苺アレルギー:原因、症状、対処法と安心していちごを楽しむための知識
春の訪れを告げるいちご。その鮮やかな赤色と甘酸っぱい香りは、私たちを幸せな気持ちにしてくれます。しかし、美味しいいちごが、一部の方にとってはアレルギーの原因となることも。皮膚のかゆみやじんましん、場合によっては呼吸困難など、いちごアレルギーの症状は様々です。この記事では、いちごアレルギーの原因から、具体的な症状、そして万が一の際の対処法までを徹底解説。正しい知識を身につけ、いちごを安心して楽しめるように、ぜひ最後までお読みください。

いちごアレルギーとは?症状が出る理由

甘酸っぱくて見た目も可愛らしいいちごは、多くの人々に愛される果物の一つです。しかし、残念ながら、一部の人はいちごを摂取するとアレルギー反応を起こしてしまうことがあります。いちごアレルギーは、食後の皮膚のかゆみや発疹をはじめ、呼吸困難といった重篤な症状を引き起こすこともあります。この記事では、いちごアレルギーの原因、現れる症状、そして具体的な対処法について詳しく解説し、より安心して美味しいいちごを楽しむための情報を提供します。

いちごを食べたときのかゆみはアレルギー?原因を解説

いちごを食べた後にかゆくなるのは、体が「ちょっとおかしいな?」と感じているサインです。その原因として、大きく分けて二つの可能性があります。一つは「口腔アレルギー症候群」といって、いちごの成分に体がちょっとびっくりして、アレルギー反応を起こしている状態。もう一つは「仮性アレルゲン」といって、アレルギーとは違いますが、いちごに含まれる何かが体を刺激して、かゆみを引き起こしている状態です。
どちらが原因かは、医者に診てもらわないとわからないため、自分では絶対に判断しないでください。もし、いちごを食べた後にかゆくなったら、アレルギー科や内科、耳鼻咽喉科の医者に相談してみてください。病院に行く前に、アレルギー検査ができるかどうかを電話で確認しておくと安心です。

口腔アレルギー症候群とは?原因と対処法


口腔アレルギー症候群(OAS)は、果物や野菜を食べた時に口の中や喉が痒くなるアレルギー反応のことです。いちごだけでなく、りんごやメロンなど様々な食べ物が原因になります。OASは花粉症と関係が深く、特にシラカバやハンノキなどの花粉症の人は、りんごやいちごなどのバラ科の果物を食べた時に症状が出やすいです。これは、花粉と果物に含まれるタンパク質の形が似ているため、体が間違えてアレルギー反応を起こしてしまうことが原因と考えられています。
診断を行う際には、詳細な問診に加え、血液検査、皮膚プリックテスト、経口負荷試験などが行われることがあります。医療機関を受診する際には、どの食品を摂取後にどのような症状が出たのかを詳しく記録しておくと、診断の大きな助けになります。

口腔アレルギー症候群への対処法

口腔アレルギー症候群の基本的な治療法は、原因となる食物を食事から除去することです。ただし、除去の程度は症状の重さによって異なり、必ずしも完全に食べられなくなるわけではありません。医師の指示をしっかりと守り、食べられる量や避けるべき食品を適切に判断することが非常に重要です。症状が比較的軽い場合には、加熱調理することでアレルゲンが変性し、食べられるようになることもあります。例えば、生のリンゴを食べると症状が出る人が、加熱されたアップルパイであれば問題なく食べられるといったケースも存在します。

仮性アレルゲンとは?アレルギーとの違い

仮性アレルゲンとは、アレルギーに似た症状を引き起こす物質のことですが、実際のアレルギーとは仕組みが異なります。例えば、イチゴに含まれるサリチル酸などの物質が、皮膚のかゆみや発疹の原因となることがあります。これらの物質は、イチゴだけでなく、トマトや柑橘類など、様々な食品に含まれています。アレルギーとの大きな違いは、仮性アレルゲンが免疫システムを刺激しないため、アレルギー検査では反応が出にくいことです。また、症状は摂取量によって左右されやすく、たくさん食べると症状が出やすい傾向があります。ただし、仮性アレルゲンによる症状は、アナフィラキシーのような重い状態になることは少ないと考えられています。

仮性アレルゲンによる症状への対策

仮性アレルゲンによるかゆみ等の症状を緩和するためには、一度に大量のイチゴを摂取することを避ける、体調が優れない時は控えるといった対策が有効です。さらに、食品を加熱することで仮性アレルゲンの活性が弱まり、症状が出にくくなることがあります。症状が気になる際には、専門医に相談し、適切なアドバイスを受けることを推奨します。

アレルギー表示にいちごがないのはなぜ?

食品表示法に基づき、アレルギー表示は特定の原材料を含む加工食品に対して義務付けられています。現在、鶏卵、牛乳、小麦、そば、ピーナッツ、エビ、カニの7品目が特定原材料として表示が義務化されており、他に21品目が特定原材料に準ずるものとして表示が推奨されています。しかしながら、イチゴはこれらの品目には含まれていないため、現時点ではアレルギー表示の義務対象ではありません。加工食品にイチゴが使用されているか否かを確認するには、原材料名を確認する必要があります。ただし、表示が省略される場合も存在するため、注意が必要です。
イチゴアレルギーを持つ方は、製品の原材料表示を詳細に確認し、不明な点がある場合は製造業者に問い合わせるなど、慎重な対応が求められます。また、外食時には、イチゴが使用されているかどうかを従業員に確認することが重要です。

アレルギーだった場合、いちごは避けるべき?除去の程度

日本小児アレルギー学会が発行する「食物アレルギー診療ガイドライン」によれば、口腔アレルギー症候群の治療の基本は、原因となる食物の除去です。しかしながら、除去の程度は個々の症状によって異なり、完全に除去する必要がないケースも存在します。医師の指示に従い、適切な摂取量を判断することが不可欠です。症状が軽度な場合は、加熱調理によってアレルゲン性が低下することがあるため、加熱されたイチゴ製品であれば摂取できる可能性もあります。

赤ちゃんや子どもに症状が出た場合の対処法

もし赤ちゃんや子どもがいちごを食べてアレルギーのような症状を見せた場合は、すぐに医療機関を受診してください。何を食べたか、いつ食べたか、どんな症状が出ているかを詳しく記録し、医師に伝えることが大切です。特に、ぐったりしている、呼吸が苦しそう、吐いている、全身にじんましんが出ているなどの症状は、アナフィラキシーの可能性もあるため、救急車を呼ぶなど、ためらわずに迅速に対応してください。口腔アレルギー症候群の場合は、比較的症状が軽いことが多いですが、自己判断せずに、必ず医師の診断を受けてください。

いちごアレルギーは何科を受診すべき?

いちごアレルギーが疑われる場合、まずはアレルギー科、内科、または小児科を受診するのがおすすめです。アレルギー科の専門医は、アレルギーに関する深い知識と経験を持っており、適切な検査、正確な診断、そして適切な治療を提供してくれます。小児科医は、特に子どものアレルギーに詳しく、年齢や成長段階に合わせたアドバイスや治療をしてくれます。内科医は、一般的なアレルギー症状に対応できるだけでなく、他の病気との関連も考慮した診察をしてくれます。どの診療科を受診するにしても、事前に電話で相談し、アレルギー検査が可能かどうかを確認しておくと安心です。

いちごアレルギーと花粉症の関係

いちごアレルギーは、花粉症と密接な関係があることがわかっています。特に、カバノキ科の花粉症(シラカバやハンノキなど)を持っている人が、バラ科の果物(りんご、桃、いちごなど)を食べた際に、口腔アレルギー症候群(OAS)を発症しやすいという報告があります。これは、花粉と果物に含まれるタンパク質の構造がよく似ているため、体の免疫システムが誤って反応してしまう「交差反応」が原因と考えられています。花粉症の人は、いちごを食べた時に、口の中や喉に痒みや腫れ、イガイガする感じなどの症状が出やすいことを覚えておきましょう。

アレルギーを起こしやすいフルーツは?

アレルギー反応を引き起こしやすいフルーツとしては、いちご、りんご、もも、キウイ、バナナなどが代表的です。これらのフルーツは、口腔アレルギー症候群の原因となることが多く、特に花粉症との関連が深いことで知られています。また、ラテックスアレルギーを持っている人が、アボカドやバナナ、キウイなどを食べた場合に、重いアレルギー症状を引き起こす「ラテックス-フルーツ症候群」というものもあります。アレルギー体質の人は、これらのフルーツを食べる際には十分注意が必要です。

食物アレルギー症候群とは?


食物アレルギー症候群とは、ある特定の食品を摂取した際に、体の免疫システムが過剰に反応し、様々な不快な症状を引き起こす状態を指します。現れる症状は、皮膚のかゆみや発疹、腹部の痛み、吐き気、下痢といった比較的軽いものから、呼吸困難やアナフィラキシーと呼ばれる重篤な状態まで幅広く存在します。多くの場合、食物アレルギーは幼少期に発症しますが、まれに大人になってから発症するケースも見られます。
アレルギーの原因となる食品は人それぞれ異なり、牛乳、卵、小麦、そば、ピーナッツ、エビ、カニなど、特定の食品がアレルギー反応を引き起こしやすいことが知られています。食物アレルギーの診断には、詳細な問診、皮膚テスト、血液検査、そして食物経口負荷試験などが用いられます。治療の基本は、原因となる食品を食事から完全に除去することですが、症状を緩和するために、抗ヒスタミン薬やステロイド薬が処方されることもあります。

まとめ

いちごアレルギーは、その症状や原因が非常に多様であるため、正確な知識を持ち、適切な対策を講じることが非常に大切です。この記事では、いちごアレルギーが発症する原因、現れる症状、そして具体的な対処法について詳しく解説しました。もし、いちごを食べた後に何か気になる症状が現れた場合は、自己判断せずに、必ず医療機関を受診し、専門医による正確な診断を受けることを強くおすすめします。適切な対策を行うことで、いちごアレルギーをお持ちの方でも、心配することなく快適な生活を送ることが可能です。

質問1:いちごアレルギーは大人になってから発症することはありますか?

回答1:はい、いちごアレルギーは大人になってからでも発症することがあります。特に、花粉症をお持ちの方が、大人になってから口腔アレルギー症候群を発症するケースが多く見られます。その他にも、体質の変化や免疫機能の低下なども、アレルギーの発症に影響を与える要因となることがあります。

質問2:いちごアレルギーの検査はどのような方法で行われますか?

回答2:いちごアレルギーを診断するための検査には、血液検査(特異的IgE抗体検査)、皮膚プリックテスト、食物経口負荷試験など、いくつかの方法があります。血液検査では、血液中のいちごに対するIgE抗体の有無を調べます。皮膚プリックテストでは、いちごのエキスを皮膚に少量塗布し、その反応を観察します。食物経口負荷試験では、医療機関の厳重な管理下でいちごを摂取し、症状が現れるかどうかを確認します。どの検査方法を選択するかは、医師の判断によって決定されます。

Q3:いちごアレルギーの場合、ジャムなど加熱処理されたものは食べられますか?

A3:いちごアレルギーの重症度によりますが、ジャムや加熱したいちご加工品なら摂取できるケースがあります。加熱によって、いちご由来のアレルゲンとなるタンパク質が変化し、アレルギー反応が起こりにくくなるためです。しかしながら、重度のいちごアレルギーの方は、加熱された製品でも症状が現れる可能性があるので、注意が必要です。初めて口にする際は、少量から試すようにしましょう。ご心配な場合は、医療機関を受診して医師に相談することをおすすめします。

Q4:いちごアレルギーの症状が出たら、市販薬で対応できますか?

A4:軽いいちごアレルギーの症状(軽いかゆみ、じんましんなど)であれば、市販の抗ヒスタミン剤で症状を和らげられることがあります。ただし、呼吸困難やアナフィラキシーといった重い症状が現れた場合は、市販薬での対応は難しいでしょう。すぐに救急車を呼ぶなど、医療機関で適切な治療を受けてください。また、市販薬を使用する場合でも、症状が良くならないときは、医療機関を受診して医師の診察を受けてください。
いちごアレルギー