さつまいもは秋から冬にかけて旬を迎える人気の食材。美味しく長持ちさせるには、温度と湿度の管理が大切です。
さつまいもの特性:なぜ温度と湿度が大切なの?
さつまいもを長持ちさせるためのポイントは、適切な温度と湿度を保つことです。理想的な保存温度は13~15℃、湿度は80~90%とされています。これは、さつまいもが寒さに弱く、乾燥にも弱い性質を持っているためです。温度が低すぎると低温障害を起こし、高すぎると発芽を促進してしまいます。また、湿度が低いと乾燥してしまい、食感や風味が損なわれる可能性があります。
保存の基本:適切な温度と湿度とは
さつまいもの貯蔵適温は13~15℃、湿度が80~90%とされています。夏場を除けば、さつまいもは常温保存が適しています。野菜の品質は一定ではないので、貯蔵限界は、あくまでも目安としてお使いください。品種や栽培時期によっても、貯蔵期間は異なります。実際に家庭で貯蔵すると、温度と湿度の制御精度が十分ではないので、この貯蔵期間より短くなります。常温保存する際は、以下の手順を守りましょう。
常温保存:涼しい時期に最適な保存方法
ポイント: さつまいもは洗わずに、土がついたまま保存するのが長持ちさせる秘訣です。水洗いするとカビが生えたり、傷んだりする原因になります。もし濡れてしまった場合は、天日干しして乾燥させてから保存しましょう。また、さつまいも同士がくっつかないように、立てて保存するとさらに効果的です。さつまいもを一本ずつ丁寧に新聞紙やキッチンペーパーで包みます。
- さつまいもを一本ずつ丁寧に新聞紙やキッチンペーパーで包みます。
- 包んださつまいもを、紙袋、麻袋、段ボール、または通気性の良いバスケットなどに入れます。
- 直射日光を避け、風通しの良い冷暗所で保管します。
気温が20℃を超える夏場や、購入時にさつまいもが水洗いされている場合は、冷蔵庫の野菜室で保存するのがおすすめです。冷蔵保存の目安は1週間ほどですが、低温障害のリスクを避け、風味を損なわずに美味しく食べるためには、2~3日以内に消費することをおすすめします。冷蔵保存の手順は以下の通りです。
冷蔵保存:夏場や気温が高い時期に
ポイント: 冷蔵室は温度が低すぎるため、必ず野菜室で保存してください。また、乾燥を防ぐために、ポリ袋の口はゆるめに結ぶのがポイントです。ただし、冷蔵保存は鮮度が落ちやすいため、2~3日以内に食べるのがおすすめです。
- さつまいもを一本ずつ新聞紙やキッチンペーパーで丁寧に包みます。
- ポリ袋に入れ、袋の口を軽く閉じます。
- 冷蔵庫の野菜室で保存します。
さつまいもを長期間保存したい場合は、冷凍保存がおすすめです。冷凍保存の期間は、最長で1か月ほどです。冷凍保存には、生のまま冷凍する方法と、加熱してから冷凍する方法があります
。
冷凍保存:長期保存に最適な方法
生のまま冷凍する際は、以下の手順で行います。
生のまま冷凍する方法
ポイント: アク抜きをすることで、調理時の変色を防ぐことができます。また、空気に触れると腐りやすくなるため、冷凍用保存袋に入れる際はしっかりと空気を抜きましょう。調理する際は、凍ったまま加熱するのがおすすめです。
- さつまいもを丁寧に洗い、皮はむかずに、使いやすい大きさにカットします。
- 10分ほど水に浸して、アクを取り除きます。
- しっかりと水気を拭き取り、冷凍保存用の袋に重ならないように並べて冷凍庫へ入れます。
加熱してから冷凍する場合は、以下の手順で行います。
加熱してから冷凍する方法
ポイント: 加熱してから冷凍する場合は、解凍後の煮崩れを防ぐために少し固めに加熱するのがおすすめです。輪切りや角切りにして保存すれば、凍ったまま煮物や汁物に利用できます。つぶしたさつまいもは、冷凍用保存袋に入れて平らにして冷凍し、使う分だけを折って取り出せるように溝を作っておくと便利です。
- さつまいもをよく洗い、皮つきのまま、または皮をむいてお好みの大きさにカットします。
- 電子レンジで加熱するか、鍋で茹でるなどして、さつまいもに火を通します。
- 粗熱が取れたら、冷凍用保存袋に重ならないように平らに並べて冷凍します。
カットして使い切れなかったさつまいもは、冷蔵保存が適しています。カットしたさつまいもは空気に触れると酸化が進み、変色しやすくなります。また、乾燥が進むと水分が抜けて固くなってしまうため、以下のいずれかの方法で保存しましょう。
カットしたさつまいもの保存方法
カットしたさつまいもをラップでしっかりと包み、冷蔵庫で保存します。
ラップで密閉して冷蔵庫へ
カットしたさつまいもを水に浸し、冷蔵庫で保存します。水に浸すことで変色を防ぐことができますが、栄養が流れ出てしまう可能性があるため、早めに使い切るようにしましょう。
水に浸して冷蔵庫で保管
カットしたさつまいもを水に浸し、冷蔵庫で保存します。水に浸けることで、色が変わるのを防ぎますが、栄養分が溶け出す可能性があるため、できるだけ早く使い切るようにしてください。
さつまいもは保存状態が悪いと劣化が進み、見た目や触った時の状態に変化が現れます。食べられるかどうかを見極めるために、以下のポイントを確認しましょう。
さつまいもの傷み具合を確認:チェックポイントと対応
表面がシワシワになっている場合は、水分が抜けて乾燥しているサインです。少しのシワであれば問題ありませんが、全体が乾燥している場合は早めに食べ切るようにしましょう。
表面のしわや乾燥具合
表面に白カビや黒カビが目立ち始めた場合は、腐敗が進んでいる証拠です。さつまいも全体にカビが広がっている場合は、食べずに処分しましょう。また、さつまいもが黒ずんでいる場合は、低温障害や劣化が原因です。黒ずんだ部分は苦味が出るため、切り落として使用するのが安全です。
見た目の異変(黒ずみやカビ)
触った時にブヨブヨして柔らかい状態になっている場合は、腐敗が進んでいると考えられます。加熱してもお腹を壊す危険性があるので、廃棄するのが無難でしょう。乾燥しすぎている場合も同様に、調理しても美味しく食べられる保証はありません。
触感の変化
保存期間が長くなると、自然に芽が出ることがあります。この芽に毒性はありませんが、大きく育ちすぎると栄養が芽の成長に使われてしまうため、早めに食べ切るのがおすすめです。
発芽について
せっかく購入するなら、新鮮で長持ちするさつまいもを選びたいものです。以下のポイントをチェックして、美味しいさつまいもを選びましょう。
おいしいさつまいもを選ぶコツ:新鮮さを見分ける
新鮮なさつまいもは、表面が鮮やかな紅色でツヤがあるのが特徴です。色がくすんで乾燥が広がっているものは避けましょう。
鮮やかな紅色でツヤのある外観
表面に硬いヒゲ根があるものは、成長のし過ぎや栄養の偏りが見られる可能性があります。ヒゲ根が少ないものを選びましょう。
硬いヒゲ根が少ない
手に取ったときにずっしりとした重みを感じるものが、水分がしっかりと保たれていて新鮮です。
手に持った時の充実した重み
ラグビーボールのように中心が太く、両端が細くなっている形が、美味しいさつまいもの特徴です。
中央が太く丸みを帯びた形状
保存場所にも工夫を凝らすことで、さつまいもをより長持ちさせることができます。
保存場所の工夫:最適な環境で長持ちさせる
暖かい時期は、湿度と温度を一定に保ちやすい床下収納が適しています。通気性を活かすため、バスケットや木箱などを使用しましょう。発泡スチロールに入れる場合は、底に新聞紙を敷いたり、穴を開けて湿気の逃げ道を作ると効果的です。
春~夏:涼しい床下収納を活用
秋から冬にかけては、冷蔵庫の上での保存がおすすめです。冷蔵庫の上には暖かい空気が溜まりやすいため、さつまいもに最適な保存温度になりやすいのです。発泡スチロールに入れて保存すると、断熱性があり、一定温度を保ちやすくなります。
秋~冬:冷蔵庫の上を有効活用
保存したさつまいもは、様々な料理に活用できます。焼き芋はもちろん、サラダ、煮物、汁物、スイーツなど、アレンジ次第でバリエーション豊かな料理が楽しめます。記事2で紹介されている「炊飯器でホクホク さつまいもサラダ」や「さつまいものきんぴら」、「さつまいもとオレンジ、クランベリーのサラダ」なども参考に、ぜひ色々なレシピに挑戦してみてください。
さつまいもレシピ:保存したさつまいもを美味しく調理
さつまいもは、適切な保存方法を守ることで、美味しさを長く維持することができます。常温、冷蔵、冷凍といった保存方法を使い分け、ご紹介した劣化のサインに注意しながら、さつまいもを無駄なく美味しくいただきましょう。ぜひ、この記事を参考にして、さつまいもを上手に保存し、日々の食卓を豊かにしてください。
まとめ
回答:いいえ、さつまいもは洗わずに保存するのがおすすめです。洗ってしまうと水分が残り、カビが生えたり、傷んだりする原因になります。土がついたまま新聞紙などで包み、風通しの良い冷暗所で保存しましょう。
質問1:さつまいもを水洗いしてから保存しても大丈夫でしょうか?
回答:はい、さつまいもから出た芽に毒性はありませんので、食べても問題ありません。芽を取り除けば、引き続き食べることができます。ただし、芽が大きく育ちすぎると、栄養が芽の成長に使われてしまうので、早めに食べ切るのがおすすめです。
質問2:さつまいもから芽が出てきましたが、食べても問題ないですか?
回答:さつまいもを冷凍保存した場合、保存期間は約1か月です。生のまま冷凍する場合も、加熱してから冷凍する場合も、同様に1か月を目安に食べきるようにしましょう。
質問3:さつまいもを冷凍保存した場合、どれくらいの期間保存できますか?
回答:さつまいもを冷凍保存した場合、およそ1ヶ月間保存可能です。生のまま冷凍した場合でも、加熱後に冷凍した場合でも、同様に1ヶ月を目安に消費するようにしてください。