さんさりんご:盛岡さんさ踊りから生まれた、甘酸っぱい宝石
盛岡さんさ踊りの情熱から生まれた、鮮やかな赤色の宝石「さんさりんご」。ニュージーランドで誕生し、盛岡の祭りから名付けられたこのりんごは、甘酸っぱい味わいが魅力です。一口食べれば、ジューシーな果肉が口いっぱいに広がり、爽やかな香りが鼻をくすぐります。早生品種ならではのシャキシャキとした食感も楽しめ、秋の訪れを感じさせてくれるでしょう。

さんさりんごとは?品種の特徴・歴史とルーツ

さんさりんごは、1969年にニュージーランド国立科学産業研究所で「ガラ」と「あかね」を掛け合わせて誕生した、早生りんごの一種です。1988年に品種登録され、その名前は岩手県盛岡市で開催される東北五大祭りの一つ、「盛岡さんさ踊り」にちなんで名付けられました。目を引く鮮やかな赤色の果皮と、甘さと酸味の絶妙なバランス、そしてみずみずしい果肉が魅力です。

さんさりんごの旬の時期と主な産地

さんさりんごが最も美味しい時期は、8月下旬から9月下旬にかけて。りんごの中では比較的早い時期に市場に出回ります。主な産地は岩手県で、栽培面積の過半数を占めています。その他、青森県、北海道、福島県などでも栽培されています。

さんさりんごの魅力:味、外観、食感

さんさりんごは、1個あたり200~250g程度とやや小ぶりで、果皮は鮮やかな赤色に染まります。果肉は白色で、シャキシャキとした心地よい食感が特徴です。糖度は13度前後としっかりとした甘さを持ちながらも、爽やかな酸味があり、果汁も豊富で、口いっぱいに広がるジューシーな味わいが楽しめます。円錐形に近いシルエットも特徴の一つです。

さんさりんごの選び方:美味しいりんごを見極めるコツ

美味しいさんさりんごを選ぶためには、以下の点に注意して選んでみましょう。
  • 重さ:同じくらいの大きさであれば、手に取った時にずっしりと重みを感じるものを選びましょう。果汁がたっぷり含まれている証拠です。
  • 軸:軸が太く、しっかりと果実に付いているものを選びましょう。軸は、果実へと水分や栄養を届ける大切な役割を担っています。
  • お尻の色:お尻の部分が黄色やオレンジ色になっているものは、十分に熟しているサインです。緑色のものは、まだ熟度が足りない可能性があります。
  • 着色:全体の色ムラが少なく、均一に鮮やかな赤色に着色しているものを選びましょう。太陽の光をまんべんなく浴びて育った証拠です。
  • 軸の状態:軸が乾燥していないものを選びましょう。収穫から時間が経過すると、軸から水分が失われ、鮮度が落ちてしまいます。

さんさりんごの栄養成分と健康への効果

さんさりんごには、健康維持に役立つ様々な栄養成分が豊富に含まれており、様々な効果が期待できます。
  • カリウム:高血圧を抑制する働きがあります。
  • ペクチン:血圧を下げる効果や、腸内環境を整える作用があります。
  • 食物繊維:便秘の改善、動脈硬化の予防、食後の血糖値急上昇を抑える効果が期待できます。
  • ビタミンC:鉄分の吸収を促進し、貧血予防に役立ちます。
  • ポリフェノール:アレルギー症状の緩和、動脈硬化の予防、虫歯予防、そして美白効果も期待されています。
特にポリフェノールは、果皮やその付近に多く含まれているため、皮ごと食べることをおすすめします。

さんさりんごの美味しい食べ方

さんさりんごを最も美味しく味わうには、生のまま食べるのが一番です。独特のシャキシャキ感と、甘味と酸味のバランスがとれたジューシーな風味を堪能できます。皮ごと食べることで、より多くの栄養を摂取することができます。
その他にも、以下のような食べ方で楽しむこともできます。
  • ジュース:すっきりとしたジュースは、朝の食卓に最適です。
  • スムージー:他のフルーツや野菜とブレンドすれば、栄養満点のスムージーとして楽しめます。
  • サラダ:サラダに加えることで、見た目の彩りと食感のアクセントになります。
  • ジャム・コンポート:大量消費したい時や、長期保存したい場合に適しています。

さんさりんごの切り方:変色を防ぐテクニック

さんさりんごはカット後、時間が経過すると表面が茶色く変色することがあります。これは褐変という現象で、りんごに含まれるポリフェノールが酸化反応を起こすために生じます。この褐変を抑えるためには、以下の方法が効果的です。
  • 薄い食塩水に浸す:水200mlに対して塩を少量(小さじ1/4程度)溶かした食塩水に、2~3分間浸します。
  • 砂糖水に浸す:水200mlに対して砂糖大さじ1程度の割合で砂糖水を作り、10分程度浸します。
  • レモン果汁を塗る:カット面にレモン果汁を少量塗布します。
  • 炭酸水に浸す:5分程度、炭酸水に浸します。

さんさりんごの保存方法:鮮度を維持するポイント

さんさりんごをより長く美味しく保つためには、適切な保存方法が不可欠です。
  • 冷蔵保存:新聞紙またはキッチンペーパーで包み、さらにポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存します。ポリ袋の口は軽く閉じ、りんごから放出されるエチレンガスが他の食品に影響を与えないように配慮しましょう。
  • 常温保存:直射日光を避け、風通しの良い冷暗所で保存します。ただし、気温が高い時期は冷蔵保存が推奨されます。

さんさりんご、最高の味わい時期と追熟方法

さんさりんごが最も美味しくなるのは、お尻の部分の色が黄みがかったり、赤みが増してきた頃合いです。もし、まだ緑色のりんごを手に入れた場合は、追熟を行うことで甘さを引き出すことができます。追熟の方法としては、りんごをポリ袋に入れ、袋の口を軽く閉じて、冷蔵庫の野菜室のような冷暗所で保管します。りんごから自然に放出されるエチレンガスが、熟成を促す役割を果たします。

さんさりんごの一般的な価格

さんさりんごは、生産地から直接購入できるオンラインショップなどで手に入れることが可能です。価格帯はおおよそ、5kgあたり3000円程度とお求めやすくなっています。一般のスーパーマーケットなどでは、旬の時期に限定的に販売されることがあります。

まとめ

爽やかな風味と心地よい歯ごたえが特徴のさんさりんご。旬の時期は短いものの、店頭で見かけたらぜひ手に取って、その美味しさを味わってみてください。選び方や保存方法を参考に、より一層美味しく、そして長くさんさりんごをお楽しみください。

質問:さんさりんごの名前の由来は?

回答:さんさりんごという名前は、岩手県盛岡市で開催される有名な「盛岡さんさ踊り」から名付けられました。このお祭りは、東北地方を代表する五大祭りの一つとして知られています。

質問:さんさりんごの旬な時期はいつですか?

回答:さんさりんごは比較的早い時期に収穫される品種で、おおよそ8月下旬から9月下旬にかけてが美味しい時期となります。

質問:さんさりんごを美味しく保存する方法はありますか?

回答:さんさりんごをより長く楽しむためには、冷蔵庫の野菜室での保存が効果的です。リンゴを新聞紙などで丁寧に包み、その上からポリ袋に入れて保存することで、鮮度を維持しやすくなります。
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