イギリスといえば紅茶文化が有名ですが、そのティータイムに欠かせない存在が「ケーキ」です。イギリス人の生活には、紅茶とともにケーキを楽しむひとときが根付いており、伝統的なものから現代的なアレンジまで、さまざまな種類が親しまれています。ティータイム文化とともに、イギリスのケーキ事情をたっぷりとご紹介します。
イギリス人のケーキ事情:食文化と楽しみ方
イギリスでは、ケーキは単なるスイーツ以上の存在です。日常生活にしっかりと根づいており、多くの人が週に数回、紅茶とともにケーキを楽しむ習慣を持っています。特に午後のティータイムは、ケーキを囲んでゆったりと過ごす大切な時間。カフェでは、ケーキと紅茶を片手に友人との会話を楽しむ姿もよく見られます。
また、イギリスでは手作りケーキも広く親しまれており、多くの家庭で気軽にケーキ作りが行われています。誕生日や特別な日のためだけでなく、日常的にオーブンを使って焼き上げるケーキは、家族や友人との絆を深めるツールとしても愛されています。
英国民が選ぶ!大好物ケーキランキングTOP20
イギリスには多種多様なケーキが存在し、それぞれが独自の風味と魅力を持っています。以下に、イギリス人が愛してやまないケーキランキングTOP20をご紹介します。あなたのお気に入りのケーキはランクインしているでしょうか?
- レモンドリズルケーキ
- チョコレートファッジケーキ
- キャロットケーキ
- チョコレートブラウニー
- ビクトリアスポンジケーキ
- チョコレートマフィン
- スティッキートフィープディング
- コーヒー&ウォルナッツケーキ
- ブラックフォレストケーキ
- ブルーベリーマフィン
- フルーツケーキ
- スイスロール
- バッテンバーグケーキ
- マデイラケーキ
- フェアリーケーキ
- エンジェルケーキ
- バタフライケーキ
- チェルシーバン
- レッドベルベットケーキ
- デーツ&ウォルナッツローフ
イギリスの伝統的なケーキ:その歴史と魅力
イギリスには、長い歴史の中で育まれた、数多くの伝統的なケーキが存在します。派手さこそないものの、その製法には様々な工夫が凝らされており、英国王室にも愛されています。例えば、エリザベス女王はチョコレートがお好きで知られており、ウィリアム王子とヘンリー王子も幼い頃から、濃厚なチョコレートビスケットケーキを好んで召し上がっていました。
クリスマスケーキ:特別な装飾を施して
イギリスのクリスマスには、ドイツのシュトーレンやフランスのブッシュ・ド・ノエルのように、特定のケーキを食べるという明確な習慣はありません。しかし、クリスマスの時期には、普段のケーキにクリスマスのデコレーションを加えて、特別な雰囲気を楽しむのが一般的です。ケーキの中身は、プラムやチェリーなどのドライフルーツと、シナモンなどのスパイスを混ぜ込んだもので、クリスマスプディングにも似た味わいです。焼き上がったケーキには白いアイシングを施し、クリスマスのメッセージや、ツリー、トナカイなどの絵を描いて、特別な雰囲気を演出します。
十二夜のケーキ:新年を祝う古くからの習わし
イギリスでは、クリスマスから12日後の1月6日に、「Twelfth Night Cake(十二夜のケーキ)」を食べる習慣があります。これは伝統的なケーキであり、クリスマスケーキの一種として認識している人もいます。ヴィクトリア時代の1849年には、ウィンザー城で直径76センチメートルもの巨大なケーキが登場し、金箔でストライプ模様が描かれ、18世紀の紳士淑女がピクニックを楽しんでいる様子が飾られました。一般家庭では、ケーキの中に大きな乾燥豆を隠し、豆が当たった人が王様または女王様となり、紙製の王冠が与えられるという遊びが行われていました。
シムネルケーキ:春の訪れを告げる伝統菓子
イースターの時期に食べられるのが「シムネルケーキ」です。ケーキの上には、イエス・キリストの12人の使徒を象徴するお団子状の飾りが乗せられますが、裏切り者のユダの分は除かれるため、11個だけが並べられます。ケーキの中身はクリスマスプディングと同様に、ドライフルーツがたっぷりと詰め込まれており、中世から続くケーキであるため、生クリームは使用されていません。日持ちのするドライフルーツケーキが定番となっています。
ヴィクトリアスポンジ:女王が愛した伝統の味
ヴィクトリアスポンジケーキは、イギリスの伝統的なケーキの象徴ともいえる存在です。その名の通り、ヴィクトリア女王が好んで食べていたことから名付けられました。軽やかなスポンジ生地と、間に挟まれたジャムとクリームが特徴で、シンプルながらも絶妙なバランスで多くの人々に愛されています。特にティータイムにぴったりで、イギリスのカフェや家庭で定番として親しまれています。歴史と共に受け継がれてきたこのケーキは、今もなおその美味しさと伝統を守り続けています。
キャロットケーキ:戦時下で再評価された素朴な味わい
キャロットケーキは、戦時中に材料の節約から生まれたと言われる素朴なケーキです。人参を使った生地は、ほんのりとした甘さとしっとりとした食感が特徴で、非常に食べ応えがあります。また、フロスティングとして使われるクリームチーズが、甘さを引き立て、さらにコクを与えてくれます。戦時中の食糧難を乗り越え、現在ではイギリスをはじめ、世界中で愛されるケーキとして親しまれています。その温かみのある味わいは、どこか懐かしく、心に残る味です。
レモンドリズルケーキ:爽やかなレモンの香りが魅力
レモンドリズルケーキは、その名の通り、レモンの爽やかな香りと味が特徴のケーキです。ケーキ自体はふわりとした食感で、上にかけられた甘酸っぱいレモンシロップが、しっとり感を加えます。レモンの風味が効いたこのケーキは、特に暑い季節にぴったりで、軽やかな口当たりが魅力的です。また、シンプルながらも風味豊かな味わいは、ティータイムやデザートとしても人気があります。レモンの香りが広がる瞬間に、爽快感と幸福感が感じられる一品です。
その他にも個性豊かなイギリスのケーキ
イギリスには、ヴィクトリアスポンジケーキやキャロットケーキ、レモンドリズルケーキ以外にも、さまざまな個性的なケーキがあります。例えば、しっとりとしたバナナケーキや、豊かなチョコレートが特徴のチョコレートケーキなど、各地で愛されているケーキが多種多様です。また、クリスマスケーキやイースターケーキなど、季節ごとの特別なケーキも楽しみのひとつです。どのケーキもその土地の文化や歴史が反映されており、ひと口食べるたびに新たな発見があることでしょう。
日本のショートケーキとの相違点
「ショートケーキ」という名称は日本独自の表現であり、その起源はイギリスのショートブレッドにイチゴとクリームを組み合わせたものだと言われています。一方、イギリスには、ヴィクトリアスポンジケーキをベースにイチゴを使用したストロベリースポンジケーキが存在します。また、フランスでは、イチゴと生クリームを組み合わせたケーキとして、ガトーフレーズが親しまれています。
まとめ
ティータイムに彩りを添えるイギリスのケーキ文化は、伝統と家庭の温もりが感じられる豊かな世界です。レモンドリズルケーキのように爽やかな味わいのケーキから、王室にも愛されたヴィクトリアスポンジ、戦時中に見直されたキャロットケーキまで、それぞれのケーキにはストーリーと魅力が詰まっています。ランキングを通じて見えてくるのは、イギリス人のケーキへの深い愛情と食文化の奥深さ。あなたもお気に入りのイギリスケーキを見つけて、優雅なティータイムを楽しんでみてはいかがでしょうか。
イギリスで最も愛されているケーキは何ですか?
イギリスで特に人気を集めているケーキは、レモンドリズルケーキです。レモンの風味豊かなアイシングが特徴で、多くの人々に愛されています。
イギリスのクリスマスには、どのようなケーキを食べる習慣がありますか?
イギリスでは、クリスマスに特定のケーキを食べるという決まった習慣はありません。しかし、クリスマスの飾り付けを施したケーキを食べるのが一般的です。ケーキの中身は、ドライフルーツやスパイスを混ぜ込んだもので、クリスマスプディングと似た風味を持っています。
シムネルケーキとはどんなお菓子?
シムネルケーキは、主に復活祭の時期に楽しまれる伝統的な焼き菓子です。その特徴は、ふんだんに使用されたドライフルーツ。表面には、11個のマジパンボールが飾られており、これはキリストの12使徒からユダを除いた数を表しています。