お湯を入れると花が咲くお茶
お湯と一緒に彩り豊かな花々が咲き誇る伝統美、それが「お湯を入れると花が咲くお茶」です。一瞬にして心を奪われる、その優雅な演出と口に広がる風味から目を離すことはできません。今回は、そんな神秘的な飲み物について詳しく探ってみましょう。
お湯を入れると花が咲くお茶とは
お湯を入れると花が咲くお茶(工芸茶)の種類とは
「湯を注げば花が咲く魅惑のお茶」―これこそ中国の伝統、工芸茶と名高い一品。その美観から「花開き茶」あるいは「開花茶」ともよばれています。工芸茶とは、主体となる茶葉を特別な技術で束ね、その中心にエディブルフラワーを配するもの。湯を注ぐと茶葉がほどけ、隠れていた花が見事に咲きほこります。
そのバリエーションは豊富で、「ジャスミンフェアリー」や「玫瑰貴妃」、「白茉莉精靈」など何種類もの品が存在します。また、その味覚は茶葉と花の種類により幅広いため、目にも舌にも楽しむことができます。初めての挑戦には、「ジャスミンフェアリー」が一押し。エレガントな香りと深みがある美しさが特徴です。
工芸茶の主力となるのは緑茶。その繊細さを利用し、ジャスミンの香りが付けられた緑茶も広く知られています。さらには、白茶や紅茶も活用されています。白茶――これは中国茶の一種であり、中国六大茶の中に数えられるもの。微発酵が施されることで、白茶特有のさっぱりとした風味が生まれるのです。
花といえば、カーネーションやジャスミン、菊、マリーゴールド、千日紅、桂花などといった種類が工芸茶に使用されます。どれを選んでも茶器の中で咲くその光景は美しく、プレゼントにもぴったりです。特に母の日に贈るならば、名前が「マザーオブラブ」と呼ばれているカーネーションを中心にした工芸茶が一押し。スイーツと一緒に紅茶を贈り、特別なティータイムを楽しんでみてはいかがでしょうか。
お湯を入れると花が咲くお茶(工芸茶)の楽しみ方とは
鮮やかな色と形状、そして心地よい香りが一体となった工芸茶は、見るだけでなく体感する楽しさを提供します。その魅力を最大限に味わいたいなら、使い方を知ることが大切です。
工芸茶の淹れ方は簡単。まずポットに一個の茶葉を入れ、熱湯をそそぎます。すると茶葉が一つ一つ静かに開く姿を見ることができるのです。最初に注いだお湯が2-3分程度経ったら美しい花が咲き、その瞬間が一番美味しい飲み頃となります。
工芸茶の茶葉は主に緑茶が使われていることが多く、同じ茶葉で3回程度淹れ替えが可能です。お湯が少なくなったとき、その都度お湯を注ぎ足すことで一つの茶葉から何度でもお茶を味わうことができます。
工芸茶を楽しむ際の工夫として、透明なガラス製のポットを使用すると、茶葉が開く様子を見ることができます。はじけるように踊る美しい花びらを見逃さないために、透明なポットを選びましょう。また、縦長に伸びる花を楽しむためには、縦長のポットがお勧めです。
工芸茶を飲み終わった後でも、その美しさは終わりません。水を替え続けることで1週間程度、水中花としてお楽しみ頂けます。その美しい姿をいつでも見れるよう、ガラスの容器に移し替えて飾ることも良いでしょう。どうぞ心ゆくまで、工芸茶の美しさと香り高さを楽しんでください。
まとめ
「お湯を入れると花が咲くお茶」は一杯の中に美学を凝縮しています。目に見える美しさと味覚の楽しさを一度に味わう贅沢な体験を提供します。一杯のお茶から感じる伝統と風情が息づいています。是非一度味わってみて下さい。