ケーキ作りに欠かせない小麦粉。実は、その種類や特徴を知ることで、焼き上がりの質感や味わいを大きく変えることができます。薄力粉、強力粉、そして灰分の含有量やタンパク質量といった要素が、スポンジのふんわり感やクッキーのサクサク感を左右します。この記事では、ケーキ作りに適した小麦粉の種類や選び方について詳しく解説し、仕上がりをワンランクアップさせるための知識をお届けします。
薄力粉と強力粉の違いとは?
小麦粉のタンパク質量は、小麦の品種によって異なります。
軟質小麦由来の小麦粉は粒子が細かく、ダマになりやすいので、お菓子作りでは「粉をふるう」ことが肝心です。
お菓子作りに薄力粉が選ばれる理由とは?
高タンパク質の小麦粉は、グルテンの形成を促すため生地が膨らみにくくなり、完成品が固くなることがあります。サクサクしたクッキーやふわふわのスポンジケーキを作る際には、タンパク質量の低い薄力粉を使用すると良いでしょう。
薄力粉選びのポイントとは?
薄力粉を使用する際のポイントをご紹介します。
タンパク質量について
スポンジケーキやシフォンケーキなどをふんわりとした軽い食感に仕上げるには、グルテンの形成を抑えるために、タンパク質の少ない薄力粉を選ぶと良いでしょう。
灰分について
灰分が多いほど、小麦特有の豊かな風味が感じられ、色味はややくすんで見えます。一方で、灰分が少ないと風味は軽やかになり、仕上がりの色はより白くなります。クッキーやタルトのように小麦粉を多く使用する焼き菓子には、通常、灰分の多い粉が向いています。反対に、白く仕上げたいスポンジケーキでは灰分の少ない粉が選ばれます。灰分とは表皮や胚芽の部分に含まれるリンやカリウム、カルシウム、マグネシウム、そして鉄などのミネラル成分を指します。
輸入小麦と国内生産小麦について
日本で栽培される小麦は、以前は北米産のものよりもタンパク質が豊富ですが、扱いにくいと考えられていました。しかし、近年は品種の改良や製粉技術の進化により、使いやすさが向上し、人気が高まっています。フランスの小麦は灰分が多く、小麦の風味がしっかりと感じられるため、特に焼き菓子作りに適しています。