アメリカンチェリー 時期
アメリカンチェリーは、その名の通りアメリカ生まれのさくらんぼの一種です。日本のさくらんぼに比べて大粒で、果皮も果肉も濃い赤黒色をしているのが特徴です。「ダークチェリー」という名前で店頭に並んでいることもあります。また、輸入されるチェリーの多くがアメリカ産であるため、輸入チェリーの代名詞として使われることもあります。
アメリカンチェリーの旬の時期
アメリカンチェリーが最も美味しくなる旬は、6月から7月上旬にかけてです。これは、国産のさくらんぼとほぼ同じ時期にあたります。収穫は5月頃、温暖な気候のカリフォルニア州から始まり、その後、オレゴン州、ワシントン州へと産地が北へ移動していきます。7月中にはほとんどの収穫が終了します。収穫量は天候に大きく左右されるため、年によっては市場に出回る量が少ないこともありますが、旬の時期には安定した品質のものが手に入ります。
アメリカンチェリーの産地
アメリカンチェリーの主な産地は、アメリカのカリフォルニア州、オレゴン州、ワシントン州です。特に、オレゴン州産とワシントン州産のものは、「ノースウエスト・チェリー」と呼ばれ、その品質の高さで知られています。日本に輸入されるチェリーの約96%がアメリカ産であり、その大半がカリフォルニア、オレゴン、ワシントンの各州で生産されているため、日本で消費されるアメリカンチェリーは、ほとんどがアメリカ西海岸で栽培されたものと言えます。
アメリカンチェリーの品種
アメリカンチェリーには多数の品種があり、見た目や味わいも様々です。ここでは、アメリカンチェリーの代表的な品種について紹介します。日本ではあまり見かけない品種もありますが、お取り寄せなどで購入することも可能なので、気になる人はぜひチェックしてみてください。
ピング
ビングは、1875年にオレゴン州で開発された品種で、アメリカンチェリーの代表格といえます。日本に輸入されるアメリカンチェリーのうち約90%を占め、スーパーなどの店頭に並んでいるアメリカンチェリーはほとんどがビングです。味わいは強い甘みと優しい酸味のバランスが良く、非常に濃厚です。大粒でボリュームがあり、果皮も果肉も鮮やかな赤紫色をしています。見栄えバツグンの外観と濃厚な味わいから、洋菓子の生地やトッピングによく使用されています。
レーニア
レーニアは、元々ワシントン州で誕生した品種ですが、現在はカリフォルニア州やオレゴン州でも盛んに栽培されています。優れた食味から人気が高く、高級品種として知られています。国産さくらんぼの代表品種である『佐藤錦』に例えられることもあります。そのクリーミーで上品な甘さは、多くの人に好まれています。
ブルックス
ブルックスは、カリフォルニア州の各地で盛んに栽培されている早生品種で、ビングやレーニアに先駆け、4月頃から出回りはじめます。ビングとレーニアの交配種で、見た目はビングによく似ています。味わいは双方の特徴がそれぞれ受け継がれており、酸味が少なく濃厚な甘みを感じます。酸味が控えめな分、ビングより後味がさっぱりしています。
ツラーレ
ツラーレは、ビングの交配によって誕生した品種で、ブルックスと同じ早生品種です。地域によって「チュラーレー」や「タラリー」など呼び名が変わりますが、日本では「ツラーレ」という名称が一般的です。ハート型の可愛らしい果実と美しい深紅の色合いが特徴的で、ジャムやスムージーなどに加工すると見映えバツグンです。味わいはアメリカンチェリーらしい甘酸っぱさと、口いっぱいに広がる爽やかな風味を兼ね備えています。
アメリカンチェリーの選び方
新鮮なアメリカンチェリーを選ぶポイントは以下の通りです。・軸:鮮やかな緑色で、果実にしっかり付いているもの。・果実:全体にハリとツヤがあり、品種本来の色が濃く鮮やかに出ているもの。傷や色ムラがないか確認しましょう。・大きさ:品種にもよりますが、ふっくらと大粒なものがおすすめです。
アメリカンチェリーの価格について
アメリカンチェリーは、広大な土地での大量栽培が可能であり、輸送にも比較的強い性質を持つため、国産のさくらんぼに比べて手頃な価格で入手できます。一方、日本のさくらんぼは繊細な管理が必要で、旬の時期も限られることなどから、比較的高価になる傾向があります。アメリカでの生産量は増加傾向にあるものの、近年は価格が上昇しており、輸入量は減少傾向にあります。これは、アメリカ国内での需要増加や、輸送コストの高騰などが原因として挙げられます。
アメリカンチェリーの栽培方法
チェリーの木は、自然な状態では30メートルを超える高さに成長することもあります。しかし、収穫作業の効率を考えると、高い場所での作業は困難なため、木の高さは低く抑えられます。一般的に、園地での栽培では、収穫までに約4年、本格的な成熟には7年以上かかると言われています。種から育てることも可能ですが、品質の良い実を収穫するためには、接ぎ木が不可欠です。また、農薬散布やネットによる鳥害対策、剪定、温度管理、受粉作業など、高度な技術と手間が欠かせません。チェリーは、夏は暑く、冬は寒いという寒暖差の激しい気候を好みます。開花時期は3月頃で、白い花を咲かせます。日本のソメイヨシノよりもやや遅い時期です。受粉にはミツバチが利用され、この時期は非常に重要な作業となります。収穫は5月頃から始まり、収穫直前の降雨は、果実、特に皮の薄いチェリーにとって大きなダメージとなります。そのため、農家は天候に気を配りながら栽培を行います。収穫は基本的に手作業で行われ、高い場所では梯子を使用する重労働です。一部地域では、振動を利用した収穫方法も導入されています。収穫期には、世界中から作業者が集まり、シーズンを通して収穫作業に従事します。
まとめ
アメリカンチェリーは、主にアメリカ西海岸で栽培され、5月下旬から7月上旬が旬の時期です。ビングやレーニアといった多様な品種があり、濃厚な味わいが特徴です。選ぶ際は、軸の状態や果実のハリ・ツヤをチェックしましょう。国産さくらんぼより手頃な価格で楽しめるのも魅力です。
よくある質問
質問1:アメリカンチェリーと日本のさくらんぼ、何が違うの?
回答1:アメリカンチェリーは、日本のさくらんぼに比べて大粒で、色も深い赤色をしていることが多いです。味も濃厚で甘みが際立っています。収穫時期や主な産地も異なっています。
質問2:アメリカンチェリーを長持ちさせる良い保存方法は?
回答2:アメリカンチェリーは乾燥に弱いので、冷蔵保存の際は、新聞紙で包んだり、ラップで覆ったりして乾燥を防ぐのがポイントです。ただし、生ものなので、できるだけ早く食べるのがおすすめです。
質問3:アメリカンチェリーのおすすめの食べ方は?
回答3:アメリカンチェリーは、生のまま食べるのが一番おいしい食べ方です。その他、ジャムにしたり、お菓子作りの材料としても活用できます。種抜き器を使うと、調理がとても楽になります。