溶け込んだタピオカですが、その主な成分をご存知でしょうか。実際のところ、タピオカはキャッサバから作られています。キャッサバには甘味種と苦味種があり、タピオカには甘味種が使用されるのです。キャッサバ由来のでんぷんを「タピオカ」と呼びます。このでんぷんを水で溶かして加熱・回転させることで球状にし、乾燥させたものが「タピオカパール」となります。このタピオカパールを数時間茹でることで皆さんご存知のタピオカが完成します。

キャッサバからタピオカへ、その理由とは?

日本では「タピオカ」として知られているキャッサバのでんぷんは、なぜそう呼ばれるのでしょうか。それはブラジルの先住民の伝統的な言葉で、でんぷんの製造工程を指す「タピオカ」から由来しており、その呼称が日本でも定着したのです。キャッサバを材料とするキャッサバ粉とタピオカ粉は、しばしば同義で用いられますが、両者には違いがあります。まず、キャッサバ粉とはキャッサバを乾燥させて細かく砕いたものです。タピオカ粉はキャッサバの純粋なでんぷんを抽出して粉にしたものです。キャッサバ粉には食物繊維が豊富に含まれており、タピオカ粉はでんぷん質が多く、弾力のあるもちもちとした食感が特徴です。キャッサバ粉はトルティーヤなどの料理に向いています。一方で、タピオカ粉はその独特の食感を活かしたお菓子作りに適しており、用途に応じて使い分けると良いでしょう。

キャッサバ