[ビワなつたより] 長崎びわの新たなエース!大玉でジューシーな夏の贈り物
初夏の味覚として愛される長崎びわに、新たなスターが誕生しました。その名も「なつたより」。長崎県が誇るオリジナル品種で、大玉でジューシーな果肉が特徴です。一口食べれば、みずみずしい甘さが口いっぱいに広がり、夏の訪れを感じさせてくれます。大切な方への贈り物としてはもちろん、自分へのご褒美にも最適な「なつたより」の魅力に迫ります。

長崎びわの新たな星「なつたより」:その特徴と魅力

長崎びわの次世代を担う品種として期待を集める「なつたより」は、長崎県農林技術開発センターで開発され、2009年に品種登録された新しいびわです。「もっと大きなびわを味わいたい」という消費者の声に応え、長崎早生と福原早生(「長崎甘香」としても知られる)を交配して生まれました。「なつたより」は従来の品種とは一線を画す特徴を持ち、その品質は高く評価されています。特に目を引くのは、その大きさ。丸みを帯びた美しい形をしており、平均60gにもなる大玉です。一般的な茂木種よりも丸く、大きいのが特徴で、ハウス栽培や露地栽培で多いMやLサイズに対し、「なつたより」は2Lや3Lにまで成長します。食味もまた、「なつたより」の魅力です。果肉は柔らかく、口に含むと果汁が溢れ出し、ジューシーな味わいが広がります。糖度も高く、上品な甘さが多くの人々を魅了します。長年の研究と努力の結果、誕生した「なつたより」は、5月中旬から下旬に収穫のピークを迎え、初夏の味覚として楽しまれています。その見た目の良さから、自宅用はもちろん、贈り物としても喜ばれ、「贈ってよかった」という声が多く寄せられています。これらの特徴が組み合わさり、「なつたより」は長崎びわの価値を高める存在となっています。

日本一のびわ産地、長崎:旬の味覚とその流通

長崎県はびわの生産量が日本一であり、「長崎びわ」や「茂木びわ」として知られています。長崎びわは旬の時期にだけ味わえる、特別な初夏の味覚です。栽培方法には、甘さを追求した「ハウス栽培びわ」(4月から5月上旬頃に出回る)と、太陽を浴びて育った「露地栽培びわ」(5月上旬から5月末頃が旬)があります。どちらも贈答用としても人気があり、旬の時期に収穫されたびわは格別です。しかし、びわの流通期間は約1ヶ月と短く、その希少性も魅力の一つです。長崎では、初夏の贈り物としてびわを贈る習慣があり、特にびわが手に入りにくい地域の方に贈ると喜ばれます。このように、長崎びわはその風味、短い旬、贈り物としての価値で愛されています。

びわの名前の由来と長崎びわの歴史

びわという名前は、その形が楽器の琵琶に似ていることに由来します。原産は中国で、日本には古くから野生種が存在していました。文献への初出は正倉院文書で、944年に天皇がびわを賜ったという記述があります。食用としての栽培が始まったのは江戸時代に入ってからです。江戸時代後期には、植物学者のツンベルグがびわを紹介しました。日本でのびわ栽培の転換期は、約170年前の江戸時代末期。長崎の女性、三浦汐が唐びわの種を譲り受け、故郷に植えたことが始まりとされています。このびわが「茂木種」として広まり、温暖な地域での栽培が盛んになりました。長崎半島は温暖な気候に恵まれ、露地栽培が盛んでした。近年では、ハウス栽培も拡大し、3月から5月頃まで出荷されています。気候と歴史が重なり、「びわ」と「長崎」は一大産地となりました。

びわ栽培の繊細さと生産者の工夫

びわはデリケートな果樹であり、栽培には特別な配慮が必要です。特に寒さに弱く、幼果が低温にさらされると枯れてしまうことがあります。そのため、露地栽培に適した地域は限られており、温暖な気候と南向きの斜面が不可欠です。長崎半島では、温暖な気候を活かした露地栽培が行われてきましたが、近年では安定生産のために工夫が凝らされています。寒害を防ぐために、簡易ハウスで保温対策を行い、びわの木を覆い、温度を保つことで成長を促しています。これにより、3月から5月にかけて安定した出荷が可能になりました。びわは秋から冬に花が咲き、春先に実が成長します。果実は傷つきやすいため、風雨や害虫から守るために、一房ずつ丁寧に袋掛けされます。この作業は、びわの美しい色合いや滑らかな果皮、品質を保つために欠かせません。びわ栽培は、自然と向き合いながら、生産者の技術と愛情、そしてたゆまぬ努力によって支えられています。

美味しいびわの選び方

最高のびわを味わうには、まず良質なものを見極めることが大切です。選び方のポイントをいくつかご紹介しましょう。まず、びわの表面の色です。深みのあるオレンジ色で、つやがあり、ハリのあるものが新鮮で上質な証拠です。色が薄かったり、くすんでいたりするものは、熟しきれていないか、鮮度が落ちている可能性があります。次に、形をチェックしましょう。左右対称でふっくらとした丸みのあるものがおすすめです。いびつな形や、へこみがあるものは避けた方が良いでしょう。触った時の感触も重要です。適度な弾力があり、柔らかすぎないものを選びましょう。果皮に傷やしわがなく、うぶ毛が残っているものは、鮮度が高いサインです。これらのポイントを参考に、長崎びわならではの風味を堪能できる、最高のびわを見つけてください。

びわの保存方法と味わい方

びわを美味しくいただくには、デリケートな特性を考慮した保存方法と食べ方が大切です。びわは鮮度が重要で、時間経過とともに風味が損なわれやすい果物です。追熟しないため、購入後はなるべく早く食べるようにしましょう。保存場所にも注意が必要です。冷蔵庫での長期保存は、果肉が硬くなる原因になります。常温で、直射日光を避け、風通しの良い場所で保存するのが理想的です。冷やして食べたい場合は、食べる直前に2~3時間程度冷蔵庫に入れるのがおすすめです。びわの皮は手でむけますが、「おへそ」からむくと綺麗にむきやすいでしょう。むいた皮をしばらく置いておく場合は、変色を防ぐために水に浸しておくと良いでしょう。食べる際は、水気をよく切ってください。びわは種が大きいというイメージがあるかもしれませんが、可食部は約65%と、他の果物と比べても遜色ありません。ぜひ、豊かな果肉を味わってみてください。

長崎びわの新たな魅力:多彩な加工品の世界

「なつたより」をはじめとする長崎びわは、そのまま食べても美味しいですが、様々な加工品も開発されています。これらの加工品は、旬の時期以外でもびわの美味しさを楽しむことができ、新たな風味や栄養価を発見する機会を与えてくれます。代表的なものとしては、びわゼリーがあります。びわの果実を丸ごとゼリーで包み込んだ、贅沢なデザートです。健康志向の方には、びわの葉を100%使用したびわ茶がおすすめです。びわの葉には、アミグダリンなどの有効成分が含まれているとされ、健康維持に役立つとされています。その他、びわワインやびわアイスなど、様々な製品があります。これらの加工品は、長崎びわの風味や栄養価を最大限に引き出し、新たな価値を生み出しています。ぜひ、長崎びわの奥深い味わいを、加工品を通して体験してみてください。

長崎びわの品種情報と出荷時期

長崎びわは、栽培方法や品種によって特性や出荷時期が異なります。ここでは、主要な長崎びわの種類と、おおよその出荷時期についてご紹介します。長崎びわの購入を検討される際は、ぜひ参考にしてください。

露地栽培タイプ(長崎びわ)

長崎びわの代表的な存在である「露地栽培タイプ」は、生産量が最も多い品種です。主に茂木地区で栽培され、長崎の豊かな自然と潮風を受けて育つため、独特の風味と高い糖度が特徴です。太陽の恵みをたっぷりと浴びて育つため、びわ本来の濃厚な味わいを満喫できます。また、ハウス栽培のびわに比べて比較的リーズナブルな価格で購入できるのも魅力です。予約期間は通常4月中旬から5月下旬頃まで、出荷期間は5月下旬から6月上旬頃までですが、気象条件によって変動することがあります。

なつたより(露地栽培)

「なつたより」は、長崎びわの中でも新しい品種でありながら、その優れた品質で注目を集めています。特に、肉厚で大きな果肉、豊富な果汁、そして高い糖度が際立っています。一般的なびわがMやLサイズであるのに対し、「なつたより」は2Lや3Lといった大きめのサイズが中心であるため、贈り物としての見栄えが良く、贈る相手に喜ばれること間違いありません。まさに「特別な贈り物に最適」と言えるでしょう。予約期間は例年4月中旬から5月下旬頃まで、出荷期間は5月中旬から6月上旬頃までとなっていますが、天候などの影響により変更される場合があります。

まとめ

長崎県が誇る新しいびわの品種「なつたより」は、その卓越した品質、歴史、そして生産者の絶え間ない努力によって、多くの人々に愛されるようになりました。大玉でジューシー、そして甘みが強い「なつたより」は、長崎びわの新たな顔として、そのブランド価値をさらに高めています。びわという名称の由来や、中国原産という歴史的背景、そして江戸時代に三浦汐が茂木にびわを持ち込んだことから始まった歴史は、長崎とびわが深く結びついてきた証です。また、寒さに弱いびわを育てるためのハウス栽培や、一つ一つ丁寧に袋をかけるといった生産者の細やかな配慮が、安定した高品質なびわの供給を支えています。びわは追熟しないため、新鮮さが重要です。美味しく食べるためには、直射日光を避け、涼しい場所で保存し、食べる2~3時間前に冷蔵庫で冷やすのがおすすめです。生のびわはもちろんのこと、ゼリーやびわ茶、ワイン、アイスクリームなど、様々な加工品も長崎びわの魅力を一年を通して楽しむための新たな選択肢を提供しています。この記事を通して、「なつたより」をはじめとする長崎びわの奥深い魅力と、びわという果物が持つ豊かな世界を再発見していただければ幸いです。

なつたよりはどんなびわですか?

なつたよりは、長崎県農林技術開発センターで開発され、2009年に品種登録された比較的新しいびわの品種です。「長崎早生」と「福原早生」を掛け合わせて誕生し、従来の品種よりも大玉(平均約60g、2L・3Lサイズ)で、果肉が柔らかく、果汁が多く、糖度も高く、食味が優れているのが特徴です。長崎びわの期待の星として注目されています。

長崎県はビワの生産量で日本一ですか?

その通りです。長崎県はビワの収穫量において日本で最も多い地域です。特に「長崎ビワ」や「茂木ビワ」というブランド名は全国的に知られており、初夏の味として高く評価されています。

ビワの名前の由来と、最も古い記録は?

ビワという名前は、果実の形状が日本の伝統楽器である「琵琶」に似ていることに由来すると言われています。ビワに関する最も古い記録は、陽成天皇の時代の天慶7年(944年)に、正倉院の文書に「天皇より枇杷を賜う」と記載されたものです。

長崎ビワのハウス栽培と露地栽培の違いは何ですか?

長崎ビワには、主にハウス栽培と露地栽培という2つの栽培方法があります。ハウス栽培ビワは、温度管理された環境で育てられるため、甘みが強く、通常4月から5月上旬頃に出荷されます。一方、露地栽培ビワは、太陽光をたっぷりと浴びて育ち、ビワ本来の自然な風味が楽しめ、5月上旬から5月末頃に出荷されます。

ビワは収穫後に熟す果物ですか?保存方法のコツは?

いいえ、ビワはメロンやバナナとは異なり、収穫後に甘みが増す「追熟」はしません。ビワは鮮度が非常に重要ですので、購入後はできるだけ早く食べることをお勧めします。保存する際は、直射日光を避け、風通しの良い涼しい場所で常温で保管してください。冷やしすぎると果肉が硬くなるため、冷蔵庫に入れる場合は、食べる2~3時間前に軽く冷やす程度にすると美味しくいただけます。

絶品びわを選ぶ秘訣とは?

極上のびわを選ぶには、いくつかの重要な点があります。第一に、果皮の色をチェックしましょう。深みのあるオレンジ色で、つややかでハリのあるものがおすすめです。形状は、左右均整がとれていてふっくらとしたものが良いでしょう。さらに、表面に傷やへこみがなく、産毛がしっかりと残っているかを確認しましょう。手に取った際には、適度な弾力があるものが、鮮度が保たれていて美味しいびわの証です。

びわは種が大きい分、実際に食べられる量は少ないのでしょうか?

必ずしもそうとは言えません。びわは種が大きいため、食べられる部分が少ないと思われがちですが、可食部はおおよそ65%程度あります。これは、バナナ、メロン、スイカなどのポピュラーな果物と比較しても遜色なく、十分に満足できる量を堪能できることを示しています。見た目の印象にとらわれず、たっぷりの果肉を心ゆくまでお楽しみください。
びわ