甘夏皮の効能:驚くべき健康効果と活用レシピ
甘夏の爽やかな香りとほのかな苦味は、料理やお菓子に独特の風味を添えてくれます。しかし、甘夏の魅力は味だけではありません。特に皮には、豊富な栄養素と驚くべき健康効果が詰まっているのです。この記事では、甘夏皮の知られざる効能にスポットライトを当て、その健康効果を科学的に解説します。さらに、甘夏皮を美味しく、そして効果的に活用できるレシピもご紹介。毎日の食生活に甘夏皮を取り入れて、心身ともに健やかな毎日を送りましょう。

甘夏ってどんな果物?知っておきたい基本情報

甘夏は、ミカン科の柑橘類の一種で、正式にはカワノナツダイダイと呼ばれます。甘夏の果実は、高い糖度と爽やかな酸味のバランスが絶妙で、そのまま食べるのはもちろん、様々な加工食品にも利用されています。日本国内では、温暖な地域で栽培されており、特に鹿児島県が生産量日本一を誇り、熊本県、愛媛県がそれに続きます。甘夏は、日本の豊かな自然の中で育まれ、多くの人に愛されるフルーツなのです。

甘夏の旬の時期と美味しい甘夏の見分け方

甘夏の収穫時期は、通常1月から3月上旬にかけてですが、収穫後すぐに市場に出回るわけではありません。それは、収穫した甘夏を一定期間貯蔵することで、酸味が和らぎ、より甘く熟成されるからです。このような熟成期間を経て、甘夏が市場に出回るのは3月から6月頃になります。特に、3月下旬から5月にかけてが、甘夏の旬の時期と言われ、甘味が最も強く、芳醇な香りとたっぷりの果汁を堪能できます。美味しい甘夏を選ぶポイントは、皮にハリとツヤがあり、手に取った時にずっしりと重みを感じるものを選ぶと良いでしょう。

甘夏の栄養成分と驚くべき健康効果

甘夏は、その爽やかな風味に加え、美容と健康をサポートする様々な栄養素を豊富に含んでいます。果肉はもちろんのこと、普段捨ててしまいがちな皮の部分にも、食物繊維やビタミンCをはじめ、健康に良いとされる成分が含まれているため、無駄なく活用するのがおすすめです。薬膳の考え方では、甘夏の皮など柑橘類の香りは、「気の巡りを良くする効果」や「リラックス効果」があると言われており、心身ともに健康をサポートしてくれると考えられています。

甘夏100gあたりの栄養成分

甘夏に含まれる栄養素について、詳細な情報を見ていきましょう。以下に示すのは、「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」に基づいた、甘夏(じょうのう、生)100gあたりの主要な栄養成分です。このデータから、甘夏がどのような栄養バランスを持ち、特にどの成分が豊富に含まれているのかを理解することができます。
【甘夏(じょうのう、生)100gあたり】 エネルギー:39kcal 水分:88.7g たんぱく質:0.7g 脂質:0.1g 炭水化物:10.4g カリウム:180mg カルシウム:17mg 鉄:0.1mg ビタミンB1:0.07mg ビタミンB2:0.02mg ナイアシン:0.3mg ビタミンB6:0.04mg 葉酸:16μg ビタミンC:33mg 食物繊維総量:1.1g (出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂))
この栄養成分表から、甘夏の約9割が水分で構成されており、炭水化物も比較的多く含まれていることがわかります。低カロリーでありながら、水分補給に適しているだけでなく、さまざまな栄養素をバランス良く摂取できるのが特徴です。しかし、甘夏の価値はこれだけに留まりません。柑橘類特有の成分や、特に皮に含まれる豊富な栄養素も存在します。次の章では、甘夏に含まれる特に注目すべき栄養素と、それらがもたらす健康へのメリットについて詳しく解説します。

甘夏の主要な栄養素と健康へのメリット5選

甘夏には、私たちの健康を様々な面からサポートする、特に注目すべき栄養素が豊富に含まれています。ここでは、その中でも特に重要な5つの成分に焦点を当て、それぞれの具体的な健康効果を詳しくご紹介します。

① ビタミンC:美肌効果と抗酸化作用

甘夏には、100gあたり約33mgのビタミンCが含まれており、これは美容に不可欠な成分として広く知られています。ビタミンCは、紫外線から肌を守る効果や、肌のハリと弾力を維持するコラーゲンの生成を促進する働きがあります。そのため、お肌のシミ、シワ、たるみなどが気になる方には、甘夏を積極的に摂取することをおすすめします。さらに、ビタミンCは強力な抗酸化作用も持っています。抗酸化作用とは、体内で生成される活性酸素による細胞の酸化(老化)を防ぎ、身体の老化を遅らせる反応のことです。この作用により、ビタミンCは美容効果だけでなく、がんや動脈硬化などの生活習慣病の予防にも効果が期待されています。

② クエン酸:疲労回復、美容効果、血流促進

甘夏にはたっぷりのクエン酸が含まれており、これが柑橘類ならではの爽やかな酸味の源となっています。クエン酸は、その風味だけでなく、私たちの健康に多くの恩恵をもたらします。最も注目すべき効果の一つが、疲労回復です。激しい運動後や疲労時に体内に蓄積される疲労物質である乳酸を、クエン酸が効率的に分解することで、疲労感の軽減に役立ちます。さらに、クエン酸は美容効果も期待でき、ミネラルの吸収を助ける作用があります。また、血圧の上昇を抑制したり、動脈硬化を予防する効果も示唆されており、血液をサラサラにする効果も期待できます。これらの多岐にわたる効果から、クエン酸は日々の健康維持に欠かせない栄養素と言えるでしょう。

③ ビタミンB1:エネルギー代謝と神経機能の維持

甘夏には、100gあたり0.08mgのビタミンB1が含まれています。これは、成人が1日に必要とするビタミンB1の推奨量(男性1.4mg、女性1.1mg)の一部を補うことができます。ビタミンB1は、体内でエネルギーを作り出す際に不可欠な役割を果たす補酵素として機能します。特に、糖質をエネルギーに変換する糖代謝において重要な栄養素であり、不足すると疲労感や倦怠感を引き起こす可能性があります。また、ビタミンB1は皮膚や粘膜の健康を維持し、脳神経系の正常な機能をサポートする上でも重要な役割を果たします。日々の活動に必要なエネルギーを効率的に生み出し、身体のコンディションを整えるために、ビタミンB1は欠かせない栄養素です。

④ ヘスペリジン、リモネン、ノビレチン:皮に含まれる成分が冷えの緩和、リフレッシュ、アレルギー対策をサポート

甘夏の皮には、ポリフェノールの一種であるヘスペリジンが豊富に含まれています。ヘスペリジンは、血管を拡張する作用があるため、冷え性の改善や血行促進に効果が期待できます。特に、寒さが厳しい季節に手足が冷えやすい方にはおすすめの成分です。また、ヘスペリジンは高い抗酸化作用を持ち、コレステロール値の低下やアレルギー反応の抑制など、健康維持に役立つ様々な効果が報告されています。興味深い点として、ヘスペリジンは食品として摂取するだけでなく、甘夏をお風呂に入れることによって、皮膚からも吸収することが可能です。これにより、全身の血行促進が期待でき、リラックス効果も高まります。さらに、甘夏の皮には、柑橘類特有の爽やかな香りの元となるリモネンも豊富に含まれています。薬膳の考え方では、リモネンの香りには「気を巡らせる効果」や「リラックス効果」があるとされています。また、生薬としても用いられるみかんの皮(陳皮)には、特に花粉症の症状緩和に効果が期待されるノビレチンが含まれています。ノビレチンは、ヘスペリジンと同様にポリフェノールの一種であり、主に果皮に存在します。愛媛大学の研究では、ノビレチンにアレルギー症状を緩和する効果があることが示唆されています。具体的には、鼻水やくしゃみの原因となるヒスタミンの放出を抑制する働きがあり、花粉症のつらい症状の緩和に貢献すると考えられています。花粉が飛び始める時期から、これらの成分を意識的に摂取することで、体調不良を改善する効果が期待できます。甘夏の皮に含まれるこれらの成分を摂取することは、健康の維持だけでなく、日々のストレスを軽減し、心身のリフレッシュや季節性アレルギー対策にもつながるでしょう。

⑤ 食物繊維:腸内環境を改善し、血糖値とコレステロール値をコントロール

甘夏には、100gあたり1.2gの食物繊維が含まれており、特に水溶性食物繊維が豊富です。食物繊維には、水に溶ける「水溶性食物繊維」と水に溶けない「不溶性食物繊維」の2種類がありますが、甘夏に多く含まれる水溶性食物繊維は、水分を吸収してゲル状になる性質を持っています。この性質により、小腸での栄養素の吸収速度を緩やかにする働きがあり、食後の血糖値の急上昇を抑制する効果が期待できます。これは、血糖値のコントロールが必要な方にとって、非常に重要なメリットとなります。さらに、水溶性食物繊維には、コレステロール値を低下させる効果も報告されており、生活習慣病の予防にも貢献します。腸内環境を整え、便通を促進し、身体の内側から健康をサポートする食物繊維は、現代人にとって不可欠な栄養素と言えるでしょう。

甘夏の美味しい食べ方と皮を安全に活用する方法

甘夏は、そのまま食べても美味しい果物ですが、栄養豊富な皮まで余すことなく活用することで、より美味しく、より健康的に楽しむことができます。ここでは、甘夏の基本的な食べ方から、皮を安全に利用するための下処理、様々な加工品への応用方法をご紹介します。

甘夏の果実を味わう基本:ナイフを使ったスマートな剥き方

甘夏を最もシンプルに楽しむ方法は、皮を剥いて果肉をそのまま味わうことでしょう。しかし、甘夏の皮はミカンのように簡単に手で剥けるものではありません。厚くて硬い甘夏の皮を剥くには、ナイフを使うのが賢明です。まず、甘夏の上部と下部を切り落とし、次に側面の皮をナイフで丁寧に剥いていくと、無駄なく綺麗に果肉を取り出すことができます。この方法なら、厚い皮に苦労することなく、甘くてジューシーな果肉を存分に堪能できます。

安全に皮を食すための必須下処理

甘夏の皮には、美容と健康に嬉しい成分がたっぷり含まれています。捨てるのはもったいないのですが、皮を食べる際には注意が必要です。栽培時に農薬やワックスが使われている可能性があるため、これらをしっかり洗い落とすことが大切です。安心して皮を食べるためには、無農薬栽培のものを選ぶか、これから紹介する丁寧な下処理を必ず行いましょう。

甘夏の皮からワックスを落とす効果的な方法

甘夏の皮に付着したワックスや農薬を落とすには、いくつかの有効な方法があります。一般的なのは、塩水や重曹水に皮をしばらく浸した後、ブラシで丁寧にこすり洗いする方法です。塩や重曹の力で、ワックスや汚れが浮き上がりやすくなります。また、熱湯に短時間浸してから水洗いするのも効果的です。熱湯でワックスが溶け出し、汚れが落ちやすくなります。さらに、市販の野菜用洗剤を使うのも良いでしょう。これらの方法を適切に組み合わせることで、甘夏の皮をより安全に美味しく食べることができます。

甘夏の皮を最大限に活かす!定番レシピ:ピールとジャム

甘夏の皮の代表的な活用法といえば、「甘夏ピール」や「甘夏ジャム」が挙げられます。これらの手作り加工品は、果肉だけでなく、皮の豊かな風味と栄養を余すところなく楽しめるのが魅力です。通常は捨ててしまう皮を美味しく生まれ変わらせる、素晴らしいアイデアと言えるでしょう。甘夏の皮には、健康に良いヘスペリジンや食物繊維が豊富に含まれています。これらの方法で甘夏を丸ごと味わうことは、健康的な食生活にも繋がります。

手作り甘夏ピールのとっておきレシピ

甘夏の皮には、ビタミン類、ヘスペリジン、食物繊維といった、健康に役立つ成分がたっぷり。捨ててしまうのは実にもったいない話です。ここでは、そんな栄養豊富な甘夏の皮を丸ごと堪能できる、手作りピールの詳しいレシピをご紹介しましょう。時間は少々かかりますが、お店では味わえない、格別な香りと風味に出会えます。
【甘夏ピールの作り方】
  1.  甘夏の皮を傷つけないようにむき、水で丁寧に洗い、表面の汚れを落とします。
  2. 鍋にたっぷりの水を張り、皮を投入。沸騰したら弱火にし、15分ほど煮ます。この工程で、皮のえぐみを抜き、柔らかく仕上げます。
  3.  茹で上がった皮をザルにあげ、冷水で手早く冷まします。こうすることで、皮の繊維がキュッと引き締まります。
  4. ②と③の工程を、さらに2回繰り返します。合計3回の煮沸と冷却で、苦味を徹底的に取り除き、皮をソフトにします。 
  5.  3回の処理を終えた皮は、綺麗な冷水に浸し、一晩冷蔵庫で寝かせます。次の日、水を入れ替え、さらに一晩。これで、奥に残った苦味が抜け、皮本来の味が引き立ちます。 
  6.  しっかりと水気を絞った皮と、皮の重量の8割に相当する砂糖を鍋に入れ、弱火でじっくり30分煮詰めます。 
  7.  水分が飛び、皮の白い部分が半透明になったら、フタを取り、焦げ付かないよう時々混ぜながら、お好みの柔らかさになるまで煮詰めます。 
  8.  煮詰めた皮を網に広げ、風通しの良い場所で3日ほど乾燥させます。この乾燥が、独特の食感を生み出す秘訣です。 
  9.  乾いた皮を、5mm幅を目安に細長くカット。サイズはお好みで調整してください。 
  10.  最後に、グラニュー糖を全体にまぶせば完成です。そのままおやつとして楽しむのはもちろん、パンやケーキの生地に混ぜ込んで焼くのもおすすめです。

甘夏ジャムの作り方とおすすめ商品

甘夏ジャムは、果肉の甘酸っぱさと、皮のほのかな苦味が織りなすハーモニーが魅力。一度食べたら忘れられない、豊かな風味が楽しめます。ジャムにすることで、甘夏を長期保存できる上、トーストやヨーグルトに添えたり、お菓子作りに使ったりと、用途は様々。自宅で作るのも良いですが、手軽に本格的な味を求めるなら、市販品もおすすめです。
野菜.comオンラインショップでは現在、瀬戸内海に浮かぶ大三島で、栽培期間中農薬不使用で育てられた甘夏を使ったジャムを販売しています。香料、着色料、ペクチンは一切不使用。お子様からご年配の方まで、安心して味わえます。甘夏の持ち味を最大限に引き出した、素材本来の美味しさが光る逸品です。

甘夏の皮の健康効果を最大限に引き出す食べ方

甘夏の皮は、独特の苦味がありますが、豊富な栄養、特にノビレチンをはじめとする健康成分が豊富に含まれています。ここでは、その健康効果を最大限に活かすための、効果的な食べ方をご紹介します。

ヨーグルトと組み合わせる!みかんの皮のパワーを引き出す食べ方

愛媛大学の菅原教授の研究によると、βラクトグロブリンを含むヨーグルトとみかんの皮を一緒に摂ることで、アレルギー症状を抑える効果が相乗的に高まることがわかっています。これは、ノビレチンによるヒスタミンの放出を抑制する働きと、ヨーグルトの成分が互いに作用し合うためと考えられています。ですから、ノビレチンを効率的に摂取したいなら、粉末状にしたみかんの皮をヨーグルトに混ぜて食べるのがベスト。手軽でおいしく、効果も期待できる、おすすめの食べ方です。ヨーグルトのまろやかな口当たりと、皮の爽やかな香りが絶妙にマッチし、毎日続けやすいのも嬉しいポイント。その他、粉末状の皮は、水やお湯に溶かして飲んだり、カレーや味噌汁などの料理に加えて、風味と栄養価をアップさせたりすることもできます。色々な料理に手軽にプラスできるので、自分に合った食べ方を見つけて、毎日の健康維持に役立てましょう。

上質な「みかん果皮パウダー」で始める、やさしい花粉ケア

つらい花粉の季節、みかんの皮の力を手軽に試したいと思いませんか?和歌山有田みかん専門店の早和果樹園が、安心の国産・無添加「みかん果皮パウダー」をご提供します。和歌山県有田で育ったみかんの皮のみを厳選し、独自の技術で丁寧に乾燥・微粉末化。残留農薬検査はもちろん、食品としての殺菌処理も徹底しているから、お子様からご年配の方まで、毎日安心して口にできます。花粉シーズンには、この上質なみかん果皮パウダーを積極的に食生活に取り入れて、不快な症状を和らげ、快適な毎日を送りましょう。使いやすいパウダー状なので、ヨーグルトに混ぜるのはもちろん、様々な飲み物や料理に加えて、みかんの皮に秘められた豊富な栄養と健康パワーを効率的に摂取できます。

砂糖不使用!ヘルシーな甘夏ピール風、塩漬けレシピと活用術

甘夏ピールや甘夏ジャムは美味しいけれど、砂糖の量が気になる…そんな方におすすめしたいのが、「甘夏の皮の塩漬け」です。砂糖の代わりに塩を使った、甘夏の皮の新しい保存食。ヘルシー志向の方にぴったりの活用法です。まるで塩レモンのように、様々な料理に使える万能調味料として楽しめます。

甘夏の皮を塩漬けにする理由とは?

甘夏の皮には、ビタミンC、食物繊維、ヘスペリジン、リモネン、ノビレチンなど、体に嬉しい成分がたっぷり。でも、そのままでは苦味が強く、食べにくいことも。また、一般的なピールやジャムは砂糖を多く使うため、糖分が気になる方もいるでしょう。塩漬けにすることで、砂糖を使わずに長期保存が可能になるだけでなく、塩の力で苦味が和らぎ、素材本来の旨味と香りが引き立ちます。甘夏の皮が、ヘルシーで使い勝手の良い調味料へと生まれ変わります。

簡単レシピ!甘夏の皮の塩漬け

甘夏の皮の塩漬けは、シンプルな材料と手順で誰でも気軽に作れます。特別な道具は必要ありません。
【材料(作りやすい分量)】 甘夏の皮:適量 塩:甘夏の皮の重さの10~15%程度(お好みで調整)
【作り方】
  1. 甘夏の皮の内側の白い部分を、スプーンなどで丁寧にこそぎ取ってから千切りに。白い部分を多く残すと苦味が強くなるため、気になる方はできるだけ薄く取り除きましょう。さらに苦味を抑えたい場合は、千切りにした皮を熱湯で1分ほど茹でて水気を切る、という下処理を加えてください。
  2. 清潔なボウルに千切りにした甘夏の皮と塩を入れ、全体をよく混ぜ合わせ、塩を揉み込むようにしてなじませます。塩が水分を引き出し、味が染み込みやすくなります。
  3. 混ぜ合わせた皮を、清潔な保存容器(煮沸消毒した瓶など)に入れます。蓋をしっかりと閉め、冷蔵庫で1時間以上置いて味をなじませれば完成です。一晩置くと味が落ち着き、より美味しくなります。

甘夏の皮の塩漬け、多彩なアレンジ術

甘夏の皮を塩漬けにしたものは、そのままでは塩味が強く感じられますが、その塩気と甘夏の爽やかな香りを生かして、調味料として色々な料理に活用するのがおすすめです。以前話題になった塩レモンのように、料理の味に深みと複雑さを加えてくれます。
具体的な活用例をいくつかご紹介します。
  • スープや煮込み料理に: 少量加えるだけで、料理全体にフレッシュな香りが広がり、味のアクセントになります。特に、魚介系のスープや鶏肉を使った煮込み料理との相性が抜群です。
  • 簡単な漬物の風味付けに: きゅうりやカブなどの野菜を浅漬けにする際に混ぜ込むと、塩味と柑橘の香りが加わり、いつもとは違う風味豊かな味わいになります。
  • 炒め物に: 野菜炒めや肉炒めに加えることで、油っぽさを抑え、さっぱりとした後味に仕上げることができます。特に豚肉や鶏肉との相性が良いでしょう。
  • 肉や魚の臭み消しに: 肉や魚を調理する際に、甘夏の皮の塩漬けを少量加えることで、素材本来の臭みが軽減され、爽やかな香りが食欲をそそる料理になります。マリネ液に加えるのも効果的です。
  • おすすめは「ちらし寿司」: ご飯に混ぜるだけで、香りが豊かになり、見た目も華やかになります。彩りも増し、食欲をそそります。
このように、甘夏の皮の塩漬けは、少し加えるだけで料理の可能性を広げ、奥深い味わいと香りを与えてくれる万能な調味料です。ぜひ色々な料理で試して、自分だけのお気に入りの活用法を見つけてみてください。

まとめ

甘夏は、甘酸っぱい果肉はもちろんのこと、皮にもビタミンC、食物繊維、ヘスペリジン、リモネン、そして花粉症などのアレルギー症状の緩和に効果が期待されるノビレチンといった、美容と健康に良い成分が豊富に含まれています。旬の甘夏を余すことなく活用することは、体の内側から健康をサポートする上で非常に有益です。特に、「最近肌の調子が良くない」「疲れがなかなか取れない」「冷えが気になる」「花粉症に悩んでいる」という方には、甘夏が持つ様々な健康効果がおすすめです。
この記事では、甘夏の基本的な情報から、詳細な栄養成分、果肉の食べ方、そして皮を活用したピールやジャムの作り方をご紹介しました。中でも、砂糖を使わずに甘夏の皮を保存できる「塩漬け」は、日々の料理に使える万能調味料として、ぜひ試していただきたい方法です。さらに、ヨーグルトとの組み合わせでアレルギー症状の緩和が期待できる「みかんの皮粉末」についても触れ、その手軽な活用方法をご紹介しました。
旬の食材である甘夏を無駄なくおいしく活用することは、食を通じて心身を整えるという考え方にもつながります。野菜.comオンラインショップでは、今回ご紹介した【栽培期間中農薬不使用】甘夏ジャム【2個セット】の他に、さっぱりとした甘味と程よい酸味が特徴の甘夏をそのまま絞ったストレートジュース、【栽培期間中農薬不使用】甘夏 ジュース 果汁100% 1000mlも販売しています。どちらも無香料・無着色で、安心して口にすることができますので、ぜひ一度お試しください。甘夏を味わった後は、皮まで大切に活用し、体の内側から健やかな毎日を送りましょう。

甘夏はどんな柑橘類?

甘夏はミカン科ミカン属に属する柑橘類の一種で、正式にはカワノナツダイダイと呼ばれています。甘酸っぱい独特の風味が特徴で、果実は糖度が高く、そのまま食べるだけでなくジャムやピールなどの加工品としても広く使われています。主に温暖な地域で栽培されており、鹿児島県が有名な産地です。

甘夏はいつ頃が一番美味しい時期なの?

甘夏の旬は一般的に3月から6月にかけてと言われています。収穫自体は1月から3月に行われますが、収穫後すぐに店頭に並ぶわけではありません。一定期間貯蔵することで酸味が和らぎ、甘みが増すため、3月下旬から5月頃が最も美味しくいただける時期とされています。

甘夏の皮にはどんな栄養が含まれているの?

甘夏の皮には、健康や美容に役立つ様々な栄養素が豊富に含まれています。ビタミンCや食物繊維はもちろんのこと、特に注目したいのは、ポリフェノールの一種であるヘスペリジン、柑橘系の爽やかな香り成分であるリモネン、そして同じくポリフェノールの一種であるノビレチンです。ヘスペリジンは血行促進効果や抗酸化作用、リモネンはリラックス効果、ノビレチンはアレルギー症状の緩和効果が期待されています。

甘夏の皮についているワックスはどうやって落とせばいいの?

甘夏の皮を安心して食べるためには、表面に付着している可能性のあるワックスや農薬をしっかり落とすことが重要です。効果的な方法としては、塩水や重曹水にしばらく浸け置きしてから丁寧に洗い流す、熱湯に短時間浸けてから洗う、または市販の野菜用洗剤を使用するなどが挙げられます。無農薬栽培の甘夏を選ぶのも良い方法です。

甘夏の皮の塩漬けって、どんな風に使えるの?

甘夏の皮の塩漬けは、そのまま食べるには塩味が強すぎるため、調味料として活用するのがおすすめです。刻んでスープや煮込み料理に加えれば、柑橘系の爽やかな風味が楽しめます。また、浅漬けや炒め物、肉や魚料理の臭み消しにも効果的です。細かく刻んでご飯に混ぜ込み、ちらし寿司にすれば、見た目も香りも豊かな一品になります。

甘夏皮は花粉症の症状を和らげる効果があるのでしょうか?

はい、甘夏などの柑橘類の皮には、「ノビレチン」という成分が豊富に含まれており、花粉症の諸症状を緩和する効果が期待できます。研究によって、ノビレチンがアレルギー反応を引き起こすヒスタミンの放出を抑制する働きがあることが分かっています。

ノビレチンとはどのような物質で、具体的にどのような効果が期待できますか?

ノビレチンは、甘夏やみかんなどの柑橘類の皮に多く含まれるポリフェノールの一種です。特に注目されているのは、アレルギー症状を緩和する効果です。ヒスタミンの放出を抑えることで、花粉症に伴う鼻水、くしゃみ、目のかゆみといった不快な症状の軽減に役立つと考えられています。

甘夏の皮をヨーグルトと一緒に摂取すると良いというのは本当ですか?それはなぜですか?

ある研究によれば、ヨーグルトに含まれる特定の成分と甘夏皮に含まれるノビレチンを組み合わせることで、アレルギーに対する効果が相乗的に高まる可能性があるとされています。細かく粉砕した甘夏の皮をヨーグルトに混ぜて食べることで、ノビレチンの吸収率を高め、より効果的に活用することが期待できます。

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