スーパーで一年中見かけるアスパラガスにも、特に美味しい旬の時期があります。ここでは、新鮮なアスパラガスを味わえる旬の季節、主要な産地、簡単でおいしいレシピ、選び方、そして保存方法について詳しくご紹介します。中でも、収穫量日本一を誇る北海道産のアスパラガスは、その豊かな甘みとやわらかさで知られ、春の食卓を彩る特別な存在です。旬の時期ならではの、やわらかく甘いアスパラガスをぜひお楽しみください。
アスパラガスの旬と種類:一番美味しい時期と見分け方
アスパラガスの旬は、品種や産地によって異なりますが、一般的には4月から8月頃です。アスパラガスは春と秋の年に2回収穫できる二季採りの野菜であり、産地や栽培方法によって収穫時期が変動します。最も美味しい旬は、最初に出回る春ですが、その後も秋にかけて長期間出荷されます。栽培方法には、ビニールハウスなどの施設を使わない露地栽培と、施設を利用するハウス栽培の2種類があります。ハウス栽培は、気温と地温が高いため成長が早く、露地栽培よりも旬を早く迎えます。店頭に並ぶ時期が早くても、露地栽培であれば旬のアスパラガスである可能性があります。
月ごとのアスパラガス主な産地と市場動向
アスパラガスは、産地によって収穫時期、つまり旬の時期に違いが見られます。ここでは、東京都中央卸売市場の入荷実績を基に、月ごとの主な産地を見ていきましょう。ただし、これは東京の卸売市場での統計であるため、東京から離れた地域では実際の出荷量と異なる場合があります。秋から冬にかけて出回るアスパラガスは輸入品が多く、特にメキシコ産が大きな割合を占めています。国産アスパラガスが旬を迎える3月は、長崎県や佐賀県など九州産が中心です。4月には、東京都中央卸売市場への入荷量が栃木県産で最も多くなり、福島県など東北南部からの入荷も始まります。5月になると、秋田県や山形県といった東北地方各地でもアスパラガスの旬を迎えます。6月には北海道産のアスパラガスの入荷が増え、冷涼な地域での収穫が盛んになります。この時期は、全国トップの収穫量を誇る北海道産アスパラガスが出回る時期でもあります。全体の割合では佐賀県産が最も多く、日本全国でアスパラガスが収穫されます。7月は全国からのアスパラガスの入荷がピークを迎える月です。8月には栃木県産が全体の約30%を占めます。9月以降は国産アスパラガスの入荷量が減少し、輸入品に切り替わり始めるため、8月までに購入することで新鮮な国産アスパラガスを堪能できます。
北海道アスパラガスの旬と栽培方法:ハウス物と露地物の違い
北海道産アスパラガスの旬は、4月下旬から6月中旬にかけての春です。グリーンアスパラガスは、栽培方法によって収穫時期が異なり、冬に蓄えた養分を使って芽を伸ばすため、出始めのものが最も甘く美味しいと言われています。ハウスで栽培される「ハウス物」は4月下旬頃から5月頃が旬で、露地栽培の「露地物」よりも早く店頭に並びます。一方、ハウスを使わない露地栽培の「露地物」は5月中旬頃から6月頃が旬となり、特に5月のアスパラガスはおすすめです。つまり、ハウス物なら4月、露地物なら5月のアスパラガスが最も甘みが強く、ぜひ味わっていただきたい逸品です。北海道産アスパラガスは収穫期間が春から初夏と短いものの、収穫量は全国1位を誇り、近年では秋冬にも収穫できる栽培方法の研究も進められています。
グリーンアスパラ、ホワイトアスパラ、紫アスパラの種類と特徴
店頭でよく目にするグリーンアスパラガスと、純白のホワイトアスパラガス。どちらも旬は春から秋にかけてです。実は、グリーンアスパラとホワイトアスパラは、栽培方法が異なるだけで、もともとは同じ品種なのです。太陽光を浴びて育つものがグリーンアスパラガス、光を遮断して栽培されたものがホワイトアスパラガスとなり、葉緑素の有無が色の違いを生み出します。
ホワイトアスパラガスは、生産量が限られています。主な産地である佐賀県では2月~3月頃、北海道では5月~6月頃に出荷のピークを迎えるため、産地によって旬の時期が異なります。特に、北海道産のホワイトアスパラガスは4月下旬から6月中旬頃が旬で、中でも4月下旬から5月中旬頃に出回るものは、淡いピンク色を帯びており、風味も濃厚なのが特徴です。ホワイトアスパラガスは、グリーンアスパラガスよりも柔らかく、甘みが強い傾向があります。生で販売されることは少なく、一般的には缶詰として流通しています。
紫アスパラガス(パープルアスパラガス)は、グリーンアスパラガスやホワイトアスパラガスとは異なる品種です。紫色のアントシアニン色素を豊富に含んでいるため、独特の色合いをしています。紫アスパラガスの旬は4月~8月頃で、グリーンアスパラガスやホワイトアスパラガスとほぼ同じ時期です。紫アスパラガスは、グリーンアスパラガスよりも甘みが強く、香りも際立っています。加熱すると色が緑色に変化してしまうため、色を保ちたい場合は、電子レンジで短時間加熱したり、酢やレモン汁などを加えて手早く茹でるなどの工夫が必要です。
旬のアスパラを美味しく食べる:下ごしらえと定番レシピ
旬の春アスパラガスは、格別な柔らかさと甘みが魅力です。ここでは、旬のアスパラガスの持ち味を最大限に活かしたレシピをご紹介します。春のアスパラガスは基本的に柔らかいですが、根元部分は硬く、筋張っていることがあります。下ごしらえを丁寧に行うことで食感が向上し、火の通りも均一になるため、どんな調理法でもより美味しくいただけます。
アスパラガスの茎についているハカマ(茶褐色の三角形の部分)は、そのまま食べても問題ありません。しかし、硬すぎる場合や、正三角形ではなく二等辺三角形になっていて苦味や風味が気になる場合は、取り除いておきましょう。
簡単レシピ① アスパラのチーズ焼き
手軽に作れて、副菜としてもおつまみとしても活躍する「アスパラのチーズ焼き」のレシピをご紹介します。
材料(2人前):アスパラガス4本、とろけるチーズ2枚、マヨネーズ大さじ1、塩少々
作り方:
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アスパラガスを下ごしらえします。
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アスパラガスを3~4cmの長さに切ります。
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アルミホイルにアスパラガスを並べ、マヨネーズをかけ、塩を振ります。
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チーズを乗せ、トースターで焼き色がつくまで加熱したら完成です。
トースターによって加熱時間が異なるため、焼き加減を見ながら調整してください。
簡単レシピ② アスパラのベーコン巻き
アスパラガス料理の定番といえばコレ!「アスパラガスのベーコン巻き」のレシピです。
材料(2人前):アスパラガス4本、薄切りベーコン4枚、サラダ油大さじ1
作り方:
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アスパラガスを下ごしらえし、4等分に切ります。
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ベーコンを半分に切り、アスパラガスに巻き付けます。
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フライパンにサラダ油を熱し、ベーコンで巻いたアスパラガスを焼きます。
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ベーコンに焼き色がつき、アスパラガスがしんなりしたら完成です。
そのままでも美味しくいただけますが、手順4で醤油を小さじ1ほど加えると、風味がさらに豊かになります。
新鮮なアスパラガスの選び方と保存方法

美味しいアスパラガスを選ぶには、いくつかのポイントがあります。品種によって異なりますが、一般的に太いアスパラガスの方が柔らかく、より美味しくいただけます。鮮度が高いアスパラガスは、色が鮮やかで濃く、表面に美しい光沢とハリがあります。穂先は時間が経つにつれて開きやすいため、しっかりと締まったものを選びましょう。茎が太く、丸みを帯びていてふっくらとしているかも重要なチェックポイントです。さらに、根元の切り口がみずみずしいもの、ハカマと呼ばれる三角形の部分が正三角形に近いものを選ぶと、より新鮮で美味しいアスパラガスを見分けることができます。切り口が変色していたり、乾燥していないかも確認しましょう。
アスパラガスの冷蔵・冷凍保存と美味しく解凍するコツ
アスパラガスは鮮度が落ちやすい野菜ですので、適切な方法で保存することで、美味しさを長く保つことができます。冷蔵保存する際は、乾燥を防ぐために新聞紙で包むか、保存袋に入れて、適度な湿度を保ち、野菜室よりも温度の低い冷蔵室で保存するのがおすすめです。アスパラガスは、上に伸びようとする性質があるため、横にして保存するとエネルギーを消費してしまい、風味が損なわれる可能性があります。冷蔵庫では立てて保存することで、美味しさをより長く保てます。アスパラガスは比較的鮮度が落ちやすい野菜なので、長期保存は避け、できるだけ早く調理して食べるのが理想的です。すぐに食べきれない場合は、下処理後、軽く茹でてから冷凍保存すると、より美味しさを保つことができます。冷凍したアスパラガスは、解凍せずにそのまま炒め物や煮物、揚げ物などに利用できます。解凍する場合は、600Wの電子レンジで1本あたり20秒から30秒ほど加熱してください。
まとめ
アスパラガスは一年を通して楽しむことができますが、旬は品種や産地によって異なり、主に4月から8月頃です。特に春に収穫されるアスパラガスは、柔らかく甘みが強いのが特徴です。全国トップの収穫量を誇る北海道産のアスパラガスは、4月下旬から6月中旬が旬で、ハウス栽培のものは4月下旬から5月頃、露地栽培のものは5月中旬から6月頃に最盛期を迎えます。ホワイトアスパラガスも同時期に旬を迎え、北海道産のものは、出始めの頃はピンクがかっており、濃厚な味わいが特徴です。新鮮なアスパラガスを選ぶ際は、色が濃く、ツヤとハリがあり、穂先が締まっていて、根元の切り口がみずみずしいものを選ぶのがポイントです。傷みやすい野菜なので、立てて冷蔵保存するか、早めに茹でて冷凍保存し、旬の甘みと風味を存分に味わいましょう。
アスパラガスの旬はいつ?
アスパラガスの旬は、品種や産地によって異なりますが、一般的には4月から8月頃です。特に春に出回るアスパラガスは、柔らかく甘みが強いとされています。
北海道産アスパラガスの旬と魅力
北海道はアスパラガスの生産量が日本一で、その旬は春、具体的には4月下旬から6月中旬にかけてです。栽培方法によって時期が異なり、ハウス栽培されたものは4月下旬から5月頃、露地栽培のものは5月中旬から6月頃に最盛期を迎えます。越冬中に蓄えられた栄養をたっぷり含んでいるため、シーズン初期のアスパラガスは特に甘みが際立ち、美味とされています。また、北海道産のホワイトアスパラガスも同時期に旬を迎え、特に収穫初期のものは淡いピンク色を帯び、風味も一段と豊かで濃厚です。
グリーンアスパラガスとホワイトアスパラガスの違い
グリーンアスパラガスとホワイトアスパラガスは、実は同じ品種ですが、栽培方法が異なります。グリーンアスパラガスは太陽光を浴びて育つため、光合成によって葉緑素が生成され、緑色になります。一方、ホワイトアスパラガスは日光を遮断して栽培されるため、葉緑素が作られず、白いまま成長します。一般的に、ホワイトアスパラガスの方がより柔らかく、糖度が高い傾向があります。













