バナナは、手軽でおいしいだけでなく、ビタミンやミネラルが豊富な優秀な果物です。特にビタミンB群やビタミンCは、私たちの健康維持に不可欠な栄養素。この記事では、バナナに含まれるビタミンの効果や、より効果的な摂取方法について詳しく解説します。毎日の食生活にバナナを取り入れて、健康的な生活を送りましょう!
バナナの栄養
バナナは、私たちの食卓に深く根ざし、国民的な果物としての地位を確立しています。その人気の秘密は、豊富な栄養素にあります。ビタミン、ミネラル、食物繊維をバランス良く含み、美容、健康、ダイエットをサポートする効果が期待できます。特に、多様な糖質が含まれているため、血糖値の急激な上昇を抑え、脂肪の蓄積を防ぐことで、ダイエットにも貢献すると言われています。
エネルギー(93kcal)
バナナはその甘さからカロリーが高いイメージがあるかもしれませんが、意外にもヘルシーな果物です。バナナ1本(約100g)あたり約93kcalで、これはお茶碗半分の白米や、何も塗らない状態の食パン半分とほぼ同じです。しかも、日々の食生活で不足しがちな栄養素が豊富に含まれているため、健康的な毎日をサポートしてくれるでしょう。
カリウム(360mg)
バナナは、豊富なカリウムを含むことで知られています。カリウムは体内の余分なナトリウムを排出するのを助け、血圧の安定やむくみ軽減に貢献すると言われています。また、運動時の筋肉の痙攣予防など、健康維持に役立つ様々な効果が期待できる果物です。
食物繊維(1.1グラム)
食事から摂取する食物繊維は、水溶性と不溶性の2種類に大別されます。これらは、栄養素の吸収速度を緩やかにする作用や、体内の不要物を排出する作用を持つため、便秘の改善に役立つと考えられています。
水溶性食物繊維は、以下の様な働きをします。
・腸内で水分を保持し、スムーズな排便を促します。
・コレステロールの吸収を抑える効果が期待できます。
一方、不溶性食物繊維には、以下の様な働きがあります。
・よく噛んで食べることを促し、満腹感を得やすくします。
・腸内の物質を吸着し、体外への排出を助けます。
糖質(21.1g )
バナナは、ブドウ糖、果糖、ショ糖といった多様な糖質を含有しています。これらの糖質は、それぞれ体内でエネルギーに変換される速度が異なるため、即効性と持続性の両方を兼ね備えたエネルギー源として優れています。さらに、バナナに含まれる食物繊維は糖質の消化吸収を穏やかにし、満腹感を持続させるとともに、血糖値の急上昇を抑制する効果があります。脳の主要なエネルギー源であるブドウ糖に加え、糖の代謝を助けるビタミンやミネラルも豊富に含んでいるため、集中力向上にも貢献すると考えられます。
日本食品標準成分表2020年版(八訂)に基づく利用可能炭水化物値を参照
ビタミン
バナナには、エネルギー代謝を助けるビタミンB1が0.05mg含まれています。この水溶性ビタミンは、中枢神経と末梢神経の正常な機能を維持する上で重要な役割を果たします。生のまま食べられるバナナなら、調理による栄養素の損失を心配する必要がありません。糖質代謝のサポート、神経機能の維持、むくみ対策、疲労回復といった効果が期待できます。
また、脂質代謝に関わるビタミンB2も0.04mg含まれています。発育ビタミンとも呼ばれ、体の成長や皮膚、髪、爪の健康に深く関与します。光やアルカリに弱い性質を持ちますが、熱には比較的強いのが特徴です。脂質代謝の促進、過酸化脂質の分解、口内炎予防、皮膚や髪の健康維持に役立ちます。
さらに、エネルギー産生や脂質代謝に関わるナイアシン(ビタミンB3)も0.7mg含まれています。ナイアシンは、皮膚や粘膜の健康維持もサポートします。
たんぱく質代謝を助けるビタミンB6は0.38mg。皮膚や歯の健康維持、神経機能の正常化に寄与します。神経伝達物質の合成を助け、成長促進や貧血予防にも効果が期待できます。
造血ビタミンとして知られる葉酸も26μg含まれています。水溶性で熱に弱い性質を持つ葉酸ですが、生のまま食べられるバナナなら、栄養素を損なうことなく摂取できます。
ポリフェノール類
ポリフェノールは、赤ワインや緑茶でおなじみですが、実はバナナにも含まれています。特に、熟してシュガースポットが現れたバナナはポリフェノールが豊富でおすすめです。ポリフェノールは強力な抗酸化作用を持ち、体内の活性酸素を除去する働きがあるため、生活習慣病の予防にも役立つと考えられています。
アミノ酸
脳内で情報を伝達する役割を担うセロトニンは、必須アミノ酸の一種であるトリプトファンを材料にして生成されます。特にバナナにはトリプトファンが比較的多く含まれており、精神安定や睡眠の質の向上に貢献すると言われています。

葉酸
バナナは、100gあたり26μgの葉酸を含有しています。
葉酸は、DNAやRNAの合成をはじめ、アミノ酸の代謝やタンパク質の合成といった、細胞の成長に不可欠なプロセスに関与しています。
特に、胎児の健全な発育に重要な役割を果たすため、女性は妊娠前から出産後にかけて積極的に摂取することが勧められています。
また、中高年層においては、葉酸、ビタミンB6、ビタミンB12が不足すると、血中のホモシステイン濃度が上昇し、動脈硬化を招き、心疾患や脳卒中のリスクを高める可能性があるとされています。
厚生労働省の定める1日あたりの葉酸推奨摂取量は、18歳以上の男女ともに240µgです。
ビタミンC
バナナは、100グラムあたり約16mgのビタミンCを含んでいます。
ビタミンCは、人が体内で生成できない水溶性のビタミンです。
そのため、食事から積極的に摂取する必要があります。特に、野菜や果物はビタミンCの重要な供給源です。
ビタミンCは、コラーゲンの生成に不可欠な栄養素であり、皮膚、腱、軟骨などの健康維持に役立ちます。
また、抗酸化作用により、動脈硬化などの心血管疾患のリスクを軽減する効果も期待されています。
ビタミンCが不足すると、血管が弱くなり出血しやすくなる壊血病を発症する可能性があります。
壊血病の症状としては、易 раздражительность(いらいら)、顔面蒼白、貧血などが挙げられます。
成人の1日に必要なビタミンCの推奨摂取量は、男女ともに100mgとされています13。
バナナに加えて、様々な野菜や果物をバランス良く食べることで、十分なビタミンCを摂取することを心がけましょう。
マグネシウム
バナナは、100gあたり約32mgのマグネシウムを含有しています。
マグネシウムは、骨の形成を助けるだけでなく、筋肉の働きや血糖値・血圧の調整、さらにはタンパク質やDNAの合成にも関わる、不可欠なミネラルです。
体内のマグネシウムの半分以上は、骨に蓄えられています。
マグネシウムが不足すると、骨粗しょう症のリスクが高まるほか、精神的な不調、心臓病、筋肉の異常な収縮などが起こる可能性があります。
成人の1日に必要なマグネシウム摂取量は、男性で320~370mg、女性で260~290mgが推奨されています。
日々の食生活にバナナを取り入れることで、健康維持に重要なマグネシウムを手軽に補給できるのは大きなメリットです。
銅
バナナは、100gあたりおよそ0.09mgの銅を含有しています。
銅は、身体に必要な微量ミネラルであり、主に骨、骨格筋、血液中に存在し、エネルギー生成、鉄代謝、神経伝達物質の合成など、様々な生理機能に関与しています。
通常の食生活を送っていれば銅が極端に不足する心配は少ないですが、欠乏すると貧血、骨の異常、皮膚や髪の変色、免疫機能の低下などを引き起こす可能性があります。
成人の1日に必要な銅の摂取推奨量は、男性で0.8~0.9mg、女性で0.7mgとされています。
さらに、バナナに含まれるビタミンCと果糖は、銅の吸収を促進すると考えられています。
このように、バナナはビタミンとミネラルをバランス良く含んでおり、健康的な生活をサポートする果物と言えるでしょう。
パントテン酸
バナナは、100gあたり0.44mgのパントテン酸を含有しています。
パントテン酸はビタミンB群の一種であり、糖質や脂質の代謝を助ける補酵素として重要な役割を果たします。
パントテン酸が不足すると、成長阻害、副腎機能の低下、手足の痺れ、頭痛、倦怠感、不眠、食欲不振などの症状が現れる可能性があります。
ただし、パントテン酸は多くの食品に広く含まれているため、通常の食生活を送っていれば欠乏症になる心配はほとんどありません。
成人の1日に必要なパントテン酸の摂取推奨量は、男性で5~6mg、女性で5mgとされています。
このように、バナナは代謝をサポートするビタミンB群が豊富な果物であると言えるでしょう。
まとめ
成長期のお子様に最適なバナナは、日々の食事で不足しがちなビタミンやミネラルをバランス良く含んでいます。手軽に皮をむいて食べられるため、お子様だけでなく忙しいお母様にもぴったりです。おやつとしてそのまま食べるのはもちろん、焼き菓子などのデザートにも簡単に使えるので、美味しく手軽に栄養を補給できます。