お菓子作りや料理で『バターを常温に戻す』という指示。でも冷蔵庫から出したばかりのバターはカチカチで、すぐに使えず困った経験はありませんか？ 常温に戻し忘れて作業が中断してしまうこともありますよね。この記事では、そんな時に役立つ、電子レンジでバターを素早く適切な柔らかさに戻す裏ワザと、失敗しないためのコツをご紹介します。
バターを常温に戻すのはなぜ？お菓子作りの仕上がりを変える秘訣
お菓子作りでバターが果たす役割は、風味付けだけではありません。焼き菓子の食感やふくらみを左右する、まさにキーパーソンなのです。特に材料を均一に混ぜ合わせたいレシピでは、バターが適切な柔らかさであることが成功の鍵。冷たいバターでは混ぜるのに苦労しがちですが、きちんと常温に戻せば作業は驚くほどスムーズに進み、理想の仕上がりがぐっと近づくでしょう。
バターを常温に戻すテクニック
バターを常温に戻す方法はいくつか存在します。それぞれの方法には長所と短所があるため、状況に合わせて最適な方法を選ぶことが重要です。指で軽く押して、バターが少しへこむくらいの柔らかさが目安となります。
自然な室温での解凍
バターを室温で自然に柔らかくする方法は、最も手軽な方法の一つです。冷蔵庫から取り出したバターをラップで包み、室内に置いておくだけで自然に柔らかくなります。気温の高い時期なら30分～1時間程度、寒い時期なら数時間程度が目安です。じっくりと時間をかけることで、バター全体が均一に柔らかくなるのがメリットですが、時間に余裕がない場合は不向きです。
カットして時短解凍
バターをカットしてから室温に戻す方法は、室温でそのまま置くよりも時間を短縮できます。バターを1～1.5cm程度の厚さにカットし、ラップをかけて室内に置きます。暖かい時期は約20～30分、寒い時期は約2時間程度で柔らかくなります。カットすることでバターの表面積が増え、温度が伝わりやすくなるため、より早く柔らかくすることが可能です。ただし、溶けすぎには注意しましょう。
電子レンジで手軽に柔らかく
電子レンジを使えば、あっという間にバターを扱いやすい状態にできます。まず、耐熱容器にバターを入れ、軽くラップをかけます。電子レンジの出力を弱（200W程度）に設定し、5秒ずつ加熱して、その都度バターの状態を確認しましょう。指で軽く押して少し凹むくらいが目安です。電子レンジは非常に便利ですが、加熱しすぎると溶けてしまうので要注意。もし電子レンジに仕上がり温度を設定できる機能があれば、25℃を目安に温めると良いでしょう。そのような機能がない場合は、一番低い出力（150Wや200Wなど）で、様子を見ながら5秒ずつ加熱時間を追加し、お好みの柔らかさに調整してください。バターを一部だけ使う場合は、均一に加熱できるよう、同じ大きさにカットしておきましょう。
電子レンジ加熱時の注意点：溶かさないコツ
電子レンジでバターを柔らかくする際に気をつけたいのは、加熱しすぎて溶かしバターにしてしまわないことです。一度溶けてしまったバターは、内部の空気を含まなくなり、元の状態には戻りません。バターを混ぜて空気を含ませる必要のあるお菓子（クッキーなど）を作ると、生地が硬くなる原因になります。もし溶かしバターになってしまったら、パンケーキやパウンドケーキなど、溶かしバターを使用するレシピに活用したり、魚のムニエルや炒め物などの料理に使いましょう。
まとめ
この記事では、バターを常温に戻す３つの方法（自然解凍、カット解凍、レンジ解凍）をご紹介しました。それぞれの特徴を活かし、状況に合わせて使い分けるのがおすすめです。電子レンジを使う際は、短時間での加熱とこまめな状態確認が、失敗しないための重要なポイントです。ぜひ実践して、お菓子作りや料理をワンランクアップさせてください。
バターを常温に戻すベストな温度は？
バターを常温に戻すのに適した温度は、およそ20℃です。この温度であれば、バターが柔らかくなりすぎず、適度な硬さをキープできるため、他の材料とスムーズに混ぜ合わせることができます。
バターが完全に溶けてしまった時のリカバリー術
バターがドロドロに溶けてしまった場合、再び冷蔵庫で冷やして固めて使うのはおすすめできません。風味や質感が損なわれる可能性があります。溶けたバターは、溶かしバターを使うお菓子、例えばパンケーキやマフィン作りに有効活用するのが賢明です。
無塩バターと有塩バター、どちらを選ぶ？
お菓子を作る際には、通常、無塩バターを使うのが良いとされています。なぜなら、塩分量を自分で調整できるため、レシピ全体の風味を細かくコントロールできるからです。有塩バターを使う場合は、レシピに記載されている塩の量を減らすなど、塩分量の調整が必要になります。