リンゴ 体にいい

リンゴは古くから親しまれてきた果物で、日本人の食生活に欠かせない存在です。しかし、リンゴには単なる美味しさだけではなく、健康にも良い効果があることをご存知でしょうか。リンゴには、体に優れた働きをする様々な栄養素が含まれています。本記事では、リンゴが体にもたらす恩恵について詳しく解説していきます。

1日1/2個のリンゴは医者の仕事を減らす?

リンゴに含まれる炭水化物は単糖類が主体であり、体内への吸収が早いため、食べ過ぎると血糖値の上昇や中性脂肪の増加を招く可能性があります。しかし、リンゴには健康に良い効果も期待できます。欧州では「1日1個のリンゴは医者を遠ざける」という諺があり、リンゴを毎日食べる人では、がん、高血圧、脳血管疾患、心臓病などのリスクが低いことが報告されています。糖尿病の食事療法においても、1日80kcalの果物摂取が推奨されており、リンゴ半分(150g)程度にあたります。適量を摂取することで、リンゴの持つ健康効果を享受しつつ、血糖値や中性脂肪の上昇リスクを抑えることができます。

リンゴは食物繊維が豊富

リンゴは鮮やかな外観と豊富な食物繊維が魅力的な果物です。1個のリンゴに含まれる食物繊維は、成人の1日の必要量の約20%にもなります。食物繊維には便秘予防や整腸作用など健康に欠かせない働きがあります。特に水溶性食物繊維は、コレステロールの吸収を抑え、肥満や生活習慣病リスクを下げる効果があります。一方、不溶性食物繊維は腸の蠕動を促進し、便秘解消に役立ちます。さらに、食物繊維は満腹感を高めるため、過剰な食べ過ぎを防ぎ、カロリーコントロールにも一役買います。 リンゴに多く含まれるペクチンは、水溶性食物繊維の一種で、コレステロールの吸収を抑制し、ブドウ糖の吸収を緩やかにする作用があります。欧州では1960年代からペクチンの研究が行われ、リンゴを多く摂る人の血中コレステロール値が有意に減少することが報告されています。イタリアの研究では、リンゴ摂取で中年の高脂血症患者の"悪玉コレステロール"が抑えられることが示されました。また、1日15gのペクチン摂取で、血中コレステロールと中性脂肪が低下し、"善玉コレステロール"が増加したという報告もあります。 米国の研究では、リンゴをよく食べる人は、食後の血糖値上昇が少なく満腹感が続きやすいことがわかっています。さらに興味深いのは、運動とリンゴ摂取を習慣化すると、食後血糖値の上昇がより抑えられるという発見です。手軽に食べられるリンゴの食物繊維を上手に活用し、健康的な生活を送りましょう。

ポリフェノールが中性脂肪値を抑制

ポリフェノールは植物に含まれる抗酸化作用のある化合物で、近年の研究により中性脂肪値を下げる効果があることが分かってきました。中性脂肪は体内で合成・貯蔵される脂質ですが、過剰に蓄積すると生活習慣病のリスクが高まります。アサヒビールの実験では、リンゴに豊富なポリフェノールをマウスに摂取させると、血中の中性脂肪値の上昇が抑制されました。肥満や糖尿病のリスクのあるKKAyマウスに、リンゴ・ポリフェノールを含む水溶液と通常の水を与えた結果、4週間後にポリフェノール摂取群の空腹時血中中性脂肪濃度が有意に低下しました。リンゴには中性脂肪値改善に有効なポリフェノールだけでなく、酸化を防ぎ血管を保護するビタミンCも豊富に含まれています。ポリフェノールを意識的に摂取することで、生活習慣病予防・改善にさらなる効果が期待できるでしょう。

リンゴは生で食べるのが一番

リンゴは、生で食べることにこそ真価が発揮されます。新鮮なリンゴには、私たちの健康に欠かせない食物繊維、ビタミンC、ポリフェノールなどの抗酸化物質がギュッと凝縮されているのです。これらの栄養素は、リンゴを加熱調理すると破壊されてしまいます。生のリンゴは、シャキシャキとした食感と自然な甘みを楽しめるだけでなく、喉の渇きを癒し、デトックス効果も期待できます。 一方、リンゴを加熱すると、味わいや食感が変化します。焼いたリンゴは柔らかくなりますが、生のリンゴが持つ新鮮な歯ごたえは失われてしまいます。リンゴジュースやドライフルーツは便利ですが、ビタミンや食物繊維の含有量は生のリンゴに劣ります。エネルギー過剰にもなりかねないので、注意が必要です。 栄養価の高さから、生のリンゴは理想的な毎日の果物です。特に、リンゴの皮には豊富な食物繊維とポリフェノールが含まれています。皮ごと食べれば、その恩恵を十分に受けられます。調理の手間がかからず、年間を通して手に入りやすいリンゴを、ぜひ日々の食生活に取り入れましょう。

まとめ

リンゴは、ビタミンC、食物繊維、カリウムなどの栄養素を豊富に含む優れた果物です。ビタミンCは抗酸化作用があり、免疫力の維持や風邪の予防に役立ちます。食物繊維は便秘の改善や大腸がんのリスクを低下させます。カリウムは血圧を下げる働きがあり、心臓病のリスクを軽減します。このように、リンゴを毎日の食生活に取り入れることで、健康的な生活を送ることができます。

リンゴ