紅プリンセスはいつから市場に出回っている?販売開始時期について
愛媛県生まれの期待の星、柑橘新品種「紅プリンセス」をご存知でしょうか?その鮮やかな紅色と濃厚な甘みが特徴で、市場に出回る前から大きな注目を集めていました。今回は、紅プリンセスがいつから市場に出回っているのか、その販売開始時期について詳しくご紹介します。

紅プリンセス(愛媛果試第48号)とは

紅プリンセスは、愛媛県で開発された注目の柑橘新品種で、愛媛果試第48号という名前でも知られています。本格的な市場への登場は2025年からですが、先駆けとして2023年には試験販売が開始され、一部で目にすることができました。この名称は愛媛県によって商標登録されています。

紅プリンセスの特徴


紅プリンセスは、「紅まどんな」と「甘平」という人気の柑橘を掛け合わせて生まれた品種です。紅まどんなのゼリーのような口当たりと、甘平の凝縮された甘み、両方の長所を兼ね備えています。果肉はたっぷりの果汁を含んでいて非常に柔らかく、高い糖度と控えめな酸味で、食べやすい柑橘です。

紅プリンセスの外観と食感

紅プリンセスは、少し大きめで雫のような形をしており、表面はつるっとしていて、紅まどんなによく似た外観をしています。薄い外皮は手で簡単にむくことができ、果肉はぎっしりと詰まっていて、手に取るとぷるんとした弾力を感じられます。また、じょうのう膜(内側の薄皮)も薄く、種がないため、まるごと口にすることができます。口に運ぶと、とろけるような舌触りとともに果汁があふれ出し、柑橘らしい爽やかな香りが広がります。

紅プリンセスの美味しい時期

一般的に、紅まどんなは冬の始まりである12月頃、甘平は少し遅れて1月から2月にかけて市場に出回ります。それに対し、紅プリンセスが最も美味しくなる旬の時期は、春の訪れを感じる3月下旬から4月頃です。他の柑橘類が少なくなる時期に登場するため、春の柑橘として注目を集めています。

いつから市場に出回っている?販売開始時期について

紅プリンセスは、2022年に品種登録された後、2023年から一部の市場で試験的に販売が開始されました。主に専門店や限定通販などで少量が流通し、希少な新品種として徐々に注目を集めていました。
そして、2025年3月からいよいよ本格的な出荷がスタート。JA全農えひめや愛媛県からの発表によって、広く一般市場へと流通が拡大しました。これにより、より多くの人が紅プリンセスを手に取れるようになり、その魅力を味わえるようになっています。

紅プリンセス誕生までの物語:17年越しの開発と試練を乗り越えた奇跡

紅プリンセスは、愛媛県農林水産研究所 果樹研究センター みかん研究所で2005年に交配が始まりました。甘みや果肉のなめらかさ、育てやすさなど、複数の要素を兼ね備えた品種を目指し、研究者たちは試行錯誤を重ねます。その努力の結果、2022年にようやく品種登録が実現。実に17年もの歳月をかけて誕生した新品種です。
その道のりは決して平坦ではありませんでした。特に2018年に発生した西日本豪雨では、研究所の畑が大きな被害を受け、多くの樹木が失われました。しかし、奇跡的に「愛媛果試第48号」の苗木180本は無事で、その命が今日の紅プリンセスへとつながる希望となったのです。

紅プリンセスの味わい方:手軽に、または上品に

紅プリンセスの皮はとても薄いので、手で簡単にむくことができます。ただし、果汁が豊富に含まれているため、むく際に果汁がこぼれることがあります。より上品に楽しむには、くし形にカットするのがおすすめです。スマイルカットよりもくし形カットの方が、紅プリンセス特有のぷるぷるの食感をより堪能できます。薄い内皮もそのまま食べられます。

愛媛果試第48号と紅プリンセスの関係性

「愛媛果試第48号」とは柑橘の品種名であり、一方「紅プリンセス」は愛媛県が取得している登録商標名です。紅プリンセスという名称で販売するためには、愛媛県への申請を行い、許可を得る必要があります。その際には、糖度、クエン酸含有量、見た目の美しさ、サイズといった厳しい基準をクリアしなければなりません。許可を得られなかったものは、品種名である愛媛果試第48号として市場に出回ります。

紅プリンセスの成分特性

紅プリンセスは、愛媛県が開発した高級柑橘で、「紅まどんな(愛媛果試第28号)」と「甘平」を交配して誕生しました。見た目の美しさや濃厚な味わいに加え、成分面でもいくつかの特徴があります。
糖度は非常に高く、出荷基準は12度以上で、完熟時には13〜14度に達することもあります。この高い糖度が、紅プリンセス特有の濃厚な甘さを生み出しています(出典:https://www.pref.ehime.jp/uploaded/attachment/105630.pdf/愛媛県公式サイト)。
酸味は穏やかで、クエン酸の含有量は約1.0%前後です。JA全農えひめでは、酸度を1.2%未満に管理しており、甘みとのバランスがよく、まろやかな味わいを楽しめます(出典:https://www.pref.ehime.jp/uploaded/attachment/2555.pdf/愛媛県公式サイト)。
果肉はゼリーのようにやわらかく、じょうのう膜(内皮)も薄いため、そのまま食べても口に残りにくく、果汁もたっぷり。食感の良さが際立っています(出典:https://nouka-fruits.com/beni-princess-mikan//農家のフルーツ)。
さらに、松山大学の研究によると、果実にはフラボノイドの一種「ナリルチン」が多く含まれていることが確認されています。果肉や果皮からも検出されており、成分面でも注目されています(出典:https://www.matsuyama-u.ac.jp/event/event-233248-2-2//松山大学公式サイト)。
紅プリンセスは、甘さ、酸味、食感、成分がバランスよく調和した新品種として、今後ますます注目される存在です。

これからの紅プリンセス:本格販売への期待

紅プリンセスは、2025年より本格的な販売が開始される予定で、今後の市場での拡大が非常に楽しみです。他の柑橘類が少ない時期に出荷されること、そしてその卓越した品質から、新たな人気柑橘としての地位を確立する可能性を秘めています。

紅プリンセスの入手方法:お店で見つけたらぜひ

試験販売期間を経て、紅プリンセスは徐々に店頭で見かける機会が増加しています。もしお店で見つけた際には、ぜひ手に取って、そのまるでゼリーのような食感と、濃厚で上品な甘さを味わってみてください。

結び


愛媛県が生み出した柑橘の新品種「紅プリンセス(愛媛果試第48号)」は、紅まどんなと甘平の優れた特性を受け継ぎ、その濃厚な甘みとみずみずしい食感が特徴です。2022年に品種登録された後、2023年に一部市場での限定流通を経て、2025年3月から本格的に出荷・販売が開始されました。長年の研究と開発を経て誕生したこの新品種は、その濃厚な甘さと美しい外観で高い評価を受けており、今後ますます流通が拡大することが期待されています。ぜひ一度、この新しい柑橘の風味を体験してみてください。

紅プリンセスと愛媛果試第48号の違いは何ですか?

愛媛果試第48号は品種そのものの名称であり、紅プリンセスは愛媛県が商標登録したブランド名です。一定の品質基準を満たした果実のみが、紅プリンセスという名称で販売されます。

紅プリンセスの旬な時期はいつですか?

最もおいしい時期は、3月下旬から4月にかけてです。

紅プリンセスはどこで購入できますか?

2023年より試験的な販売が行われ、2025年からは本格的な販売が開始されています。一部のスーパーマーケットや果物店などで見つけることができるでしょう。



紅プリンセス