「もりのかがやき」りんご:特徴と魅力に迫る
太陽を浴びて輝く黄金色の果実「もりのかがやき」。その名の通り、りんご園でひときわ存在感を放つこの品種は、「つがる」と「ガラ」を親に持つ、まさにリンゴ界のサラブレッドです。国立研究開発法人で約30年の歳月をかけて開発され、2011年に品種登録された、比較的新しい品種でもあります。「ふじ」よりも早く収穫できる中生品種でありながら、その美しい見た目と食味の良さから、近年注目を集めています。今回は、そんな「もりのかがやき」の魅力に迫ります。

もりのかがやきとは?

「もりのかがやき」は、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構の果樹研究所リンゴ研究拠点、かつての果樹試験場盛岡支場で生まれたリンゴの品種です。「つがる」と「ガラ」を親に持ち、1981年に交配され、およそ30年の年月をかけて2011年に品種登録されました。名前の由来は、リンゴ園で太陽の光を浴びて輝く、その黄色の果実のイメージから来ています。「ふじ」よりも3週間ほど早く収穫でき、食味と見た目の美しさを兼ね備えた、たくさん実る中生品種として期待されています。

もりのかがやきの来歴と品種登録

「もりのかがやき」は、1981年に「つがる」と「ガラ」を掛け合わせた種から選抜、育成されました。1982年に種がまかれ、1988年に初めて実を結び、1993年に一次選抜、2002年からは「リンゴ盛岡63号」という系統名で試験栽培が行われました。2009年に種苗法に基づく登録が出願され、2010年には「りんご農林18号」として農林認定品種となり、2011年に品種登録されました。育成には実に約30年という長い年月が費やされています。

もりのかがやきの特徴:外観、食味、貯蔵性

「もりのかがやき」は、平均的な重さが370g程度となる大きめのリンゴで、形は丸みを帯びた円筒形をしています。果皮は全体的に黄色く、日光に当たってもあまり赤く染まらず、果点があまり目立たないのが特徴です。表面は滑らかでサビが出にくく、見た目が非常に美しいリンゴです。果肉は黄白色でやや粗いものの、シャキシャキとした食感が心地よく、果汁が豊富で糖度は平均して15%程度となります。酸味が少なく、豊かな香りがあり、安定して美味しい味わいです。貯蔵期間は、20℃の室温で10日から14日、冷蔵保存で60日から80日程度とされています。「ふじ」よりも長く保存できますが、「ジョナゴールド」よりは短いとされています。

もりのかがやきの詳細な特徴:農林水産省品種登録データベースより

農林水産省の品種登録データベースによると、「もりのかがやき」は次のような特徴を持っています。果実の大きさはかなり大きく、果実の形は円筒形、果皮の地色は黄色、果皮を覆う色の面積はほとんどないか、ごくわずか、果実の甘味は強く、果実の酸味は弱く、果実の蜜の入り具合は、ほとんどないか、ごくわずかです。対照品種である「ふじ」と比較すると、果皮を覆う色の面積がほとんどないか、ごくわずかであること、果実の蜜の入り具合がほとんどないか、ごくわずかであること、収穫時期が中間であることなどが違いとして認められます。また、「ジョナゴールド」と比較すると、果実の大きさがかなり大きいこと、果実の形が円筒形であることなどが違いとして認められます。

もりのかがやきの食味レビュー:実際に味わってみた感想

実際に「もりのかがやき」を口にしてみると、その特徴的なシャキッとした歯ごたえと、溢れんばかりの果汁に驚かされます。芳醇なリンゴの香りが鼻腔をくすぐり、濃厚な甘みが舌を包み込みます。酸味が控えめなため、甘さ際立つ味わいを存分に堪能できます。果肉の質感はやや粗めですが、それがかえって独自の食感のアクセントになっています。カット後の変色も少ないため、見た目の美しさも長く楽しめます。

もりのかがやきの産地と栽培状況

「もりのかがやき」は、主に北海道から東北、そして北信越地方にかけてのリンゴ産地で栽培されています。農林水産省による特産果樹生産動態等調査によれば、2016年までは青森県のみで栽培が確認されていましたが、2017年には秋田県でも1ヘクタールの栽培面積が報告されています。青森県における栽培面積は、平成27年産の18.4ヘクタールから、平成28年産の20.2ヘクタール、平成29年産の21.8ヘクタールへと、着実に増加傾向にあります。

もりのかがやきの旬と収穫シーズン

「もりのかがやき」は中生種に分類され、「ふじ」よりも約3週間ほど早く、10月中旬から下旬にかけて収穫期を迎えます。冷蔵保存することで60日から80日程度の貯蔵が可能であるため、市場に出回るのは10月中旬頃から12月頃までとなります。最も美味しく味わえる旬の時期は、10月中旬から11月中旬頃と言えるでしょう。

もりのかがやきを選ぶコツ:おいしいリンゴの見分け方

美味しい「もりのかがやき」を選ぶためには、まず果皮の色合いをよく観察しましょう。全体的に明るい黄色で、色の濃淡が均一なものがおすすめです。また、果皮の表面が滑らかで、傷や凹みがないものを選ぶようにしましょう。手に取った際に、見た目よりもずっしりとした重みを感じられるものは、果汁がたっぷりと詰まっていて美味しい可能性が高いです。

もりのかがやきの保存方法:風味を保つ秘訣

「もりのかがやき」の美味しさを長く楽しむためには、適切な保存方法が欠かせません。乾燥は大敵ですので、りんごを一つずつ丁寧に新聞紙やキッチンペーパーで包み、それをポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保管してください。この方法で、みずみずしさをキープし、風味を損なわずに保存できます。カットしたりんごは、変色を防ぐためにレモン果汁を少量かけ、ラップでしっかりと包んで冷蔵保存しましょう。

もりのかがやきの食べ方:多様な楽しみ方

「もりのかがやき」を味わうなら、まずは生のまま食べるのがおすすめです。その歯ごたえの良い食感と、口の中に広がる甘さとジューシーさをダイレクトに感じることができます。生のままだけでなく、アップルパイや自家製ジャムに加工するのも良いでしょう。加熱することで甘味が凝縮され、生とは異なる奥深い味わいに出会えます。

もりのかがやきと他品種との違い

「もりのかがやき」は、「つがる」と「ガラ」を両親に持つりんごです。「つがる」の血を受け継いでいるため、比較的早い時期に収穫できるのが特徴です。また、「ガラ」由来の甘さと芳醇な香りも持ち合わせています。「ふじ」と比べると、酸味が穏やかで、より強い甘さを感じられるでしょう。見た目にも違いがあり、「もりのかがやき」は明るい黄色の果皮が印象的です。

もりのかがやきの栄養と健康への影響

りんごは、食物繊維、ビタミンC、カリウムといった健康に良い栄養素が豊富に含まれています。「もりのかがやき」も例外ではなく、これらの栄養素をバランス良く含んでいるため、お腹の調子を整えたり、美肌効果、高血圧の予防といった効果が期待できます。特に、食物繊維は便秘の改善に役立ち、ビタミンCは体の酸化を防ぐ働きがあり、美容にも貢献します。

まとめ

「もりのかがやき」は、その名の示す通り、外観も風味もひときわ優れたリンゴです。旬の時期にぜひ味わってみることをおすすめします。鮮やかな黄色の果皮、心地よい歯ごたえ、そして甘くみずみずしい味わいは、きっとあなたを虜にするでしょう。もし産地で見かけたら、ぜひ手に取って、その美味しさを体験してみてください。

質問:もりのかがやきはどこで購入できますか?

回答:もりのかがやきは、主に青森県や秋田県といった産地で取り扱われています。最盛期である10月中旬から12月頃には、スーパーマーケットや果物専門店などでも目にすることがあります。また、オンラインストアを通じて手に入れることも可能です。

質問:もりのかがやきの味の特徴は?

回答:もりのかがやきは、際立つ甘さと穏やかな酸味が特徴です。軽快な食感とともに、たっぷりの果汁が楽しめます。芳醇なリンゴの香りも魅力の一つです。

質問:もりのかがやきの保存期間は?

回答:もりのかがやきは、冷蔵保存することで約2ヶ月から2ヶ月半の保存が可能です。より長く美味しさを保つためには、リンゴを一つずつ新聞紙などで丁寧に包み、ポリ袋に入れて冷蔵庫で保存することをおすすめします。
もりのかがやきりんご