外はカリッと、中はしっとり。独特の食感と芳醇な香りが魅力のカヌレ。近年、その奥深い味わいに魅了される人が続出し、まさに「カヌレ沼」という言葉が生まれるほど。フランス・ボルドー地方発祥の伝統菓子でありながら、今や日本でも専門店ができるほどの人気ぶりです。この記事では、そんなカヌレの歴史から、美味しい食べ方まで、カヌレの魅力を余すことなくご紹介します。
カヌレとは？名前の意味と形状
カヌレは、フランスのボルドー地方をルーツとする伝統的な焼き菓子として知られています。「カヌレ・ド・ボルドー（Cannelé de Bordeaux）」が正式な名称です。名前の由来はフランス語の "cannelé" で、「筋が入った」という意味を持ちます。カヌレ独特の形状である縦に入った12本の溝が、名前の由来となっています。小さな鐘のような愛らしい形と、こんがりとした焼き色が食欲をそそり、最近では、街のケーキ屋さんだけでなく、コンビニエンスストアでも見かけるようになり、再び注目を集めています。
カヌレの歴史：修道院から生まれたお菓子？
カヌレの歴史を紐解くと、16世紀ごろにボルドー地方の修道女たちが作り始めたという説が有力視されています。ボルドーは、世界的に有名なワインの産地でもあります。ワイン造りの過程で、ワインをクリアにするために卵白を使う「コラージュ」という作業があり、その際に大量の卵黄が余っていました。この余った卵黄を有効活用するために、カヌレが考案されたと言われています。しかし、フランス革命の混乱期に多くの記録が失われたため、カヌレの正確な起源については、未だ謎に包まれています。
カヌレの食感と風味の秘密
カヌレの魅力は、外側のカリカリとした食感と、内側のしっとり、もちもちとした食感のコントラストにあります。材料は、牛乳、バター、卵、小麦粉、砂糖、ラム酒、バニラビーンズなど、比較的シンプルですが、蜜蝋を塗った専用の型を使って焼き上げることで、あの独特の食感が生まれます。バニラの甘美な香りと、ラム酒の奥深い風味が絶妙に調和した、少し大人向けの味わいが特徴です。
カヌレ型の種類と仕上がりの違い
カヌレを焼くための型には様々な素材があり、それぞれ焼き上がりの風味や食感に影響を与えます。主な種類は以下の通りです。
- 鉄製：優れた熱伝導率を持ち、テフロン加工が施されているため、型から取り出しやすいのが特徴です。
- 銅製：鉄よりもさらに高い熱伝導率を誇り、本格的な仕上がりを求めるプロのパティシエに好まれています。
- ステンレス製：耐久性があり錆びにくいですが、型離れがあまり良くないため、事前にバターなどを塗っておく必要があります。
- アルミ製：鉄やステンレスよりも熱伝導率が高く、均一に火が通りやすいのが特徴です。
- シリコン製：柔軟性があり型離れは容易ですが、熱伝導率が低いため、外側のカリッとした食感を出すのが難しい場合があります。
まとめ
独特の食感と風味、そして愛らしい姿で人々を惹きつけるカヌレ。そのルーツであるフランス・ボルドーの歴史を紐解きつつ、現代的なアレンジも加わり、人気は拡大の一途を辿っています。あなたもカヌレの奥深い魅力に触れてみませんか？
カヌレの賞味期限は？
カヌレの賞味期限は、製造日より概ね2～3日とされています。ただし、保存環境によって変わるため、購入店の案内に従うことが大切です。冷蔵保存する際は、乾燥を防ぐためラップで包むと良いでしょう。
カヌレを美味しく温めるには？
カヌレをより美味しく味わうには、トースターで軽く温めるのがおすすめです。焦げ付き防止にアルミホイルを被せ、表面がカリッとするまで加熱しましょう。電子レンジを使用する場合は、加熱しすぎると硬くなるため注意が必要です。
カヌレのカロリーはどのくらい？
カヌレ1個あたりのカロリーは、およそ150～200kcalです。ただし、サイズや材料によって変動します。カロリー制限中の方は、摂取量に気を配りましょう。