柑橘界に現れた新星「あすみ」。その名には「明日の柑橘を担うように」という生産者の熱い想いが込められています。知る人ぞ知る希少な品種ですが、一度味わえば忘れられない、奥深い魅力が詰まっているのです。この記事では、あすみのルーツから、気になる味わいや旬の時期まで、その魅力を解説します。さあ、あすみワールドへの扉を開きましょう!
あすみとは? 次世代を担う柑橘の魅力
「あすみ」は、国立研究開発法人 農業・食品産業技術研究機構(農研機構)において誕生した、期待の新品種柑橘です。カンキツ興津46号と人気品種「はるみ」を交配して開発され、その優れた特性から2014年に品種登録されました。「はるみ」の血統を受け継ぎ、未来の柑橘業界を牽引する存在となるように願いが込められています。姉妹品種として「あすき」も存在します。
あすみの特徴
成熟期は2月上旬で、果汁の糖度は15.7%と極めて高く、クエン酸含量は1.0%程度となり、オレンジ様の芳香があるため、食味がたいへん良好です。果肉は適度な硬さがあり、弾けるような食感が楽しめます。果皮は鮮やかな橙色で表面は滑らか。見た目は温州みかんに近い扁球形です。また、健康成分として注目されるβ-クリプトキサンチンが豊富に含まれており、栄養面でも優れた特性を持つ柑橘と言えるでしょう。
あすみの見た目、味わい、栽培のポイント
あすみの果実の重さは約150g。果皮は薄めで、やや剥きにくいと感じるかもしれませんが、手で剥くことも可能です。内側の薄皮も薄いため、そのまま美味しく食べられます。種は少ないものの、全く無いわけではありません。クエン酸含有量は1.0%程度と酸味が控えめで、オレンジのような爽やかな香りと濃厚な甘さが際立ち、非常に食べやすいのが特徴です。病害虫に関しては、そうか病には比較的強いものの、かいよう病には弱いため、露地栽培よりもハウス栽培などの管理された環境での栽培が推奨されます。また、豊作の年と不作の年が交互に現れる隔年結果性が見られる場合があります。
あすみの旬な時期
あすみが最も美味しくなる旬の時期は、1月下旬から2月上旬にかけてです。この時期には、あすみ特有の濃厚な甘さと、弾けるような食感を最大限に堪能できます。露地栽培の場合、完熟しても果皮の一部に緑色が残ることもあります。
あすみのおすすめの食べ方
あすみは、外皮が薄いためやや剥きにくいという特徴がありますが、果肉が締まっているため、手で皮を剥いてそのまま食べるのが一番おすすめです。また、オレンジのようにカットして食べるのも良いでしょう。内側の薄皮も非常に薄いため、剥かずにそのまま美味しく食べられます。
あすみの選び方と保管方法
美味しいあすみを選ぶには、果皮の色が鮮やかで濃く、光沢があり、手に持った時にずっしりとした重みを感じるものを選びましょう。保管方法としては、風通しの良い涼しい場所で保存するのが理想的です。冷蔵庫で保存する場合は、乾燥を防ぐためにビニール袋などに入れて保管してください。
あすみに含まれるβ-クリプトキサンチン
あすみに含まれるβ-クリプトキサンチンは、緑黄色野菜や果物に含まれるカロテノイドの一種です。体内でビタミンAに変換されるほか、それ自体が健康をサポートする成分として研究が進められています。
他の柑橘類との比較
あすみの大きな特徴である強い甘みは、他の柑橘類と比べても際立っています。一般的なみかんの糖度が10%程度であるのに対し、あすみは15%~17%と非常に高い数値を記録しています。さらに、オレンジを思わせる爽やかな香りと、独特のプチプチとした食感も、他の柑橘にはない魅力的なポイントです。
まとめ
珍しい柑橘「あすみ」に関して、その個性、最盛期、背景、そして最高の味わい方をご紹介しました。まだその収穫量は限られているため、目にする機会は少ないかもしれませんが、その風味は特別なものです。ぜひ一度お試しください。あすみが、あなたの食生活に新しい喜びをもたらすことを願っています。
あすみはどこで手に入りますか?
あすみはまだ生産量が限られているため、通常のスーパーマーケットではあまり見かけません。主要なみかんの産地にある農産物直売所や、オンラインストアなどで手に入る可能性があります。「あすみ オンライン購入」といったキーワードで検索してみることを推奨します。
あすみには種はありますか?
あすみに全く種がないわけではありませんが、含まれていても1個か2個程度とごくわずかです。そのため、種を気にすることなく手軽に食べられる柑橘と言えるでしょう。
あすみの保存方法は?
あすみは、風通しの良い涼しい暗い場所で保管するのが理想的です。冷蔵庫に入れる場合は、乾燥を防ぐためにビニール袋などに入れて保存してください。できるだけ早くお召し上がりいただくことをおすすめします。