バナナの廃棄率:食品ロス削減に向けた取り組みと家庭でできる工夫

私たちの食卓に欠かせない果物、バナナ。手軽でおいしい一方、実は廃棄率が高い食品の一つであることをご存知でしょうか?この記事では、バナナの廃棄率に着目し、その現状と原因を解説。詳しく見ていきましょう。

食品成分表における可食部と廃棄率

食品の栄養成分を正確に把握するために重要な「食品成分表」には、食品ごとに「可食部100gあたり」に含まれる栄養素の量が詳しく記載されています。ここでいう「可食部」とは、食品の中で実際に食べられる部分、つまり正味の重量を指します。この可食部を特定するために、成分表には「廃棄率」という情報が掲載されています。

食品成分表における廃棄率とは、通常の食生活において食品全体または購入時の状態から取り除かれる部分の割合をパーセントで示したものです。廃棄される部位については備考欄に記載されています。したがって、可食部は食品全体または購入形態から廃棄される部分を除いたものとして定義されます。特に野菜や果物など、すべての部分を食べられるわけではない食品の場合、廃棄率は正確な栄養価を計算する上で欠かせない要素となります。

廃棄率の具体的な使用例:バナナのカロリー計算

バナナのカロリーを例に挙げてみましょう。食品成分表には、生のバナナ(可食部100gあたり)のエネルギーは86kcalと記載されています。ただし、これは皮を除いた部分の数値であり、皮の廃棄率は40%とされています。ここで、バナナ1本の重さを150gと仮定します。

通常、バナナは皮を剥いて食べるため、実際に摂取するのは可食部のみです。1本のバナナに含まれる可食部の重さを計算すると、150gから廃棄率40%を差し引いた90gとなります。したがって、バナナ1本から摂取できるエネルギーは、86kcal × 90g / 100g = 77.4kcalと算出できます。このように、廃棄率を考慮することで、食品の栄養価をより正確に知ることができます。

廃棄率から見る食品の特徴と活用

食品の廃棄率は、可食部が少ないと感じられるものほど高く、全てを食べられるような食品ほど低い傾向にあります。例えば、ブロッコリーは茎の部分が多く廃棄されるため廃棄率は50%、パイナップルは皮や芯を除くと45%、手羽先は骨が多いため40%、茹でたズワイガニは殻や内臓で55%、焼きサザエは貝殻が大部分を占めるため75%もの廃棄率となります。一般的に、皮や種、骨など可食部以外の部分が多い食品ほど廃棄率は高くなる傾向があります。反対に、加工食品や魚や肉の切り身などは廃棄率が低くなります。

食品の廃棄率を把握することは、食材を無駄にしたり、調理で失敗したりするのを防ぐ上で重要です。実際に食べられる量から必要な食材の量を予測できるため、計画的な調理に役立ちます。廃棄率が低い食品は、食材を余すことなく使える、つまり「無駄の少ない食品」と言えるでしょう。

まとめ

廃棄率を理解することで、食品の正確な栄養価を計算できるだけでなく、調理や摂取計画をより効率的に立てることが可能です。バナナはそのまま手軽に食べられる果物でありながら、こうした計算を通じてさらに賢く活用することができます。

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