ブロッコリーの収穫方法と時期の見極め方 | 収量アップを実現する栽培技術と保存法
ブロッコリーは、2026年度より農林水産省が指定する「特定野菜」に選ばれることが決定し、市場でのニーズと供給量は増加の一途をたどっています。この人気の野菜を、効率的に、そして高品質に育てるためには、最適な収穫時期の判断、適切な収穫手順、収穫後の適切な管理と保管方法をマスターすることが不可欠です。この記事では、ブロッコリーの収穫に関する基本的な知識から、収穫量を増やしたい農家の皆様に向けて、「計画的作付け」や「側花蕾収穫」といった先進的な栽培方法、さらには大規模栽培を支援する収穫機械の導入事例まで、収入向上に貢献する実践的な情報を詳しく解説します。ブロッコリー栽培でより良い結果を得るための知識と技術を、この記事を通して身につけ、日々の農業経営にお役立てください。

ブロッコリー栽培の基本と特定野菜としての重要性

ブロッコリーは、その栄養価の高さと調理のしやすさから、近年、消費者の間で非常に人気が高まっています。この需要の増加を背景に、2026年度からは白菜やナス、ピーマンなどと共に、農林水産省の「特定野菜」に指定されることになりました。これは、ブロッコリーが国民の食生活において非常に重要な野菜であると国が認め、今後さらに安定した供給体制の構築が求められることを意味します。このような背景から、ブロッコリー栽培における効率化と増産は、生産者にとって重要なテーマとなっています。

ブロッコリーの需要増加と特定野菜化の背景

ブロッコリーの年間出荷量は、過去10年でおよそ1.4倍に増加しており、特に健康志向の強まりや調理の簡便さが評価される中で、消費量は着実に増加しています。特定野菜に指定されることで、国は安定供給のための生産支援策や価格安定対策を推進し、生産者はより安心して栽培に取り組むことができます。しかし、特定野菜としての役割を果たすためには、品質の維持向上はもちろんのこと、効率的な生産技術の導入による収量安定化が今まで以上に重要になります。

ブロッコリーの生育環境と理想的な栽培条件

ブロッコリーは冷涼な気候を好む野菜であり、最適な生育温度は15~20℃と言われています。この温度範囲で最も順調に成長し、高品質な花蕾を形成します。一方で、25℃以上の高温環境下では、花蕾が十分に成長しにくいという特徴があります。そのため、ブロッコリー栽培においては、品種の選択と作付け計画(栽培時期)が非常に大切になります。高温期を避けて栽培する、または耐暑性のある品種を選ぶことによって、品質と収穫量を安定させることが可能です。

ブロッコリーの作型と地域別栽培暦

ブロッコリー栽培は、地域の気候や条件に適した方法を選ぶことが重要です。大きく分けて「夏まき秋冬どり」と「春まき初夏どり」の2つの作型があり、栽培環境に合ったものを選ぶことが成功への鍵となります。

一般的な作型「夏まき秋冬どり」について

日本のブロッコリー栽培で最も普及しているのが「夏まき秋冬どり」です。夏に種をまき、秋から冬にかけて収穫します。ブロッコリーは冷涼な気候を好むため、この作型は安定した収穫量と品質が期待でき、多くの農家で採用されています。

早生種の栽培スケジュールと収穫時期

温暖な地域での夏まき秋冬どり、早生種の種まきは、通常7月下旬に始まります。生育期間を経て、収穫は主に11月から12月にかけて行われます。早生種は生育期間が短いため、比較的早く収穫でき、次の作物の計画も立てやすくなります。

中生種の栽培スケジュールと収穫時期

中生種の場合、種まきは8月上旬から始まります。収穫時期は12月から翌年の2月頃までと、早生種に比べてやや長期間にわたります。中生種は栽培期間が長いため、株がじっくりと成長し、安定した花蕾の生育が期待できます。

晩生種の栽培スケジュールと収穫時期

晩生種の種まきは、通常8月中旬頃から始まり、収穫は翌年の1月から3月にかけて行われます。この栽培タイプは、最も寒い時期に収穫を迎えるため、寒さに強く、花蕾が紫色になるアントシアンや、べと病といった病害の発生リスクが低い品種を選ぶことが大切です。栽培期間が長くなるため、計画的な栽培管理が求められますが、需要が増加する冬から春にかけての出荷によって、有利な販売価格が期待できます。

関東・東海地方における栽培の特色

関東や東海地方などの温暖な平野部では、夏に種をまき、晩秋から翌年の春にかけてブロッコリーを連続的に収穫する方法が一般的です。この地域では、比較的栽培期間が長い中生種などが選ばれる傾向があり、長期間にわたる出荷によって安定した供給を確保しています。収穫時期が異なる複数の品種を組み合わせることで、収穫期間全体の収益を最大化しようとする生産者も少なくありません。

四国・九州地方における栽培の特色

四国や九州地方のような温暖な地域では、夏の高温がブロッコリーの生育に大きな影響を与えることがあります。そのため、これらの地域では、主に冬から春にかけて収穫できる品種を選び、高温期を避けた栽培計画が立てられます。暑さに強い品種を選ぶことや、適切な遮光対策を行うなど、それぞれの地域の気候条件に合わせた工夫が求められます。

寒冷地・高冷地で一般的な作型「春まき初夏どり」について

「春まき初夏どり」は、主に北海道や東北地方などの寒冷地や、標高の高い高冷地で広く採用されている栽培方法です。これらの地域では、春から初夏にかけての気候がブロッコリーの生育に適しているため、この時期に収穫期を迎えるように栽培します。

栽培暦と収穫時期

春に種をまき、初夏に収穫するブロッコリーの場合、種まきは3月上旬頃から始まり、収穫は6月から7月にかけて行われます。雪が多く降る地域や気温の低い地域でも、春の暖かさを感じ始めたら栽培を始められ、夏の暑さが本格的になる前に収穫を終えることが可能です。

主な生産地と生産量

この栽培方法は、北海道や東北地方、標高の高い地域など、夏でも比較的涼しい気候の場所でよく行われています。生産量は、秋に種をまき、冬に収穫する方法に比べると少ないですが、国産ブロッコリーの供給が少なくなる時期を補う大切な役割を果たし、年間を通して安定した供給に貢献しています。

ブロッコリーの収穫タイミングの見極め方と手順

ブロッコリーは、つぼみの集まりである花蕾を食べるため、つぼみが開いてしまう前に、最適なタイミングで収穫することが非常に重要です。収穫が遅れると、品質が大きく低下し、商品の価値が下がるだけでなく、味にも影響が出てしまいます。ここでは、ブロッコリーの収穫に適した時期を正確に判断する方法と、具体的な収穫の手順、そして収穫後の処理について詳しく説明します。

収穫適期の判断基準

ブロッコリーの収穫時期を見極めるためには、苗を植えてからの日数と花蕾の状態を合わせて判断することが重要です。特に、夏に種をまき、秋から冬に収穫するブロッコリーの場合は、以下のポイントを参考にしてください。

花蕾の大きさの見極め方

収穫時期を判断する上で、花蕾のサイズは重要な指標となります。一般的に、中心にある一番大きな花蕾(頂花蕾)の直径が12cmから15cm程度になったら収穫のサインです。ただし、品種によって最適なサイズは異なるため、この大きさを目安にしつつ、後述する他の状態も合わせて確認するようにしましょう。

蕾の密度と形状の確認

理想的な状態は、花蕾がしっかりと締まっていて、小さな蕾(小花)が密集していることです。蕾の表面に黄緑色の花びらが見え始めていないか、花蕾に隙間がないかをチェックしましょう。中生種や晩生種の場合は、花蕾にわずかな凹凸があり、小花が小さく引き締まっている状態が収穫に適しています。

蕾の色の変化:開花サインを見逃さない

蕾の表面に、開花が始まる兆候である黄緑色の花びらが見え始めたら、サイズがまだ目安に達していなくても早めに収穫することが大切です。開花が進むと、黄色い花が咲き、見た目が悪くなるだけでなく、風味が落ちてしまいます。苦味が増したり、食感が硬くなったりと、味も大きく損なわれる原因となります。

品種による収穫時期の違い

ブロッコリーの収穫に適した時期は、品種によって異なります。早生種は、花蕾が比較的平らで、小花がやや粗い状態が収穫の目安です。一方、中生種や晩生種は、花蕾に凹凸があり、小花が小さく締まっている状態で、花蕾に隙間ができる前に収穫するのがポイントです。栽培している品種の特性を事前に把握しておくことが、適切な収穫につながります。

収穫遅れによるリスク「軟腐病」

収穫時期が遅れてしまうと、ブロッコリーの花蕾が大きく成長する時期に「軟腐病」が発生する危険性が高まります。軟腐病は細菌によって引き起こされる病気で、感染すると花蕾が柔らかくなって腐ってしまい、嫌な臭いを発します。この病気はあっという間に広がる可能性があるため、被害を発見した際は、周囲に広がらないように、速やかに抜き取って適切に処分することが重要です。軟腐病の予防や対策については、専門的な情報を参考にして、予防と早期発見に努めましょう。

手作業によるブロッコリーの収穫手順

ブロッコリーの収穫は、花蕾を傷つけないように、丁寧に一つずつ手作業で行うのが基本です。適切な方法で収穫することで、品質を維持し、その後の側花蕾の成長を促進することができます。

適切な道具と切り方

収穫には、清潔なナイフや包丁、または剪定ばさみなどを使用します。株の根元ではなく、花蕾の下の茎を適切な長さで切り取ります。この時、茎を真横に切るのではなく、斜めに切ることが大切です。真横に切ると、残った茎の切り口に水が溜まりやすく、腐ってしまう原因になることがあります。斜めに切ることで、切り口が乾きやすくなり、病原菌が侵入するリスクを減らすことができます。

収穫に最適な時間帯と天候

ブロッコリーは収穫後にしなびやすい野菜なので、日中の気温が高い時間帯を避け、気温の低い朝に収穫するのが一般的です。朝露が付いている場合は、露が乾いてから収穫すると良いでしょう。また、切り口の乾燥を促すために、雨の日ではなく晴れた日に収穫するのがおすすめです。こうすることで、切り口から腐るのを防ぎ、鮮度を保つことができます。

頂花蕾と側花蕾の収穫

ブロッコリー栽培では、まず最初に株の中心にできる「頂花蕾」という大きな花蕾を収穫します。通常、頂花蕾の収穫は一株につき一度きりですが、品種によっては、頂花蕾を収穫後にわき芽から「側花蕾」が育つものもあります。側花蕾も適切なサイズになったら収穫することで、一株から何度も収穫でき、収穫量の増加につながります。側花蕾も頂花蕾と同様に、蕾が開花する前に収穫することが大切です。

収穫後の処理:品質維持のための工夫

ブロッコリーは収穫後も呼吸を続けており、鮮度が低下しやすい野菜です。そのため、収穫後の適切な処理を行うことが、品質を保持し、価値を高める上で非常に重要です。収穫直後から出荷、そして消費者の手に届くまで、各段階で徹底した品質管理が求められます。

鮮度維持の重要性と初期対応

ブロッコリーは、収穫したらできるだけ早く、日陰の涼しい場所に移し、直射日光や高温を避けることが鮮度維持の第一歩です。風が直接当たると乾燥しやすいため、風通しの良い日陰で調整作業を行うのが理想的です。特に、花蕾の水分が失われると、しおれたり変色したりする原因となります。

冷蔵による予冷処理

多くの生産地では、収穫後のブロッコリーを迅速に冷蔵庫で予冷する対策をとっています。予冷とは、収穫した作物の温度を素早く下げることで、呼吸や蒸散を抑え、鮮度低下を遅らせる処理のことです。これにより、畑で蓄積された熱を取り除き、収穫後の品質保持期間を長くすることができます。

茎の長さの調整と不要な葉の処理

ブロッコリーの形状を整える方法は、地域や出荷基準によって異なりますが、一般的には、花蕾の先端から茎の長さを15~16cm程度に調整します。また、外側の葉は花蕾の高さに合わせて切り落とします。これらの作業は、見栄えを良くするだけでなく、運搬中の損傷を減らし、商品としての品質を一定に保つために重要です。

病気や害虫、生理的な問題のチェック

調整作業と並行して、目視による厳しい品質チェックを行います。病害虫による被害がないか、花蕾の中に葉が入り込む「さし葉」や、花蕾の一部が異常に成長する「キャッツアイ」といった生理的な障害がないか、細かく確認し、基準を満たさないものを取り除きます。これにより、高品質なブロッコリーだけを出荷できます。

出荷時の品質維持のための対策

出荷の際には、高温多湿による品質低下を防ぐ対策が不可欠です。多くの場合、鮮度を保つために、氷を入れた段ボール箱や発泡スチロール箱を使用し、低温輸送(コールドチェーン)を行います。これにより、生産地から消費地まで、ブロッコリーの鮮度と品質を最高の状態で維持することができます。

ブロッコリーの収穫量を増やすための最新栽培技術

ブロッコリーの収穫量を増やすことは、農家の皆様の収入を向上させる上で非常に大切です。ここでは、初期投資を抑えながらも、単位面積あたりの収穫量と収益の増加が期待できる、先進的な栽培技術を4つご紹介します。これらの技術を取り入れることで、持続可能で効率の良いブロッコリー栽培を目指しましょう。

収穫期間を長く保つ「リレー栽培」の利点と方法

リレー栽培とは、成熟時期や収穫に適した期間が異なる様々な品種を、計画的に種まきや植え付けを行うことで、特定の期間に連続して収穫できるようにする栽培方法です。この技術を取り入れることで、一つの栽培パターンの中でも収穫時期を大幅に伸ばすことができ、結果として全体の収穫量増加と収入アップにつながります。

リレー栽培の考え方とその利点

ブロッコリーは、品種によって種まきから収穫までの期間(生育の早さ)が異なります。この特性を活用し、早生品種、中生品種、晩生品種などを組み合わせることで、たとえば「夏まき秋冬どり」の栽培方法でも、10月から翌年の2月までといったように、長期間にわたって連続的に収穫することが可能になります。これによって、出荷量のピークを分散させ、市場価格の変動リスクを軽減しながら、安定した収入を確保できるという利点があります。

夏まき秋冬どり向けのリレー栽培品種について

夏に種をまき、秋から冬にかけて収穫するリレー栽培に適した品種として、以下のようなものが考えられます。これらの品種は、生育の早さだけでなく、暑さへの強さや病気への抵抗力など、それぞれ異なる特性を持っていますので、地域の気候や栽培計画に合わせて選ぶことが大切です。
サマードーム(中早生品種)
「サマードーム」は、種まきから95~105日程度で収穫できる中早生品種です。特に暑さに強く、高温の環境下での栽培でも比較的安定した成長が期待できます。また、根の張りが強いため、雨などによる湿害にも比較的強く、栽培の安定性が高い品種です。高温の時期に栽培することになるため、病害虫対策をしっかりと行うことが安定生産のポイントとなります。
グランドーム(中晩生種)
「グランドーム」は、種まきからおよそ115日から120日ほどで収穫時期を迎える中晩生品種です。主に夏の終わりに種をまき、秋から冬にかけて収穫する栽培方法で広く用いられており、安定した品質と収穫量が期待できます。ただし、秋から冬にかけての栽培では、低温の影響で花蕾にアントシアンが発生し、紫色に変色することがあります。そのため、収穫時期を的確に判断することが、ブロッコリーの商品価値を維持する上で非常に重要です。
ウインタードーム(晩生種)
「ウインタードーム」は、種まきから約150日後に収穫できる晩生品種です。特に寒さが厳しい時期に収穫期を迎えますが、アントシアンの発生や、組織内部が腐敗する病気(べと病)の発生が少ないという特徴があります。極寒期でも安心して栽培できるため、冬場の安定供給に貢献する品種として注目されています。

具体的な播種・収穫リレーの例

連続してブロッコリーを収穫するためのリレー栽培の一例として、夏に種をまき、秋から冬にかけて収穫する方法では、次のような播種スケジュールが推奨されます。まず、7月上旬に早生品種の「サマードーム」を種まきし、次に7月中旬から8月中旬にかけて中晩生品種の「グランドーム」を種まきします。そして、8月には晩生品種の「ウインタードーム」を種まきすることで、各品種の収穫時期が途切れることなく続き、10月から翌年の2月まで継続的にブロッコリーを出荷することが可能になります。これらの品種を選ぶ際には、ご紹介した早晩性や病気への耐性を参考に、ご自身の栽培環境に合った最適な組み合わせを検討してみてください。

1株から2個を収穫する「2花蕾どり収穫技術」

ブロッコリーの収穫量を大幅に増加させる革新的な技術として、「2花蕾どり収穫技術」が注目されています。この技術は、品種に関わらず、1株から確実に2つの大きな花蕾を収穫することを可能にする栽培方法です。これは、農研機構(農業・食品産業技術総合研究機構)によって開発され、詳しい栽培方法が公開されています。

技術の概要とメリット

一般的なブロッコリー栽培では、最初に中心の花蕾(頂花蕾)を収穫した後、品種によっては側枝から伸びる花蕾(側花蕾)も収穫します。しかし、これらの側花蕾は、通常、頂花蕾よりも小さくなる傾向があります。そこで、「2花蕾どり収穫技術」は、植物全体の栄養バランスを調整することで、頂花蕾とほぼ同じ大きさ、またはそれに近いサイズの側花蕾をもう一つ大きく育て上げることを目指します。特別な道具や資材は必要なく、日々の栽培管理を少し工夫するだけで実現できるため、導入しやすいのが利点です。

初夏どり向け「L字仕立て2花蕾どり」

「L字仕立て2花蕾どり」という名前は、収穫時のブロッコリーの株の形がアルファベットのLに似ていることに由来します。この技術は、冬に種をまき、春に収穫する栽培方法に特に適しており、国産ブロッコリーの供給が少なくなる時期、具体的には4月から5月にかけて、市場価格が高騰する時期に収穫量を増やせるという大きなメリットがあります。
L字仕立ての手順
L字仕立てにするには、まず最初に収穫する頂花蕾を収穫する1週間から2週間前に、最も生育が良い側枝を一本だけ選びます。そして、それ以外の側枝はすべて取り除いてください。こうすることで、光合成によって作られた栄養分が、選ばれた一本の側花蕾に集中して供給されるようになります。この栄養の集中こそが、選定された側花蕾を大きく成長させるための重要なポイントとなります。
増収効果
L字仕立てという栽培方法を取り入れることで、例えば直径12cm(Lサイズ相当)の頂花蕾に加えて、直径10cm(Mサイズ相当)の側花蕾を確実に一個収穫することが可能になります。調査の結果、この技術によって4月から5月の収穫個数が平均で約70%も増加したというデータも出ており、収益アップに大きく貢献することが期待できます。

秋冬どり向け「V字仕立て2花蕾どり」

「V字仕立て2花蕾どり」は、収穫を迎えた株の姿がアルファベットのV字に見えることに由来します。特に、夏の時期に種をまき、秋から冬にかけて収穫する栽培方法において、この技術の活用が推奨されています。
V字仕立ての手順
V字仕立ての具体的な手順は以下の通りです。まず、苗を畑に植え付けてからおよそ1ヶ月後、本葉が7~11枚程度に成長した段階で、株の中心にある芽(頂芽)を摘み取ります。これにより、株のてっぺんから伸びるはずだったメインの花蕾の成長を抑え、代わりに側枝の成長を促進します。その約1週間後、伸びてきた複数の側枝の中から、最も太く、生育が良く、かつ互いに反対方向へ伸びている2本の側枝を選び出します。選ばれなかった他の側枝はすべて取り除きます。選んだ2本の側枝をバランス良く育て、それぞれに大きな花蕾が形成されるように管理することが重要です。
増収効果
V字仕立てによる栽培方法では、直径12cm(Lサイズに相当)程度の側花蕾を、1株から2つ同時に収穫することができます。この技術を取り入れた結果、Lサイズ相当の花蕾の収穫量が、平均でおよそ6割も増加したという研究データがあります。これにより、限られた耕作面積でも、より多くの高品質なブロッコリーを収穫することが可能となり、農家の収入アップに繋がります。
導入のしやすさ
L字仕立て、V字仕立てといった2花蕾どり収穫技術は、どちらも特殊な道具や高額な設備を必要としません。主に、日々の栽培管理における工夫によって実現できるため、比較的簡単に導入できる点が大きな魅力です。農研機構が公開している詳しい栽培マニュアルを参考に、ご自身の畑での栽培に取り入れてみてはいかがでしょうか。

ブロッコリーの収穫時期を見極める:適切な時期と収穫後の管理

ブロッコリー栽培において、収穫時期の見極めは非常に重要です。早すぎると品質が低下し、遅すぎると花蕾が開き品質が劣化してしまいます。最適なタイミングで収穫し、収穫後の適切な処理を行うことで、ブロッコリーの美味しさを最大限に引き出すことができます。

ブロッコリーの収穫時期

ブロッコリーの収穫適期は、品種や栽培環境によって異なりますが、一般的には定植から約60~90日後が目安となります。花蕾が十分に大きく成長し、こんもりと盛り上がっている状態が収穫のサインです。花蕾の直径が15~20cm程度になったら、収穫を検討しましょう。また、花蕾が硬く締まっていて、つぼみが開いていないことも重要なポイントです。収穫時期が近づいたら、こまめに花蕾の状態を観察し、最適なタイミングを逃さないようにしましょう。

収穫遅れによる影響

収穫が遅れると、花蕾が黄色くなり、つぼみが開いてきます。こうなると、ブロッコリーの風味や食感が損なわれ、商品価値が著しく低下します。また、花蕾が大きくなりすぎると、茎が硬くなり、食味が悪くなることもあります。収穫時期を逃さないように、定期的にブロッコリーの状態を確認し、早めの収穫を心がけましょう。特に、気温の高い時期は成長が早いため、注意が必要です。

ブロッコリーの収穫はいつまで可能か

ブロッコリーは、一度収穫した後も、脇芽から新たな花蕾が成長することがあります。そのため、適切な管理を行うことで、長期間にわたって収穫を楽しむことができます。最初の花蕾を収穫した後も、追肥や水やりを欠かさずに行い、脇芽の成長を促しましょう。ただし、脇芽からできる花蕾は、最初の花蕾に比べて小さくなる傾向があります。また、気温が低下すると成長が鈍くなるため、秋遅くまで収穫できるとは限りません。栽培環境や品種によって収穫期間は異なりますが、最後まで丁寧に管理することで、より多くの収穫を得ることができます。

ブロッコリー収穫後の管理

ブロッコリーを収穫した後も、畑の管理は重要です。収穫後の株は、根が残っているため、そのままにしておくと、病害虫の発生源となる可能性があります。収穫が終わった株は、速やかに抜き取り、畑を পরিষ্কারにしましょう。また、連作障害を避けるために、同じ場所にアブラナ科の野菜を続けて栽培することは避けましょう。収穫後の畑には、緑肥作物を植えたり、堆肥を施したりすることで、土壌改良を行うことがおすすめです。次の栽培に向けて、土壌の状態を整えることで、より良い作物を育てることができます。

ブロッコリーの収穫時期と収穫後の管理:知っておきたいポイント

ブロッコリー栽培において、適切な収穫時期を見極めること、そして収穫後の適切な処理を行うことは、品質を保ち、美味しくいただくために非常に重要です。収穫が早すぎたり、遅すぎたりすると、ブロッコリー本来の風味や食感を損なう可能性があります。

ブロッコリーの収穫方法

前述の通り、ブロッコリーの収穫時期の目安は、頂花蕾(ちょうからい)が十分に大きく成長し、蕾(つぼみ)が固く締まっている状態です。収穫適期を逃すと、蕾が開き始め、花が咲いてしまうため、注意が必要です。収穫する際は、包丁やハサミで茎を切り取ります。頂花蕾を収穫した後も、側花蕾(そっからい)が成長するので、追肥を行うことで、さらに収穫を楽しむことができます。

ブロッコリーの収穫遅れ

収穫が遅れてしまったブロッコリーは、蕾が開き始め、黄色い花が見え始めることがあります。こうなってしまうと、食味が落ちてしまうため、早めに収穫しましょう。花が咲いてしまったブロッコリーでも、食べることは可能ですが、風味が落ちている可能性があります。また、茎が硬くなってしまうこともあります。

ブロッコリーはいつまで収穫できる?

ブロッコリーの収穫期間は、品種や栽培方法によって異なりますが、一般的には、頂花蕾の収穫後、側花蕾が次々と成長するため、比較的長く収穫を楽しむことができます。適切な管理を行うことで、数ヶ月にわたって収穫できる場合もあります。ただし、気温が高くなる夏場は、生育が鈍くなることがあります。

ブロッコリー収穫後の管理

収穫後のブロッコリーは、鮮度を保つために、できるだけ早く冷蔵庫で保存しましょう。保存する際は、乾燥を防ぐために、湿らせた新聞紙で包むか、ポリ袋に入れて野菜室に入れるのがおすすめです。また、ブロッコリーはエチレンガスを放出するため、他の野菜と一緒に保存すると、傷みを早めてしまう可能性があります。できるだけ分けて保存するようにしましょう。

スマート農業実証プロジェクトでの成果

2020年、農林水産省主導の「労働力不足解消に向けたスマート農業実証」プロジェクトにおいて、ブロッコリー栽培の省力化を目的とした機械化検証が行われました。その結果、収穫機を導入した圃場では、手作業による収穫と比較して、10アール当たりの収穫時間を大幅に短縮、具体的には17.5時間の削減を達成しました。これは約58%もの作業時間削減に相当し、スマート農業技術が労働生産性向上に大きく貢献することを示す好例と言えます。特に加工用ブロッコリー栽培における収穫機の活用は、栽培規模拡大と効率化を両立する上で、今後の重要性が高まるでしょう。

収穫後のブロッコリーを長持ちさせる保存テクニック

丹精込めて収穫したブロッコリーも、保存方法を間違えるとすぐに品質が低下してしまいます。ブロッコリーは特に鮮度劣化が早い野菜なので、収穫後や購入後は、適切な方法ですぐに保存することが大切です。ここでは、短期保存に適した冷蔵保存と、長期保存に最適な冷凍保存の方法を詳しく解説します。

ブロッコリーの鮮度維持が重要な理由

ブロッコリーは収穫後も呼吸を続けているため、時間経過とともに栄養価が低下し、鮮度が落ちていきます。鮮度が低下すると、花蕾が黄色く変色したり、しおれてしまったり、苦味が増加して食感が悪くなるなど、品質が著しく損なわれます。特に、収穫時期が遅れてつぼみが開花してしまったブロッコリーは、すでに品質が低下しているため、早めに食べるか、適切な処理をして保存する必要があります。

冷蔵庫での最適な保存方法(短期保存向け)

収穫後数日以内に食べる場合は、冷蔵保存がおすすめです。鮮度をできる限り維持するための具体的な手順は以下の通りです。
まず、ブロッコリー全体を湿らせたキッチンペーパーで丁寧に包みます。これは、乾燥を防ぎ、適切な湿度を保つための重要なステップです。次に、キッチンペーパーで包んだブロッコリーをポリ袋に入れ、口を軽く閉じます。完全に密閉してしまうと、呼吸によって袋の中に水分が溜まり、傷みやすくなる原因となるため、少しだけ空気の通り道を作っておくのがポイントです。最後に、ブロッコリーを立てた状態で、冷蔵庫の野菜室ではなく、冷蔵室に保存します。この方法で、ブロッコリーは3〜4日程度、鮮度を保つことができます。

冷凍保存による長期保存

ブロッコリーをさらに長持ちさせたいなら、冷凍保存がおすすめです。冷凍すれば、およそ1ヶ月ほど保存期間を延ばすことができ、必要な量だけ取り出して使えるのでとても便利です。以下にその手順をご紹介します。
まず、ブロッコリーを小房に分けます。茎の部分も細かく切って利用できます。次に、切った小房を清潔なキッチンペーパーなどで軽く水気を拭き取ります。茹でて冷凍する場合は、少し硬めに塩茹でしてから冷まし、しっかりと水気を切ります。生のまま冷凍する場合は、軽く水洗いした後、水気を丁寧に拭き取ります。その後、小房一つずつをラップで丁寧に包みます。個別に包むことで、霜の付着や冷凍焼けを防ぎます。最後に、ラップで包んだブロッコリーを保存袋に入れ、中の空気をできる限り抜いて袋の口を閉じ、冷凍庫で保存します。この方法で約1ヶ月間、ブロッコリーの品質を維持できます。使う際は、凍ったまま調理可能です。

まとめ

ブロッコリーが指定野菜に加わったことで、今後ますます安定的な供給が求められる一方、生産者の皆様にとっては収益増加と経営安定化のチャンスが広がります。この記事では、ブロッコリーの収穫時期の見極め方、具体的な収穫方法、収穫後の適切な処理と保存方法に加え、収量・収益アップにつながる「リレー栽培」や「2花蕾収穫」といった先進的な栽培技術、さらに大規模栽培における収穫機の活用事例まで、幅広く解説しました。地域や環境に合った品種を選び、これらの新しい技術や効率化の手法を積極的に取り入れることで、反収を増やし、ブロッコリー栽培の収益性を高める一助となれば幸いです。日々の畑の管理と最新技術の活用を通して、持続可能な農業経営を実現しましょう。

ブロッコリーの最適な収穫時期は?

ブロッコリーの収穫適期は、栽培方法によって異なります。一般的に、「夏まき秋冬どり」では10月から翌年2月頃、「春まき初夏どり」では6月から7月頃が収穫に適しています。花蕾の直径が12~15cm程度になり、しっかりと締まっていて、蕾の表面にわずかに黄緑色の花びらが見え始める前に収穫するのが理想的です。品種によっても適期が異なるため、栽培している品種の情報を確認することが大切です。

ブロッコリーの収穫が遅れた場合、食べられますか?

収穫が遅れて、花蕾の蕾が開いて黄色い花が咲いてしまった場合でも、食べること自体は可能です。ただし、風味は落ちて苦味が増し、食感も硬くなるなど、品質は大きく低下します。また、収穫の遅れは軟腐病などの病気を引き起こす原因にもなるため、できるだけ早く収穫することが望ましいです。品質が低下する前に、適切なタイミングで収穫するように心がけましょう。

ブロッコリーの収穫で気をつけることは?

ブロッコリーを傷つけないように、清潔な刃物(ナイフやハサミ)を用意しましょう。収穫するときは、株元ではなく、ブロッコリー(花蕾)のすぐ下を斜めにカットするのがコツです。こうすることで、切り口に水が溜まりにくく、腐るのを防ぎます。収穫に適した時間帯は、気温が低い午前中の晴れた日です。日中の暑い時間帯は避けましょう。鮮度を保つことにつながります。

一つの株から何度もブロッコリーを収穫できますか?

品種によっては、最初にできたブロッコリー(頂花蕾)を収穫した後、脇から出てくる芽(側花蕾)が育ち、何度か収穫できるものがあります。農研機構が開発した「2花蕾どり収穫技術」(L字仕立てやV字仕立て)を利用すれば、品種に関わらず、一つの株から確実に2つの大きなブロッコリーを収穫でき、収穫量を増やすことができます。この技術は、日々の管理を工夫することで実現でき、特別な道具や材料は必要ありません。

ブロッコリーの収穫量をアップさせる栽培技術はありますか?

収穫量を増やすための栽培技術としては、「リレー栽培」、「2花蕾どり収穫技術」、そして「1つの穴に2つの種をまいて育てた苗を2本植える栽培方法」が挙げられます。リレー栽培は、異なる品種を組み合わせて収穫時期を長くする方法です。2花蕾どり技術は、一つの株から大きなブロッコリーを2つ収穫する方法です。2本植え栽培は、苗を植える間隔を狭くすることで、単位面積あたりの収穫量を増やす技術です。これらの技術は、初期投資を抑えながら収益を上げたい場合に有効です。

収穫したブロッコリーを長持ちさせるには?

ブロッコリーは鮮度が落ちやすい野菜なので、収穫後はできるだけ早く保存することが大切です。短期間(3~4日程度)保存する場合は、湿らせたキッチンペーパーで包み、ポリ袋に入れて冷蔵庫で立てて保存します。長期間(約1ヶ月)保存したい場合は、小房に分けて軽く塩茹で(生のままでもOK)し、水気をよく拭き取ってから一つずつラップで包み、保存袋に入れて冷凍庫で保存します。


ブロッコリー 収穫方法