昭和の時代、誕生日やクリスマスを彩ったバタークリームケーキ。その濃厚な甘さと、どこか懐かしいフォルムは、多くの人の記憶に刻まれています。しかし、生クリームケーキの台頭とともに、その姿は一時的に影を潜めていました。ところが近年、昭和レトロブームを背景に、バタークリームケーキが再び脚光を浴びています。当時を知る世代には懐かしい思い出を、若い世代には斬新な魅力を感じさせる、昭和レトロケーキの世界へ、さあタイムトリップ!
バタークリームケーキとは? 昭和レトロブーム再燃の背景
昭和の時代、特に1950年代から70年代にかけて、誕生日やクリスマスといった特別な日を彩ったケーキといえば、バタークリームケーキでした。しかし、80年代以降、生クリームを贅沢に使用したケーキが登場すると、その人気は徐々に陰りを見せ始め、「バタークリームケーキは時代遅れ」という印象が広がり、生クリームケーキが主流となっていきました。
ところが近年、このどこか懐かしいバタークリームケーキが再び脚光を浴び、ブームの兆しを見せています。その背景には、幼い頃に食べたバタークリームケーキの味を忘れられない世代が懐かしさを覚えるとともに、若い世代にとっては目新しいスイーツとして新鮮に感じられるという要素があります。さらに、厳選された素材やこだわりの製法で作られた、ワンランク上のバタークリームケーキが登場していることも、この再ブームを後押しする大きな要因となっています。
バタークリームと生クリーム:違いを徹底比較

ケーキに欠かせないクリームといえば、生クリームとバタークリームが代表的です。この2つは見た目や食感が似ているようで、実は大きく特徴が異なります。まず、生クリームは牛乳や乳製品を原料とし、空気をたっぷり含ませながら泡立てることで、軽やかで口当たりの良いクリームに仕上がります。ふんわりとした食感と、なめらかな口どけが魅力で、ショートケーキやフルーツと合わせたデザートによく使われます。
一方、バタークリームは良質なバターに砂糖や卵、牛乳などを加えて作られるクリームです。冷やすことで適度な硬さが出るため、デコレーション性が高く、繊細な模様やバラの形など、美しい装飾を施すことができます。バターのコクと濃厚な味わいが特徴で、海外ではバタークリームを使ったデコレーションケーキが定番となっています。
また、カロリーにも違いがあります。一般的に、生クリーム(脂肪分約35%)は100gあたり約350kcal程度なのに対し、バタークリームは約450〜500kcalとやや高めです。そのため、バタークリームは少量ずつ濃厚な味を楽しむのに向いています。
それぞれの特徴を知り、用途や好みに合わせて使い分けることで、ケーキ作りやお菓子作りの幅がぐっと広がります。
なぜバタークリームケーキは昭和の定番だったのか?
昭和の時代にバタークリームケーキが広く親しまれた背景には、いくつかの理由が考えられます。まず、当時乳製品は現在よりも貴重であり、バターや生クリームを惜しみなく使うことが難しかったという経済的な事情がありました。そのため、ケーキ店では比較的安価なマーガリンやショートニングなどを活用してバタークリームを作り、できるだけ手頃な価格で提供することで、より多くの人々にケーキを届けようと努力していました。また、冷蔵庫が一般家庭に普及していなかったことも見逃せないポイントです。生クリームを使ったケーキは冷蔵保存が必須ですが、バタークリームケーキは常温でも比較的日持ちがするという利点がありました。保冷剤がまだ普及していなかった当時、持ち運びや保存の面でバタークリームケーキは非常に重宝されたのです。加えて、バタークリームは生クリームに比べてデコレーションがしやすいというメリットもありました。しっかりとした硬さがあるため、バラやパンジーといった細やかな装飾を施すことができ、見た目も華やかなケーキを容易に作ることができたのです。
「まずい」は過去のイメージ?現代バタークリームケーキの進化
かつてのバタークリームケーキに対して、「バターの風味が強すぎてくどい」「食べた後に胃もたれする」といったマイナスのイメージを抱いている人も少なくないかもしれません。これは、当時のバタークリームに安価なマーガリンが使用されていたことが一因として考えられます。しかし、現代のバタークリームケーキは、素材を厳選し、高品質なバターを贅沢に使用することで、昔のものとは全く異なる、洗練された味わいに進化を遂げています。例えば、北海道産の高品質な生クリームやバターを使用したり、フランス産の発酵バターであるエシレバターを使用するなど、各店が独自の工夫を凝らしています。そのため、現代のバタークリームケーキは、口どけが良く、芳醇な風味を堪能することができます。過去のイメージを覆す、進化したバタークリームケーキをぜひ一度お試しください。
ご自宅で簡単!基本のバタークリームケーキレシピ
バタークリームケーキを自分で作ってみたいという方のために、手軽にできるレシピをご紹介します。ここでは、市販のスポンジケーキを使うので、初心者の方でも簡単に挑戦できます。
材料(15cmケーキ1台分):
- 市販のスポンジケーキ(15cm)…1個
- 無塩バター…250g
- 卵白…3個分
- グラニュー糖…150g
- お好みのジャム…適量
- お好みの食用色素…適量
作り方:
- 卵を卵黄と卵白に分け、バターは室温に戻して柔らかくしておきます。
- ボウルに卵白とグラニュー糖を入れ、泡だて器で軽く混ぜ合わせます。
- 湯煎にかけながら混ぜ続け、50度程度まで温めます。
- ハンドミキサーで、しっかりとツノが立つまで泡立てます。
- 柔らかくしたバターを少しずつ加えながら、均一になるように混ぜ合わせます。
- スポンジケーキを水平に半分にカットし、ジャムを塗ります。
- スポンジケーキを重ね合わせ、バタークリームを全体に塗り、デコレーションして仕上げます。
食用色素で色をつけたり、ココアパウダーやイチゴパウダーなどで風味をプラスするのもおすすめです。

まとめ
バタークリームケーキは、昭和の時代から親しまれてきた懐かしい味わいでありながら、現代の技術やアイデアによって常に進化を続けています。古き良き時代の魅力を残しつつ、新しい美味しさを追求したバタークリームケーキを、ぜひ一度お試しください。きっと、新たな発見があることでしょう。
なぜバタークリームケーキは郷愁を誘うお菓子なのでしょうか?
バタークリームケーキは、昭和の時代、特に1970年代頃に広く親しまれたケーキの代表格でした。誕生日やクリスマスなど、特別な日の食卓にはバタークリームで華やかに飾り付けられたケーキが並び、多くの人々の記憶に深く刻まれています。そのため、バタークリームケーキは懐かしい味として人々に愛されています。
バタークリームと生クリームの一番の違いは何ですか?
生クリームは、牛乳や乳脂肪分を原料として泡立てて作られます。一方、バタークリームは、バターをベースに砂糖や牛乳などを加えて作られます。バタークリームは冷やすと硬くなる性質を持っており、ケーキの装飾に適している点が特徴です。
バタークリームケーキはカロリーが気になりますか?
一般的に、バタークリームは生クリームと比較するとカロリーが高くなる傾向があります。しかし、バタークリームケーキはその濃厚な風味から、一度に大量に食べることが少ないかもしれません。適量を心掛けて味わうことで、過剰なカロリー摂取を心配する必要はないでしょう。