夏みかんの皮を徹底解剖!栄養・美容効果と驚きの活用レシピ
夏みかんの爽やかな香りに包まれる季節。甘酸っぱい果肉を堪能した後、皮は捨てていませんか? 実は、夏みかんの皮には驚くほどの栄養と活用法が詰まっているんです!この記事では、夏みかんの皮に含まれる栄養成分を徹底解剖し、美味しく無駄なく活用できるレシピをご紹介。温州みかんとの違い、選び方、安全な洗い方まで、夏みかんをまるごと楽しむための情報を余すところなくお届けします。この夏は、夏みかんを隅々まで活用し、日々の生活に健康と喜び、そしてちょっとした贅沢を加えてみませんか?

夏みかんと温州みかんの違い

夏を代表する果物として親しまれている夏みかんですが、冬によく食べる一般的な「みかん」とは、一体どこが違うのでしょうか。 どちらも「柑橘類」に分類されますが、その特性や旬、そして味わいに明確な違いがあります。 これらの違いを知ることで、それぞれの柑橘の魅力をより深く堪能できるでしょう。

正式名称は「温州みかん」

普段「みかん」と呼んでいる、手軽に皮をむいて食べられる小さめのミカンの正式名称は「温州みかん」です。 温州みかんは、一般的に冬が旬で、特に11月から12月頃に出荷量が多くなります。 この時期に収穫される温州みかんは、甘みが強く、香りも豊かで、そのバランスの取れた味わいが多くの人に愛されています。 一方で、9月から10月頃に出荷される温州みかんもあります。 この時期のミカンは、まだ皮が緑がかっており、「極早生」と呼ばれています。 極早生みかんは、甘味だけでなく、爽やかな酸味も楽しめるのが特徴です。

春先に出回る夏みかん

温州みかんが冬に旬を迎えるのに対し、夏みかんは名前の通り、春から夏にかけてが旬です。 しかし、夏みかんは収穫したてだと非常に強い酸味があるという特徴があります。 そのため、収穫後にしばらく貯蔵して酸味を和らげたり、木に実らせたまま春から夏にかけて完熟させてから収穫したりする方法がよく用いられます。 こうすることで、まろやかで食べやすい味わいになります。 このように、春から夏の時期に食べ頃を迎えることから「夏みかん」と名付けられました。 また、見た目も温州みかんとは異なります。 夏みかんは温州みかんに比べて全体的に大きく、ずっしりとした重みがあり、皮の表面が少しゴツゴツしているのが特徴です。 味わいは、温州みかんよりも酸味が強く、独特の苦味があり、さっぱりとした後味が魅力です。

夏みかん全体の栄養価と健康への貢献

夏みかんは、そのフレッシュな風味に加え、私たちの身体に有益な多種多様な栄養成分を含んでいます。とりわけ、疲労回復や新陳代謝の活性化に貢献するクエン酸、腸内環境を改善し美肌やコレステロール対策にもなるペクチン、そして鎮静作用や血行促進に関与するリモネンやヘスペリジンなど、健康と美容を様々な角度からサポートする成分が豊富です。これらの成分が私たちの健康にどのように貢献するのか、詳しく見ていきましょう。

疲労回復を助ける「クエン酸」

夏みかんの果肉には、酸味の主な原因である「クエン酸」がたっぷり含まれています。クエン酸は、疲労の元となる乳酸の分解を促進する作用があるため、夏みかんを摂取することで疲労回復効果が期待できます。例えば、スポーツ後や日々の疲れを感じた際に夏みかんを摂るのがおすすめです。さらに、クエン酸は体内でエネルギーを産生するサイクルである「クエン酸サイクル」を活性化させる働きも持っています。このクエン酸サイクルが円滑に機能することで、基礎代謝が向上し、結果的にダイエットにも有効であると考えられています。代謝が上がることで、脂肪燃焼が促されやすくなり、健康的な体づくりを後押しします。

腸内環境を整える「ペクチン」

夏みかんの皮、特に白い部分に豊富に含まれているのが、水溶性食物繊維の一種である「ペクチン」です。このペクチンは、腸内の善玉菌を増やす作用があり、腸内環境を良好に保つために非常に重要な役割を果たします。腸内環境が改善されることで、便秘の解消に繋がり、お通じが改善される効果が期待できます。また、ペクチンにはコレステロールの吸収を抑制する働きがあることも分かっています。これにより、血液中のコレステロール値の上昇を抑え、動脈硬化や高血圧といった生活習慣病の予防にも貢献すると考えられます。さらに、腸内環境の改善は、肌トラブルの予防や改善にも繋がるため、夏みかんの皮の成分は美肌効果も期待できるのです。このように、ペクチンは腸の健康のみならず、全身の巡りを良くし、総合的な美容と健康の維持に貢献する優れた成分と言えます。夏みかんは果肉だけでなく、皮まで有効活用できる価値ある食材なのです。

リラックス効果と血行促進をもたらす「リモネン」

夏みかん独特の爽やかで心地よい香りの源となっているのが「リモネン」という成分です。このリモネンは、特に皮の部分に多く含まれており、その香りを嗅ぐことで脳に直接働きかけ、リラックス効果をもたらすことが知られています。アロマセラピーなどでも用いられるように、ストレスや緊張を感じる時にリモネンの香りを嗅ぐことで、心身のやすらぎを取り戻すサポートとなります。さらに、リモネンには血流を改善する働きも期待できます。血行が促進されることで、体全体に酸素や栄養が効率良く運ばれ、体の巡りが良くなるため、冷えの改善や疲労回復にも良い影響を与える可能性があります。夏みかんの皮を湯船に入れる「みかん湯」などが、香りでリフレッシュしつつ血行促進効果も得られるのは、このリモネンの作用によるものが大きいでしょう。

冷え性改善と血行促進をサポートする「ヘスペリジン」

「ヘスペリジン」は、柑橘類の果皮、特に夏みかんの皮や内側の白い部分に多く含まれるポリフェノールの一種として知られています。この成分は、毛細血管の血流をスムーズにする働きがあるため、特に冷え性対策に効果が期待されています。手足の冷えにお悩みの方にとって、ヘスペリジンを摂取することは、体の隅々まで温かい血液を届け、冷えの緩和に繋がる可能性があります。さらに、血行促進作用は、全身の新陳代謝を活発にし、むくみの軽減や肌の明るさ向上など、美容面においても好影響をもたらすと考えられています。夏みかんをお風呂に入れる習慣があるのは、このヘスペリジンの血行促進効果と、以前お話したリモネンによるリフレッシュ効果を総合的に得るためと言えるでしょう。体の内側からじんわりと温まりたい時に、夏みかんの皮は非常に役立つ食材と言えます。

注目成分「ナリンギン」

夏みかんの皮には、「ナリンギン」というフラボノイドの一種も豊富に含まれています。ナリンギンは、独特の苦味成分として知られていますが、その健康効果にも関心が集まっています。この成分には、アレルギー反応に伴う炎症を和らげる効果が期待されています。具体的には、花粉症などのアレルギー症状の軽減に役立つ可能性が示唆されています。加えて、ナリンギンには、脂肪の分解を助けたり、食欲を抑えたりする効果も研究されており、ダイエットへの応用も期待されています。このように、ナリンギンは単なる苦味成分ではなく、私たちの健康をサポートする多様な生理活性を持つ重要な成分なのです。夏みかんの皮を口にする際には、このナリンギンの健康効果も意識してみてはいかがでしょうか。

おいしい夏みかんの選び方と基本の食べ方

夏みかんを存分に楽しむためには、まず新鮮で良質なものを選ぶことが大切です。スーパーマーケットや青果店で夏みかんを選ぶ際にいくつかのポイントを知っておくと、より満足度の高い体験ができるはずです。また、夏みかんはそのまま食べても美味しいですが、少し工夫を加えることでさらに多様な楽しみ方ができます。ここでは、美味しい夏みかんの選び方、基本的な食べ方、そして果肉や皮を無駄なく活用する方法をご紹介します。

新鮮で美味しい夏みかんを見分ける方法

美味しい夏みかんを選ぶためには、いくつかの重要なポイントがあります。まず、手に取った際に「重量感がある」ものを選びましょう。ずっしりとした重さは、果汁がたっぷりと含まれており、実が詰まっている証拠です。次に、果皮の色をよく見てください。「均一に濃い黄色に色づいている」ものが、しっかりと熟している状態を示しています。部分的に緑色が残っていたり、色が薄いものは、まだ酸味が強い可能性があります。さらに、果皮に「傷がなく、ハリがある」ことも新鮮さを見極める上で大切なポイントです。柔らかくなっているものや、傷が目立つものは避けましょう。また、「ヘタがしっかりと付いている」ものを選ぶと、新鮮さが保たれていることが多いです。ヘタが乾燥していたり、取れかけているものは、収穫から時間が経過している可能性があります。反対に、持った時に「軽い」と感じるものは、中身が乾燥してしまっている可能性があるので注意が必要です。これらのポイントを参考に、店頭で最高の夏みかんを選び、その美味しさを存分に堪能してください。

夏みかんの基本的な味わい方と多彩な活用法

夏みかんは、そのさっぱりとした酸味と独特のほろ苦さが持ち味で、皮を剥いてそのまま食するのが、最もポピュラーな楽しみ方と言えるでしょう。たっぷりの果肉は食べごたえがあり、口の中に広がる爽やかな香りと風味がたまりません。しかしながら、他の柑橘類と比較して皮が厚く、剥きにくいと感じられるかもしれません。そのような時は、包丁で十字に切れ目を入れると簡単に剥けます。また、そのまま食するだけでなく、果肉を色々な料理に取り入れることで、いつもの食卓に彩りと豊かな風味を添えることができます。例えば、食べやすい大きさにカットした果肉を「サラダ」に加えるのがイチオシです。シャキシャキの野菜に夏みかんの酸味が加わることで、さっぱりとしたテイストになり、食欲をそそります。さらに、プレーンヨーグルトに夏みかんの果肉を加えるのもおすすめです。ヨーグルトのまろやかさと夏みかんの酸味が絶妙に調和し、朝食やおやつにうってつけの爽やかなデザートになります。その他にも、魚料理の付け合わせとして添えたり、デザートのトッピングにするなど、工夫次第で色々な使い方ができます。このように、夏みかんはそのまま美味しくいただけるだけでなく、料理のアクセントとしても大いに活躍する果物です。

夏みかんの皮の秘めたるパワー:驚きの活用術

夏みかんの魅力は、甘酸っぱい果肉だけではありません。実は、皮にも想像以上に多くの栄養成分と、多種多様な活用方法が秘められています。多くの人が捨ててしまう皮を有効に活かすことで、夏みかんの恵みを余すことなく享受できるだけでなく、暮らしに役立つエコなアイテムへと変身させることができます。ここでは、夏みかんの皮を「食す」方法と「食以外の」活用法に分けて、具体的なレシピやアイデアをご紹介していきます。皮に含まれる有効成分を最大限に引き出し、夏みかんを“まるごと”堪能しましょう。

夏みかんの皮を「食す」ことで期待できる健康・美容効果

夏みかんの皮は、前述のペクチン、リモネン、ヘスペリジン、ナリンギンなどの成分を含んでいます。これらの成分を摂取することで、健康維持や美容に対して様々な恩恵が期待できます。ただし、夏みかんの皮は、生のままでは非常に強い苦味があるため、そのまま食べるのは難しいと感じる方がほとんどでしょう。しかしながら、適切な下処理と調理を施すことによって、苦味を和らげ、美味しくいただくことが可能です。皮に含まれるペクチンは、腸内環境を整え、便秘の改善やコレステロール値の低下、さらには美肌効果まで期待できるため、積極的に摂取したいものです。リモネンやヘスペリジンは、リラックス効果や血行促進効果をもたらし、体の内側から温まるのをサポートします。これらの成分を効率的に摂取するためには、手を加えて調理するのがおすすめです。続いて、ご家庭で手軽に作れる、夏みかんの皮を使ったとっておきのレシピをご紹介いたします。

夏みかんの皮を使った絶品レシピ

夏みかんの皮は、少しだけ手間を加えることで、驚くほど美味しいお菓子や調味料に生まれ変わります。ほろ苦さを活かした大人向けの味わいから、お子様も楽しめる甘い一品まで、色々なバリエーションで楽しむことができます。ここでは、特にイチオシの3つのレシピをご紹介します。

夏みかんの皮を活かす:陳皮(ちんぴ)


夏みかんの皮は、乾燥させることで漢方薬としても知られる「陳皮(ちんぴ)」へと変化し、その価値を高めます。陳皮は、消化を助け、咳や痰を鎮める効果があると言われ、昔から重用されてきました。ご家庭で陳皮を作るには、夏みかんの皮を丁寧に洗い、しっかりと乾燥させた後、細かく刻むだけ。手軽に作れるのが魅力です。活用方法も色々。お茶として楽しむと、爽やかな香りが心地よく、リラックス効果も期待できます。ヨーグルトに混ぜたり、肉料理の風味づけに利用したりするのも良いでしょう。もし苦味が気になるようでしたら、ハチミツを少量加えることで、より美味しくいただけます。保存性にも優れているため、少し多めに作っておくと重宝します。

夏みかんの皮を楽しむ:ピール


夏みかんの皮特有のほろ苦さを砂糖で包み込む「夏みかんのピール」は、お茶請けとしてはもちろん、お菓子作りの材料としても人気があります。作り方は、皮を細く切り、何度か茹でこぼして苦味を取り除いた後、グラニュー糖でじっくりと煮詰めて乾燥させるだけです。そのまま食べても美味しいピールですが、アレンジ次第でさらに楽しむことができます。特におすすめなのは、溶かしたチョコレートを絡めて作る「チョコレートピール」。チョコレートの甘さと夏みかんのほろ苦さが絶妙に調和し、贅沢な味わいを生み出します。また、焼き菓子やパンの生地に混ぜ込むことで、風味豊かなアクセントを加えることもできます。

夏みかんの皮で作る:マーマレード


夏みかんの皮と果肉を一緒に煮詰めて作る「マーマレード」は、甘酸っぱさと爽やかな香りが特徴です。皮に含まれるほのかな苦味が、味わいに深みを与え、大人も楽しめる風味に仕上がります。基本的なレシピは簡単で、細かく切った夏みかんの皮と果肉を、皮の重量の60%のグラニュー糖と、皮の重量の50%の水を加えて、焦げ付かないように丁寧に煮詰めるだけです。こうすることで、とろりとした食感の美味しいマーマレードが出来上がります。お子様向けに作る場合は、皮だけでは苦味が気になるかもしれません。その際は、夏みかんの果肉を少し加えることで、甘味が増し、苦味が和らぎ、より食べやすくなります。手作りのマーマレードは、パンやヨーグルトに添えるのはもちろん、お菓子作りの材料としても重宝します。保存も可能なため、多めに作ってストックしておくと便利です。

夏みかんの皮、食べるだけじゃない!賢い活用術

夏みかんの皮は、食卓を彩るだけでなく、暮らしの中で様々な役割を果たすことができます。優れた消臭効果、洗浄効果、そしてリラックス効果は、日々の生活をより快適で豊かなものにしてくれるでしょう。今まで捨ててしまっていた皮が、環境に優しく実用的なアイテムに生まれ変わる、賢い活用術をご紹介します。

天然アロマ消臭剤としての活用


夏みかんの皮は、天然の力で消臭効果を発揮します。使い方は簡単で、まずは夏みかんの皮を天日干しで乾燥させます。数日かけてしっかりと乾燥させ、パリパリになったら準備完了です。乾燥した皮を、通気性の良い袋(例えば、お茶パックや目の細かいガーゼ袋など)に入れて、臭いが気になる場所に置いてみましょう。例えば、下駄箱やトイレ、ごみ箱の近くに置くと、夏みかんの自然な香りが広がり、気になるニオイを優しく中和してくれます。香りの強い市販の消臭剤が苦手な方にもおすすめです。

電子レンジの気になる臭いをリフレッシュ


電子レンジ内の食品臭は、なかなか消えにくいものです。そんな時も、夏みかんの皮が活躍します。使い終わった夏みかんの皮を電子レンジに入れ、約1~2分ほど加熱します。皮から出る蒸気と香りが、レンジ内の嫌な臭いを包み込み、爽やかな柑橘系の香りに変えてくれます。加熱後は、レンジの扉を開放して、蒸気と共に臭いを逃がしましょう。手軽にできるので、食事の後などに試してみてはいかがでしょうか。

キッチンシンクやガスコンロの油汚れ・水垢除去に


夏みかんの皮には、油汚れや水垢を分解する作用のある「クエン酸」が豊富に含まれています。そのため、洗剤を使わずに、シンク周りやガスコンロの汚れを落とすのに役立ちます。使い方はとてもシンプルで、夏みかんの皮の内側の白い部分で、シンクの水垢やガスコンロ周りの油汚れを直接こすり洗いするだけです。特にシンクの水垢には、クエン酸が効果を発揮し、輝きを取り戻します。ガスコンロのしつこい油汚れにも有効なので、ぜひお試しください。自然由来の成分なので、手荒れの心配も少なく、環境にも優しいお掃除が可能です。

お風呂でリラックス&美肌ケア


夏みかんの皮をお風呂に入れると、リラックス効果と美肌効果が期待できます。皮に含まれるリモネンは、血行促進とアロマテラピー効果をもたらし、ヘスペリジンは冷えの改善をサポートします。使い方は、夏みかんの皮を数個、通気性の良いネット(例えば、出汁パックや古くなったストッキングなど)に入れて、そのまま浴槽に入れるだけです。湯気とともに夏みかんのフレッシュな香りが広がり、まるでアロマスパスのような贅沢なバスタイムを演出します。温かいお湯と香りの相乗効果で、冷えの改善や血行促進が期待でき、体の芯から温まります。さらに、皮から溶け出した成分が、お肌に潤いを与え、しっとりとした肌へと導きます。一日の終わりに、ぜひ夏みかん風呂で心身ともにリフレッシュしてみてはいかがでしょうか。

家庭菜園の肥料に活用


夏みかんの果皮は、乾燥させて細かく砕くことで、家庭菜園の肥料として活用できます。生ごみとして処分する代わりに、土に還すことで植物の成長をサポートする、環境に優しい利用方法です。乾燥させた夏みかんの皮は、プランターの土に混ぜ込んだり、コンポスト(堆肥化容器)に投入することで、天然の肥料として働きます。皮に含まれる多様なミネラルや有機成分が、土壌の栄養となり、植物の成長を促進します。特に、クエン酸などの成分は土壌のpHレベルを整える手助けになる可能性もあります。家庭菜園を楽しまれている方は、ぜひこの方法で夏みかんの皮を有効活用し、美味しい野菜の育成に役立ててみてはいかがでしょうか。

夏みかんの皮の農薬・ワックス対策と安全な洗い方

夏みかんの皮には豊富な栄養素が含まれており、様々な活用方法があることがわかりました。しかし、皮を口にすることを考えると、どうしても気になるのが「農薬」や「ワックス」の存在です。スーパーマーケットなどで販売されている夏みかんが、どの程度の安全基準で管理されているのか、そして自宅で皮を安心して食べるにはどのような下処理を施せば良いのか、具体的な方法について詳しく解説します。安心して夏みかんの皮を楽しむために、ぜひ参考にしてください。

国産夏みかんと残留農薬の現状

スーパーなどで手に入る夏みかんは、そのほとんどが「国産」のものです。一般的に、輸入されているオレンジやレモンなどの外国産柑橘類と比較して、日本の農作物に使用される農薬(特に防カビ剤など)の量は少ない傾向にあります。日本の食品衛生法に基づき、店頭で販売されている果物は、皮を含めて口にしても問題がないように、残留農薬の基準値が厳格に定められています。したがって、「皮は食べないでください」といった特記がない限り、基本的には皮もそのまま食べても安全であると考えられています。しかしながら、それでも農薬が完全に付着していないわけではありませんし、健康への意識が高い方にとっては、少しでもリスクを減らしたいと考えるのは当然のことです。ご自身やご家族のために、気になる場合は以下の方法で丁寧に洗浄することをおすすめします。

気になるワックスとその正体

みかんの皮をむいていると、手がベタベタになったり、皮に光沢があるのを感じたことはありませんか?このベタつきの正体は「ワックス」です。ワックスには大きく分けて2種類存在します。一つは、みかん自身が乾燥から身を守るために自然に分泌するワックスで、これは人体に無害なものです。もう一つは、収穫後の出荷時に、見栄えを良くする目的や鮮度を維持するために人工的に塗布されるワックスです。この人工的なワックスも、食品添加物として認められている安全なものですが、それでも気になるという方もいるでしょう。手がベタベタになった時に、それが自然なワックスなのか、人工的なワックスなのかを消費者が見極めるのは至難の業です。そのため、夏みかんの皮を食べる際は、できる限り丁寧に洗うことを習慣にすることが大切です。特に、輸入果物には防カビ剤と一緒にワックスが塗られていることが多いため、国産であっても意識して洗浄することが推奨されます。

皮を安心して食べるための効果的な洗い方

夏みかんの皮に付着しているかもしれない農薬や表面のワックスを落とすには、「ぬるま湯+塩」を使った洗い方がおすすめです。この方法なら、物理的な洗浄力に加え、お湯の温度と塩の作用で汚れをしっかり落とせます。具体的な手順は以下の通りです。まず、きれいなボウルや桶に、40度くらいのぬるま湯をたっぷり用意します。次に、そのぬるま湯に塩を大さじ1杯ほど加え、よく混ぜて溶かします。そして、夏みかんの皮(丸ごとでも、用途に合わせて剥いたものでもOK)を塩水に入れ、手でやさしく揉み洗いします。塩の研磨効果と温かいお湯が、皮の表面についた農薬やワックス、汚れを浮かせて、きれいに洗い流してくれます。揉み洗いしていると、皮の表面がきれいになっていくのがわかるはずです。他にも洗い方はありますが、この「ぬるま湯+塩」での揉み洗いは、簡単で効果が高く、汚れが落ちているのが目に見えてわかりやすいのがポイントです。また、今は感染症予防の観点からも、食材をきちんと洗うことが大切です。もし可能であれば、「無農薬」や「有機栽培」と書かれた夏みかんを選ぶと、さらに安心して皮まで食べられます。

まとめ

夏みかんは、あの爽やかな果肉だけでなく、これまであまり注目されてこなかった皮にも、たくさんの栄養と使い道があることがおわかりいただけたでしょうか。疲労回復を助けるクエン酸、腸内環境を整えて美肌効果も期待できるペクチン、リラックス効果や血行促進作用があるリモネンやヘスペリジンなど、夏みかんは体の健康と美容を応援してくれる、まさに「まるごと優秀なフルーツ」なのです。そのまま食べるだけでなく、漢方薬の材料となる「陳皮」として、お菓子の「ピール」として、朝食にぴったりの「マーマレード」として美味しく味わえるのはもちろん、消臭剤や掃除用品、家庭菜園の肥料としてリサイクルすることもできます。皮を使うときは、ご紹介した「ぬるま湯と塩での洗い方」を参考にして、農薬やワックスを気にせず、安心して楽しんでください。旬の夏みかんを、ぜひこの機会に手に入れて、果肉も皮も、余すところなく毎日の生活に取り入れてみてください。夏みかんを「皮までまるごと」楽しむことで、あなたの食卓と暮らしが、もっと豊かで健康的なものになるはずです。


夏みかんと普通のみかん(温州みかん)の主な違いは何ですか?

夏みかんと温州みかんは、旬の時期、味、見た目に違いがあります。温州みかんの旬は冬(11月~12月頃)で、甘みが強く、サイズは小さめです。一方、夏みかんは春から夏にかけてが旬で、酸味が強く、収穫後にしばらく置いて酸味を和らげるか、木になったまま完熟させてから出荷されます。見た目は温州みかんよりも大きく、皮がゴツゴツしているのが特徴です。

夏みかんの皮にはどんな栄養成分が含まれていて、どのような効果が期待できますか?

夏みかんの皮には、主にペクチン、リモネン、ヘスペリジン、ナリンギンといった成分が含まれています。ペクチンは、腸内環境を整えて便秘を解消したり、コレステロールを抑えたり、美肌効果が期待できます。リモネンは、リラックス効果や血流改善に役立ち、ヘスペリジンは、冷え性の改善や血行促進に効果が期待できます。ナリンギンは、アレルギー反応による炎症を抑える効果が期待できます。

夏みかんの皮のあの苦味…美味しくいただく秘訣は?

生の状態では独特の苦みが際立つ夏みかんの皮。美味しく味わうには、丁寧な下処理が欠かせません。苦味を軽減するためには、皮を細かく刻み、時間をかけて水に浸したり、軽く茹でこぼす作業を繰り返すと効果的です。その後、砂糖と一緒にじっくり煮詰めて自家製ピールやマーマレードにすれば、風味豊かな味わいを楽しめます。特に、果肉をたっぷり使ったマーマレードは、自然な甘さと柑橘の爽やかな香りが絶妙に調和し、苦味をまろやかに包み込んでくれます。

夏みかん夏みかんの皮