バジル栽培:品種の選び方と楽しみ方

バジルは、爽やかな香りと使い勝手の良さで、家庭菜園の定番ハーブとして愛されています。イタリア料理はもちろん、エスニック料理やサラダのアクセントにも最適。育てやすさも魅力で、初心者でも気軽に始められます。しかし、バジルには様々な品種があり、それぞれに風味や香りが異なります。この記事では、代表的なバジルの品種や種からの育てかたを紹介し、あなたの食卓やライフスタイルにぴったりのバジルを見つけるお手伝いをします。さあ、バジル栽培の世界へ飛び込み、香り豊かな毎日を楽しみましょう。

バジルの種類と選び方

バジルは、その芳醇な香りと豊富な栄養価で、家庭菜園で愛されるハーブの一つです。料理への利用はもちろん、ハーブティーやアロマセラピーなど、幅広い用途で親しまれています。バジルには様々な種類が存在し、それぞれが独自の風味や特性を持っています。代表的な種類を把握し、用途や個人の好みに合わせて選ぶことで、バジル栽培の楽しみはさらに広がります。

代表的なバジル4種類とその特徴

バジルは67種とも100品種以上とも言われ、一つひとつが他とは異なる風味や特徴を秘めています。その中でも特に代表的な種類として、スイートバジル、ホーリーバジル、レモンバジル、シナモンバジルなどが挙げられます。これらのバジルは、それぞれに適した料理や利用方法があり、基本的な栽培方法は共通しているため、複数の種類を栽培して香りの違いを堪能するのも良いでしょう。

1:イタリア料理に欠かせない「スイートバジル」

スイートバジルは、イタリア料理にはなくてはならないハーブであり、「バジル」として一般的に知られている最も普及している種類です。「ジェノベーゼバジル」などが代表的な品種で、爽やかな香りにほのかな甘みが加わり、様々な料理に風味を添えてくれます。特徴的なつやのある葉は、新鮮さの証です。新鮮なうちに、ペスト・ジェノベーゼを作って保存するのがおすすめです。

2:ガパオとしてもおなじみの聖なる「ホーリーバジル」

「ホーリー」という言葉は「神聖な」という意味を持ち、インド原産で「トゥルシー」という別名を持つホーリーバジルは、ヒンドゥー教において神聖なハーブ、万能ハーブとして大切にされてきました。代表的な品種には、「ラーマトゥルシー」や「クリシュナトゥルシー」など、神様の名前が冠されています。アダプトゲンとして、ハーブティーとしても人気があります。一方で、タイでは、「ガパオ」と呼ばれる品種が、ガパオライスなどのタイ料理に使われています。

3:柑橘系の香りが魅力「レモンバジル」

レモンのような爽やかな香りが特徴のレモンバジル。小さくマットな質感の葉は、非常に香り高く、ハーブティーとして楽しむのはもちろん、白身魚などの魚料理に添えて風味を引き立てるのにも適しています。東南アジアでは、インドネシアで「クマンギ」と呼ばれ、様々な料理に利用されています。また、タイでは「メーンラック」という名で親しまれ、バジルシードを水で戻してデザートの材料としても使われています。

4:お菓子作りにも最適な「シナモンバジル」

スイートバジルの仲間であるシナモンバジルは、緑色の葉を持ちながらも、茎や萼(がく)が紫色を帯び、花も淡い紫色をしています。その特徴は、甘さとスパイシーさが混ざり合ったシナモンの香りです。サラダや炒め物に加えても美味しくいただけますが、特にその甘い香りは、クッキーやケーキなどの焼き菓子との相性が抜群です。可愛らしいピンク色の花は、切り花として飾るのもおすすめです。

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バジル栽培に必要なもの

バジル栽培を始める前に、必要なものを準備しましょう。苗または種、栽培用の鉢やプランター、栄養豊富な培養土、そして適切な肥料を用意することで、栽培をスムーズにスタートできます。

1:バジルの苗または種

バジル栽培を始めるにあたっては、苗から育てる方法と種から育てる方法の二通りがあります。どちらを選ぶかは、あなたの園芸経験や栽培環境によって異なります。それぞれの特徴を理解して、最適な方法を選びましょう。

苗から育てる場合

苗を選ぶ際は、健康なものを選び抜きましょう。葉の色は鮮やかな緑色で生気に満ちているか、根はしっかりと張り、ぐらつきがないか、そして茎は太く、節間が詰まっているかを確認します。また、害虫が付着していないかどうかも注意深く観察しましょう。茎が細く、節と節の間が伸びている状態は、日光不足による「徒長」の兆候であり、その後の成長に悪影響を及ぼす可能性があります。

種から育てる場合

バジルの種は、スーパーマーケットや園芸店、オンラインショップなどで多様な種類が販売されています。種まきは、気温が適切になる時期を待ってから行いましょう。バジルの種が発芽するためには、20℃以上の温度が必要不可欠です。そのため、種まきは4月下旬から5月にかけて、気温が安定し、遅霜の心配がなくなる頃が最適です。

2:鉢・プランター

バジルは成長すると、幅30cm、高さ50~80cm程度になります。この成長を考慮し、苗が入っていたポリポットの3倍程度の大きさの鉢やプランターを選びましょう。鉢植えの場合は7号鉢に1株、プランターの場合は65cm幅に2株を目安に植え付け、根が十分に広がるスペースと、葉が十分に日光を浴びられる株間を確保することが大切です。

3:培養土

バジルは、肥沃で水持ちの良い土壌を好みます。市販の園芸用培養土を使用する際は、有機物が適切に配合され、ヤシ殻やピートモスの含有量が少ないものを選ぶのがおすすめです。ヤシ殻やピートモスが多い土は、水を与えても水を弾いてしまい、保水性が悪くなることがあります。そのような土を使用する場合は、黒土や腐葉土、牛糞堆肥などを混ぜて改良すると良いでしょう。

バジルの栽培方法:苗植えと種まき

バジルを育てるには、苗から栽培する方法と種から栽培する方法の2種類があります。ここでは、それぞれの方法について詳しく解説していきます。

苗の植えつけ方法

バジルの苗を植え付ける際は、以下の手順で行うと良いでしょう。

1:鉢やプランターに土を入れる

水はけを良くするために、鉢底やプランターの底に、ふるいにかけた園芸培養土の粗い土や赤玉土などを薄く敷きます。その上に、鉢の場合は鉢の高さの3分の1程度、プランターの場合は縁から2~3cm下の位置まで培養土を入れます。鉢植えの場合は、ここで一度たっぷりと水をあげましょう。

2:苗の植え付け

購入した苗は、ポリポットから丁寧に取り出します。根が密集している場合は、根鉢を軽くほぐしてから植え付けましょう。鉢植えの場合は、鉢に苗を配置し、苗と鉢の内側の間に培養土を丁寧に加えていきます。水やり時に土があふれないよう、鉢の縁から2~3cm程度のウォータースペースを確保して土を入れます。プランターの場合は、適切な間隔で植え穴を掘り、穴にたっぷりと水を注ぎ込んでから苗を植え付けます。いずれの場合も、苗の根元の土と鉢やプランターの土の高さが同じになるように注意して植えましょう。植え付け後は、根元を軽く押さえて苗を安定させ、たっぷりと水を与えてください。

※ウォータースペースとは、水やり時に水や土がこぼれないように設ける空間のことです。鉢の縁から土の表面までの間隔を2~3cm程度空けるのが一般的です。

3:初期の管理(1~2週間)

植え付け後、新しい根がしっかりと張るまでの1~2週間は、直射日光を避け、明るい日陰で管理します。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと水を与えましょう。

バジルの種からの育て方

バジルを種から育てる場合は、以下の手順を参考にしてください。

1:種まきの時期

バジルの種は、発芽に適した温度が比較的高く、35℃程度です。そのため、日中の気温が20℃以上で安定し、遅霜の心配がなくなった時期に種まきを行いましょう。バジルは比較的発芽しやすい植物なので、鉢やプランターに直接種をまく方法(直播)でも育てられます。

2:無間引きで行う、効率的な種まき(碁盤目式)

種をまく前に、培養土の表面を平らにならしてから、たっぷりと水を与えます。その後、可能であれば目の細かいふるい等で土をふるい、細かい土の層を作ります。その上に、5cm間隔で碁盤の目状になるように種を配置します。種をまき終えたら、種が隠れるくらいの薄さで土をふるいかけるか、ふるった細かい土を上からそっと被せます。最後に、霧吹きで土の表面を湿らせるように水を与えます。発芽までは5日から10日程度かかります。乾燥しないよう注意し、土の表面が乾かないように毎日霧吹きで水やりを行いましょう。バジルは光発芽性のため、土を厚く被せる必要はありません。十分に光を与え、水を与えてください。

*光発芽性とは? 種子が発芽するために光を必要とする性質のことです。

3:間引きながら収穫を楽しむ

発芽後、本葉が4枚以上に成長したら、生育の良いものを残し、残りをハサミで根元から切り取って収穫します。その後も同様に、生育に合わせて間引きを兼ねて収穫を繰り返し、最終的には1~2本に間引きます。

バジル栽培の成功の秘訣

バジルを健康に育てるためには、日光、水やり、肥料の3つの要素を適切に管理することが大切です。

1:太陽光

バジルは、日当たりの良い場所での栽培が基本です。日照不足になると、茎が細長く伸び(徒長)、葉が柔らかくなり、香りも弱くなる傾向があります。サラダなどには使いやすくなりますが、病害虫の影響を受けやすくなる可能性があります。

2:水やり

バジルは潤いを好むため、日の出とともにたっぷりと水を与えましょう。特に夏場など、土壌が乾きやすい時期には、土の湿り具合を確かめながら、朝だけでなく夕方にも水やりを検討してください。もし葉がしおれているようなら、時間帯に関わらず速やかに水を与えましょう。ただし、水のやりすぎは禁物です。根腐れを引き起こす原因となるため、土の表面が乾いてから水を与えるように心がけましょう。プランター栽培の場合は、バジルは乾燥に弱いので、水切れには特に注意が必要です。土の表面の色をよく観察し、乾いているようならたっぷりと水を与えてください。水やりの最適なタイミングは、朝の早い時間帯です。日が高くなる時間帯に水を与えると、温まった土の温度で水が熱湯のようになり、根を傷める可能性があります。真夏は特に水切れが起こりやすいので、夕方にバジルがぐったりとしている場合は、再度たっぷりと水を与えてください。

3:追肥

バジルを植え付ける際には肥料が必要となりますが、有機質の植物栄養が配合された園芸用培養土を使用すれば、初期肥料は不要です。もし下の方の葉が黄色くなってきたら、それは追肥が必要なサインです。油かす2掴みと土2掴みを混ぜ合わせ、バジルから少し離してドーナツ状に土の上に置いて追肥してください。葉を収穫することが目的なので、窒素を多く含み、即効性のある油かすが適しています。ただし、使用する培養土に十分な植物栄養が含まれている場合は、基本的に追肥の心配はいりません。植え付け時の初期肥料と、生育期の5月から9月にかけては、ハーブ専用の肥料を規定の量と頻度で与えましょう。バジルは肥料不足になると、下の方の葉が黄色く変色して落ちてくるので注意が必要です。

バジルをたくさん収穫するためのコツ

バジルをたくさん収穫するためには、摘心と切り戻し剪定が非常に重要です。適切なタイミングで剪定を行うことによって、収穫量を格段に増やすことができます。

摘心、切り戻し剪定のタイミングとやり方

バジルは暖かい地域が原産のハーブであるため、気温が高くなるにつれて次々と新しい葉を出し、活発に成長します。そのまま茎を切らずに伸ばし続けると、7月後半から8月にかけて花の時期を迎えます。花が咲いた後は、新しい葉を出すことよりも、次世代の子孫である種を作ることにエネルギーが集中してしまいます。花が咲くと葉は硬くなり、風味も落ちてしまうため、葉を収穫するためにバジルを育てているのであれば、適切なタイミングで摘心という剪定作業を行う必要があります。

摘心のタイミング

バジルの苗が20cmほどの高さになったら、摘心を行い、側枝の成長を促しましょう。清潔なハサミを用意し、地面から2~3節目の少し上でカットします。

切り戻し剪定のタイミング

バジルの開花時期は7月中旬から8月頃です。開花前の7月上旬を目安に、株全体の3分の1から半分程度を切り戻すと良いでしょう。これは側枝の成長促進と、蒸れやすい時期の通気性確保に繋がります。ただし、生育が旺盛でない場合は、無理に行う必要はありません。切り落とした葉は、料理に使ったり、水栽培で楽しむこともできます。

摘心・切り戻しの方法

バジルの茎の左右には、小さな脇芽が生えています。この脇芽が、新たな茎へと成長していきます。脇芽のすぐ上の部分を、摘心剪定します。指で示す部分の下にある小さな葉が成長し、次の葉と茎になります。葉が密集して蒸れそうな場合は、葉や茎を間引くように切り戻しを行い、風通しの良い株にすると、梅雨時期の蒸れ対策として効果的です。

バジルの摘心のメリット

バジルは、剪定方法によって収穫量に大きな差が出ます。摘心を行うことで、1本の茎から2本の茎へと増やすことができます。この摘心を繰り返すことで、茎は倍々に増え、結果として収穫量も増加します。摘心をせずに夏に開花させてしまうと、開花後に種がつき、新しい葉が出にくくなります。しかし、摘心を行うことで、バジルは次の花を咲かせようと(子孫を残そうと)新しい葉を盛んに出すため、収穫時期が長くなり、収穫量も増えるのです。つまり、摘心は、バジルを長く、そしてたくさん収穫するための重要なテクニックと言えます。

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バジルの収穫時期とコツ

バジルの収穫は、初夏から晩秋、霜が降りる直前まで可能です。 収穫を重ねるごとに、脇芽が伸びて収穫できる量が増えます。 花穂が大きくなりすぎる前に摘み取るのが良いでしょう。 種を採取したい場合は、花穂を残して開花させます。 5月頃に植えた苗は、草丈が20cm程度になるまで育てましょう。 早すぎる収穫は、株の形を崩す原因になります。 草丈が20cm程になったら、株元から3節ほどのところで摘心し、その後は摘心を繰り返しながら収穫します。 本格的な収穫は7月頃からが目安です。 収穫する際は、指で示す芽のすぐ上でカットしましょう。

バジルの増やし方

バジルを増やすには、挿し穂と種まきの2つの方法があります。

1:挿し穂で増やす

元気な葉を4~6枚つけた茎を、ハサミで切り取り挿し穂とします。 暑い時期は、挿し穂がしおれないよう、すぐに水に浸けましょう。 根は節から生えやすいので、節が土に埋まるように、節のすぐ下を斜めにカットします。 挿し穂の下半分の葉を取り除き、残った葉は蒸散を抑えるため、付け根を2cmほど残して切ります。 挿し床には、市販の培養土でも構いませんが、無肥料の赤玉土を使うとより確実です。 割り箸などで穴を開け、挿し穂を傷つけないように優しく挿します。 直射日光や風を避け、土が乾かないように水やりをします。 ただし、水が溜まらないように注意しましょう。 約1ヶ月後、鉢底から根が出てきたら、培養土に植え替えます。

2:種を採取して増やす

バジルの種採りに挑戦してみましょう。 花を咲かせるために、先端部の収穫を一時中断し、花穂を伸ばします。 花が咲き終わり、花穂の茎が茶色く枯れたら、種が飛び散らないように紙袋などに入れ、十分に乾燥させます。 完全に乾いた花穂を揉み、種を取り出します。 種はゴマ粒ほどの大きさなので、ふるいや息を吹きかけるなどして選り分けます。 採取した種は乾燥させ、チャック付きポリ袋などに入れて密封し、冷凍庫か冷蔵庫で保管します。 バジルの種は「バジルシード」とも呼ばれますが、植物学的には果実の中に種子があります。 種子を分離して使うことはないため、一般的には果実とは呼ばれずに種子と呼ばれています。 この果実が水分を吸収すると、果肉部分からグルコマンナンなどのゼリー状の物質が出て、白く覆われます。 ゼリー状に膨らんだものは、ドリンクやヨーグルトのトッピングとして楽しむことができ、タイではレモンバジルが使われます。

バジルの病害虫対策

バジル栽培において、病害虫の管理は非常に大切です。毎日注意深く観察し、早期に異変を見つけて対応することが重要となります。

1:バジルの病害虫対策

ハーブは一般的に、虫が嫌う香り成分を持つため比較的虫に強いとされますが、完全に被害を防げるわけではありません。ここでは、バジルによく見られる害虫として、アブラムシ、ハダニ、そしてベニフキノメイガについて解説します。

アブラムシ

アブラムシは、柔らかい新芽を好んで寄生します。特に初夏、風通しの悪い環境で発生しやすくなります。収穫対象となる先端部分の柔らかい茎に発生することが多いため、発見したら速やかに対処することが重要です。梅雨の時期には、プランターを風通しの良い場所へ移動させたり、茎を適度に間引いたりすることで予防に努めましょう。株間を広く取って植え付けることも有効な対策の一つです。テントウムシはアブラムシを食べる益虫として知られています。テントウムシがアブラムシを求めてやってくるように、アブラムシを完全に排除するのではなく、プランターの周辺に低い雑草などを生やし、そこにアブラムシを少し棲ませておくことで、テントウムシを誘引し、その数を維持するのが理想的です。

ハダニ

ハダニは乾燥した環境を好みます。梅雨明けから秋にかけて、特に室外機の風が当たる場所など、乾燥しやすい場所で発生しやすくなります。葉の裏側に寄生し、植物の汁を吸うことで葉が白っぽくかすれたように変色します。定期的に葉の裏側をチェックし、早期発見と対処を心がけましょう。水に弱い性質を持つため、葉の裏側に水をかけることが効果的な対策となります。

ベニフキノメイガの幼虫

この蛾の幼虫は、バジルの先端の葉を好んで食べます。特徴として、枝先にクモの巣のような糸を張り、葉を丸めてその中に潜んで蛹になる習性があります。バジルを注意深く観察し、フンや食害の痕跡を見つけたら、葉の裏などを探してみましょう。幼虫を見つけ次第、捕殺するか、被害のある先端部分を切り落とすのが効果的です。早期発見と対処が重要になります。

冬越しの方法

バジルは寒さに非常に弱いため、冬越しは難しいとされていますが、工夫次第で成功させることも可能です。バジルは、冷たい風にさらされると、葉が黒く変色してしまいます。これは寒さによるダメージのサインであり、放置すると枯れてしまいます。晩秋、本格的な寒さが来る前に、バジルを整理し、収穫した葉は料理に活用したり、乾燥させて保存すると良いでしょう。

バジルの保存方法

収穫したバジルは、できるだけ長く新鮮な状態を保ちたいものです。ここでは、バジルの風味を損なわずに保存するための方法を詳しく解説します。

4つの保存方法

バジルには、常温、冷蔵、冷凍、乾燥という主に4つの保存方法があります。それぞれの方法のメリット・デメリット、具体的な手順を見ていきましょう。

常温保存の場合は、バジルの茎をコップなどの容器に入れた水に浸し、毎日水を交換することで数日間鮮度を保てます。冷蔵保存の場合は、大きめの容器に湿らせたキッチンペーパーを敷き、バジルの葉が重ならないように優しく並べます。上からも湿らせたキッチンペーパーを被せて蓋をし、野菜室で保存します。新聞紙やビニール袋で包むこともできますが、バジルは熱帯原産のため、12℃以下の環境では低温障害を起こし、葉が黒ずんでしまうことがあります。そのため、冷蔵保存は数日間が限度です。冷凍保存の場合は、水洗いしたバジルの水気をしっかりと拭き取り、密閉できる容器に平らに並べて保存します。ただし、解凍すると色や香りが劣化するため、生で使う料理には向きません。加熱調理する際に冷凍のまま使用しましょう。また、細かく刻んだバジルをオリーブオイルと混ぜてペースト状にし、ジッパー付きの保存袋に入れて冷凍する方法もあります。天日干しで乾燥させてドライハーブとして保存することも可能です。香りは弱まりますが、長期間保存できます。これらの方法を考慮すると、最も良い保存方法は、バジルを生きた植物として育て、必要な時に必要な分だけ収穫して使うことと言えるでしょう。

バジルの活用方法:料理とレシピ

バジルは、その独特な香りを生かして、様々な料理に使うことができます。イタリア料理はもちろんのこと、エスニック料理や和食にも意外と合う、使い勝手の良いハーブです。ジェノベーゼソースでよく知られるバジルは、栄養も豊富なハーブの一つです。バジルの効能や栄養を効果的に摂取できる食べ方、レシピ、そして冷凍や常温での保存方法のコツをご紹介します。バジルの食べ方としては、オリーブオイルと組み合わせて使ったり、サラダに入れたりする方法が一般的ですが、実は乳製品との相性も抜群です。バジルを料理に使う際には、加熱しすぎると香りが損なわれてしまうため、火を止める直前など、仕上げに加えることで、風味を最大限に活かすことができます。

結び

バジルは、初心者でも比較的簡単に育てられるハーブです。種まきから収穫まで、愛情を込めて育てることで、食卓をより豊かに彩ることができます。この記事を参考にして、ぜひバジル栽培に挑戦してみてください。そして、育てたバジルを色々な料理に使い、その素晴らしい風味を心ゆくまで楽しんでください。

質問1:バジルに花が咲いた場合、どうすれば良いでしょうか?

そのままにして種を採取するか、料理などに積極的に利用しましょう。切り取った花はハーブティーとして楽しむことができますし、紫蘇の花穂のように見た目もかわいらしいので、料理に添えてもおしゃれです。精油などの有用な成分を多く含んでいるので、積極的に食べたい部分です。もし食べない場合は、そのまま花を咲かせて種を採取してみるのも良いでしょう。

質問2:バジルと相性の良い野菜やハーブはありますか?

バジルは、トマトのコンパニオンプランツとして広く知られていますが、残念ながらそれを裏付ける科学的な根拠や結果は得られていません。大切なのは、トマトに限らず、雑草を含めた多様な植物と混植することで、生物多様性に富んだ環境で育てることです。相性という点では、料理の相性が良いトマトはもちろん、草丈の低いイタリアンパセリ、ニンニク、タイム、カタバミなどは、料理の相性と栽培時の草丈の相性の両方が優れているため、一緒に育ててみるのがおすすめです。※コンパニオンプランツとは、一緒に栽培することで互いの成長に良い影響を与え合う植物の組み合わせを指します。しかし実際には、お互いに良い影響を与える組み合わせは少なく、多くの場合、片方がもう片方の成長のために植えられるものを指します。

質問3:バジルの上手な保存方法を知りたい!

バジルを長持ちさせるための保存方法は、主に4つあります。

まず、手軽な常温保存ですが、バジルをコップに水を張って挿し木のように立てておきます。毎日水を交換することで、数日間は新鮮さを保てます。

次に冷蔵保存ですが、大きめの容器に湿らせたキッチンペーパーを敷き、バジルが傷つかないように丁寧に並べます。上からも湿らせたキッチンペーパーを被せて蓋をし、野菜室で保管します。新聞紙やビニール袋で包むのも良いですが、バジルは熱帯生まれのため寒さに弱く、12℃以下の環境では葉が黒ずんでしまうことがあります。冷蔵保存も数日が限度でしょう。

冷凍保存の場合は、水洗いしたバジルの水分をしっかり拭き取り、密閉できる容器に平らになるように並べて保存します。ただし、解凍すると色や香りが損なわれるため、生のバジルを使う料理には向きません。冷凍のまま加熱調理に使いましょう。刻んだバジルをオリーブオイルと混ぜてペースト状にし、ジッパー付きの保存袋に入れて冷凍するのもおすすめです。

また、天日干しで乾燥させてドライハーブにする方法もあります。香りは弱まりますが、長期保存が可能です。

これらの保存方法を考慮すると、最も良いのは、バジルを鉢植えなどで育てて、必要な時に必要な分だけ収穫して使うことかもしれません。

バジル