里芋は、縄文時代に日本に伝来したとされる、稲作よりも歴史の古い野菜です。山で採れる山芋に対し、里で栽培されることから「里芋」と呼ばれるようになりました。親芋を中心に子芋、孫芋が育つことから、子孫繁栄の象徴とされ、縁起の良い食材として正月料理にも使われています。
里芋とは:その歴史と名前のルーツ
里芋は、食用とする部位によって大きく4種類に分類できます。親芋を食べる品種、子芋を食べる品種、親芋と子芋の両方を食べる品種、そして葉柄を食べる品種です。これらの違いを知ることで、より里芋を深く理解し、料理に最適な品種を選ぶことができます。
里芋の分類:食べる部分によるバリエーション
親芋を食べる品種は、子芋があまり大きくならないため、親芋に栄養が集中し肥大化します。代表的な品種はタケノコイモです。
親芋がメインの里芋の種類
タケノコイモは、子芋をほとんどつけず、親芋がタケノコのように大きく成長する里芋です。主に宮崎県で栽培され、「京芋」とも呼ばれます。きめ細やかな肉質で煮崩れしにくく、食感が良いのが特徴です。
タケノコイモ(京芋)について
子芋を食べる品種は、親芋は食用に向かず、子芋を主に食べます。土垂、石川早生などが代表的です。
子芋を味わう里芋の品種
土垂は、里芋の代表的な品種の一つで、10月~12月に収穫されます。関東地方での栽培が盛んですが、全国的に生産されています。小ぶりの楕円形で、粘り気があり、煮崩れしにくいため、煮物料理に適しています。
土垂(どだれ)
石川早生は、8月頃から収穫できる早生品種です。大阪府河南町(旧石川村)が発祥の地で、静岡県、宮崎県、千葉県などで多く生産されています。球形でサイズが揃っており、皮がむきやすく調理しやすいのが特徴です。淡白な味わいで柔らかく、煮物や蒸し料理によく合います。
石川早生(いしかわせ)
女早生は、愛媛県が主な産地の早生品種です。10月から収穫が始まり、3月頃までと比較的長い期間出荷されます。小芋は丸く、きめ細かい白色をしており、甘くもちもちとした食感が特徴で、「栗芋」とも呼ばれます。
女早生(おんなわせ)
親芋と子芋の両方を食べられる品種には、セレベス、八つ頭、みず芋などがあります。
親芋と子芋、両方美味しく味わえる里芋の品種
セレベスは、インドネシアのセレベス島原産の里芋で、「赤芽」とも呼ばれます。収穫期は10~11月で、ホクホクとした食感が特徴です。親芋は長球形、子芋はしずく形で、コロッケや含め煮などに適しています。
セレベス(赤芽)
八つ頭は、親芋と小芋が合体した独特の形状を持つ里芋です。10月~11月に収穫され、縁起物としておせち料理に使われます。やや粉質で肉質があり、ぬめりが少ないのが特徴です。
八つ頭(やつがしら)
みず芋は、主に沖縄で栽培される品種で、水田や湿地で育ちます。「田芋」とも呼ばれ、粘りが強く、あく抜きが必要です。縁起物として正月料理にも用いられます。
みず芋(田芋)
葉柄を食べる品種には、いもがら(ずいき)とはす芋があります。芋自体は硬くて食べられません。
葉柄を味わう里芋の品種:いもがら(ずいき)、はす芋
いもがらは、里芋の葉柄のうち、茎の部分を食用とするものです。生の場合はあく抜きをしてから、酢の物や汁物、炒め物などに使われます。乾燥させたものは、水で戻してから煮物などにします。
いもがら(ずいき)
はす芋は、青い葉柄を生のまま食べる品種です。切り口がスポンジ状で、シャキシャキとした食感が特徴です。
はす芋
里芋は、カリウム、ビタミンB6、葉酸などの栄養素を含んでいます。品種によって栄養価に多少の違いがあり、例えば、タケノコイモ、セレベス、八つ頭は、みず芋よりもカリウムを多く含んでいます。ビタミンB6は、どの品種もほぼ同量です。
里芋の栄養価:品種ごとの差異
里芋の中でも、土垂と石川早生は特によく食べられています。また、親芋を食べるタケノコイモや八つ頭も人気があります。
よく食べられている里芋の品種
石川早生は、比較的早い時期から手に入るため、夏から冬にかけて様々な料理に使いやすいのが人気の理由です。クセが少なく食べやすいこと、サイズが均一で調理しやすいことも、家庭で重宝される理由の一つです。
石川早生が選ばれる理由
里芋の主な生産地は、千葉県、宮崎県、埼玉県です。特に千葉県と宮崎県では、石川早生の生産が盛んです。里芋は全国各地で栽培されており、特定の県が圧倒的なシェアを占めているわけではありません。2021年の生産量トップは埼玉県で約13%、千葉県と宮崎県がそれぞれ10%前後となっています。
里芋選びのコツ:料理に合わせた品種選び
里芋は煮物、おでん、田楽、煮っころがし、コロッケなど、様々な料理に活用できます。それぞれの品種の特徴を生かして、里芋料理を楽しみましょう。
里芋のおいしい食べ方
この記事では、里芋の種類、特徴、栄養価、選び方、調理法について詳しく解説しました。里芋を選ぶ際には、ぜひこの記事を参考に、料理に合った最適な品種を選んで、里芋料理をより一層楽しんでください。
まとめ
回答:里芋は乾燥に弱いので、新聞紙で包んで冷暗所で保存するのがおすすめです。冷蔵庫で保存する場合は、乾燥を防ぐためにビニール袋に入れると良いでしょう。
質問1:里芋を長持ちさせるには、どうすればいいですか?
回答:里芋の皮むきで手がかゆくなるのは、シュウ酸カルシウムという成分が原因です。酢水につけてから皮をむくと、かゆみを抑えることができます。また、手袋をして皮をむくのも効果的です。
質問2:里芋の皮をむく際、手がかゆくなるのを防ぐには?
回答:はい、里芋は冷凍保存できます。皮をむいて下茹でした後、水気を切ってから冷凍すると良いでしょう。使う際は、自然解凍するか、凍ったまま調理してください。
質問3:里芋は冷凍保存できますか?
回答:はい、里芋は冷凍保存が可能です。美味しく保存するためには、皮を剥き、軽く茹でてから水気をしっかりと拭き取り、冷凍するのがおすすめです。調理する際は、自然解凍または凍った状態のまま加熱調理してください。