そばの効能

蕎麦は、遠い縄文時代から食されてきた歴史ある食品です。当初は蕎麦粉を使い、団子のようにして食べる「蕎麦がき」が主流でしたが、江戸時代に入り、現在のような麺の形へと変化を遂げました。喉越しの良いざる蕎麦は、特に暑い夏に最適です。健康的なイメージが強い蕎麦ですが、疲労回復や二日酔い対策など、私たちの健康を力強く支える効果も期待できます。この夏、蕎麦がより一層身近な存在となるかもしれません。蕎麦の持つ、知られざる魅力的な効果をご紹介いたします。

疲労回復

ビタミンB1とB2は、不足すると倦怠感、スタミナ不足、食欲減退、そして気分のむしゃくしゃにつながることがあります。そばには、これらのビタミンが白米や小麦粉に比べて2〜3倍も豊富に含まれています。さらに、代謝を活発にし、摂取した食物をエネルギーに変換するのを助けるパントテン酸も、白米の4倍量含まれており、疲労回復をサポートします。あっさりとした風味でありながらも、活力を与えてくれるそばは、夏バテ気味の身体に嬉しい食品と言えるでしょう。

二日酔い予防対策にも

二日酔いの不快感は、肝臓がアルコールの解毒に励んでいるサインです。この働きをサポートするためには、質の高いタンパク質が欠かせません。蕎麦は穀物の中でも特にタンパク質が豊富で、二日酔いの原因物質であるアセトアルデヒドの分解を促進するパントテン酸やナイアシンもバランス良く含んでいます。また、ビタミンの一種であるコリンは、アルコール摂取によって肝臓に脂肪が蓄積するのを抑制し、脂肪肝や動脈硬化の予防に役立ちます。加えて、蕎麦には消化酵素であるアミラーゼやリパーゼも含まれており、消化が良く胃への負担も少ないため、飲酒後の食事として最適です。夜食にはラーメンではなく、蕎麦を選ぶのが賢明かもしれません。

生活習慣病の予防

蕎麦には、便秘改善を助ける豊富な食物繊維に加え、免疫力を高めるカテキン、そして様々なミネラルが含まれています。特筆すべきは、ポリフェノールの一種であるルチンです。ルチンは毛細血管を丈夫にし、血圧と血糖値の抑制、さらに膵臓の機能をサポートする効果が期待できます。動脈硬化、糖尿病、脳梗塞といった生活習慣病の予防に役立つ成分と言えるでしょう。ルチンはビタミンCと一緒に摂取することで、その効果が高まります。野菜や果物との組み合わせがおすすめです。

そば湯も忘れずに

東洋医学では、そばは体にこもった熱を鎮め、胃腸の働きを助ける食材とされています。冷たいそばは特に夏に好まれますが、食べ過ぎると胃を冷やし、食欲不振や消化不良の原因になることもあります。そこで推奨したいのがそば湯です。そばを茹でたお湯には、そばから溶け出した栄養分が豊富に含まれています。栄養を無駄にせず、体を冷やし過ぎないためにも、食後にそば湯を飲むことをおすすめします。

そば