アナフィラキシーショックの原因を知って生活を守る

突然のアレルギー反応として知られるアナフィラキシーショックは、私たちの生活に潜む危険の一つです。特定の食品、薬剤、昆虫の刺傷などが引き金となり、短時間で生命を脅かす状態に陥る可能性があります。そのため、原因を理解し、適切な対策を講じることが求められます。当記事では、アナフィラキシーショックを引き起こす主な要因を詳しく解説し、日常生活で注意すべきポイントや予防策について考察します。自身と大切な人々の安全を守るために、知識を深めましょう。

アナフィラキシーの原因

アナフィラキシーの主な原因は、食品が最も多く、次に蜂をはじめとする昆虫や薬品が続きます。

食べ物

特定の食品である鶏卵、牛乳、小麦、そば、ピーナッツを摂取することで、特に乳幼児に多く発生する現象ですが、大人も含め様々な世代に見られます。

さらに、食品を摂取してもその時点では異常が出ないものの、4時間以内に運動をすると症状が引き起こされる「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」という特殊なケースも存在します。

 

蜂の毒

蜂に刺された際に発生するアレルギー反応は、スズメバチやアシナガバチの毒によって引き起こされます。日本では、蜂刺されからのアナフィラキシーショックで毎年約20人が命を落としています。

抗菌薬のペニシリンや解熱鎮痛剤のアスピリン、さらには造影剤、局所麻酔薬、輸血なども、アレルギー反応を引き起こすことが多いです。

ラテックス

ラテックスはゴムノキから採れる樹液に含まれる物質で、天然ゴム製品に接触するとアナフィラキシー反応を引き起こすことがあります。医療用手袋やカテーテルだけでなく、日常的には風船、避妊具、ゴム靴、ゴム草履などにも使用されています。

さらに、ラテックスアレルギーを持つ人は、バナナやアボカド、キウイに対してもアレルギー反応を示す「ラテックス・フルーツ症候群」が認められています。

その他

海洋生物による刺傷やハムスター、ヘビ、ダニ、アリなどの咬傷が原因となるアナフィラキシーについての報告例もあります。原因の特定が難しいこともあり、正体不明となるケースもあります。

 

治療に関して

アナフィラキシーの治療法は、その重症度によって変わります。症状が軽度であれば、症状に応じて治療を行います。例えば、じんましんには抗アレルギー薬を使い、咳には気管支拡張薬の吸入が考えられます。しかし、重度で症状が急速に悪化する場合には、アドレナリンの注射が最優先されます。アナフィラキシーが疑われる際には、全身の状態を注意深く観察することが重要です。意識が薄れていく場合や、呼吸や心拍の変化、肌が赤みを帯びてきていないかなどを確認しつつ、必要なら一次救命措置を行い、早急に医療機関へ移送します。その際、患者は足を高くした体勢で横になり、嘔吐の可能性を考慮して顔を横に向けます。アナフィラキシーを経験したことがある患者には、エピペン®というアドレナリンの自己注射薬が処方されることがあります。強いアレルギーの兆候が見られた際には、処方されている方はこの自己注射薬を使用し、その後医師の診察を受けてください。自己注射薬は誤使用を避けるため、自身で注射する際は、医師や薬剤師からの指導のもと、どのような場合に使用すべきか、正しい使用法をしっかり理解しておく必要があります。

アナフィラキシー