上棟式での手土産とご祝儀のマナー

上棟式は、家の骨組みが完成したことを祝う重要な儀式です。この特別な日を迎えるにあたり、施主としては手土産やご祝儀の用意が必要なことも。しかし、どのようなものを選べば良いのか、どのようなマナーを守れば良いのか、悩む方も多いでしょう。本記事では、上棟式での手土産とご祝儀に関するマナーを徹底的に解説し、大切な儀式を心から祝うためのヒントをお届けします。

上棟式とは

上棟式は、住宅の建築が一段落する棟上げ時に催される伝統的な行事です。棟上げとは、建物の骨組みが完成する段階のことで、基礎工事が終わり家の基本的な形が見えてくるときに行われます。

昔はクレーンなどの重機がない時代に、大勢の大工が集まり一日がかりで棟上げ作業を行ったため、その労をねぎらう目的で上棟式が行われたとされています。現代では技術の進歩で作業の負担が減り、作業時間も短縮されていますが、この行事の風習は今でも続いています。

現在は、上棟式を省略したり、簡略化した「略式上棟式」が一般的です。上棟式を実施する場合でも、儀式的で堅苦しいものではなく、施主と建築チームとの交流を大切にするスタイルが主流です。

また、大手のハウスメーカーに建設を依頼する場合は上棟式を行わないこともあります。これは施主が直接大工を雇っているわけではなく、ハウスメーカーに任せているためです。工務店に直接依頼するケースでは、施主と建築関係者の親交を深める意味も込めて上棟式を行うことがありますが、ハウスメーカーが仲介する際には特に必要とされません。

上棟式の準備と費用のガイド

上棟式は、建築主が工事に携わる人々へ感謝を示す場として、施主が中心となって準備します。しかし、多くの人にとって初めての経験であるため、実際には施工管理者や棟梁と相談しながら進めるのが一般的です。

上棟式のために用意するものは以下の通りです。

・上棟式用具一式:旗や飾りなど

・お供え物:お酒、塩、米

これらの費用は、概ね1万~2万円ほど見積もられます。

また、清酒の一升瓶を2本用意し、それに貼る熨斗紙の文言は神主さんに依頼するかどうかで異なります。神主に依頼する場合は「奉献」、依頼しない場合は「祝上棟」としてください。

このほか、食事や宴会の費用、お祝い金や返礼品などを含めた総額として、上棟式全体のコストは通常10万~30万円程度です。ただし、これは地域や参加者の人数、宴会の有無などによっても変動します。

上棟式のための弁当・ケータリング・おもてなしの準備

上棟式では、参加する棟梁や大工さんたちに食事や飲み物を提供する習慣があります。以下にその具体例を挙げます。

・ランチのお弁当 ・宴会用のお料理 ・作業の合間の軽食(10時や15時など)

ランチのお弁当は、見栄えのよい仕出し弁当が人気です。しかし、大工さんの体力を考慮し、十分なボリュームがあるものを選びましょう。

宴会は夕刻に行われ、大皿料理が提供されます。自家製の料理を準備するか、ケータリングを利用するかは自由です。また、寿司を注文して、手作りのお惣菜やデザートを添えるのも一案です。

飲み物については、車で来場する方も多いことから、ノンアルコールビールやソフトドリンクも忘れずに準備しておきましょう。

大鍋で作るカレーや豚汁、バーベキュー形式の焼きそばなどを用意する方もいます。

上棟式の手土産(引き出物)の用意

上棟式に参加した方には、お礼の品を手渡すのが習わしです。一般的な品物は以下の通りです。

・酒

・紅白の餅(もしくは紅白饅頭)

・赤飯

これら3つのセットで、予算は1,000円から2,000円ほどです。

また、より丁寧に感謝を伝えたい場合は、のし紙を添えると良いでしょう。まとめて購入する場合、のし紙をサービスで付けてもらえることもあります。

のし紙は祝い事のため、蝶結びの水引が適しています。表書きには「御祝」や「御祝儀」と記載し、下段には施主の姓を入れます。

贈り物やご祝儀の贈呈方法

上棟式が開始する前に、責任者や現場監督に感謝の言葉を添えてご祝儀を手渡すと良い印象を持たれます。封筒にはお金を入れて、氏名を書いておきましょう。

さらに、ご祝儀と一緒に手土産を用意することが多いです。長持ちする飲み物や菓子類、紅白のお餅やお赤飯などが一般的で、これらは上棟式が終了したときに参加者に感謝の言葉と共に渡すのが良いでしょう。

手土産