バターは、その風味豊かな味わいと多様な用途で、世界中の食卓で愛されています。しかし、気になるのはカロリー。種類によってカロリーや栄養価は異なり、健康への影響も変わってきます。この記事では、代表的なバターの種類別にカロリーを比較し、それぞれの特徴を解説します。さらに、バターを健康的に楽しむための食べ方や、選び方のポイントもご紹介。バター好きも、健康志向の方も、ぜひ参考にしてください。
バターの主要な栄養成分
バターは、その約80%が乳脂肪で構成されています。この高い脂肪含有量が、バターの独特な風味と食感を生み出しています。しかし、バターは単なる脂肪の塊ではありません。以下に主要な栄養成分を詳しく見ていきましょう。
ビタミンA:
バターの黄色い色素の正体は、ビタミンAの一種であるカロテンです。ビタミンAは成長に不可欠な栄養素で、肌や粘膜の健康維持、細菌に対する抵抗力の向上に寄与します。バターは天然油脂の中でも特にビタミンA含有量が高く、牛乳の13倍以上も含まれています。
ビタミンD:
カルシウムの吸収を助けるビタミンDも、バターに含まれています。骨の健康維持に重要な役割を果たします。
ビタミンE:
抗酸化作用を持つビタミンEは、老化防止に効果があるとされています。バターに含まれるビタミンEは、体内の酸化ストレスを軽減する助けとなります。
短鎖脂肪酸:
バターの脂肪酸組成の特徴として、酪酸やカプロン酸などの短鎖脂肪酸が豊富に含まれています。これらは消化吸収が良く、エネルギー源として効率的に利用されます。
中鎖脂肪酸:
バターの脂肪酸の約70%を占めるパルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸は中鎖脂肪酸です。これらは酸化されにくく、加熱に強い特性を持っています。特にオレイン酸は、LDLコレステロールを低下させる作用があり、動脈硬化の予防に役立つとされています。
必須脂肪酸:
体内で合成できないリノール酸やα-リノレン酸といった必須脂肪酸も、バターに含まれています。これらは細胞膜の構成や様々な生理機能の維持に重要です。

バターの栄養価(100gあたり)
以下に、有塩バターと無塩バターの栄養価を比較して示します。
栄養成分 有塩バター 無塩バター
エネルギー 700kcal 720kcal
水分 16.2g 15.8g
たんぱく質 0.6g 0.5g
脂質 81.0g 83.0g
炭水化物 0.2g 0.2g
カルシウム 15mg 14mg
ビタミンA 520μg 790μg
ビタミンD 0.6μg 0.7μg
ビタミンE 1.5mg 1.4mg
食塩相当量 1.9g 0.0g
バターのコレステロールについて
バターのコレステロール含有量は、多くの人が気にする点です。しかし、実際のところ、適量のバター摂取であれば心配する必要はありません。
1日のコレステロール摂取推奨量:200mg未満(脂質異常症の重症化予防のため)
パン1枚に塗るバター(約10g)のコレステロール量:21mg
つまり、パン1枚にバターを塗る程度では、1日のコレステロール摂取推奨量の約10%程度にすぎません。また、コレステロールは細胞膜の構成成分や性ホルモン、胆汁酸、ビタミンDの合成材料となる重要な栄養素です。適量を摂取することが大切です。
バターの料理への活用法
バターは様々な料理に活用できる万能食材です。以下にいくつかのアイデアを紹介します。
アンチョビバター:旨味と塩味が増し、じゃがいもやステーキに合います。
つぶあんバター:和風の甘いスプレッドとして、トーストやホットケーキに。
ツナリエット:ツナ缶とバターを混ぜ、おしゃれなカナッペに。
バターチキンカレー:バターのコクとカレーのスパイシーさが絶妙なハーモニーを生み出します。
さつまいもバターペースト:お菓子のフィリングや生地に使用できます。
バターは栄養価が高く、適量を摂取することで健康的な食生活に貢献できる食品です。その豊かな風味と多様な活用法を活かし、日々の食事を楽しみましょう。ただし、高カロリーであることを念頭に置き、適量を心がけることが大切です。